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【インタビュー】sumika、掛け算と引き算で成立させる“ポップス”のこだわり

2015年6月2日(火) 12:00配信

2013年結成の4人組バンドsumika。ベースレスながら様々なアーティスト(ベーシストのみならず)とコラボするなどユニークな活動で注目集めている彼らが、6月10日にミニアルバム『Vital Apartment.』をリリースする。美しいメロディと聴けば風景が目に浮かぶ詞世界は、退屈な日常をワクワクしたものに変える豊潤なポップミュージック。今回のインタビューでは主に作詞作曲を手がける“建築物好き”な片岡健太(Vo・G)と、2月に正式メンバーに加入した小川貴之(Key・Cho)が登場。秘められたマニアックな曲づくりのこだわりを訊いた。(インタビュー&文:秦理絵)

自分たちが想像しない結果に着地できるんです

―かなりユニークな活動をしてますね。ライヴでは画家、映像作家、写真家とか、様々なクリエイターとコラボしてるそうですが?

片岡:メンバーがヴォーカルとギターとドラムの3人なので、ベースがいない不完全な状態なんですよ。数字でいったら常に70とか80しか自分たちでは出せない。それでベースじゃなくても、映像とか写真でもいいから、僕たちの音楽に掛け算の楽しさを出せたらと思ったんです。人がいないからこそ逆手にとってみました。

―自分たちだけの力で100にしようという発想ではなく?

片岡:それだと、毎回100を出すことが目標になっちゃうんです。でも、70でいると、30を埋めるつもりでやったら、たまに50とか60が出るんですよ。そしたら、120とか130とか。自分たちが想像しない結果に着地できるんです。

―なるほど。映像作家とか、画家はVJとかライヴペインティングとして機能すると思うんですけど。この…建築家とコラボっていうのは?

片岡:想像できないですよね(笑)。これはたまたま建築家の友だちがいて、セットを作る相談をしたっていうレベルです。もともと僕は建築が好きなんですよ。今、毎年「sumika familia」っていう自主企画をやってるんですけど、ゆくゆくはその企画で、みんなで遊べるような“スミカハウス”みたいな場所を建ててみたいんですよね。

―それで、バンド名もsumika(住処)にしたの?

片岡:そこもあります。建築物とか間取り図が好きなんです。ここにトイレかーとか、ここがバルコニーかーとか見るのが面白いんです。

―ちょっとわかりづらい(笑)。建築と音楽が通じると思ったりはしますか?

片岡:イメージなんですけど、門は曲なんですよ。開いたり閉じたりするものだから、どれぐらい開けば、つまり聴きやすければ自分たちの世界に入ってきてくれるかを考えますね。で、家は歌詞なんですよ。言い方が悪いですけど、門は立派なのに入って、家がダサいとガッカリしちゃう。そういうところは似てると思います。

―片岡くんにとって曲を作ることは家を作ること?

片岡:そう考えるとラクですね。

ヴォーカルっていう立場をなくしてまでも、コーラスで1番になるべき

―小川くんは今年2月に加入するまで、sumikaの活動をサポート目線で見ていてどういうふうに感じていましたか?

小川:1年ぐらいゲストメンバーとしてサポートをしてたんですけど、その面白い活動は魅力的でした。僕は直接メンバーからコンセプトも聞いていたし、逆にファンの方の意見も聞いてて。だからこれは成功なのか失敗なのか、実はわからないですけど。でもやってて良かったと間違いなく言えることしかなかった。だから、これはおじいちゃんになっても続けていきたい。新しいアイディアをかたちにしていくっていう作業はずっと続けていくべきだってメンバーになってより強く思ってますね。

ブリット・ロバートソン

2nd Mini Album『I co Y』

―小川くんがtwitterに書いてて印象的だったんだけど、「片岡さんじゃなかったらヴォーカルからコーラスにはならなかった」って。ふつうは「sumikaじゃなかったら加入しなかった」って書くと思うんですよね。

小川:そうですね。僕はsumikaに入って人生で初めてコーラスをやったんです。前のバンドではメインヴォーカルだったので解散して音楽をやるにしても、自分が歌っていたいって想いが強かったんです。それで自分の人生を考えたときに、sumikaっていうバンドのなかに片岡健太っていう存在がいる。で、実際に彼の歌は魅力的だし、惹きつける力もあるし。僕自身その歌を信じてる。だったら僕はヴォーカルっていう立場をなくしてまでも、コーラスで1番になるべきだなと思ったんです。

―バンドにおけるヴォーカリスト、フロントマンって唯一言葉を持ってる人でもあるから、特別な存在ですもんね。

小川:やっぱりライヴでは、みんな片岡さんを見てるんですよ。もちろん前のバンドのときも、みんな僕のことを見てて。そのギャップというか。最初はそれに耐えるのがキツかったときもあるんです。「見られたい」というよりは、今まで見られてたのに、みんな違うほうを向いちゃったっていう寂しさですよね。

―今は折り合いはつきましたか?

小川:コーラスに徹することで、彼の歌が一番伸びるところまでもっていくのが僕の仕事だと思うようになりました。今はそれも気持ち良いぐらいですね。

片岡:そんな話、初めて聞きました。嬉しいです。

―それぐらい人生を賭けてもいい男だったんだね。

小川:そうですね。

極端に言えば、バンドからオーケストラになったくらい

―そんな4人で作った最初の作品が『Vital Apartment.』になるわけですが、小川くんが入ったことでどんな変化を感じましたか?

片岡:制作は180°変わりました。今まではピアノをほしいところにだけ入れてたんですけど、今回は基本的にピアノがある状態で、曲づくりからやれるので。作詞・作曲の段階でも想像できる絵が違ったんです。極端に言えば、バンドからオーケストラになったくらい。sumikaっていうバンドの大きさが変わったような感じです。

小川:僕のなかで決めたことがあって。sumikaってリズムを曲中で変えたり、転調したりしてどんどん景色を変えていくと思うんですね。だから僕はその変化をピアノで見せていけたらいいなと思いました。各所各所でそういうスパイスを入れたり、あと今回はピアノで始まる曲を作ってみたりとか。

―「rem.」ですね。

小川:そうです。他の曲でも自分なりに積極的につけ足そうとしましたね。

片岡:それは他のメンバーもなんです。隼ちゃん(黒田隼之介)もギタリストとして出そうっていう気持ちがあるし、ドラムの荒井(智之)さんも持ってる。イメージとしては全員で100の到達点にいく感じじゃなくて、1,000ぐらい出してから不要なものを削っていけばいいかっていう。だからsumikaはみんなフォワードですよね。

―その話はちょっとびっくりした。sumikaの楽曲はみんなが主張するというよりも、比較的きれいにまとまってると思ってたから。

片岡:ギリギリのバランスだよね。

小川:そうですね。最初にみんなでアイディアを出した状態はゴチャゴチャの状態なんですよ。でも、そこから引き算をしていくなかで自分のフレーズがなくなったとしても、曲が一番生きるんであれば納得できる。そのぐらい片岡さんの作る曲のファーストインプレッションが強いので。だから、すべては曲のため、ですね。

―リード曲の「Amber」はポップで爽やかな楽曲で、「ふっかつのじゅもん」に続く、バンドの人気曲になりそうだと思いました。

片岡:あ、よかったです。僕たちはJ-POPが好きで、いろんな音楽を取り入れたいと思ってるんです。それで、「Amber」は今まで以上にJ-POP要素を多く取り入れたイメージなんですね。sumikaとしてはやったことのないジャンルだったんですけど。小川くんが加わって、見えるビジョンが広がったからこそできた曲ですね。

あんまり音楽知識をひけらかしたくない。それがsumikaフィルターですね

―いろんな音楽を取り入れてる印象はたしかに感じます。「チェスターコパーポット」はボカロ音楽っぽい雰囲気があったり?

片岡:情報量が多い現代音楽ですよね。僕は“何々っぽい”ってならずに、何々っていうジャンルまで深く飛び込んでアレンジしたいなと思ってるんです。だから「チェスターコパーポット」は2番のAメロにジプシースウィングを入れてるんですけど、かなり聴き込ました。ジャンゴ・ラインハルトとかを。アーシーな音をサンプリングして、ちゃんとルーツとなる音楽をリスペクトしながら作ってるんです。

小川:でも、ジプシー奏法は全部ギターなのでピアノはないんですね。で、昔からクラシックをやってたので、ジプシーとクラシックとを合わせてみたりして。たぶん10秒ぐらいしか使ってないですけど。そのために1日2日ずーっとそれだけを考えてました。

―でもそのマニアックなこだわりは意外とサウンドには濃くは出てないですよね?

片岡:出さないんです。あんまり音楽知識をひけらかしたくないというか。それがsumikaフィルターですね。あくまでちゃんとポップスとして成立させたいんです。J-POPって明らかに作り手のいろんな音楽知識を感じるじゃないですか。最近のaikoさんの新曲(「夢見る瞬間」)とか、西野カナさんの新曲(「もしも運命の人がいるなら」)とか。あれはブルーグラスだし、明らかにリバイバル感がある。sumikaもああいうきれいなバランスで良い音楽だなって思ってもらえたらいいですよね。

sumika リリース情報

Vital Apartment.

2015.6.10 発売

Vital Apartment.

1,700円(税抜)

【収録曲】
1.Amber 2.チェスターコパーポット 3.マイリッチサマーブルース 4.rem. 5.茜色の群青 6.グライダースライダー

sumika 公式ホームページ


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