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THE BACK HORN「自分たちにしかできないものは何なのか?」の答え

2015年9月1日(火) 17:34配信

「自分たちにしかできないものは何なのか?」。それが、9月2日にTHE BACK HORNがリリースする両A面シングル『悪人/その先へ』の原点にあった想いだ。昨年リリースした10枚目のアルバム『暁のファンファーレ』が、バンドを一歩前へと踏み出す力になったと振り返るメンバーが、いま見つめ直した自分たちの原点。そこには、善と悪の狭間で葛藤を抱えながら、それでも足掻き続ける、生々しい人間像が刻まれていた。(インタビュー&文:秦理絵)

THE BACK HORN

THE BACK HORN

─今回のシングルは4月に開催した渋谷公会堂のライブ(「KYO-MEI SPECIAL LIVE」〜人間楽団大幻想会〜」)でも披露されましたけど、制作はいつ頃ですか?

菅波栄純(G):自分が歌詞を書き始めたのは年末ぐらいです。バンドで着手したのは、年明けて早めの段階かな。その頃は、ちょうど制作どっぷりの時期だったんです。

─じゃあ、今回はシングル以外にもたくさん曲を作ってた?

菅波:そうですね。そのなかで、今回のシングルを出すにあたって、何をしていこうかっていうのは、かなり話し合いました。いま、THE BACK HORNとして、自分たちにしかできないものを、もっともっと追求しようっていう欲があるんです。それで、自分たちのどういう部分を出していくべきかをちゃんと話したんですね。最終的には、「悪人」では、ダークだけど、儚くて、へヴィな。「その先へ」では、前向きな、いろいろあるけど前進していこうぜっていう強い意志を表した曲になったんですけど。そういう両A面を出せたら、THE BACK HORNならではだねって、決まっていきましたね。

─ちょっと意外に感じたんですが、THE BACK HORNはずっと独自の世界を貫いてきたバンドだと思うんです。なぜいま自分たちにしかできないものを、と思ったんでしょう?

菅波:うーん……でもそこはブレてないというより、俺らいっつもそれを考えてるんですよね、むしろ。自分らにしかできないこと……うん。それはずっと考えてます。

“罪悪感”というのは、インディーズの頃からあるテーマ

─そういう意味では、1曲目の「悪人」というテーマは、まさにTHE BACK HORNにしかできない表現だったという?

菅波:そうですね。最初は閃きなんです。“罪悪感”っていうテーマは、THE BACK HORNではインディーズの頃からあるんです。自分のなかの罪悪感と、悪意。それと純粋さと本能と。そういうなかで“自称、悪人”を書くことが、次の一歩かなと思ったんです。それを書くことで何かがわかるかもしれないと思って。だから、あんまり他人事とは思えない悪人を書いたんです。完璧な悪人だったら、そんなに面白い曲にはならないというか。

─テーマは悪人だけど、ここに登場してる人物は、それほど悪人にもなりきれていない感じがしますもんね。

菅波:そうですよね。だから、完全に自分と一緒ではないけど、自分のなかにいそうなひとりっていうか、そういうのが人間臭いと思ったんです。でも書いてるうちに、自分のなかでは客観性がなくなってくるので、ギリギリぬるくならないようには気をつけましたね。せっかくシビアなテーマなのに、半端に同情して、曲を薄めたくはなかったんです。

堂々と「このかたちが俺たちだろ!」みたいな気がしてます

─山田さんは、この「悪人」というテーマとどういう風に向き合って歌いましたか?

山田:この曲は、最初に聴いたときから、THE BACK HORNっぽい曲だなと思ったんです。最終的に、救われたんだか、救われてないんだか、受け取り方によってはわからないんだけど。ギターの持つリフの凶暴さと美しさを兼ね備えた感じとか、気分でどんどん変わっていくような展開が人間の感情っぽいなと思って、スッと自分に入ってきました。最初は、栄純が仮歌まで入れてきたんですけど、それも良くて(笑)。

菅波:ウソつけ(笑)!

山田:その面影を残した表現もできたのかな……。栄純の声が優しいんですよね。それが「悪人」っていう曲にも合っていて。最後は激しくなるんだけど、言葉は優しくなっていくところがあるんです。そこで見えたっていうか。なんで「悪人」っていうタイトルがついたのか。「悪人」っていうのは、どういうやつなのか。「悪者」だって言ってるのは、ただ自分で言ってるだけの、すごい繊細なやつなんじゃないか。ずっと自問自答して、自分を追い詰めてしまってるんだけど、最後に誰か忘れられない存在がいて……本当は優しいやつなんだな、みたいな。表現は栄純の歌からもらったところもありますね。

菅波:知らなかった……。

─その悪人像を、より生々しくしているのが、この曲の大きな特徴でもある、どんどん変化していくサウンドの展開かなと。

岡峰光舟(B):引きずり込まれる感じがありますよね。最初の段階では、これをシングルにするっていう話はなかったんですけど。

─いわゆる、わかりやすいシングル曲ではないかもしれない。

岡峰:でも、どれをシングルにしようかってなったとき、この曲は、俺にとっちゃ瞬発力がある曲にも、メロディアスにも聴こえたんです。

松田晋二(Dr):すごくシビアだけど、パワーがすごくあるよね。

菅波:だから最終的にはこのかたちになって、シングルで出せてよかったなと思ってます。堂々と「このかたちが俺たちだろ!」みたいな気がしてますね。

─ちなみに、「悪人」って、1曲のなかに様々なストーリーが見えてきて、それは去年公開されたバックホーンの映像作品『光の音色』を見たときに込み上げてくる感覚にも似てたんです。あの作品の影響はありましたか?

菅波:ああ。言われて、なるほどな、と思いました。あの世界観は、自分たちからインスパイアされて、監督がストーリーの世界観を作り込んでくれたんですけど。それをまた、自分のなかでフィードバックしていたのかもしれないですよね。……たしかにな。自分たちにしかできないロックをやりたいって強く思ってる時期に、そういう映画があって、より高まったというのはありましたね、絶対。

山田:直接的に映画がとっかかりでできた曲ではないんですけどね。でも、この曲でTHE BACK HORNらしいって感じてるのと、THE BACK HORNありきで作った映画っていう意味で、主軸的なものは近いんだろうね。

菅波:あとは、去年の「マニアックヘブン」(年に一度の企画ライブ)で、『イキルサイノウ』(2003年リリースの3rdアルバム)の再現ライブをやったんです。それもまた良かったと思ってて。振り返ってみると、自分たちにしかできないものに向き合おうと思ってたなかで良い流れがあったのかもしれないですね。その気持ちは、前作も前々作もずっと、全部そうなんだろうけど、よりいっそうっていう気持ちがどんどん強まってます。

懐かしいロック感が、どう響くのか興味がありますね

─わかりました。一方で、「その先へ」は、ロックバンドのかっこいいところを全部入れましたっていう感じの曲です。

菅波:それを目指しました。

松田:バンドを組みたての頃によく聴いてた感じというか、90年代の懐かしさも出てるんですよ。それは自然と出てきたものだったけど、この懐かしいロック感っていうのが、いまの若者……ロックに目覚めたばっかりの人たちが、どういうふうに聴くかは楽しみなんです。懐かしさを感じるロックのリフだったり、気持ち良いへヴィなリズム。それが、何周りもして、いまの人たちにどう響くのか、けっこう興味がありますね。

─ギターとベースがユニゾンしているところとかもロックの王道感がありますよね。

松田:みんなでやる!みたいなね(笑)。

岡峰:かたまり感が出るというか、そこは無敵感も出て楽しかったです。

─そういうサウンドに、《1998》っていう歌詞が出てくるように、それこそバンド初期のことを歌ってて。初期衝動のにおいもする1曲ですね。

菅波:これもテーマは、「悪人」と同じで、自分たちにしかできないものをっていうのが出発点なんです。そういうなかで、いちばん自分たちにしかできないことは、自分たちのことを歌うことなんですよ。それはある意味、自伝だけど、ひとつのロックバンドがいて、そこで抱く葛藤は、意外とバンドをやってなくても共感できるんじゃないかと思って。もちろんステージで演奏をしてワーッてやる気持ちはわからないかもしれないけど、《リハスタの喫煙所》で、人の文句を言ってるときの気持ちはちょっとわかるかな、とか。

─たとえばバイトとか会社の仲間と愚痴を言い合う感覚ですよね(笑)。

菅波:そう。あとは、一歩踏み出すときはいつも怖いっていうのも書いたら、ちょっと伝わっていくかなと思って。そうやって書いたら面白かったんです。それは初期衝動から始まってるけど、結果的に《その先》まで続いていって、いま自分自体はこの現在の地点にいるっていうような、強い意志を示したいと思ったんです。

─歌われてる出来事は過去のことだけど、気持ちはちゃんといまに通じてる。

菅波:そうですね。

─《幕があがる度 逃げ出したくなるんだ》とか出てくる歌詞にはハッとしました。

菅波:それは、みんなは勇敢なんで、ないかもしれないですけど(笑)。自分は……そこは過去じゃなくて今なんですよ。いまだに変わらず、ちょっとビビッてる。怖ぇな。失敗したらどうしようかなとか、自分を出せなかったらどうしようとか。

─ライブ中は本当に無敵に見えるし、怖いものなんてなさそうだけど……?

松田:基本はステージに立てば無敵なんだと思うんですよ。怯えながらやってる人はいない。でも、そこに行くまでの気持ちは、みんないろいろあると思いますね。

山田:出るまでだよね。

─では最後に、10月から“「KYO-MEI 対バンツアー」~命を叫ぶ夜~”が開催されますが、これが8年ぶりの対バンツアーで。キュウソ(ネコカミ)とかユニゾン(UNISON SQUARE GARDEN)とか、勢いのある後輩バンドの存在も刺激的じゃないですか?

菅波:もちろん。俺らには先輩もたくさんいるし、同年代で言ったら、ストレイテナー、ACIDMANとかもいますからね。そういうバンドと寄り添い合って、1個のシーンを作ろうとかはしないタイプだけど、意識のどこかで共に戦ってる感はあるんです。それは年齢も何も関係なくて、音楽性が違ってもリスペクトしているし、同志のように勝手に思ってる。このロックバンドたちで、その先を目指そうっていう気持ちはあります。でも、そういう呼びかけをする性格でもないし、そんなこと呼びかけてもしょうがないと思ってるので。それぞれの勝負をしなきゃいけないなっていう、暑苦しい気持ちはありますね。

THE BACK HORN リリース情報

悪人/その先へ

2015年9月2日(水)発売

初回限定盤 VIZL-858 ¥2,000+税 通常盤 VICL-37090 ¥1,200+税
初回盤特典DVD収録内容 『イキルサイノウ』完全再現ライブ from マニアックヘブンVol.8 (2014.12.25)

【収録内容】
1. 悪人 2. その先へ 3. 路地裏のメビウスリング
【DVD収録内容】※初回盤のみ
1.惑星メランコリー 2.光の結晶 3.孤独な戦場 4.幸福な亡骸 5.花びら 6.プラトニックファズ 7.生命線 8.羽根~夜空を越えて~ 9.赤眼の路上 10.ジョーカー 11.未来

THE BACK HORN 「KYO-MEI対バンツアー」~命を叫ぶ夜~

10月2日(金) 会場:仙台Rensa 開場/開演:18:00/19:00 出演:THE BACK HORN / THE BAWDIES
10月4日(日) 会場:札幌ペニーレーン24 開場/開演:17:30/18:00出演:THE BACK HORN /アルカラ
10月10日(土) 会場:広島クラブクアトロ 開場/開演:17:00/18:00出演:THE BACK HORN /キュウソネコカミ
10月11日(日) 会場:福岡DRUM LOGOS開場/開演:17:00/18:00 出演:THE BACK HORN / ACIDMAN
10月23日(金) 会場:なんばHatch開場/開演: 18:00 19:00 出演:THE BACK HORN / MUCC
10月24日(土) 会場:名古屋ダイアモンドホール開場/開演:17:00 18:00出演:THE BACK HORN / UNISON SQUARE GARDEN
10月30日(金) 会場:Zepp Tokyo 開場/開演:18:00 19:00 出演:THE BACK HORN /ストレイテナー
チケット料金:前売り :¥4,000税込み(ドリンク代別) *3歳以上チケット必要

「KYO-MEI対バンツアー」~命を叫ぶ夜~ 特設サイト


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