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【インタビュー】パスピエ「自分たちを振り返るきっかけにもなったニューシングル

2015年4月27日(月) 11:13配信

エレクトロニックとバンドサウンド、大胡田なつきの軽やかで伸びのあるヴォーカルが映える5人組ロックバンド、パスピエがニューシングル「トキノワ」をリリース。アニメ『境界のRINNE』エンディングテーマとなる新曲の話題を中心に、彼らのバックボーン、ライブのスタンス、12月22日に控える日本武道館への思いを、パスピエの作曲を手がける成田ハネダ(Key)と大胡田なつき(Vo)に話を聞いていこう。(文:土屋恵介)

改めて自分たちを振り返るきっかけにもなった「トキノワ」

ーパスピエのニューシングル「トキノワ」は、アニメ『境界のRINNE』エンディングテーマとなる楽曲ですが、どのように制作を進めていったんですか。

成田 まずお話をいただいて、僕も大胡田も原作を読ませていただいたんです。『境界のRINNE』の内容は、高校生の女の子と男の子が、現世に来てしまった霊の起こす事件を解決していく、アクションありラブコメありなストーリーなんです。で、基本、パスピエは曲から先に作っていくスタイルなので、今回も僕が先に曲を書いたんです。原作に、古き良き日本、昔の和が描かれているんですけど、和に寄りすぎてしまうと肯定観念が強くなりすぎるので、そこを散りばめつつ曲にしていきました。元々パスピエの歌詞にはそういう部分があるので、曲、サウンドに関しては、ポップネスを意識しながら、そこでパスピエらしさをどう表現できるかを意識しました。

ー歌詞は、人との出会いや、想う相手を追いかけるラブソングにも見えるように書かれていますね。

大胡田 そうですね。歌詞は、原作のストーリー、アニメのタイトルにもある輪廻、時間、和と輪ってことについて広い考え方で捉えて書きました。私自身、生まれて死んでまた生まれ変わるっていう輪廻の思想が好きなんですよ。ただ、アニメのエンディングなので、難しい言葉や悲しい言葉を使って表現するより、言葉使いはポップな感じでまとめました。

ー地上波のアニメのタイアップは初めてだそうですが、曲作りでどんな部分が普段と違いましたか。

成田 やっぱり、初めてパスピエを聴いてくださる方もたくさんいるでしょうし、改めての自己紹介という部分も曲には込めました。改めて自分たちを振り返るきっかけにもなりましたね。

ー曲自体、曲が後半に進むに連れて広がりが増していきますね。

成田 アニメのエンディングで流れる部分では、そこで完結するポップネスを求めたんです。そこから、フルで1曲聴いたときにワクワクするような感覚は求めたかったので、1番で完結したあとを、どうドラマチックに展開させるのかは考えました。

ーヴォーカル面でこだわったところは?

大胡田 歌詞を聴いてほしかったので、あまり多くの表現を入れないように、変わったノドの使い方はしなかったです。最初から最後までがひとつにつながるストーリーに聴こえたらいいな、言葉がすっと入って気持ちいいなって感じに歌いました。

ージャケットは、毎回大胡田さんが手がけていますが、今回のポイントは?

大胡田 ジャケットは、穴を切り取るというのをやりたかったんです。あと、「トキノワ」ってタイトルが決まったので、輪を効果的に描こうと思いました。輪廻というテーマとアニメの持つ和のテイストとかを考えていく上で、万華鏡が浮かんだんです。万華鏡は同じものが回りながら中でいろんな模様に変わっていくじゃないですか。なので、中のジャケットが万華鏡の柄になってるんです。

ーなるほど。MVではメンバーが惑星のように回ってますね。

成田 曲は和から輪の発想が出て、そこから派生してMVが宇宙っぽい感じになったんです。アニメのエンディングテーマとは違う別軸で解釈できる作りができましたね。

ーそれと、ネットの「トキノワ」の特設サイトが面白い作りになっていますね。

成田 今回のMVは宇宙的な部分を表現してるけど、それは僕らサイドの提案で、捉え方を枠の中に収めるってことじゃないですか。もちろんMVはそういうものだけど、そこからリスナーの方が拡大解釈してもらえるようにしたくて、映像と連動して回りの景色が動いていくって作りにしてみたんです。みなさんにぜひ楽しんでほしいですね。

パスピエとバナナマンのコラボレーション

bananaman live 2014『Love is Gold』

ーでは、カップリングについて聞かせてください。「Love is Gold」は、バナナマンの単独ライブ「bananaman live 2014『Love is Gold』」のオープニングテーマですが、どのような経緯で手がけることになったんですか。

成田 元々、僕がバナナマンさんの大ファンでラジオをしょっちゅう聞いてたんです。そしたら、バナナマンさんもパスピエを知っててくれたみたいで、ラジオでパスピエの曲をかけてくれたり、ジングルで使ってくださってたんです。そしたらつながる機会があって、コントライブのテーマ曲のお話をいただいたんです。

ーすごくさわやかで明るい曲調ですよね。

成田 バナナマンさんのお2人のみが出るコントなので、そこで“パスピエです”みたいなことをやるのは違うなと思ったんですよ。ありがたいことに、コントのタイトルが決まっていて、なおかつ「Love is Gold」って僕らが普段使わないワードだったので、そのタイトルから広げるように、サウンドも明るさを求めました。バナナマンさんのコントライブのテーマソングとして完結できたかなと思ってます。

ー歌詞は、とても前向きな内容になってます。

大胡田 歌詞も、タイトルの“Gold”に着目して進めました。あと、ライブ用の曲だったので、ワクワクする感じを歌詞に盛り込めたかなと思います。

ーあと、CORNELIUSの「NEW MUSIC MACHINE」をカバーしたきっかけは?

成田 僕らは、シングル3枚目で、これまでもカバーを入れてきたんです。今回のシングルは、1、2曲目でポップネスを意識して作ったので、シングルを通してひとつの作品として、深みのあるものをやりたかったんです。それにふさわしい楽曲として、好きなCORNELIUSを選びました。アルバム『FANTASMA』(1997年発表)からこの曲を選んだ理由は、歌詞が興味深かったんです。歌詞に出てくる、2001年も2010年を越してしまった現在に、それを歌う面白さが追求できたらなって。

大胡田 歌は、変に工夫はせず、音とメロディに身を任せる感じで歌いました。歌詞が、2010年までのことを描いていたので、気持ち的には、今ここじゃない平行世界にいるような感覚で歌ったんです。

―過ぎてしまった未来を歌うのは不思議な感覚が生まれますよね。サウンドは、音がどんどんうねりまくるアレンジが鮮烈です。

成田 アナログシンセを使いまくりました(笑)。ライブではできないアレンジなんですけど、キーボードをいろいろ重ねて、その上で音遊びを散りばめました。この曲をやったことで、シングルとして「トキノワ」で入り口をポップに見せて、最後にカオスで終われたなって。“普通じゃ終わらないぞ”ってパスピエらしさを見せられたなと個人的に思ってます。

クラシックにインテリ系(?)、村上龍、芥川がパスピエのルーツ?

ー確かに。では、シングルの話題を離れて、お2人の音楽的なルーツを聞かせてください。

成田 僕は、ずっとクラシックをやってて、ポップスには全然触れていなかったんです。クラシックピアニストになりたくてがんばってたんですけど、大学1年のときにロックフェスに行って、ここまで違う世界があるんだって衝撃を受けて。そこからずっとロックをさかのぼる作業ばかりしてるんですよ。

―それはいつ頃ですか?

成田 2005~6年くらいですね。CDショップにある名盤と言われるものを片っ端から聴いて、そのときにクラシックとポップスを繋いでくれたのが矢野顕子さん。今だに矢野さんはフェイバリットアーティストですね。で、矢野さんが参加していたってことでYMOを聴き、近田春夫さんやP-MODELとか80年代頭の日本のニューウェイヴ、海外のXTCとかトーキングヘッズとかを聴いていったんです。そうした流れでCORNELIUSやピチカート・ファイヴとか渋谷系を聴いていったんです。

ー最近はどんなアーティストが好きですか。

成田 最近はトラックメイカーから影響を受けることが多いですね。普通バンドならドラムやベースはこうくるよねっていう概念を全部ブチ壊して、それで成立させてるのがすごいなって。カシミア・キャット、SONE、ラナ・デル・レイとか、ミックスが面白い人が好きです。R&Bも好きですよ。僕は、レーベルとかプロデューサーとか、数珠つなぎで曲を聴くことが多いので、カシミア・キャットがプロデュースしてたことからアリアナ・グランデを聴いたんです。ー大胡田さんはどうですか?

大胡田 私は音楽が大好きだったって分けではなくて、ずっと表現者になりたいと思っていて、小さい頃からいろいろ習い事をしてたんです。外に出てこれたのが音楽と絵なんです。歌が好きだと思い始めたのが、小川美潮さんの「おかしな午後」って曲を映画のエンディングで聴いてからですね。わりと父親母親の聴いてる年代の音楽も好きで、荒井由美さん、そのあとナンバーガールとかバンドを聴いてました。

成田 でもトラックメイカーも好きだよね。

大胡田 あ、インテリ系?(笑) Ibeyi、アクフェンとか、どこからやってきたか分からない音に興味があります。Ibeyiは、声の使い方に刺激をされて、久々に誰かの歌を取り入れてみようかなって、練習しようかなって思いました。

ー歌詞や、アートワークの影響は?

大胡田 歌詞は、小さい頃から読書が好きだったので本の影響が大きいです。村上龍さん、山田詠美さん、あと純文学の言葉使いが好きです。純文学だと、夏目漱石はほとんど読んでて、芥川龍之介、太宰治とか、島崎藤村の詩集もかなり読みました。ちょっと昔の日本の言葉使いは歌詞に取り入れたりもしますし、影響受けてると思います。絵は、そのときに興味があるものが、外に出ることが多いです。去年くらいから浮世絵の線がすごく気になってて。髪の塗り方、指の肉のつき方とか、浮世絵の線と、日本のカルチャーのアニメの中間くらいをいけないかなって感じで最近は描いてます。今回のジャケットだと、髪の描き方はちょっと影響されてます。

ー手描きっぽいですけど、PCで描いてますか?

大胡田 私は全部Photoshopで描いてます。ただ、私はあまり整いすぎたものが好きではないので、人間がやってるってテイストを残しつつ、ちょっとコンピューターと合わさった感じにしたいんです。なので手描きだと思われること多いんですよ。

“パスピエ・イン・武道館”の違和感を活かした世界を作りたい

ーなるほど。では、パスピエのライブでのスタンスについてお聞きしたいんですが、音源やイメージとは間逆なくらいのベクトルで、パフォーマンスはアツいですよね。

成田 そうですね(笑)。僕らに限ったことじゃないんですけど、今って情報が多い中で、タグ付けというか、何系とか、こういうバンドって枠にはめることが多いと思うんです。僕らはデビュー当時、正体不明のバンドって言われたりして。僕らが面白半分でやったものを、そういう風に解釈されるのかと思って、僕らもアーティスト写真を顔出さないで撮ったりしたんです。そうやって、どんどん引っ掻き回したいって気持ちがあるんですよ。ライブはどうなるのかと思いきやアツくやったり(笑)。

ーイメージの裏をかくような思いがあると。

成田 そうですね。でも僕ら、意外と音楽に対する考え方って真っすぐなんです。それをいかにジャケットとかで、根幹の部分を見えすぎずに探れる状態にするかを考えたりしてます。逆にライブに関しては、その瞬間をいいライブにするためだけを思ってがんばってます。

ーそして、12月22日には日本武道館公演が決定しています。ちょっと先ですが、今はどんな思いがありますか。

成田 僕自身は武道館に憧れもあるんですけど、ただバンドとしてみたときに、“パスピエ・イン・武道館”って意外な組み合わせでもあるなと思っていて。逆のその違和感を活かして、オンリーな世界を作れたらなとは思いますね。ライブハウスから大きくなっていっての終着点ってことではなく、武道館でできる表現がやれたらいいなと思います。それは、視覚的な面、音楽面でもたくさんあるので、これから詰めていきたいです。

大胡田 私も“やった!武道館!”って感じはないんですよ。“やっと武道館までたどり着きました”ってすごいヒストリーがあるわけではないし。でも、それが私はいいなと思ってます。個人的には、私はパスピエで視覚面を絵とかで表現して来たので、12月22日の時点で極まったものを全てを見せられたらいいなと思ってます。

パスピエ リリース情報

トキノワ

4月29日発売

初回限定盤 WPCL-12067 ¥1,111(税抜)
通常盤:WPCL-12068 ¥1,000(税抜)

収録楽曲
1. トキノワ
NHK Eテレ アニメ「境界のRINNE」エンディングテーマ
2. Love is Gold
バナナマン単独ライヴ「bananaman live 2014『Love is Gold』」オープニング・テーマ
3. NEW MUSIC MACHINE
CORNELIUSのカバー

パスピエ ライヴ情報

日本武道館単独公演
12月22日(火)日本武道館

パスピエ イベント情報

パスピエ presents「 印象D」
6月24日(水)東京・新木場STUDIO COAST
6月26日(金)大阪・なんばHatch
6月28日(日)名古屋・DIAMONDHALL
※対バンアーティスト、DJは後日発表

パスピエ オフィシャルサイト


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