J-POP(邦楽)・J-ROCK・V-ROCK・K-POPのおすすめ音楽情報なら、T-SITEニュース 音楽

Base Ball Bear小出祐介インタビュー「その先にある場所に向かって」

2015年11月16日(月) 12:00配信

Base Ball Bearがニューアルバム『C2』をリリースした。
“視点”や“視座”をテーマに、国内のギターロックにおけるクリシェとしての“自分語り”を禁じ手にし、またサウンドにおいてはギター主体の発想ではなくリズムセクションから派生するグルーヴを重視し、ディスコを含むソウルミュージックやファンクの要素も随所に織り交ぜている。

ギターロックバンドとしてギターロックを超越するというBase Ball Bearのアティチュードは、シンプルだからこそ趣深いアンサンブルと幾重にも仕掛けが用意されたソングライティングの練磨によって、さらなる高みに到達した。それと同時に、このトライアルに絶巓はないという証明を本作は果たしている。

ここからさらに、絶え間なく、Base Ball Bearというロックバンドはフレッシュかつストロングになっていくという期待が湧き上がる全12曲。1stアルバム『C』と相関関係にあるタイトルを冠した理由はつまり、この『C2』はバンドストーリーを大局的観点で捉えたときに新たな季節の始まりを決定的に宣言する作品になったからである。すべての楽曲の作詞作曲を手掛けるフロントマン、小出祐介の1万字強に及ぶロングインタビューをお届けする。(インタビュー&文:三宅正一)

Base Ball Bear

Base Ball Bear

『C2』はギターロックを押し広げる作品だと思う

――何度でも聴けるアルバムだと思うし、このアルバムを作ったことでまたさらに今後やりたいことも出てきたんじゃないかなと思って。

小出 そうそう、やりたいことが増えたなっていう感じはすごくありますね。達成感みたいなものもあるんですけど、それよりもバンドの今後が楽しみだなという気持ちのほうが勝ってる。“俺、次は何を作るんだろう?”みたいな。

――他のメンバーの感触はどうなんですかね?

二十九歳

『二十九歳』

小出 他のメンバーも同じようなことを思ってるんじゃないかな。ギターロック的でありながら、どれだけギターロックからはみ出るかという命題があったのが『二十九歳』なら、『C2』はギターロックを押し広げる作品だと思うんですよね。

――もはやバンドミュージックとして、音楽像も立ち位置も完全独自なものになりましたよね。

小出 うん。こういうふうに音楽を組み立てているバンドは他にあんまりいないと思いますね。ストイックにひとつのことをやってきたら、こうなったという感じですかね。サウンドに同期や打ち込み、シンセをはじめ鍵盤を一切使わないことも然り。やっぱり頭の中では鍵盤的なフレーズが鳴っちゃうこともあるんですよ。

――今作のようにブラックミュージックに寄ったアプローチが増えると余計にそういう側面はあるだろうしね。

小出 うん、そう。で、それはギターだけではなくドラムに関してもそうなんですよ。パーカッション的な音とか、アフリカンなビートを欲しくなるときもあるんだけど、それをやるにはどう考えてもひとつのドラムキットだけでやるのは難しくて。だから、そういう要素を取り入れつつも、どれだけシンプルに体現していくかという変換力が必要になるんですよね。このバンドはそういう変換をずっとやってきたから。

――たとえばラストの『「それって、for 誰?」part.2』なんかも、これだけベーシックのサウンドがスウィングしてたら、ホーンセクションを入れたくなったりもするだろうなって。

小出 ホントそうなんですよ。それこそスカパラ先輩に“すみません!いい感じのホーンを入れていただけませんでしょうか!?”ってオファーすることもできるんですけど、それをやっては意味がないんですよね。

――Base Ball Bearのサウンドではなくなってしまう。

小出 そうそう。

――今回、『C2』に向かうタームでエンジニアが変わったんですよね。

「夕方ジェネレーション」

「夕方ジェネレーション」

小出 そう、川面晴友氏、通称“ズラチン”に変わって。ズラチンは『夕方ジェネレーション』のアシスタントエンジニアだった人で。今回はスタジオもそんなにデカいところではないし、そこにずっと籠もって音の研究をするみたいな感じでしたね。これまでだったら、“俺はもっといきたい! ここをもっと追求したい!”って言っていたところを、ディレクターやこれまでお世話になったエンジニアである中村研一氏がポンピングブレーキをかけてくれていて。“気持ちはわかるけど、これ以上やっても……”みたいな感じで抑制してくれていたんですよね。でも、ズラチンは“いくところまでいこうぜ!”というタイプの人で。作品って、往々にして“あそこはもっとこうできたんじゃないか?”という部分が出てきちゃうものだけど、今回は気になるところをなるべくすべて解消しようと。だから、ギターのピッチ感やらなんやら細かく検証したり、ミックスも何回も更新したり。デスクトップ上で散々いろいろやってから“弾き直した方が早い!”って言って弾き直したこともあったし(笑)。でも、ズラチンはそれをイヤがらないんですよね。一緒になって“やろう!”って言うタイプで。

――他に中村さんとの大きな違いはどんなところにあるんですかね?

小出 もちろん、中村さんは素晴らしいエンジニアなんです。ただ、中村さんは持ち味としてポップな音に仕上がるんですね。『二十九歳』を録ってるときも中村さんのポップさをどれだけ崩すかというテーマを勝手に自分に課していたんですけど、自分のギターの音があるように、やっぱりエンジニアさんにもその人独自の音があって、中村さんからいくらはみ出ても、やっぱり芯に中村さんがいるから、中村さん的じゃないものにはどうしてもならないんですよね。それがはっきりして。“じゃあ次は別の人とやってみようかなぁ”って思ってるいるなか、リハーサルスタジオでざっくり音を録るっていうプリプロに、ズラチンに来てもらったんです。そしたら、すごく音がよくて。“あれ? ズラチンなんか特別なことした?”って訊いたら、“出てる音を録って並べただけやで”みたいなやり取りがあって(笑)。ああ、それが俺の求めている音だったんだってわかったんですよ。自分のアンプから出力されている音、ドラムキットが鳴っている感じをそのまま音源に閉じ込めるというか。それでズラチンに本チャンのレコーディングもお願いしようってなったんです。

『C』

『C』

――なるほど。そういう流れがあったんだ。今回、初回限定盤は3枚組で、『C2』のインスト盤と1stアルバム『C』のリマスタリング盤が付属していますけど、あらためて『C』を聴いたら、すごく興味深かった。

小出 ね。一周しておもしろいよね。

――良質なデモ音源を聴いているような感触もあって。

小出 実際そういう録り方をしてるしね。

小出自身が評価する当時のBase Ball Bearとは?

――今、小出くんは当時のBase Ball Bearをどう評価しますか?

小出 “荒削りだが、光るものがある”みたいな(笑)。当時、俺は22歳くらいだったんですけど、今聴いても22歳にしてはがんばってるなと思ったし、自分が好きなものに対するリスペクトを感じられる。つまり、ルーツが見える。そのうえでポップに仕上げてもいるし。自力でやっているわりにはたいしたものだなと。

――ニューウェイブやオルタナをポップに昇華する方法論もこの時点でかなり成熟してるよね。若気の至りみたいなものを感じさせない。もちろん、細かいアレンジだったり演奏やボーカルのアプローチには“今だったらこうするのに”という思いもあるとは思うけど。歌い方は今よりもエモーションを押し通してますよね。

小出 当時はこういう歌い方しかできなかったからね(笑)。

――でも、音楽的な信念はまったくブレてないと思った。

小出 うん、あんまりブレてないと思います。

――だから、小出祐介はずっと軸が揺らいでないんだなと思って。『二十九歳』も『C2』でも曖昧模糊としたものにこそ本質や真理があるという視座が通底しているんだけど、小出くんの音楽観には一切曖昧さがないんだなと思ったんですよ。

小出 ああ、確かにそれはホントにそうかも。もちろん音楽としての形はどんどん変わっていってるんだけど、コアな部分や軸足は動いてないというか。バンドに浮わついてる印象があまりないのはそういうことなのかもね。

“バンドの解散ライブの最後は「GIRL FRIEND」で終わろう”って(笑)

――そもそも、9年前にリリースした1stアルバムのリマスター盤をニューアルバムと一緒に付けるっていう発想がその証左だと思うんですよね。初期の作品は自分で聴きたくもないというアーティストも多いでしょう。

『GIRL FRIEND』

『GIRL FRIEND』

小出 そうなんですかね? 俺は逆に『C』を作ってる時点で1stアルバムが名盤と呼ばれるくらいのバンドにならないとダメだと思ってたんですよね。それは『GIRL FRIEND』というメジャーデビュー盤の1stミニアルバムを作ったときも思っていたし。“この1stがあるからBase Ball Bearはいいよね”って言われるくらいになりたいなって。

――すごく小出祐介らしい思考だなと思いますね。

小出 よく言ってたんですよ。“バンドの解散ライブの最後は「GIRL FRIEND」で終わろう”って(笑)。それが何年後かわからないし、解散することはないかもしれないけど、ラストライブで1stアルバムの曲を恥ずかしげもなくやれるバンドがカッコいいと思ってたんですよね。最初にそういうことをずっと考えてたから、今は自由にやれてるというのはあるかもしれない。

――『二十九歳』のときもそうだったけど、『C2』もセルフタイトルアルバムになるかもしれないって制作段階では言ってたじゃないですか? セルフタイトルにふさわしいアルバムを作ることが大きなモチベーションにもなったと思うんですけど、結果的にタイトルが『C2』になったのはどういう経緯があったんですか?

小出 『Base Ball Bear』というセルフタイトルアルバムにしたいって言い出すその前に、実は『HUMAN』というタイトル案があったんですが、やめたんですね。この方向だと、“歌詞で自分語りをしない”という決めていたお題をクリアできないような気がして。『二十九歳』でさんざんやったし。結果的には今回も自分語りをしてないわけではないんですけど。

――「レインメーカー」はその極地ですよね。

小出 ですよね。結果的にはやってるんだけど、ただ、スタートとして自分語りを念頭に置かずに歌詞を書くって決めてたから。あと、『HUMAN』というタイトルにすると、またコンセプチュアルなアルバムになっていくんだろうなって思ったんですよね。そんな感じで、ある程度曲作りが進んだ段階で『HUMAN』はやめようと思った時に、感触として『二十九歳』で一区切りついたわけだし、そろそろセルフタイトルでもいいかもしれないって思ったんですよ。で、そう思いながら曲作りを進めていたし、レコーディングもやっていたんだけど、やっぱり何か引っかかるところがあって。

――それはどういう部分で?

小出 何に引っかかったかというと、さっき言ったみたいにBase Ball Bearってずっと変化し続けていて、ずっとモーフィングが続いているようなバンドなので。ここで“はい、これがBase Ball Bearです!”という冠を付けちゃうのは違うんじゃないかと思って。で、それをやるならそれこそラストアルバムなんだろうなって思ったんです。“これで証明終了!”という段階のアルバムに『Base Ball Bear』というタイトルを付けるならあり得るかなって。このアルバムも、次のアルバムもきっとおもしろいものになる思ったから、逆にこの調子だと、毎回セルフタイトルを付けたいって思っちゃうんじゃないかと。

――きっとそうなるでしょうね。

小出 うん。だったらセルフタイトルはやめにしようと思って。で、マスタリングが終わったあとに歌詞カードのエディットをしなきゃいけないのもあって、歌詞を読みながらじっくり聴いてみたんですね。そこで気づいたんですけど、今回のテーマである“視点”や“視座”も、“これもまた『C』だな”と。要は、見るという意味での“see”だなと思ったんです。ああ、じゃあこれは二度目の『C』じゃないかと思って。それで、メンバーとスタッフに“『C2』ってどうですかね?”って訊いたら、“それでいこう”ってなって。

“文学的”って雰囲気で言うんじゃねえよって(笑)

――なるほどね。

小出 『C』は彼女の“she”であったり海の“sea”であったり街の“city”というテーマだったので、意味合い的には全然違うんですよね。今回、当時の資料とかもいろいろ見たんですけど、『GIRL FRIEND』の時点で『C』というアルバムを作ろうって考えていたみたいで。デビュー直後にそういう企画書みたいなものを自分で書いていて。

――そんな若手なかなかいないよ(笑)。

小出 あははははは。ノートに“『C』計画”とか書いてあって。“几帳面だな、俺!”って自分でも思いましたけどね。ちゃんと表があって、どういう曲が必要で、こういう曲順で、最後は「SHE IS BACK」で終わるとか、そういう構成を考えてたんですよね。ようやるなと思って。

――他人事みたいに言ってますけど、あなたが書いたことですよね。やっぱりそういうところもブレてないんですよね。視点や視座というアルバムのテーマ性を引き寄せるうえで、「カシカ」という曲を書いたのは大きかったんじゃないかと。これはアルバムのテーマ性を最も明示している曲ですよね。

小出 そうですね。ただ、「カシカ」は狙って書いた感じですね。視点や視座というテーマをどれくらいの濃度でアルバムに散りばめるかを調整しているなかで、そのテーマを明確に表す一曲が必要だなと思ったんですね。でも、かなりややこしいんですよ。あまりにもメタ(的視点や構造)のレイヤーがあるから。グラデーションがありすぎるんですね。「カシカ」はまさにタイトルだけじゃなくて、曲そのものがメタで覆われていて。

――この曲を書けたときはソングライターとして相当な快感があったんじゃないですか?

小出 いや、むしろ戸惑ってましたね。というのも、まず、さっき散々言っていた自分語りを言い換えると、ド直球なギターロック文法だと思っていて。

――内省的に自分を掘り下げ、語るという。

小出 そう。どれだけ自分のことを切実かつシリアスに描写し歌い上げるか、自分の深淵をどれだけ曲に投影するかというのが、2000年代初頭から続く日本のギターロックバンドの文法だと思うんですね。それって、僕らにとってはもうほとんどオートメーションというか、何も考えずにできちゃうわけですよ。それこそ、コックリさんみたいに。

――勝手に指が動くっていう(笑)。

小出 そうそう(笑)。“コックリさん、コックリさん、何を歌えばいいでしょうか?”くらいの感覚でできちゃうんです。でも、それをしてしまうのは思考停止だなって思うんですよね。「カシカ」は特にサウンドだけ聴けばド直球なギターロックですから、そこで自分語り的な歌詞をサクッと乗っけることは目を瞑っていても、寝ていてもできる。水中でもできる(笑)。

――空中でもできる(笑)。

小出 高度4000メートルでもできますね(笑)。落下中に“あ~!”って叫びながら書けちゃう。だから、「カシカ」は、2000年代初頭以降の下北沢直系的なギターロックサウンドに、思考停止していない歌詞を乗っけて、抗ってる曲なんですね。思考停止することに抗ってる。ギターロック文法で歌詞を書けば、語感的にもいくらでも気持ちよくなるんですけどね。

――サウンドに乗せづらい言葉ばかり連ねてるもんね。

小出 そう、めっちゃ乗せづらい言葉を乗せてるので。でもそれって、ある種、音楽的な気持ちよさから外れていくことにもなるじゃないですか。その気持ち悪さを形にしたいと思って作った曲だから、言葉のハマり方も歪なくらいじゃないとダメだなと思って。あとは、ポップスのアングルからすると美徳とされてることと言いますか、歌詞カードがなくても何を歌ってるかわかるみたいなことが正しいとされてるじゃないですか。

――配信時代になってきて暗黙の了解で余計にそういう風潮は強まってると思いますね。

小出 そうそう。余計にそうでしょ? 『歌詞カードないと何を歌っているかわからない曲があってはならない』なんていうルールはないのに、なぜかそういう美徳が慣例になっていて。だから、そういう風潮にも抗ってやろうと思って。ちゃんと歌詞カードを読まないとわからない曲にしようって。

――「死」と思わせて「視」だったという仕掛けが歌詞カードを読んで始めてわかるという。

小出 そう、この曲は仕掛けとしてまず、ミスリードしてるわけですよ。歌詞カードを読まないで聴くと、これは死後の世界の話なんだと思える作りになってるんですよね。見えるものが見えないとか、向かいの電車の人と目が合ったみたいな描写も、あの世とこの世を匂わせる感じになっている。でも、それはミスリードであって、この曲は現実世界の捉え方の話で、この世の話でしかないんですよね。と、強気でここまで進めておいて、この歌詞を書きながら“そもそもこれは歌詞って言っていいのか?”という疑問も浮かんでいて。ギターロック文法やポップス文法に抗いすぎて。でも、それを歌詞にするんだという意味での「カシカ」でもあるし。

――「カシカ?」、「歌詞だ!」という提示ですよね。だから、これは思考をあきらめてない人にしか書けない歌詞ですよね。

小出 これはかなり戦いました。整理するのにめっちゃ時間がかかりましたね。タイトルを先に決めてたんですけど、考えてることをどうやって形にしたらいいかよくわからなくて。この重厚な視点のレイヤーをひとつにするための言葉のチョイスがかなり難しかった。

――これはもう、独立した小出文法であり小出文学だと思う。

小出 僕もホントはこういう歌詞を“文学的”って言うんじゃないかなって思うんですけどね。“文学的な歌詞”ってよく言うじゃないですか。それって、言葉遣いとか雰囲気で言ってんだろとよく思っていて。自分が思う文学や文芸って言葉を使った芸術だから。言葉で何を表現するか、言葉で世界をどう捉えるのかっていう。最近、久々に安部公房を読み直していて。それこそ『C』を作った20代前半の頃によく読んでいたんですけど、当時は安部公房の不条理文学をSFだと思っていたんですね。でも、今読み直してみると、明らかに根底に現代批評や、当時の“型”に対する挑戦や、世界の正体を見極めようとする気概があるんですよ。批評性や言葉の表現性をもって、どれだけ抗って新しい提案をするか。誰もまだ言語化できていない世界の姿を、どう描くのか。いろんな角度から攻め込んでるんです。文学は芸術なんだなと改めて感じましたね。そう思ったら、“文学的”って雰囲気で言うんじゃねえよって(笑)。

俺は、ファッションはイヤなんですよ。限定された場所で着飾りたくない

――あとは、小出くんは言葉に対する執着や批評性がラッパー的なんだよね。RHYMESTERと共鳴しているのはそういう部分も大きいと思うんですけど。

小出 そうなんですよね。「カシカ」みたいなサウンドで自分語りをすると、消耗戦の様相を呈してくるというか。向き合う相手が限定されてくるんですよね。

――対シーンであり対リスナーという点においてもね。

小出 そうそう。それって見方を変えたらファッション的でしょ?スタイル化したファッションだと思う。俺は、ファッションはイヤなんですよ。限定された場所で着飾りたくないんです。

――このアルバムはギターロック=若者が聴く音楽と限定されることからも抗っていると思う。言うなれば、全世代に向かってる。『二十九歳』もそういう面があったけど、より世代を限定しない音楽表現になってると思います。

小出 うん。むしろ50代から60代くらいの方々に聴いてもらいたいですよね。あのころのイズムがしっかりあった音楽を聴いてきた人たちに。

――もちろん若者にも聴いてほしいんだけどね。

小出 でも、60年代や70年代の音楽をリアルタイムで聴いていた人がこのアルバムを聴いてどう思うんだろうという興味はすごくありますね。

――現代のバンドのいろんなオマージュを感じられるおもしろさもあると思います。たとえば、「美しいのさ」は、くるりの「ばらの花」のオマージュなのかなと思うし。

小出 うん、岸田(繁/くるり)さんにアルバムを聴いてもらったら、この曲が好きだと言ってましたね。うれしかったし、おもしろかった。

――「ホーリーロンリーマウンテン」はMr.Childrenの『深海』の「シーラカンス」が元ネタなのかなと。

小出 そうそう、「シーラカンス」とコード進行が同じなんですよ。よくそこに気づいたね。

――音の鳴りも近いなって。

小出 でもね、音の鳴りは、僕のなかではthe brilliant greenを意識していて。

――そっちのUK感か(笑)。あと、「どうしよう」はペトロールズ感がありますよね。コーラスのあり方なども含めて。

小出 うん、あると思います。ペトロールズに対する憧れはずっと持ってるんですけど、ペトロールズ的なことを4人のバンドメンバーでやるのってクソ難しいんですよ。あらためてペトロールズのニューアルバム『Renaissance』を聴いて大好きだなと思ったし、グルーヴが生き生きとしていて、その揺らぎも含めてすごく人間的じゃないですか。ちょっと話は逸れるけど、ルネサンス期って、西洋の美術史としてどういう動きがあった時代かというと、人間的な芸術――人間らしさの再生や復活を目指した時代なんですよね。レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」もそうですけど、人間を人間として捉える作品であったり。で、ペトロールズの『Renaissance』というアルバムもホントにそういう作品だなと思って。あの3人のメンバーが演奏している人間力や生命力を強く感じる。そこがやっぱり素晴らしいなと思ったし、『Renaissance』というタイトルはこれしかないなと思った。

――まさにね。

小出 「どうしよう」の話に戻すと、ペトロールズのサウンドの作り方を10年前くらいに亮ちゃん(長岡亮介)に訊いたことがあって。そのときに、そもそもの考え方として、ドラムがどうとかベースがどうとかギターがどうという発想ではなく、3つで1個の楽器になるようにしていると言っていて。

――三位一体ということですよね。

小出 そうそう、三位一体。そのとき“ああ、なるほど!”と思ったんですよ。でも、それをギター2本編成でやるのはなかなか難しいし、そもそも、リズムが強くないとできない。当時は体も頭も全然追いつかなかったけど、やっぱり僕も四位一体、というか、“三位一体のような四位一体”を目指したいと思ってます。今のBase Ball Bearが自分たちのグルーヴを確立して、これだけ生々しい音を作るという方向にシフトしてきているのは、ゆくゆくはその四位一体としての完成形を目指しているからなんですよね。三位一体のように四位一体を手にしているバンド、いないですからね。音と音の隙間に人間味が顔を出すような、隙間を人間味が埋めるようなサウンドを作っていきたい。そういう意味でも、最近、ペトロールズの考え方をあらためて何度も咀嚼してます。「どうしよう」は、グルーヴの拡散と一体化が交互に行われるんですけど、こういうのは亮ちゃんから考え方を教わっていなかったら、思いつけなかったでしょうね。

――美術史の話は最近よくしてますよね。小出くん的に今の日本の音楽シーンを美術史と照らしあせたときにどの時代と符号すると思ってますか?

小出 バロック期ですかね。ルネサンス期がピークを迎えたあと、マニエリスム期が訪れるんですよ。それはマンネリの語源でもあるんですけど。ルネサンス期のように人間を人間らしく描くのではなく、もっと技巧を凝らしていこうよと。もっと発展させようじゃないかという時期。で、そのあとにくるのがバロック期なんですよね。陰影が濃くなったり、装飾品がいろいろくっついてきたり、どんどん派手になっていった。そんな時代が行き着くところまで行った先で何が起こるかというと、バックトゥーベーシックなんですよ。イズムのある作品を作っていこうとする動きが勃興するんですね。美術史で言うと、バロック期に対するカウンターとして新古典主義的な時代がやってくる、と。

この『C2』は2、3年後に向かってボールを投げてる感覚がある

――今、そういう時代の変わり目を日本の音楽シーンにも感じていると。

小出 そうそう。日本の音楽シーンはここ数年、なかなかの過渡期を迎えていると思うので、断言するのは難しいですけど――でもこれだけ音楽の作り方も聴き方も細分化され多岐にわたっているなかで、とりわけロックシーン、バンドシーンにおいて、リスナーが選んでいる音楽はほとんど一方向に偏っていて。これって形骸化が進んでることだと思うんですよね。集団で“ワー!楽しい!”って享楽的に盛り上がる曲ばかりが重宝されて、ワールドカップやハロウィンのときの渋谷のスクランブル交差点のようだなって思う。僕もそこに身を置いている人間として、やっぱりこの空気ってちょっと気持ち悪いわけですよ。

――こういう話は『二十九歳』のときもさんざんしたけど、小出くんの違和感はまったく解消されてないという(笑)。

小出 ホントですよ(笑)。だからもう、この『C2』はそこに対するカウンターではなくて、2、3年後に向かってボールを投げてる感覚があって。“そこに向かって僕らは進んでいきます”という所信表明というか。大勢の人が現状を楽しんでるのはそれはそれでいいんですけど、俺たちのやりたいことは別にあるので、ちょっと先に進みますっていう。その先に今のところ誰もいないかもしれないし、まだ誰もついてきてくれないかもしれないけど――まさに『「それって、for 誰?」part.2』の歌詞にもあるように、それは砂漠に水を撒くようなことかもしれないし、撒いた水が蒸発してしまうかもしれないけど、水を撒き続ければいつかそこがぬかるみになり、水たまりになり、大きなプールになり、湖になるかもしれない。それはやってみないとわからないし、僕はまずそこに進みたいなと思ったんです。

“おまえのリズムでおまえのダンスをしろ” ホントのダンスは自分で見つけなきゃ

――バックトゥーベーシックという意味では、今、海外のシーンのトレンドともリンクしながら、日本でもブラックミュージック由来のサウンドやグルーヴ感にスポットが当たっているのは、“音楽の本質的な気持ちよさや音楽を浴びて踊るってこういうことじゃん”っていう再確認の結果だと思うんですよね。だから、『C2』でもこれまで以上にブラックミュージックの要素を取り入れているのは必然だと思うし。

小出 そうそう、僕もそういうことだと思ってる。僕、ペトロールズと並んでトリプルファイヤーが大好きなんですけど、トリプルファイヤーに「カモン」という曲があって。その曲の歌詞に僕が思ってることと同じようなことが書かれているんですよ。要は、周りに合わせて“ウェ~イ!”って両手を上げて叫んでいるのは、ダンスじゃねえんだと。“それはただ、その場に馴染んでいるだけだ”、“おまえのリズムでおまえのダンスをしろ”と。今のバンドシーンでダンスと呼ばれてることって、“ダンス風”であって、お客さんに同じ運動をさせてるだけなので。あれがダンスって言われるのはちょっと……(苦笑)ってなりますよね。そういう意味でも、今こうやってディスコやファンクのリバイバルであったり、グルーヴ音楽への揺り戻しが起きてるというのは、“本当のダンス”に意識が向かってるからだと思うんですよね。

――そういう意味では、今はシンプルに音楽が好きというより、そのシーンや現象が好きというリスナーが多いのかなと思っていて。シンプルに音楽が好きなら、自分だけのステップを自分だけのモーションで踏めると思うんですよね。多様なジャンルに興味を示すだろうし。

小出 そうそう。本当のダンスは自分で見つけなきゃいけないっていうことですよね。それがなぜ一律運動がダンスとされるようになったのかっていうね。

――そういう意識もサウンドに反映してるしね。

小出 このアルバムを作ってみて思ったのは、ギターのアレンジってコードも必要だし、ある程度のルールができあがってるうえで作るから、規制性や縛りがいっぱいあるんですよ。だけど、グルーヴという単位ではルールはないし、可能性も無限にあるんだなって思ったんです。ドラムとベースが強ければ強いほどそこに乗っかっていくギターもどんどん広がっていく。今まではギターでサウンドを引っ張っていくという逆算的な考え方だったんだけど、今はドラムとベースで無限の選択肢を作れてるんです。グルーヴの作り方はいくらでもあるというシンプルな気づきがあった。

――ただ、当初予想していたよりも黒さが際立つアルバムにはならなかったなと。あくまでロックバンドという軸から逸脱してない。

小出 そうですね。真っ黒いアルバムにはどう考えてもならないというか。そこを目指すこともできるんだけど、それをやって擬似的な音楽性になるより、もっと自然に生まれる黒さのほうが魅力的だなと思って。無理して黒っぽいことをしようとも思ってなかったし。

また新しいキャラバンを目指そうじゃないかという思いを込めて

――話は「レインメーカー」に遡るんだけど、なぜ自分語りを禁じ手にしてなおその極地に立つような曲が生まれたんですかね?

小出 それはもうね、音に呼ばれたとしか思えないんですけどね。音に呼ばれたし、ここまで真に迫る筆致で歌詞を書けたのであればそこに抗う必要もないなと思って。

――中途半端な自分語りではないからね。

小出 そう。いくところまでいった自分語りだから。

――音に呼ばれたんだね。サウンド的にはネオアコっぽいニュアンスがありますけど。

小出 最初は音の印象で雨の曲になるのかなと思っていて。それで雨っぽいシチュエーションを想像していたんですけど。そのあとたまたま自分が使い出したギターが“RAINMAKER”というモデルだったというのと、あと『LOOPER』という好きな映画があって。その映画に出てくる登場人でレインメーカーっていうキャラクターがいるんですよ。そいつ、めっちゃ切ないんですよ。そこにもインスパイアされて。

――朝方のファミレスで「レインメーカー」の歌詞を書きながら泣いたって言ってましたね。

小出 そうそう(笑)。レコーディング終わりに深夜、ファミレスに行って歌詞書いてるうちにモーニングの時間帯になっちゃって。周りの席が、常連と思われるおじいさんたちで埋まってくんですよ。でも、その環境が妙に集中できて、書き進めるうちに深みに到達しちゃって。ボロボロ泣いちゃいましたね。『二十九歳』の「魔王」を書いたときの感覚に近かった。「魔王」のサビを思いついたときも“俺、こんなことを思ってたのか……”って客観的に思って泣いちゃったんですけど。

――そして、最後に『「それって、for 誰?」part.2』で自分が音楽表現をあきらめない理由を明示しているのも大きいと思います。“with you”というフレーズでアルバムを閉じることも。

小出 そうですね。『「それって、for 誰?」part.1』も『「part.2」』も“表現ってなんだろう?”ということを考えて。『「part.1」』で現代社会の揶揄も含めてさんざん外に対して言ってるんだから、『「part.2」』ではちゃんと自分のことも言わなきゃなって。それもヒップホップ的発想というか。『「part.1」』と同じように“for you”で終わってもよかったんですけど、ただこのアルバムの精神性はさっきも言ったように2、3年後に向かって放つものだと考えているから。その先にある砂漠には俺ひとりじゃなくて――それは同業者かもしれないし、リスナーかもしれないけど、また新たな荒野を目指そうじゃないかという思いを込めて。

――それを言えたのはホントにデカいと思うよ。

小出 音楽は作り手が育てる側面と聴き手が育てる側面がどうしてもあると思うんですよ。

――間違いないですね。

小出 でも、聴き手が育てるという側面は、作り手が引っ張っていかなきゃいけない。リスナー頼みにしちゃいけないと思う。こっちが責任を持って引っ張って、音楽が本質的に鳴るいい場所に連れて行って、そこで思う存分に楽しんでもらいたい。

――だからこのアルバムも隅から隅まで楽しんでもらいたいですよね。アートに触れるように。

小出 そう思います。エンターテイメントとしての音楽の側面から言うと、瞬間的に膨れ上がる要素も当然大事なんですけど――でもさ、“スルメアルバム”とか“スルメ曲”みたいな言い方ってよくあるじゃないですか。それって若干、揶揄するようなニュアンスで言ってる人もいると思うんですよ。

――即効性はない、みたいなね。

小出 そうそう。すぐには理解できないみたいな。でも、そもそも音楽にはそういう芸術的な側面があると思うから。だって、“モナリザの謎の解明とか何百年やってるの?”って思うじゃないですか。それくらいミステリアスでマジックがあるものが芸術だと思うので。1回噛んだら味がなくなって、“もういいや”って捨てちゃうガムじゃなくて、噛めば噛むほど新しい味が出るガムみたいな作品を作っていかなきゃいけないと思う。聴いた直後はこういう味だったけど、2、3年後に聴いたらまた違う味わいなるとか、何年もかけて味わえる作品こそ一番音楽的であり芸術的なのかなって俺は思ってます。

――最後に、今見据えている次のフェイズについて聞かせてもらえたら。

小出 今回のアルバムはタイトにまとめることを意識して作ってたんですね。前作が16曲もあったし、今回は“珠玉の10曲!”にまとめたいと思ってたんですけど、候補曲が30曲くらいあったし、10曲には絞りきれなかったので、無理せず“珠玉の12曲!”になって(笑)。で、結果的にビートがしっかり立っている曲を中心に収録してるんですけど、候補曲にはメロウな曲もかなり多かったんですよ。新たな一面だなと思っていたんですけど、流れを優先して収録は見送ったんですね。なので、次はメロウな曲も重視してやりたいなと今の段階では思ってます。

――ほお。楽しみです。

小出 ギターバンドでメロウな曲は表題曲とかってあまりないじゃないですか?ロックバラード的なものはあるけど。その他にもやりたいことはいくらでもあるので。引き続きがんばりまーす。

Base Ball Bearリリース情報

初回盤

通常盤

C2

11月11日発売

【初回限定エクストリーム・エディション】 CD3枚組 UPCH-29203/5 \4,500(税抜)

【通常盤】 1CD UPCH-20399 \3,000(税抜)

【初回限定エクストリーム・エディション収録曲】
DISC1 『C2』 1.「それって、for 誰?part.1  2.こぼさないでShadow  3.美しいのさ  4.曖してる  5.文化祭の夜 6.レインメーカー  7.どうしよう 8.カシカ  9.ホーリーロンリーマウンテン  10.HUMAN 11.不思議な夜  12.「それって、for 誰?」part.2  
DISC2 『C2』 (Instrumental Ver.) 1. 「それって、for 誰?」part.1 (Instrumental)  2.こぼさないでShadow (Instrumental)  3.美しいのさ(Instrumental)  4.曖してる (Instrumental) 5.文化祭の夜 (Instrumental)  6.レインメーカー(Instrumental) 7.どうしよう (Instrumental)  8.カシカ (Instrumental)  9.ホーリーロンリーマウンテン (Instrumental)  10.HUMAN (Instrumental) 11.不思議な夜 (Instrumental)  12.「それって、for 誰?」part.2 (Instrumental)
DISC3  『C』 (2015 Remastered) 1.CRAZY FOR YOUの季節 (Album ver.)  2. GIRL FRIEND  3.祭りのあと  4.ELECTRIC SUMMER  5.スイミングガール 6.YOU'RE MY SUNSHINEのすべて 7.GIRL OF ARMS  8.DEATH と LOVE  9.STAND BY ME  10.ラストダンス  11.SHE IS BACK

【通常盤収録曲】1. 「それって、for 誰?」part.1 2.こぼさないでShadow 3.美しいのさ 4.曖してる 5.文化祭の夜 6.レインメーカー 7.どうしよう 8.カシカ 9.ホーリーロンリーマウンテン 10.HUMAN 11.不思議な夜 12.「それって、for 誰?」part.2

Base Ball Bearライブ情報

Base Ball Bear Tour「三十一歳」ツアーファイナル

2015年12月4日(金):豊洲PIT

Base Ball Bear『LIVE IN LIVE vol.2~C to C2~』

2015年12月24日(木):東京 渋谷CLUB QUATTRO

Base Ball Bearオフィシャルサイト

Base Ball Bearの関連記事をもっと読む


「Base Ball Bear」の関連記事

このタグがついた記事をもっと見る

この記事が気に入ったら、
いいね!しよう。

Twitterでも最新記事をチェック!

この記事を読んだ人におすすめの記事

こちらの記事もおすすめ

この記事を読んだ人におすすめの作品

アーティスト情報

関連サイト


カテゴリー

T-SITEニュース エンタメトップへ戻る

アクセスランキング

  1. 【徹底分析】『奥様は、取り扱い注意』綾瀬はるか、驚異のキャリアで確立した「好循環女優」の地位

    1位

  2. 【テレビ映画】土曜プレミアム『インディ・ジョーンズ』シリーズ4週連続一挙放送!

    2位

  3. 岡村靖幸、奇跡の「Mステ」初登場に「岡村ちゃん」がトレンドワード入り

    3位

  4. Kis-My-Ft2、玉森裕太をリーダーに“美尻”アイドルグループへ? メンバー内でじわじわ広がる

    4位

  5. 「ファンが選ぶONE OK ROCKの名曲」最終結果発表!

    5位

本日の人気記事ランキングTOP30

人気の画像

  • 現役女子大生、超特大ボリュームの撮り下ろし写真集第5弾、発売決定
  • 道端アンジェリカ、クリスマスは「彼と家族と過ごす」姉・ジェシカとは「来年会う」
  • 【ネクストブレイク】福本莉子、ファースト写真集から貴重なカットを解禁!
  • 篠崎愛、最初で最後の「限界ギリギリ」新写真集は「今の私の結晶」
  • 安藤咲桜(つりビット)が週プレグラビアで“爆釣”御礼!
  • 【TSUTAYA・10月販売タレント写真集ランキング】石原さとみ『encourage』が1位独走中!
  • 久松郁実、海での撮影は砂が「めちゃくちゃ水着に入ってくる」
  • 長澤茉里奈、ニーハイで悩殺? “合法ロリ”は「続けたい」 『まりなだって好きなんだもん』芸能界復帰DVDイベント
  • 【東京モーターショー2017】会場を彩る美麗コンパニオンがいっぱい!

TSUTAYA ランキング

TSUTAYA MUSIC PLAYLIST

TSUTAYA MUSIC PLAYLISTをもっと見る

TSUTAYA映画通スタッフおすすめ

TSUTAYA映画通スタッフおすすめをもっと見る

SNS・RSS