J-POP(邦楽)・J-ROCK・V-ROCK・K-POPのおすすめ音楽情報なら、T-SITEニュース 音楽

Awesome City Club atagiとPORINが語るバンドの現在進行形モード

2015年10月1日(木) 12:00配信

今年4月にメジャーデビューしたAwesome City Club(以下ACC)が、前作から半年弱という短いスパンで2ndアルバム『Awesome City Track 2』(メジャー流通盤としては初)をリリースした。

前作同様、欧米のインディポップやブラックミュージックのエッセンスを、同時代の日本の音楽シーンでいかにポピュラリティを宿せるものに昇華できるかというこのバンドの視座がしっかり貫かれている。中でも7インチレコードも制作した「アウトサイダー」が素晴らしい。
ACC流の手つきでソウルやファンクのグルーヴを最高のバランスでポップに落とし込んだ文句なしの名曲だ。この楽曲の話題を軸に、バンドの現在進行形のモードをatagiとPORINに語ってもらった。(文:三宅正一)

Awesome City Club

Awesome City Club

「アウトサイダー」は答えが出ないまま作った曲でもある

—とにかく「アウトサイダー」が突出した名曲だと思っていて。この曲は、メジャーデビュー以降のACCが鳴らすポップミュージックとして完璧なバランスで成り立ってると思うんですよね。この曲をシングルで切るためにクラウドファンディングも実施してましたけど。

atagi 今までに作ったことない曲を作ろうと思ってできた感じはありましたね。

—この曲が完成したことにバンドも歓喜してると思ったんですけど、そういうテンションではないですか?

atagi いや、そういうわけでもないんですけど(笑)。

PORIN でも、確かに最高のポップソングを作ろうという意気込みは今まで以上にあったとは思います。でも、曲ができてもそこまで自信満々ではなかったんですよね。

atagi いい曲ができたという感覚もありましたけど、それと同じくらい不安もあったんですよね。この曲がちゃんと響くかなという。

PORIN 確かにこの曲は絶対に届くという手応えは正直そこまでなくて。MVをアップしたり、ライブでやったときのお客さんの反応がすごくよくて、ちょっと不思議に感じるところもあって。もちろん、うれしいのは間違いないんですけど。

atagi それは、バンドの内面的な部分も影響してると思うんですよ。この曲を作ってるときは、ACCがバンドとしてこの先どうするかということをすごく考えていて。“今こういう曲を出してもリスナーにちゃんと響くのか?”とか“この曲を出してから僕らはどうなっていくんだろう?”とか、その先の見えない未来に不安を覚えていたんです。

—そのあたりをもう少し詳しく聞かせてもらえますか?

atagi ACCとして最終的にどういう音楽を鳴らしたらいいのか、みんなでいろいろ考えてたんです。そこでさまざまな葛藤があるなかで、「アウトサイダー」は答えが出ないまま作った曲でもあるんですよね。それもあって“名曲ができた!”というテンションではなくて。僕らはわりといつも曲ができるときってそういう感じではあるんですけど。ACCはどんなサウンドでもアプローチできるという自負もあるんですけど、ただ、ACCがどういうバンドでありたいか、どういうフィールドで戦ったらいいのかを考えていて。そういう意味では「アウトサイダー」は勇気を出して振り切った曲になったとは思います。

—それがとてもいい方向に転がってると思うんですけど。

atagi ありがとうございます。結局、音楽を含めてなんでもそうですけど、表現って自分たちがやりたいことと自分たちがやって似合うものってあるじゃないですか。ACCはどんなサウンドでも鳴らせるバンドでありたいという思いは根底にあるし、僕自身は曲を作る人間としてそこは揺るぎないんですけど、じゃあバンドとしてどのように評価されたいのかを考えると悩んでしまうところもあって。このバンドは“曲がオシャレだね”とか“クラウドファンディングもやったりして戦略的だね”とかいろんな見え方をされてると思うんですけど、僕自身はなんて言うのかな……ちゃんと人に届いて、説得力のある歌を大事にしたいと思ってるんですよね。今はそう思ってるんですけど、前作までは曲にメッセージ性はいらないと思ってましたし、BGMとして最適な音楽でありたいとも思ってたんです。でも、そのあたりもちょっとずつ変化していって。

ライブ会場が大きくなっても有機的に機能する曲たち

—なるほど。ラストの「Lullaby for TOKYO CITY」というバラードも意識の変化がなければ生まれなかった曲だと思います。「アウトサイダー」とこの曲はこれからどれだけライブ会場が大きくなっても有機的に機能すると思うんですよね。

atagi うれしいです。ありがとうございます。

—たとえばクラウドファンディングを実施することもメンバー内で意見が分かれたりしたんですか?

PORIN いや、クラウドファンディングに関してはメンバーみんな乗り気でした。ただ、クラウドファンディングをやったことに対してもいろんな声があるじゃないですか。

—メジャーレーベルと契約したのにクラウドファンディングをやる意味があるのか、とか?

PORIN そうそう。でも、そういう声に打ち勝つためには曲がよくないといけないですよね。だから、「アウトサイダー」を発表してどういう反応があるのか不安もあって。

—僕も“なんでクランドファンディングをやるんだろう?”と言う人の意見は理解できるんだけど、「アウトサイダー」を聴いたら、バンドがこの曲をシングルとしてパッケージしたい、7インチのレコードも作りたいという思いは十分に合点がいったんですよね。この曲を特別な形で届けるという意義はあると思った。

atagi ありがとうございます。

PORIN そう言ってくださる方も多くて。でも、私たちがそこまで確信してなかったというのも正直あって。

—不安のほうが強かった。

PORIN そうですね。だから、結果的に「アウトサイダー」とクラウドファンディングのリンク性が高まって、相乗効果が生まれてすごくよかったなって。

—順序としては「アウトサイダー」という名曲が生まれたからクラウドファンディングを実施しようという流れだと思ってたんですけど、そうじゃなかったということですか?

atagi 違いますね。バンド内で“とにかく7インチを出したいよね”という話になって、“でも実際に7インチを作ってリリースするのはなかなか難しいよね”と。それだったら、トクマルシューゴさんがライブDVDをリリースするためにクラウドファンディングを有効活用していたりして、その方法なら7インチを作れると思ったんです。そういう経緯だったんですけど、「アウトサイダー」がここまで評価されるとは思ってなかった。もちろん、ちゃんとポップな曲を作りたかったし、そういう曲ができたとも思ってるんですけど、“こんなにいいと言ってもらえるんだ!”という驚きもあって。ある一定のリスナーには届くかもしれないけど、それ以外の人たちには届かないんじゃないかという不安を勝手に抱いてたから。予想外の反応はうれしかったです。

自分たちのアイデンティティを探すような旅でもあった

—これはアルバムを聴いても思うことですけど、あらためて、atagiくんはホントに器用なコンポーザーですね。

aragi  自分でも器用だなと思うところはあって。それは何かひとつのジャンルに固執してないからだと思うんです。だからこそ、「アウトサイダー」から始まったこのアルバムのレコーディングは自分たちのアイデンティティを探すような旅でもありました。

—いろんなことも話し合っただろうし。

atagi そうですね。あたりまえですけど、いい演奏をして、いい歌を歌うには鍛錬が必要で。じゃあ自分たちが鳴らしたいと思う音楽に対して、今どれくらいバンドの技術が伴ってるのか、それを顧みるとまだまだ甘いなと思うところがあって。もっとそういう部分を真摯に突き詰めたいという話もしましたし。

—PORINさんはどうでしょう? 前作からここまで半年弱で変化したと思うことは。

PORIN メンタル面でもいろんなことが変化したと思います。強くなったし、自信自身を俯瞰で見れるようになって。バンド全体でもより音楽と本気になって向き合うようになったと思うし。そのモードチェンジがこのアルバムで出てると思いますね。

—「アウトサイダー」はPORINさんのボーカルもとてもいいですよね。声色の魅力、その色気が最大限に引き出されてるなと思いました。PORINさんが“僕”という一人称を歌うこともそうだし。

PORIN ありがとうございます。「アウトサイダー」ではこれまでにない歌い方を試みて。マツザカ(タクミ)くんが書いた歌詞がよかったのも大きいですね。メッセージ性が強い内容の歌詞だからこそ自分も芯のある歌い方ができたなって。

atagi 曲を作る立場として今ひとつ思ってるのは、僕の音楽的な趣味って1年や2年ですぐに変わっちゃうんですよ。だからこそ、曲調じゃないところでちゃんと勝負できる1本の筋をもっと示したいなって。そこさえブレなければ、PORINがどんな歌のアプローチをしてもきっと大丈夫だと思うし。僕がアレンジはなんでもいいと思ってる分、マツザカがサウンドの方向性を導いてくれてると思っていて。そういうバンドの機能がこれからもうまく続いていけばいいなって。

PORIN あとは、やっぱりもっと大きなステージに立てるようになりたいですよね。

—しつこいけど大きなステージへ行く切符になるのが「アウトサイダー」であり、「Lullaby for TOKYO CITY」だと思います。

atagi ありがとうございます。このバンドはいろんなアプローチができることが強みであり、それゆえに迷ってしまうことも多いんですけど、とにかくそう言ってもらえるような強度のある曲をこれからいかに作っていけるかが勝負だと思いますね。「アウトサイダー」をここまで褒めてもらったから、もうちょっと自信を持っていいかもしれないですね。

PORIN うん、そうだね(笑)。

Awesome City Clubリリース情報

Awesome City Tracks 2

9月16日発売

VICL-64421 \2,000(税抜)

1.GOLD 2.what you want 3.WAHAHA 4.僕らはここでお別れさ 5.愛ゆえに深度深い 6.アウトサイダー 7.Lullaby For TOKYO CITY

Awesome City Clubライブ情報

『Awesome Talks –One Man Show-』

11月6日(金)愛知 APOLLO BASE

11月13日(金)大阪 Shangri-La

11月15日(日)福岡 DRUM SON

11月28日(土)東京 UNIT

Awesome City Clubオフィシャルサイト


「Awesome City Club」の関連記事

このタグがついた記事をもっと見る

Awesome City Tracks 2

Awesome City Tracks 2

演奏者 Awesome City Club 
歌と演奏 Awesome City Club 
作詞 マツザカタクミ 
作曲 atagi  モリシー 

 作品詳細・レビューを見る 

この記事が気に入ったら、
いいね!しよう。

Twitterでも最新記事をチェック!

この記事を読んだ人におすすめの記事

こちらの記事もおすすめ

この記事を読んだ人におすすめの作品

アーティスト情報

関連サイト


カテゴリー

T-SITEニュース エンタメトップへ戻る

アクセスランキング

  1. 『シアターカルチャーマガジン T.【ティー】38号』7/24(火)発売!木村拓哉、二宮和也の豪華W表紙!

    1位

  2. 天木じゅん、セカンド写真集で“全裸”も 史上「最大の露出」

    2位

  3. シーナ&ロケッツ・鮎川誠が葬儀直後に語った「シーナと俺」の物語 音楽――そして愛

    3位

  4. 2017年上半期、10代に人気のロックバンド!ワンオクを抑えてトップに立ったのは?【TSUTAYA ランキング】

    4位

  5. 2018年人気急上昇! 注目のロックバンド10選!

    5位

本日の人気記事ランキングTOP30

人気の画像

  • “脱げる”シンガーソングライター・藤田恵名、過激なMV & ヴィジュアル解禁
  • 小倉優香、『チア☆ダン』「JETS」センター役に大抜擢!
  • 『けものフレンズ』で大ブレイクの美少女声優・尾崎由香、初の写真集を発売!
  • ナニワのブラックダイヤモンド・橋本梨菜、ヤンジャンに堂々登場
  • 有村架純、初セルフプロデュース 25歳の「今」が詰まった写真集発売
  • 可愛すぎる音大生・みうらうみ、「グラビアン魂」に初登場
  • 出口亜梨沙、“大人エロス枠”で初表紙飾る
  • 【2018年1月~4月】TSUTAYA写真集ランキング 昨年覇者・白石麻衣の座を長濱ねるが継承?
  • エロかわいい音大生・みうらうみ、再びグラビアに登場

TSUTAYA ランキング

TSUTAYA MUSIC PLAYLIST

TSUTAYA MUSIC PLAYLISTをもっと見る

TSUTAYA映画通スタッフおすすめ

TSUTAYA映画通スタッフおすすめをもっと見る

SNS・RSS