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文学系ミュージシャン・黒木渚が選ぶ、いま気になる本3冊

2015年2月22日(日) 00:00配信

  

力強い歌声と圧倒的な歌詞で、シーンでめきめきと頭角をあらわしているシンガーソングライター・黒木渚。最新シングル『虎視眈々と淡々と』では、CD購入者が読むことができる自身初の書き下ろし小説に挑戦しているなど、彼女の歌詞世界が大きく広がっている。

彼女は、大学院でポストモダン文学を学んでいたという才女。好きな作家について、「村上春樹、村上龍、江國香織、向田邦子、江戸川乱歩、京極夏彦など、作家というよりも作品のファンになる感じが強いかも知れません。曲の世界観については、例えば江戸川乱歩の少し奇妙でおどろおどろしい雰囲気が『エスパー』という曲の不気味な音に繋がっていたりします」と、彼女の音楽家としての活動にも大きな影響を及ぼしている本。今回は代官山 蔦屋書店で黒木が今気になる本を選んでもらった。


黒木渚が選ぶ3冊

『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』

アンドリュー・カウフマン 著、東京創元社 刊

まず最初に選んだのは、奇才、アンドリュー・カウフマンの作品。カナダの銀行で強盗事件が発生。ただ、強盗が盗んでいったのはお金ではなく“もっとも思い入れのあるもの”だったという不思議な比喩の世界を描いた作品をセレクト。

「新しい本との出会いを求めて本屋に立ち寄る時、私は『ジャケ買い』か『タイトル買い』をします。装丁やカバーイラストの美しさで選ぶこともあれば、興味をそそる題名が付いているものをランダムに手に取ります。『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』は、まさにそのタイトル買いです。ファンタジーの香りが微かにしながらも、『妻が縮む』という奇想天外さに、読まずにはいられないと思いました。強盗が銀行を襲った日、その場に居合わせた人は“一番大切なもの”を奪われます。その日以降、彼らの人生には奇妙な事が起こり始め、妻の場合は身長がどんどん縮んでいくという話です。物語自体はとても読み易く、サクサク読み進めた私ですが、妻が縮んで行く理由は、最後まで読んで、少し考えてからようやく『これだろう』と結論を出すことが出来ました。表面化した問題も、掘り下げれば意外な所に原因があるのかも知れません」

『137億年の物語—宇宙が始まってから今日までの全歴史』

クリストファー・ロイド 著、文藝春秋 刊

次に選んだのは、生命はどこから来たか。文明はなぜ生まれ、滅びるのかなど42のテーマで137億年を語る歴史書。「この本は、ずっと気になっていたもの」だとか。

「タイトルの通り、宇宙誕生から今日までの歴史が項目別に書かれた辞典のような形式です。この本のユニークさは、その項目にあると思います。宇宙の歴史を読み解くと言っても、そこには様々な側面が存在しており、ひとつの切り口から全てを語るのは難しいことです。この本は、歴史・生物・科学など、あらゆるアプローチから宇宙の歴史を語ります。文系も理系もごちゃ混ぜなんだけど、だからこそ歴史の中でそれらがどのように絡んで来たのかも分かります。学生時代、それぞれの科目で学んだ事が、ようやくひとつに纏まって腑に落ちた感じがしました。時間のある時にパラパラと読み返すのにもちょうど良い本だと思います」

『石田徹也全作品集』

石田徹也 著、求龍堂 刊

中高生時代は寮生活の厳しい進学校でだったため、娯楽が一切許されなかったという黒木。そのときに、文学や絵画に興味を持ち始める。好きな作家に横尾忠則、サルヴァドール・ダリ、ルネ・マグリット、マーク・ライデンを挙げる彼女が今回選んだのは、2005年に31歳で亡くなった画家・石田徹也の没後5年に合わせ出版された作品集。

「名前と作品は知っていたけど、なかなか手を伸ばせずにいた画集です。好きな画家を見つけると、ついつい画集を買ってしまい、本棚のサイズに合わず困っています(なぜか大判のものばかり買ってしまうので)。それでも、手を伸ばせば好きな作品をいつでも見られるという所有の喜びが勝つのですが、この画集については少し悩んでいました。石田徹也さんの作品には、機械や家具や生き物と合体した不思議な人間が描かれます。身体の一部がトイレの便器になっている人、両腕が重機になっている人など、見たことも無い姿の人間が描かれます。画面全体の色も、鮮やかとは言えず、どちらかと言えば冷気を帯びているような雰囲気。異物と同化する青年達の顔は、一様に憂鬱で青白く、死を見つめるような目をしています。これまでこの画集に手を出さなかったのは、ズバリ怖かったからです。ひとりの夜にページをめくってしまえば、たちまち私も作品のトーンに飲み込まれて、青年達と一緒に死を見つめなければならない気がして。それでも心惹かれて止まないこの画集、これを機に覚悟を決めました」


黒木が選んだ本は、彼女のクリエイティブを読み解くヒントにもなりそう。彼女の楽曲とあわせて上記の本も手にとると、彼女の音楽世界の違った見方ができるかもしれない。

(文:岡崎咲子)

◆合わせて読みたい

<『壁の鹿』にみる、新しいカルチャーが生まれる瞬間 黒木渚×若杉浩一(POWER PLACE)対談>

<150%でものを生み出し続ける理由 本間律子×若杉浩一(POWER PLACE)対談>

黒木渚 くろき・なぎさ

1988年宮崎県生まれ。幼少期に日本舞踊をやっていた祖母の影響で漠然とステージに対する憧れを抱く。高校卒業後、福岡へ。ギターを独学で学び、市内のライブハウスで弾き語りを始め、2010年12月には自らの名前を掲げたバンド「黒木渚」を結成。在学中は文学の研究にも没頭、また教員免許を習得する。地道に行っていたライブ活動が実を結び、2012年シングル『あたしの心臓あげる』でデビュー。2013年に12月19日バンド解散を発表し、2014年からソロとしての活動を開始。同年1st Full Album『標本箱』リリース。2015年1月に3rdシングル『虎視眈々と淡々と』をリリース。3月よりツアー「虎視眈々と淡々と」で全国を巡回。

公式サイト


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虎視眈々と淡々と

虎視眈々と淡々と

演奏者 黒木渚 
概要 黒木渚のアルバム商品「虎視眈々と淡々と」「標本箱」「はさみ」の中からいずれかを購入し、ご応募頂いたお客様の中から抽選で「ツタロックフェス2015」へご招待!
【応募期間】~2015/2/16 23:59:00まで

 作品詳細・レビューを見る 

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黒木渚

生年月日 1986年4月19日(32歳)
星座 おひつじ座
出生地 宮崎県日向市

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