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「人は、まばたきひとつで、心情が変わる」―『先生! 、、、好きになってもいいですか?』三木孝浩監督&広瀬すずインタビュー

2017年10月30日(月) 00:00配信

広瀬すず、三木孝浩監督

広瀬すず、三木孝浩監督

『青空エール』に続いて河原和音のコミックを三木孝浩監督が映画化した『先生! 、、、好きになってもいいですか?』は、珠玉の青春恋愛映画だ。撮影は昨年の11月から12月にかけて。主演の広瀬すずにとっては、リアル女子高生年齢で演じる最後の女子高生役である。

三木:すずちゃんが14歳ぐらいのときかな。最初はオーディションで会ったんです。そのときすでに、キラッキラッしてて。ただ、そのときはキャラクターのイメージとちょっと合わなくて。でも、いつか絶対ご一緒したいと思ってました。いつか、と思っているうちに、素敵な女優さんになられて。ようやく念願かなって、という感じです。今回、繊細なゆらぎを撮りたいなと思っていて。(映像的に)アップで撮るんですけど、やっぱり目でお芝居する方なんですよね。その揺れが目に出ている。それはスクリーンサイズじゃないと映えない目なんです。

(C)河原和音/集英社 (C)2017 映画「先生!」製作委員会

(C)河原和音/集英社 (C)2017 映画「先生!」製作委員会

三木監督が述べるように、これは広瀬すずにとって映画女優としての真価を存分に発揮する一作になった。生田斗真扮する伊藤先生に恋するヒロイン、響(ひびき)を演じる広瀬には、これまでの作品にはなかった新しい輝きが満ちあふれており、観客は両者の幸福なコラボレーションを体感することになる。

三木:これまですずちゃんが演じてきたキャラクターってわりと「強い」役が多かった気がして。今回は普通の女の子が、人を好きになったことで、これまでだったら言えないところを、つい言っちゃうとか、つい前に出ちゃう物語で。でも、それは強さじゃなくて、「好き」という想いが自分を後押ししてくれている。そういう普通の女の子の感覚で、いままで見せたことのないすずちゃんのキャラクター像を引き出したいなと思いながら演出してましたね。

監督が狙った「ゆらぎ」を広瀬は、凝視するカメラに応えるように、きわめて映画的な表現として昇華。たとえば、伊藤先生を前に、ふと自分の恋心に気づいたときの、発見と戸惑いと嬉しさが入り混じった表情は絶妙だ。そして、そこにいたるまでのグラデーションが素晴らしい。

広瀬:他の作品(のキャラクター)はわりとたくさん喋ってるんですよね。気持ちと身体を一体化して表現させてもらってることのほうが多いんです。でも、響は(気持ちが)顔に出ちゃう、言葉に出ちゃう、行動に出ちゃう。それが素敵だなあと思って。響の、自分で自分をわかってない感じを大切にしました。たしかに、映画が完成したら、寄りのアップがめちゃめちゃあるなって(笑)。でも、人って、まばたきひとつで心情が変わってくるタイミングがあるじゃないですか。今回は特にそこを意識したかもしれないです。(表情の)ひとつひとつに響の気持ちの決意があると思います。あ、表情変わってるなと感じてもらえたらうれしいなって。

(C)河原和音/集英社 (C)2017 映画「先生!」製作委員会

(C)河原和音/集英社 (C)2017 映画「先生!」製作委員会

そう、一瞬もスクリーンを見逃せないのだ。

三木:編集したときに、心の声が聴こえる表情になっていました。最初はもっとモノローグをいっぱい入れていたのですが、(映像的に)モノローグなしで伝わる部分が多かったので、どんどんモノローグが削られていきましたね。芝居で充分伝わる。それがとってもいいなと思います。

広瀬の説得力のある演技があったからだろう。非常に簡潔な演出であり、簡潔な映画である。余計なことをしなくても、伝わる。そんな確信が感じられる作品に仕上がっている。

三木:ある種、逃げ場がないというか。ただ人を好きになって、相手を思い遣って、だんだん自分が成長していく。それを本当にシンプルに撮らなきゃいけなかったので、僕よりもすずちゃんや生田くんの負担が大きい作品なんじゃないのかなとドキドキしながら現場に入ったんですけど、ふたりのバランスがすごくいい。ふたりの(芝居の)キャッチボールの感じが良かったです。すごく安心して撮れましたね。

広瀬:現場ではもう生田さんが、ずっとカッコいいので、伊藤先生が自分の中のどこかに「存在していました」。私は本格的なラブストーリーも初めてだったんですけど、あ、ここが違うんだ、と思ったのは、初めて(相手役に)逢ったときから意識が始まること。これから映画を撮るというよりも、これから好きになる人なんだって。生田さん自身がすごく気さくな方なので、そこに響がまっすぐになる理由もわかるんです。現場にいて、(生田の)表情を感じて、こっちも何か受けとるものがある。そんな化学反応がたくさんありました。

(C)河原和音/集英社 (C)2017 映画「先生!」製作委員会

(C)河原和音/集英社 (C)2017 映画「先生!」製作委員会

これまでも旬の女優たちの魅力を引き出してきた三木監督。その冴えはますます進化している。

広瀬:いままでやらせていただいた作品は、「本当の気持ちが通じ合うまで自分たちで何回もやる」とか、そういうようなことが多かったんですけど、今回は監督も一緒に響になってくださって。あれ? 監督が響なんじゃないか? って(笑)思っちゃうくらい細かく指示をしてくださったので、すごくわかりやすかったですし、いままでお仕事させていただいた監督とはまた違う感じだなあと。

三木:僕は特に女優さんに対してのアプローチが細かいというのがいつも反省なんですけど(笑)。僕の映画に出てもらうヒロインには、他の作品で見せないその人の可愛い部分だったり、惹かれる部分を見せてほしくて。他で出してない部分をどうやって引き出すか。チャンネルをちょっと変える。そこは意識しますね。特に、声のトーンにはうるさいよね(笑)。語尾、もうちょっと上げて、って。

広瀬:ほんと、三木さんワールドにどっぷり浸かりました。そこは頼りながら。

たしかに、台詞回しがこれまでの広瀬すずとは違う。スロウで、トーンが低い。新しい魅力だ。

広瀬:もうちょっとハスキーっぽく、とか、もうちょっと普通でいい、とか。そういう、上げ下げの微妙な調整で。

三木:結構、やってたかな。あと、僕が好きなのが、美術室の裏で、伊藤先生の秘密を知ってしまった瞬間の表情。大好きですね。あそこの「わ! 聞いちゃった!」みたいな目の動きにすごく親近感がわくし、キュートで可愛いなと。あとは、砂浜のシーン。車の中でじっと伊藤先生を見つめるときの、あの表情。何かもの言いたげだけど、先生が何言うか、ずっと見てる感じの表情は、(伊藤先生に)「もう、早く何か言ってあげて!」という気持ちになりましたね(笑)

(C)河原和音/集英社 (C)2017 映画「先生!」製作委員会

(C)河原和音/集英社 (C)2017 映画「先生!」製作委員会

最後に、ラブストーリーがもたらすものについて。

三木:これは響の初恋を描いています。初めて人のことを好きになって、一生懸命、相手のことを考えて。それまでは自分の主観が第一だったのが、先生から見て自分がどう見えるのか、相手がどう考えているのか。他者の視点に立つということを恋をしておぼえて。それで傷ついたりもするけれど、それが人の成長につながっていく。それが僕にとって、ラブストーリーのとても好きな部分です。今回は特にそこをシンプルに描いているので、観てる人も、自分が初めて人を好きになったとき、傷ついたり、喜んだりしたときのことを思い出して、そんなときに自分がひとつ成長できたなとか、そういうことを思い出してくれたら嬉しいですね

広瀬:人を想うことで、どんどん自分も変わっていくし、いろんなものが見えてくる。傷つくこともあるんだけど、「それでも、それでも」という(響の)気持ちがすごく素敵だなあと思って。後半に「大人やりすぎて、わかんなくなったんじゃないのか?」という台詞があります。その言葉は、大人の方だけじゃなく、私たちにも響くなって。自分の気持ちだけに突っ走ってるっていうのは、私もまだ高校卒業したばかりだけど、あ、忘れてたかもしれないって思いましたし。やっぱり、どこか客観的に見ちゃうから。ここまで真っ直ぐに、素直に生きるのもいいなあと思いましたし、うらやましいなあと思ったんです。ぜひ、そういうものを受け取っていただけたらうれしいなと思います。

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(取材・文:相田冬二)


映画『先生! 、、、好きになってもいいですか?』
公開中

原作:河原和音『先生!』(集英社文庫コミック版)(※1996年~2003年) 
主題歌:スピッツ「歌ウサギ」(ユニバーサルJ) 
監督:三木孝浩
脚本:岡田麿里
出演:生田斗真 広瀬すず 竜星涼 森川葵 健太郎 中村倫也 比嘉愛未 八木亜希子 森本レオ
製作:映画「先生!」製作委員会
配給:ワーナー・ブラザース映画


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著者 岡本千紘  河原和音 
原作 河原和音 
概要 島田響はごく平凡な高校二年生。ある日、親友の千草ちゃんから頼まれたラブレターを、間違えて世界史の教師・伊藤の下駄箱に入れてしまい、責任をとって取り戻すことに。この一件から、恋を知らなかった響の運命は動き出す。口ベタで、だけど生徒思いな伊藤に、響の心は初めての感情を覚えて…?累計570万部を越える名作少女マンガ原作の映画、完全ノベライズ!

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河原和音

生年月日 1972年3月11日(45歳)
星座 うお座
出生地 北海道滝川市

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