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映画『ギリシャに消えた嘘』―キルスティン・ダンストインタビュー

2015年4月6日(月) 13:28配信

伝説的な作家、パトリシア・ハイスミス原作の「殺意の迷宮」を、ヴィゴ・モーテンセン、キルスティン・ダンスト、オスカー・アイザックら豪華キャストで映画化した『ギリシャに消えた嘘』。ギリシャのアテネとクレタ島からトルコのイスタンブールへと舞台を移しながら、詐欺師とその美貌の妻、図らずも彼らの犯罪に加担してしまった青年の逃避行が展開していく―。

本作のヒロインを演じたキルスティン・ダンストが自身の役どころや共演者、そして監督や脚本までを語りつくします。

コレット役のキルスティン・ダンスト/(C)2014 STUDIOCANAL S.A. All rights reserved.

コレット役のキルスティン・ダンスト/(C)2014 STUDIOCANAL S.A. All rights reserved.

―あなたが演じるコレットについて教えてください
私はヴィゴが演じるチェスター(ヴィゴ・モーテンセン)の妻であるコレットを演じている。彼は詐欺師で、私が彼の妻。
ストーリーは私たちがアメリカから逃走してヨーロッパにいるところから始まるの。この役柄を演じる方法はいくつもあるとは思うけれど、3人の役柄がいるこのストーリーの中で最もおもしろいのは、コレットはストーリーの核となる部分の秘密について知らないけれど、彼女の恋や結婚に対しての想いが次第に薄れていくという部分だと思う。ライダル(オスカー・アイザック)の役柄はこの部分にとても影響のある存在で、ストーリーが進むにつれ、チェスターは徐々に怪物へと変貌していく一方で、ライダルはコレットを守るの。変貌していくヴィゴはあからさまにそれを演じてはいないけど、水面下でじわじわと進行していくのが伝わって来る。コレットは物事に対して常に平然としているわけではないけど、その場に応じた態度をとるの。でも、彼女はチェスターの事を本気で愛していると思う。それは、二人の時間が楽しくないわけでもないのに、かみ合っていないと感じる時の辛さが出ているから。
コレットにとって、ライダルは常に存在している。彼女を守り、想いを寄せてくれる。同時に夫への想いは、徐々にそういった存在ではなくなっていく。自分の夫を愛しているにもかかわらず彼女の気持ちはライダルの方へ向いていくの。

―共演したヴィゴ・モーテンセンとオスカー・アイザックについて
女優として、ヴィゴとオスカーと働く事は、全く違う経験だった。そして、自身の役柄が映画の中でもこの男性二人と全く違うキャラクターであるということが、とても活きているわ。
ヴィゴと働いていて、私たちは本当によく笑った。これはとても不思議だったわ。というのも、この作品は多くの場面でとても内容的に重苦しいから。ヴィゴは常に集中していて、カメラの存在を意識しつつも、画面上で観ると彼がとても自然体でいるのがわかるの。ヴィゴはある意味、監督でもあった。 私はたまに、何が正解なのか試行錯誤する時間があったけど、彼は常に正解を知っていた。オスカーも私に似ている部分があって、脚本でひとつひとつのシーンの書き方がとても秀逸且つシンプルに書かれていた為に、色々な捉え方が出来て、そのシーンの水面下で起きている事も連想させるようになっている場面では、私とオスカーは色々な方法で何度も撮りながら、正解を出していったの。どちらのやり方も正解であって、自分がどの様なタイプの役者なのかによってそれは変わってくるの。

(C)2014 STUDIOCANAL S.A. All rights reserved.

(C)2014 STUDIOCANAL S.A. All rights reserved.

―脚本を読んだ時について
私はエージェントから脚本を渡されたの。監督はコレット役の設定について、 ストーリー上、この役柄をもっと純粋な人物にするか、もっとセクシーでライダルの部屋のベッドに入り浸っている様な役柄にするか悩んでいたと思う。原作とは少し違ったアプローチでどの方向に行くか分からかなったけど、脚本を読んだ時、私はその内容に惚れ込んだの。私はどちらかというと、「この役を絶対に演じたい」というよりは、「このストーリーを世の中の人に伝えるのを手助けしたい」という感情だった。加えて、読んだ時に“本物の映画”という感覚を覚えたの。世の中には、脚本を読んだ時に、“これこそ映画だ”とか、“この映画観に行きたい”と思わせる様な映画はあまり存在しないから…映画が成功する、女性が映画を好きになる為には、強い女性のキャラクターがいるのが条件だと思う。感情移入出来る役柄が必要だと思うの。

―ホセイン・アミニ監督について
監督にとっては、この映画が初めての監督作品。彼はとても直感的で、監督そして脚本家として頭が良くて、役者やスタッフに対してとても協力的で、自身が何を求めているのかが明確だった。そんな彼と一緒に働く事が出来て、私はとても幸せだった。とても興味深かったのは、最初の1、2日目に彼は少しずつ様子を見ながら手慣らししている感じがしたけど、一瞬にして、今までずっとその仕事をしていたかの様な佇まいだったわ。彼は、私が一緒に仕事をしてきた中で好きな監督の一人よ。
彼は、このストーリーを誰よりも知ってるけど、同時に、役者達がこの作品に対して用いるアイデアについても常に興味をもっていた。こういった環境が最高の作品を創るんだと思う。役者の意見を常に大事にしながら、彼らの好きなようにやらせて、協力的でいて、アイデアを引き出してあげる。監督は特に、そういった事を少しの言葉で表現するのに長けているの。シーンの間で、誰かと一緒にいて、何かについて長々と喋られると、その時の感覚が薄れてしまうときがある。私はどちらかというと、二言三言で、「よし、わかった」というテンポの人間。そのフローを保ちながら撮影に臨んでいるの。監督は役者達との接し方を理解しているし、脚本家としても、全てが脚本通りにいかない事も理解し、撮影が始まると、脚本が違うものとして生まれ変わったりする事も理解している。誰もが出来ることではないと思うわ。

(C)2014 STUDIOCANAL S.A. All rights reserved.

(C)2014 STUDIOCANAL S.A. All rights reserved.

―撮影現場、セット、衣装について
ロケーションも、とても素晴らしかったの。普段は入れないような場所で撮影が出来るということはとても素晴らしい経験だったわ。
この映画のデザインについては、シンプルという表現があっていると思う。大胆に主張する美しさではなく、上品でしとやかな見た目を演出しているの。
映画の中で、私たちは魅力的なカップルとして映し出されている。(インタビュー中の装いが)これがその見た目。シャネルのジュエリーを身につけたりしている。でも、徐々に、私たちの距離が離れていくのが描写されている。服装にもそのストーリーが反映されているの。たまに、それを時代劇でやりすぎると、うるさくなりすぎてしまう場合もあるけれど、この作品においては、それがとても良く考えられて、良い結果になっていると思うわ。


映画『ギリシャに消えた嘘』
4月11日(土)全国ロードショー

出演:ヴィゴ・モーテンセン、キルスティン・ダンスト、オスカー・アイザック
監督:ホセイン・アミニ(『ドライヴ』脚本)
原作:パトリシア・ハイスミス(「殺意の迷宮」)
原題:The Two Faces of January


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著者 パトリシア・ハイスミス  榊優子 

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アーティスト情報

パトリシア・ハイスミス

生年月日 1921年1月19日(74歳)
星座 やぎ座
出生地 米・テキサス フォートワース

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