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<インタビュー> The fin. コンテンポラリーなサウンドの「在りか」

2015年1月9日(金) 20:00配信

The fin.

昨年末、前田敦子がTwitter上でこんなポストをした。

「さっきMTVで、偶然見て聴いたミュージックビデオに釘付けになりました。The fin.「Night Time」」

彼女のフォロワー数は130万人を超えることから、当然反響は大きい。The fin.という兵庫県宝塚出身の4人組インディーロックバンドの存在とMVが、多くの人の目に触れられることとなった。

The fin.の特徴は、海外のインディーロック/ポップバンドとまったく時差のないサウンドをクリエイトしている点にある。ゆえに現行の日本のロックシーンにおける潮流とは明らかに一線を画した音楽像を示している。

2015年以降、この国のインディーバンド勢が、時代の移り変わりとともに細分化していくスタイルやジャンルの垣根を軽やかに飛び越えて濃密にクロスオーバーし、シーンを盛り上げていく──当事者であるアーティスト、現場に足を運んでいるリスナー、筆者のようなメディア側に立っている者も含めて、そのように確信している人は少なくない。

噛み砕いた表現をするならば、彼らはフロアで自由に踊れるグルーヴィーなサウンドを愛し、そのサウンドの響きをより忘れがたいものにすると同時に独立した求心力のある歌を書く。さらに言えば、リスナーを特別な逃避へといざなう。そして、興味深いのは彼らの多くがあくまでナチュラルに理想の音楽を追求したらこうなった、というスタンスをとっていることだ。The fin.もまたそういうバンドである。

(インタビュー・文/三宅正一)

─先日、前田敦子さんがTwitterでThe fin.の「Night Time」のMVを観て釘付けになったというポストをして話題になってましたね。

Yuto Uchino(Vo.):そうですね。ビックリしました。朝、まだうたた寝している状態であのTweetを見て。“マジかよ!?”って一瞬でバッと起きました(笑)。彼女が反応してくれたことで実際にどういう広がりがあるのかはわからないですけど、うれしかったですね。

─Yogee New Wavesのフロントマンである角館健悟くんは自分のことのように今回の一件を喜んでいて。彼のような当事者も含めて、今、多くの人が2015年以降に国内のインディシーンが盛り上がっていく期待を感じてます。

Ryosuke Odagaki(G.):そこはけっこう客観的に見ていて。ああ、盛り上がってんやなあっていう感じですね。自分たちがやりたい音楽をやっていたら自然とそういう流れが生まれていて。もちろん、面白い流れやなとは思うんですけど。

“今、俺たちは何がやりたいんやろう?”っていうことを突き詰めていったら自然にこうなった

─The fin.のメンバーはみんな幼なじみなんですよね?

Yuto:そうです。俺とドラムのNakazawaとベースのTaguchiは幼稚園からずっと一緒で。全員兵庫県の宝塚出身です。俺なんかは山のてっぺんに住んでたような環境で、イノシシにリアルに追いかけられたりしてました。あいつら突進するだけじゃなくて、ちゃんと道なりに曲がって追いかけてくるんですよ(笑)。

─海外のインディシーンと時差のない音楽像を体現していることがこのバンドの大きなポイントなんですけど、どういう変遷を経て現在の音楽性になっていったんですか?

Yuto:高校生のときに俺とRyosukeとNakazawaでASIAN KUNG-FU GENERATIONのコピーバンドを始めて。

─つまり、当時は日本のギターロックのど真ん中を通っていた。

Yuto:はい、ど真ん中を通ってました。それと平行して分け隔てなく洋楽も聴いていて。だんだん洋楽の要素が強くなっていったんですけど。

─ナチュラルに洋楽のグラデーションが濃くなっていったと。

Yuto:そう。素直にやりたいことをやろうと思ったらこうなっていって。洋楽もあんまり遠くないと思ったことは大きいですね。僕らがよくライブをやっていたのは神戸のART HOUSEというライブハウスだったんですけど。そこのブッキングマネージャーをやっていたのが、アルカラの稲村(太佑)さんなんですね。稲村さんにすごくお世話になりました。当時はまだ僕らもアジカンの延長線上な感じだったんですけど、そのアプローチもやり尽した感じもあって。徐々にスタイルが変わっていったんですよね。

Ryosuke:ほんまに自然やったと思います。周りにこういうバンドが多いから違うことをしようとか、そういう感覚もなくて。“今、俺たちは何がやりたいんやろう?”っていうことを突き詰めていったらこうなった。ただ、活動のあり方についてはいろいろ考えてましたね。The fin.というバンド名になってからまだ2年半くらいなんですけど、それ以降は地元のライブハウスには出なくなって。その結果として上京してデビューする機会にも恵まれたと思うし。

─リズム隊は自分たちの音楽性をどう捉えてますか?

Takayasu Taguchi(B.):洋楽っぽいってよく言われるんですけど、俺がYutoのデモを聴くときはそういう感覚では捉えてないんですよね。もっとスタンダードな音楽として聴いてるというか。

Kaoru Nakazawa(Dr.):俺はこのバンドでドラムを始めたからまだ全部が手探りでもあって。常にYutoが求めているビートをどう表現できるか考えながら取り組んでますね。

海外の若者も自分と同じようなことを感じてるんだなって思えたことが嬉しかった。同じ時代に生きてるんだなって

─洋楽との共時性もポイントではあるけれど、重要なのは、このバンドがこの時代のリスナーに豊かな逃避にいざなうドリーミーなポップミュージックを鳴らしてることだと思います。

Yuto:高校生から大学にかけて海外のチルウェイブのシーンが出てきて、すごく好きになって。いつもの景色が映画的に変わるのがいいなと思ったんです。音楽や映画を表現することって、時間という概念を自分で変えられることでもあると思うから。スローモーションなんて死ぬ間際とかには見るのかもしれないけど、現実には体感しないじゃないですか。

─脳がそう処理しないかぎりはね。

Yuto:そう。だからこそ、時間の性質を変化するような音楽を鳴らしたいんです。自分が覚えていた一瞬を、曲で3分も4分にもすることをいつも意識してます。それと、海外の音楽に深く触れていくなかで、そこに自分も共感できる孤独や寂しさもあったんですよね。“ああ、海外の若者も自分と同じようなことを感じてるんだな”って思えたことがうれしかった。同じ時代に生きてるんだなって。それはインターネットがあって、時差なくいろんな国の人と同じ音楽を共有できたりするところも大きいと思うんですけど。

─だから、自分もそういう音楽を日本で表現することに必然性を見出だすことができたし。

Yuto:そう、自然にそう思うことができたんです。今の日本のバンドシーンの主流は自分たちがやっていることとは別のベクトルにあると思いますけど、そもそもシーンを気にしてなくて。ほかのバンドを意識することもそんなにないし。12月に1stフルアルバム『Days With Uncertainty』をリリースしましたけど、もう2ndのことを考えてるし。さっきインディシーンが盛り上がりを見せているという話も出ましたけど、リスナーの導入になるという面ではシーンが盛り上がることはすごくいいことだと思います。ただ、僕が曲を作るうえではそういうことは関係なくて。ホントに好きなことをやるだけという感じですね。

キャッチーとかポップとかそういう観点じゃなくて、自分が気持ちいいと思うポイントを見つけていけたらいい

─普遍的な歌メロをクリエイトしようとする意志もすごく感じる。

Yuto:やっぱり歌は小さいときからずっと好きで。歌って音楽における魂の部分だと思うんですよ。そこはすごく大切にしたいです。人間の声ってホントにすごいと思うから。音楽は人間が聴くものであって、人間の声がいちばん近い楽器だと思うんですね。だからこそ、いちばん届くものだと信じてる。そのピュアさは忘れたらあかんなと思いますね。サウンドもそうですけど、キャッチーとかポップとかそういう観点じゃなくて、あくまで自分が気持ちいいと思うポイントを見つけていけたらいいなと思ってます。

─アートワークやMVにも徹底的にクールでありたいという審美眼に裏打ちされたセンスを感じさせる。ストレートに言えば、ダサいことはしたくないというマインド。

Yuto:確かにいいものだけを作りたいという思いがあって。音楽もアートワークもいい作品はいいクリエイターを呼ぶと思うんです。そういう繋がりを大事にしたいです。「Night Time」のMVの監督を務めてくれた関根光才もまさにアーティストだと思ったし。ほかのアーティストと一緒にひとつの作品を作るからこそリスペクトが生まれるから。今までは自分たちだけでバンドをやっているという感覚がどこかにあったけど、自分にはできない分野のアーティストといかに共鳴できるか。その大切さを今すごく感じてますね。

─たとえばバンドで映画のサウンドトラックをクリエイトしても面白そうだし。

Yuto:うん、映画音楽にはすごく興味があります。映画の効果音にも興味があって。SF映画のエンジン音や爆発音とかも作ってみたいですね(笑)。

◆プロフィール

Yuto Uchino、Ryosuke Odagaki、Takayasu Taguchi、Kaoru Nakazawaによる神戸在住の4人組バンド。
2014年3月、ライヴ会場限定でリリースした「Glowing Red On The Shore EP」に2曲を追加した全国流通盤をリリース。

◆TOUR INFO

The fin. "Days With Uncertainty" Release Tour
2015年2月21日(土)新宿 MARZより全5公演

◆リリース情報

Days With Uncertainty

Days With Uncertainty

2014年12月3日発売

RDCA-1036 2,200円(税抜)

TSUTAYA 予約/購入特典(抽選)
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The fin. オフィシャルサイト


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