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金子ノブアキ「バンドとは違う形で“今を生きるんだ”ということを喚起させたい」【インタビュー】

2016年5月2日(月) 17:00配信

RIZEのドラマーでもあり、役者としても活躍、サポートドラマーとしてもAA=に参加するなど精力的に活動している金子ノブアキが約2年ぶりの3rdアルバム『Fauve』を5月11日にリリースする。
ソロプロジェクトでは作詞、作曲を手掛け、ヴォーカルもとるというマルチな才能を発揮。自身の人生観、死生観、恋愛観が盛りこまれた野性的且つ繊細でスピリチュアルな作品に仕上げている。バンドとは違う形で“今を生きること”を喚起させて音楽で寄り添いたいという金子ノブアキの“今”を語ってもらった。(インタビュー&文:山本弘子)

金子ノブアキ

金子ノブアキ

—約2年ぶりとなるアルバム『Fauve』は神聖さと野性味が同居していて、聴いていると大地や太陽、水など自然の風景が浮かんでくるなと感じました。それと歌のメロディが美しい。

金子ノブアキ(以下金子):ありがとうございます。3枚目のアルバムになるんですが、ライヴをやり始めたのがちょうど1年ぐらい前からなんですよ。2枚出すまでやらないと明言していたので。

—ライヴをやらなかったのはなぜなんですか?

金子:最初の頃はイベントに出るタイプの音楽じゃないかもしれないと思っていたのでワンマンをやるには曲数が足りないなと。そもそも、自分のソロは劇伴を作るところから始まったんです。TVや映画の現場に復帰して仕事のスタンスがガーッと変わって期せずして僕の顔と名前がひとり歩きしていた時期だったので、CDを出すなら金子ノブアキ名義がいちばん良いんじゃないかと。
ライヴはずーっとやりたいと思っていたので、これまでの2枚のアルバムと今作が明らかに違うのはライヴを重ねた上で逆算して作れたということですね。ライヴのメンバーもギターのPABLOくん(Pay money To my pain)やマニュピレーター、シンセサイザーの草間(敬)さんと固定でやってきているから、自分の本質的な部分──メロディや絵画的な要素、サウンドスケープが見えていたし、やりやすかったですね。

“野獣派”の絵画の熱量が、アルバムの持つ熱とぴたりと合った

—ライヴが視野に入った上でのアルバムというところで、意識したのはどんな面なんでしょうか?

金子:僕のライヴは「一緒に歌ってくれ!」っていうノリじゃないけど、PABLOくんとがっぷり組んだ演奏はすごくアグレッシヴだし、生々しいし、刹那的だから、そういう精神性の共有はすごく大事にしましたね。アルバムのタイトルの『Fauve』も“野獣派”と呼ばれていたフォービズム(20世紀初頭の絵画運動の名称)からとったんです。動物性”、“肉体性”みたいな意味あいも込めて…。ライヴをやっていない状態で作る曲のロマンの広がり方、イノセンスもあるんですけど、もうそこには戻れないから、怖れずにガンガン行きましょうっていうところで作っていって。

—絵画のフォービズムから付けたタイトルだったんですね。

金子:そこまで絵に詳しいわけじゃないんだけど、静かなところが好きだからよく美術館に行くんですよ。フォービズムの和訳が“野獣派”ってむちゃくちゃカッコいいなと思って。マティスやドランらがそう呼ばれていたんだけど、思いきり原色を使っていて、野獣の檻の中に居るように感じる熱量を持った作品たちなんですよね。ずーっと、その言葉が頭の中にあったんですけど、今回の作品の持つ熱とぴったりハマったから『Fauve』にしようって。
だから、レコーディングの仕方も今までと全然、違うんです。前作まではハウススタジオで宅録だったんだけど、外のスタジオでヴィンテージの大きなコンソール(ミキシングの卓)を使って、生のドラムをちゃんと録ろうって。鮮度を落としたくなかったら、全部、一発録り。ワンテイク目って魔法がかかっちゃうみたいな時ってあるんだよね。それをパッケージしたかったから、このアルバムのドラムは全部1日で録ったんですよ。

—うわあ。それは凄い。

金子:緊張感あったけど、楽しかったですね。お芝居もそうかもしれないけど、どんなにデジタル化された世の中になっても、数字では計れない“人の想いがのるもの”ってあるので、今回はそこを共存させたいと思ったんです。PABLOくんもギターで一緒に感情を放出してくれているので、すごく豊かな音楽になりましたね。

自分の音楽を閉じた芸術にはしたくない

 

 

—アルバム・ヴァージョンが収録されている「Lobo」と「blanca」は2015年に配信リリースされた曲で、清川あさみさんの絵本『シートン動物記 狼王ロボ』にインスパイアされたんですよね。子どもの頃、勇敢な狼王ロボの話は大好きでした。

金子:僕も大好き。でも、今、読むと感動が全然違うんですよ。あさみちゃんの絵と日本語訳がしびれるぐらいに素晴らしいんですけど、男の愚かしさも描かれているから大人になった今読むとすごく刺さるものがありましたね。彼女が書籍を仕上げた時に「これ、今、読むと絶対にいいよ」って勧められたことがキッカケでできた曲たちですけど、この2曲を作ったことによってアルバムの雰囲気がズバッと決まったところはありました。

—音楽以外の表現に触発されて曲ができることは多いんですか?

金子:そうですね。僕がこのプロジェクトですごく大事にしているのが音楽以外の人とのコラボレーションなんです。いろんな分野の方がいる場所に顔を出させてもらっていて、そういうフットワークを音楽に反映させたいなと。アルバムのツアーファイナルでenra(映像と人間の動きのシンクロを極めたパフォーミング・アーツ・カンパニー)と共演させてもらうのも新たな可能性を見つけたいなと思ったから。自分の音楽を閉じた芸術にはしたくないというか、どんどん開いていきたいという野心はあります。わかってくれる人だけわかってくれればいいんだっていうふうには思っていないし、外に開いたプロジェクトだということを強く押し出していきたいですね。そもそも僕の人生でいちばん意外なことが芸能界に復帰して、ちょっと有名人になったことで(笑)。

—(笑)有名じゃないですか。

金子:自分にとっては超想定外な出来事だったんですよ。バンドのドラマーだし、本質的に裏方志向なところがあるから、撮影している時も監督さんや美術さん、技術さんにシンパシーを感じるし。でも、今の在り方はすごくいいなと思います。僕の身体と名前を媒介に繋がっていくことができるし。

俳優、RIZE、AA=とソロプロジェクト

—演じた役柄がヒントになって曲ができることもありますか?

金子:不思議なものでそこが直結することはないんですよ。ただ、音楽から引き離された現場に身を置くことでアイディアがどんどん出てくることはありますね。やっぱり音楽漬けになっていると麻痺してくることもあるし、飽きること、停滞することもあるんですよ。僕はありがたいことに性格がせっかちだから(笑)、違う現場に入ると気持ちが切り替えられて、帰ってからまた音楽の作業をしようという意欲が湧いたりとか。台本を読んで覚えることも頭のリフレッシュになるから、うまいこと循環してますね。

—ということはRIZEという本体のバンドがあって金子ノブアキのプロジェクトがあって、AA=のサポートがあって、俳優業もやっていることでバランスが保たれているんですかね。

金子:身体は1つしかないので時間をとりあうことにはなりますけど、僕の中ではすごく健全かな。

—休みなんかないでしょう?

金子:あってもすぐ音楽作っちゃうから休みもへったくれもないみたいな(笑)。でも、どれも楽しいからラッキーですよ。モノを創るのが好きだし、制作している現場が好きだし、そこにいる人たちが好きだし、ソロもたまたま僕個人の名前ですけど、「みんなで夢見よう。うまくいったら最高じゃね?」っていう感じですね。
今は日進月歩でテクノロジーが進化していて音楽も日々、変化している。これを見逃す手はないだろうっていう気持ちです。今、ソロでやっていることをRIZEのメンバーにやろうっていうのは違うと思ってるんですよね。

—ソロとバンドは何が違うんだろう。

金子:バンドの何がいいんだろうってよく考えるんだけど、カッコいいヤツらが集まってお互いの良いところを補完しあって、それで全員でバーンと音を出す。RIZEはその爆発が全てだし、音楽的には不完全かもしれないけど、その引っ張り合いによる推進力は凄いものがあるんですよね。そのエネルギーを失っちゃうようなエッセンスは入れるべきではないので、ソロという形ではなかったとしてもいずれはこういう音楽を創っていたと思います。

—RIZEが爆発力なら金子ノブアキとしてのソロワークはもっと心の中を潜っていくような作業ですか? アンビエント、テクノ、エレクトロニカを取り入れて、自然を喚起させる音楽となっているように思いますが。

金子:聴く人にとってそうだったら最高だなと思ってますけどね。大きな音を出している時って一瞬、音がなくなったときにハッとするじゃないですか。僕は休符のために音符を紡いでいる意識があるので、そうするとアンビエント的な表現になったりする。静寂の中に風景や人であったり、受け取った人にとって大事なものを喚起させる装置でありたいとは思ってますね。水に潜る時、母親の胎内を思い出すっていう話があるけど、そういうことだったり、宇宙の神秘だったりにちょっとでも音楽でコネクトできればなと。今回のアルバムではそういう部分とロックミュージックとの繋がりを表現したいと思ったんです。

—「Firebird」のように躍動感のあるアグレッシブなナンバーも収録されていますもんね。リード曲「Take me home」については?

金子:「Take me home」は思想的なところを含めて今作全体を端的に表していますね。主観ですけど、人生観、死生観みたいなものをどこかで共有してもらえるはずだという願いを込めています。この曲はタイトルが全てというか、今の自分は年齢的にも子供がいる友達もたくさんいれば、死んじゃってるヤツもたくさんいて、時間が無限じゃないことを改めて突きつけられている気がするんですよ。だから、身体がまだバリバリに動く30代中盤で、野獣派みたいなアルバムのタイトルを付けられる内にこれを創っておこうと。

—死生観、恋愛観、いろんなものが本作には詰まっている。

金子:そうですね。今の感覚。RIZEに戻った時は14歳の自分の感覚になってしまうし、そのバンドが今も必要とされてる素晴らしさを感じるから生命を削ってパフォーマンスしようっていうのが自分のスタンス、美学なんですけど、そことは全く違った切り口で今の自分を表現できるのはソロプロジェクトのメンバーしかいないんですよね。だから、すごくポジティブです。バンドとは違う形で“今を生きるんだ”ということを喚起させて寄り添いたい。

—最後に6月2日からスタートするツアーはどうなりそう?

金子:まず今回はホールでやるんですよ。前回まではライブハウスでスシ詰め状態だったんだけど、暴れる音楽ではないから椅子のある会場でやろうって。
演出もふくめてじっくり座って見て全身で音や光を感じてほしいですね。絶対、気持ちいいと思うし、明日の活力になるという自負がありますので、ぜひ、気軽に見に来ていただけたらと思ってます!

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金子ノブアキ リリース情報

Fauve

2016年05月11日発売

VPCC-81874 ¥2,500(税抜)

M1. awakening M2. Take me home M3. Tremors M4. Garage affair M5. Firebird M6. blanca M7. Lobo (Album ver.) M8. Icecold M9. Girl (Have we met??) M10. dawn M11. The Sun (Album ver.) M12. Fauve

金子ノブアキ Tour 2016 "Fauve"

6/2(木) 金沢市民芸術村 パフォーミングスクエア
問) FOB KANAZAWA 076-232-2424

6/3(金) 福岡イムズホール
問) KYODO NISHI-NIPPON 092-714-0159

6/14(火) 愛知県芸術劇場小ホール
問) SUNDAY FOLK PROMOTION 052-320-9100

6/16(木) 東京EXシアター
本公演限定で“enra”とのコラボレーション実施!!
問) SOGO TOKYO 03-3405-9999

6/13(月) 大阪Akaso 18:30 / 19:00
問)GREENS 06-6882-1224

一般発売:4/22(金) 20:00
チケット(全席指定): 各地4,500円 / 東京のみ5,000円

金子ノブアキ オフィシャルサイト


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EXPERIENCE

EXPERIENCE

演奏者 RIZE 
市原隼人 
歌と演奏 RIZE  RIZE feat.Pay money To my Pain 
作詞 Jesse  市原隼人 
作曲 RIZE 

 作品詳細・レビューを見る 

新宿スワン

新宿スワン

出演者 綾野剛  山田孝之  沢尻エリカ  伊勢谷友介  金子ノブアキ  深水元基  村上淳  久保田悠来  真野恵里菜  丸高愛実 
監督 園子温 
脚本 鈴木おさむ  水島力也 
原作者 和久井健 
音楽 大坪直樹 
概要 新宿歌舞伎町を舞台に、スカウトマンたちの熾烈な抗争を描いた和久井健の同名人気マンガを綾野剛主演で実写映画化。共演は山田孝之、沢尻エリカ、伊勢谷友介。監督は「地獄でなぜ悪い」の園子温。金髪天パーの熱血男、白鳥龍彦は、新宿でチンピラに絡まれたところを助けてくれた真虎に誘われスカウトの道へ。真虎が所属するスカウト会社バーストの一員となった龍彦はある日、借金を肩代わりしている店長に痛めつけられ、コキ使われる風俗嬢アゲハと運命的な出会いを果たす。手に手を取って店から逃げ出す2人だったが、アゲハには元の店に戻らなければならない秘密があった。そんな中、バーストと敵対するハーレムの野心あふれるスカウトマン、南秀吉から異様なほどの敵意を向けられる龍彦だったが…。

 作品詳細・レビューを見る 

#5

#5

演奏者 AA= 
歌と演奏 AA= × Masato(coldrain) + Koie(  AA= × JM-0.8  AA= × Kj(Dragon Ash) 
作詞 Koie 
補作詞 YASUAKI “NAVE WATANABE 

 作品詳細・レビューを見る 

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アーティスト情報

綾野剛

生年月日 1982年1月26日(35歳)
星座 みずがめ座
出生地 岐阜県

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