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安藤桃子&サクラ姉妹、「1対1」の本音を語る。映画『0.5ミリ』公開記念トークショー

2014年11月18日(火) 13:55配信

(左から)監督の安藤桃子と主演の安藤サクラ

(左から)監督の安藤桃子と主演の安藤サクラ。

去る11月10日、映画『0.5ミリ』の公開を記念して、監督の安藤桃子と主演の安藤サクラによる姉妹トークショーが、東京・代官山 蔦屋書店で行なわれた。

一説によれば「世界初」とも呼ばれる、姉妹による監督&主演のタッグ。「実はやりにくかったのでは?」との質問に、姉は「それはひとつもなくて。共通言語があるんですよ。周りからは擬音にしか思えないような(笑)。同じ親から生まれてるわけですが、親は世代が違うので、見てきたことも、感じることも違ったりしますけど、私たちはほぼ同世代で、同じもの食べて、同じ環境で育った同性なので」と答え、妹は「生きものとして、とても近いんですね」とうなづいた。

「ねじれてねじれてドリルになれ、と父に言われました」(安藤サクラ)

安藤サクラ

「だから、感覚だけで理解しあえる。(監督と女優という関係だけではなく)人としてのリスペクトがちゃんとあるから、それが成り立つんだと思います。心強い間柄」(安藤桃子)

父、奥田瑛二がエグゼクティヴ・プロデューサーでもある本作。映画監督としても大先輩である奥田には「作品そのものには口出ししない」約束で参加してもらったという桃子監督だが、奥田は現場で、大御所、津川雅彦らの待ち時間のお相手をプロデューサーとして見事に務めてくれたそう。

家でも父を「奥田さん」と呼び、「ある種の師弟関係を築いている」姉に対して、妹は父とは距離を置いてきたと告白。しかし、座右の銘「ドリルになれ」は奥田のことばであることを明かした。「『お前はねじれている。だが、ねじれてもいい。どうせなら、ねじれてねじれてねじりまくって、真っ直ぐ穴を開けるドリルになれ』と、反抗期に言われたんです」(安藤サクラ)

そして、3ヵ月ほど前に父への想いも変化したという。
「夫(柄本佑)は、父のこと『パピー』と呼んだりするくらい、仲がいいんですよ。夫は俳優です。そして、血がつながってる父も俳優。そのことによって、私も共有しあえるものがある。それはとても幸せなことなのではないか。そこから、父を見る目が変わりました」(サクラ)
「佑君とサクラという夫婦を、父はめちゃくちゃ尊敬してると思うんです。ふたりがいないときに『あいつらの台詞の覚え方を聞いて、俺も最近それでやってるんだ』なんて言ってましたから」(桃子)

「1対1でうまくいかなかったら、何人集まってもうまくいかない」(安藤桃子)

安藤桃子

安藤家の祖母の介護体験をきっかけに、この映画は生まれた。
「祖母の介護は、家族みんなで、というより、いかに祖母と、ひとりひとりが、それぞれの関係性でコミュニケーションをとるか、ということでした。祖母が亡くなったいま、振り返ると、すごく家族として強くなったと思います」(サクラ)

「one to one」の考え方は、映画作りにも影響したという。「たとえば、5人グループというものがあるとします。でもそれって『5人のグループ』じゃないんです。5人それぞれが、1対1の関係がしっかりあった中で、そこに5人集まってるというだけのことじゃないかって、随分経ってから気づいた。たとえば、ふたりでいることと、グループでいることは変わらない。10人であろうが、20人であろうが、1対1であることに変わりはない。社会も実はそうで。全部いっしょくたでセット、なんていうことはないんだなと。それが、いまの私の『答え』です。映画の現場もそうですけど、1対1でうまくいかなかったら、何人集まってもうまくいかない。ひとつひとつ、ちゃんと向き合いましょう、って思います。(映画の主人公、介護ヘルパーの)サワちゃんは、全員と1対1できちっとかかわっているから」(桃子)

家族だからリスペクトが生まれるわけではない。誰とだって、人として1対1で向き合うことができれば、それは可能になる。映画『0.5ミリ』に横たわる、コミュニケーションの本質が、対照的な姉妹の語らいから自然に生まれたひとときだった。

(文:相田冬二)


映画『0.5ミリ』
大ヒット上映中

原作「0.5ミリ」安藤桃子(幻冬舎文庫)
監督・脚本 安藤桃子
出演 安藤サクラ / 柄本明 坂田利夫 草笛光子 津川雅彦
エグゼクティブ・プロデューサー:奥田瑛二 プロデューサー:長澤佳也 アソシエイト・プロデューサー:畠中鈴子
撮影:灰原隆裕 照明:太田博 美術:竹内公一 録音・整音:渡辺真司 音楽:TaQ フードスタイリスト:安藤和津
主題歌「残照」寺尾紗穂 作詞・作曲:寺尾紗穂(アルバム「残照」収録)(発売元:MIDI INC./Published by YANO MUSIC PUBLISHING Co.,Ltd.)
助成:文化芸術振興費補助金 企画:ゼロ・ピクチュアズ 制作:リアルプロダクツ 製作:ゼロ・ピクチュアズ リアルプロダクツ ユマニテ
配給:彩プロ
(C)2013 ZERO PICTURES / REALPRODUCTS 2013/196分/カラー/ビスタサイズ


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0.5ミリ

0.5ミリ

著者 安藤桃子 
概要 介護ヘルパーとして働くサワはある日、派遣先で老人との添い寝を頼まれたことがきっかけで職を失ってしまう。住み慣れた街を離れた彼女は、見知らぬ土地土地で見つけた老人の弱みにつけこみ、おしかけヘルパーを始めるのだが…。死を見つめることで「今を生き抜く」ことが見えてくる。老人と女性との魂の交流を描いた至極のヒューマンノベル。

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