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<インタビュー>LOVE PSYCHEDELICO「集大成ではなく新たな出会い」となるベストアルバム

2015年2月25日(水) 12:00配信

 

LOVE PSYCHEDELICOがデビュー15周年を記念したベストアルバムを2枚同時リリースした。60年代や70年代のオーセンティックなロックミュージックをアップデイトし、さらに日本の音楽シーンで大きなポピュラリティを獲得するという偉業の記録がここにある。本作に収録されている全32曲中22曲にタイアップが付いていることにも驚くが、それよりも特筆すべきはどの楽曲も何かに迎合したり、何かを譲ったりすることなく音楽至上主義を貫き制作されたことがありありとわかることだ。このインタビューでもKUMIとNAOKIのナチュラルかつピュアな音楽愛を感じてもらえると思う。(インタビュー&文:三宅正一)

集大成ではなくて新たな出会いを期待する
LOVE PSYCHEDELICOのベスト盤

—年代がシャッフルされた曲順もあいまって、新たなオリジナルアルバムのように聴けるベスト盤になってますね。

KUMI うん、そこはすごく意識しましたね。2015年のLOVE PSYCHEDELICOの作品としても楽しんでもらいたいから。昔から聴いてくれている人には新鮮な気持ちで楽しんでほしいし、このベスト盤でLOVE PSYCHEDELICOに出会う人には私たちの歴史とかは抜きにして純粋に聴いてもらえたらいいなと思って。自分たちにとってのベスト盤って、集大成とかそういうことではなくて、新たな出会いを期待するものなので。

NAOKI うん、出会いだよね。自分たちもベスト盤でいろんなアーティストと出会ってきたしね。今、思い返せば、ローリング・ストーンズだってそうだったかもしれないし。

—15年前の楽曲と最新の楽曲をここまでナチュラルに並べられるアーティストはなかなかいないと思います。

KUMI オリジナルアルバムを制作するごとに自分たちなりに新しいチャレンジはしてるんだけども、こうして振り返って聴くと変わらずやってる何かがあるんだなって思いましたね。だから、15年前の楽曲も最新の楽曲と同じ気持ちで愛することができる。そういう楽曲に囲まれていて幸せですよ。狙ってできることではないけども、普遍的な楽曲を作りたいという気持ちは15年前からずっと変わってなくて。

—常にオーセンティックなロックをモダナイズする。それを日本の音楽シーンのど真ん中でやり続けている。LOVE PSYCHEDELICOがロックと出会うきっかけだったというリスナーも少なくないと思います。

NAOKI うん、そういうことがあるとうれしいよね。

KUMI 自分たちがどういう功績を残せたのかはよくわからないけれども、ルーツをすごく大切にしていることや普遍性を意識していることは重要なポイントだと思いますよね。

NAOKI  LOVE PSYCHEDELICOをきっかけにもっと音楽が好きになって、ボブ・ディラン、ジョニ・ミッチェル、ブルース・スプリングスティーン、ストーンズって掘り下げてくれたらうれしいし。音楽ってたくさん知れば知るほど心が豊かになるから。そのきっかけになれたらいいなって思う。

—楽曲に普遍性を宿すうえで何がキーワードになるのでしょうか。

KUMI 細かく言ったら一つひとつの判断の結果なんだけど……。

NAOKI 言葉にするのは難しいよね。

KUMI でも、感覚的なことを言えば、シンプルにグッとくるかこないか。それだけだよね。頭ではありがちなコードだなと思っても、感覚的にカッコいいってなったらそっちを信頼するようにしてる。

NAOKI テクニカルな質問でよく“デリコサウンドの秘訣を教えてください”って訊かれるんだけど、このマイクをこの近さでこうやって録ったらこうなりますというものでもないから。今、KUMIの話を聞きながら思ったけど、2人で作ってることは大きいよね。

—2人の感覚が合致してるからこそ。

NAOKI 2人だけじゃないよね。みんな(リスナー)と感覚を共有できてることが重要で。

KUMI うん、そうだね。

200万枚を記録した
1stアルバム『THE GREATEST HITS』

—1stアルバム『THE GREATEST HITS』がいきなり200万枚のセールスを記録したということを当時はどのよう受け止めていましたか?

KUMI ホントにそこらへんは自分たちの予想外というか。想像もしてなかったことだから。もちろん、みんなに届くと信じて作ったアルバムなので、実際にたくさんの人に届いたことが結果として出たことは純粋に喜びましたけどね。ただ、現象的なことはよくわからなかったな。

NAOKI ヒットするというのがどういうことなのかわからなかったしね。当時の自分にしてみれば5万枚のヒットも200万枚のヒットも、ものさしがないから違いがわからないんですよ。テレビにも出ないしね。ただ、いろんな場所で自分たちの曲を耳にする機会があると、“ああ、いろんな人に聴かれてるんだな”って思ったよね。ミリオンセールスの影響というのは、あとになってからこういうことなんだって知るというか。自分たちよりも曲のほうが有名みたいなね(笑)。海外でも聴かれてたり。さっきの話じゃないけど、“最初にロックを聴いたのはデリコだった”っていうエピソードもよく聞くしね。デビュ—から15年も経つと、当時20歳だった子も今では親になって親子でライブに来てくれることもあるし。

—ホントに、何かに迎合することなくどこまでも音楽至上主義に則ってますよね。

NAOKI そうだね。デビュー当時はアマチュアからポンと世の中に飛び出ただけで、狙いとか戦略なんてまったくないからね。“なんでこういう音楽は日本にないんだろう?”くらいは思ってたけど、自分たちを理論武装するための言葉も用意せずに音楽だけ持って出てきたから。強いて言うなら、ロックに全然興味のない人のCD棚に——本人がそれをロックと気づいてないまま——僕らの作品が入ってたらいいなという夢は抱いてた。やっぱりロックは大きな夢のあるものだと思ってるから。ロック畑だけに届けるとか、そういう音楽は作りたくないなって思ってた。あとは、周りがピュアでいさせてくれたのも大きいですよ。自分たちはこうありたいと思うままにずっと同じレーベルに所属していて。だから、LOVE PSYCHEDELICOって2人だけじゃないんだよね。あくまで俺たちは音楽しか作れないから。それをいろんな場所に持っていって紹介してくれたり、ライブを形にしてくれたり、それこそこういう取材もそうですけど、ひとつのカルチャーとして成立させてくれるチームがあってこそ僕らは音楽制作に集中できるから。だから、ホントに僕らはLOVE PSYCHEDELICOの音楽制作担当みたいな意識があるんだよね(笑)。

KUMI そうだね(笑)。

映画、ドラマ、CM etc.
血の通ったコラボレーション

—このベスト盤の全32曲中22曲にタイアップがついていて。それも魅力的なチームだからこそですよね。

NAOKI うん。もっと言えば、政治的なことよりも人と人の繋がりで成立してるタイアップが多いから。こうやってタイアップの一覧を見ても、相手の顔が浮かんできますもん。だからよくあるようなコンペなどで決まっていくことじゃなくて、監督なりプロデューサーと直接コミュニケーションをとって依頼されてることが重要で。たとえば「It’s You」だったら……あれは2011年の夏だったよね。ドラマ(「絶対零度〜特殊犯罪潜入捜査〜」)の制作チームに“震災以降の世の中を元気にするようなドラマにしたいから、そういう曲を書いてほしい”ってオファーを受けて。「No Reason」は、竹中(直人)さんが監督の映画(『自縄自縛の私』)の主題歌なんだけど、あのときも竹中さんから直接オファーを受けて始まって。そういう血の通ったコラボレーションが多いんですよね。

「次に作る楽曲」と真摯に
向き合い続けた15年

—制作環境の面では10年前にプライベートスタジオ「ゴールデン・グレープフルーツ・レコーディング・スタジオ」を作ったのも大きいですよね。

KUMI そう思う。時間を気にせず実験を繰り返せるわけだから。

NAOKI もちろん、エンジニアリングの技術だったり勉強しなきゃいけないことは増えたけども、今の時代から言えばプライベートスタジオで制作とレコーディングができるのは恵まれてるよね。

—今の時代はプライベートスタジオを作れるくらいのヒットってなかなかないですし。

NAOKI そうだね。今でも音楽で稼いだお金は音楽に還元しないといけないと思ってるから。この15年間、自分たちにできることはとにかく次に作る楽曲と真摯に向き合うだけで。次に作る楽曲が最高のものにならないと、そのあとがないと思い続けてきた。次のアルバムじゃなくて、次に作る楽曲なんだよね。それを繰り返した15年と言っても過言ではないよね。

—人が聴こえるロックをクリエイトしてきた15年でもあると、このベスト盤を聴いて思いました。

NAOKI うん。ただ、自分たちはデジタルも使うんですよ。デジタルとアナログの両方のよさを知りたいと思ってる。現代を生きてるわけだから。でも、デジタルを便利使いは絶対にしない。

—打ち込みの要素がある楽曲でも人肌の体温を感じます。

NAOKI そうだと思う。本来であれば5時間かかる作業を、デジタルを頼って30分で終わらせるとか、そういう使い方はしないから。たとえばコンピューターやキーボードからドラムの音色をそのまま引っ張ってくることはしない。やっぱり音は空気に触れてほしいから、ドラムを実際に叩いて、それをマイクで拾って、打ち込みのサンプルソースとして使うということをやっている。そうやってデジタルとアナログを融合して、自分たちが大切にしているルーツミュージックの豊かさを未来の子どもたちにも届けたいなって思うんだよね。

—5月から始まるツアーには高橋幸宏さんがサポートドラマーを務めると。日本のテクノミュージックのパイオニアであるYMOのドラマーである幸宏さんがデリコのツアーに参加するというのは、今のデジタルとアナログの融合という話とリンクする部分もあると思います。

KUMI うん、そうだね。幸宏さんとツアーを回りたいという夢はずっと持っていて。おもいきって手紙を書いてお誘いしたんです。以前から面識はあったんですけど、手紙でちゃんと思いを伝えたいなって。絶対におもしろいツアーになりと思う。このツアーで得るものはきっと大きいし、それが新しい楽曲制作にも反映されると思うから。

NAOKI このベスト盤を聴いてさ、気軽にライブに遊びに来てほしいなって思う。ツアーの内容もベスト盤を反映したものになると思うから。次のツアーは自分の音楽人生において大きなターニングポイントになる。そういう気持ちでいます。

◆リリース情報

LOVE PSYCHEDELICO THE BEST Ⅰ

LOVE PSYCHEDELICO THE BEST Ⅱ

LOVE PSYCHEDELICO THE BEST SPECIAL BOX

LOVE PSYCHEDELICO THE BEST Ⅰ&Ⅱ

2015年2月18日発売

LOVE PSYCHEDELICO THE BEST Ⅰ(写真上):VICL-64273/2,500円(税抜)
LOVE PSYCHEDELICO THE BEST Ⅱ(写真中):VICL-64274/2,500円(税抜)

LOVE PSYCHEDELICO THE BEST SPECIAL BOX(写真下):VIZL-795/5,000円(税抜)
「LOVE PSYCHEDELICO OFFICIAL GUIDE BOOK」、『LOVE PSYCHEDELICO THE BEST LIVE SELECTION』(ライヴCD)付き

【『LOVE PSYCHEDELICO THE BEST Ⅰ』収録曲】1.Freedom 2.Your Song 3.Beautiful World 4.Free World 5.Shining On 6.It's You 7.Standing Bird 8.all over love 9.This way 10.Help! 11.Happy birthday 12.My last fight 13.life goes on 14.Aha!(All We Want) 15.These days 16.裸の王様
【『LOVE PSYCHEDELICO THE BEST Ⅱ』収録曲】1.Everybody needs somebody 2.LADY MADONNA~憂鬱なるスパイダー~ 3.Last Smile 4.Good times,bad times 5.Abbot Kinney 6.Shadow behind 7.Dry Town~Theme of Zero~ 8.No Reason 9.fantastic world 10.Carnation 11.I will be with you 12.I saw you in the rainbow 13.waltz 14.Beautiful days 15.I am waiting for you 16.Happy Xmas
【『LOVE PSYCHEDELICO THE BEST LIVE SELECTION』(2013年6月14日渋谷公会堂)収録曲】1.Your Song 2.Free World 3.Abbot Kinney 4.It's Ok,I'm Alright 5.No Reason 6.LADY MADONNA~憂鬱なるスパイダー~

◆ツアー情報

LOVE PSYCHEDELICO 2015-15th ANNIVERSARY TOUR-『THE BEST』

5月23日(土) 富山 富山 MAIRO
5月24日(日) 新潟新潟LOTS 
5月27日(水) 静岡 浜松 窓枠 
5月30日(土) 東京 昭和女子大学人見記念講堂
6月6日(土) 高知 高知キャラバンサライ
6月7日(日) 香川 高松オリーブホール
6月12日(金) 宮城 仙台 Rensa
6月14日(日) 北海道 札幌 ペニーレーン24
6月19日(金) 大阪 サンケイホールブリーゼ
6月20日(土) 大阪 サンケイホールブリーゼ
6月26日(金) 愛知 Zepp Nagoya
6月27日(土) 広島 広島クラブクアトロ
7月2日(木) 宮崎 宮崎 WEATHER KING
7月4日(土) 熊本 熊本B.9 V1
7月5日(日) 福岡 DRUM LOGOS 

LOVE PSYCHEDELICO THE BESTスペシャルサイト

LOVE PSYCHEDELICO オフィシャルサイト


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