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sukekiyo、集大成公演『「裸体と遊具、泥芝居に讃歌の詩」―漆黒の儀―』で見せた新章への期待 【ライブレポート】

2016年7月26日(火) 12:00配信

7月17日に調布市グリーンホールで開催された、sukekiyoの二〇一六年公演『「裸体と遊具、泥芝居に讃歌の詩」―漆黒の儀―』。当日は、本公演の規定通りに黒衣に身を包んだ大勢のファンが集結し、2階席まである会場だったが見事に完売御礼となっていた。

完結するひとつの物語

今回のライブが、前後編に分かれていた2つのステージ(『宙吊り娘と掃き溜めの詩』〈2015年11~12月〉と『桜肌、夢締め跡と優越の詩』〈2016年4月〉)を二部構成で一気に見せる内容となり、ここでひとつの物語が完結することは事前にアナウンスされていた。あえて言ってしまえば、それぞれの公演を観た人にはすでにその中身が伝わっていたわけで(SNSや各レポートで知った人も多いはず)、初演時のような衝撃を与えるのは難しいのではないか…と捉えられてもおかしくはない。

もちろんsukekiyoの場合、独創的なショウを堪能できるのは確実なので、集大成となる本公演を見届けたい想いが揺らぐことは微塵もなかったけれども、一方でそんな風にも考えていた。

だが、しかし――予想は大きく裏切られることになった。決して甘く見ていたわけではないが、このソロプロジェクトの首謀者である京(Voice/DIR EN GREY)の描く世界は、あらゆる局面でこちらの想像をことごとく超えてきたのである。

 

sukekiyo 

異形の集団、ストリングス、SM嬢…濃密で強烈な演出

驚きは随所にあった。二部構成の第1部、昨年行なわれた『宙吊り娘と掃き溜めの詩』のハイライトのひとつだった、「烏有の空」における京と舞踏家・工藤丈輝のコラボレーションは、今回は白装束に身を包んだ7人のパフォーマー(演劇実験室◉万有引力のメンバー)とのコラボレーションへと変容。舞台中央の京のもとに異界の住人たちが妖しく舞いながら近づいていき、いつしか京を先頭にして縦一例に並んだ彼らは、両手の動きをもって、何と千手観音に姿を変えてみせた。虚仮威しにならない説得力のある演戯に、思わず息を呑む。

 

 

また、第2部『桜肌、夢締め跡と優越の詩』のクライマックス――「12時20分金輪際」が終わる頃、京の動きを合図にして(その瞬間、彼がコンダクターのようにも見えた)、ステージ後方の両サイドを覆っていた幕がパッと左右に開き、バイオリンやチェロを擁する8人の弦楽器チームが出現! ストリングスが加わった「烏有の空」はインプロ(即興)の雰囲気を醸す一大セッションとなり、アバンギャルドな音像を構築していった。

さらに、そこに現れたのが、レトロな時代の見世物小屋から飛び出してきたかのごとき異形の集団――! 少年時代に読んだ江戸川乱歩全集の口絵で描かれていたような、どこか郷愁もそそる怪奇な風貌の面々が京を連れ去り、舞台裏の密室で彼を拘束する。その模様がスクリーンに映し出され、「leather field」で登場したボンデージ姿のSM嬢も交えての退廃的饗宴が繰り広げられるという、以前にも増して強烈なラストを迎えたのだった。

驚愕の展開とスケール感に“なんだこれは!?”と唖然としながらも、その都度なんとか目の前の光景を脳内に焼き付けるべく凝視する自分がいたが、ここに挙げたものは演出の一部に過ぎない。正直に言えば、そのすべてを追いきれているのかどうか不安になるぐらいに、彼らのステージは並はずれて濃密で情報量が多いのである。

 

 

sukekioの際だったミュージシャンシップの高さ

そして重要なのは、この日あらためて際立った彼らのミュージシャンシップの高さだ。意表を突く仕掛けの数々を前に歌と演奏がかすんでしまうことは一時もなく、それどころか今回のような構成の中で、あくまで中心には京を軸とする5人がいることを強く印象づけたことは特筆すべきだろう。


  • 京(voice)

  • 匠(guitar/piano)

  • UTA(guitar)

  • YUCHI(bass)

  • 未架(drums)

たとえば、カホンやアコースティックギターを使った“静”からバンドサウンドの“動”へとダイナミックに展開していく「focus」、続く「anima」で聴けた京の歌は、ライブ終盤とは思えないほど力強く、胸を締め付け、一際エモーショナルに響いた。これらの曲に代表されるストレートな唱法と合わせて、彼ならではの感情直結の七色の声は技術的にも相当高度なはずだが、実質3時間超という長丁場でも色褪せなかった“強靭な歌”には唸らされるばかりである。

同時に、曲中の人物を演じるような立ち居振る舞いが楽曲を彩り、例を挙げればきりがないが、前半を締め括る「leather field」の最後、口元に当てた指先をそっと前に差し出す仕草なども妖艶で非常に印象的だったりするのだ。

また、緊張感を途切れさせず、終始スリリングなアンサンブルを聴かせた楽器隊についても触れないわけにはいかない。ジャズ/メタル/プログレ/クラシック等々の豊潤なバックグラウンドがあるからこそのプレイは、複雑なキメも多く、実にテクニカルながら情感も豊か。派手な動きは皆無にも関わらず、自身の持ち場であれだけ自己主張をみせるのは見事だ。たとえ楽器をやっていない人が観ても、問答無用に“カッコいい!”“凄い!”と思わせられるであろうエネルギーが溢れ出ていた。

結果、現時点での持ち曲を一曲残らず披露し、「今あるアイデアをすべて具現化した」(京)と語られるのも納得の、sukekiyo史上最高峰といえるライブだったことは間違いない。同時に、シアトリカルなアイデアに負けないタフなバンド像が浮き彫りになった上、新章に突入する今後への期待も大きく膨らませてくれた。

あの日観たものは何だったのか、それを再確認する作業も兼ねてこの原稿を書いていたが……今言えるのは、“やっぱりsukekiyoは凄かった”ということ。まるで子どもの感想みたいだが、実際に目の当たりにすればこの想いに同調できるはずで、もう他に言葉はいらないと思えるほどの圧倒的な空間がここにはあるのだ。(文:早川洋介/写真:尾形隆夫)

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セットリスト

『宙吊り娘と掃き溜めの詩』

01. foster mother 02.aftermath 03.hidden one 04.scars like velvet 05.斑人間 06. 烏有の空 07.in all weathers 08.celeste  09.vandal 10.the daemon’s cutlery 11.耳ゾゾ 12.zephyr  13.leather field

『桜肌、夢締め跡と優越の詩』

01. hemimetabolism 02.elisabeth addict 03.mama 04.latour 05.nine melted fiction 06.dunes 07.maniera 08.304号室 舌と夜 09.focus  10.anima 11.雨上がりの優詩 12.鵠 13.12時20分金輪際 14. 烏有の空

sukekiyo リリース情報

mutans // 2016.7.17 sukeiyo 2016 live「裸体と遊具、泥芝居に讃歌の詩」-漆黒の儀-

2016年12月発売予定

Blu-ray+CD(2枚組): PZSK-018~019 ¥11,111(税抜)

※11月1日(火)より公式通販サイト「GALAXY BROAD SHOP」http://www.galaxybroadshop.com/artist/sukekiyo/にて受付開始を予定
※その他詳細は後日発表
※本商品は公式通販サイト及び発売日以降のsukekiyo公演会場のみの販売となります。 ※収録内容、タイトル、仕様等は変更になる可能性がございます。

sukekiyoオフィシャルサイト

公式通販サイト「GALAXY BROAD SHOP」


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出演者 sukekiyo 
概要 DIR EN GREYの京が率いるsukekiyoの初映像作品。1stミニ・アルバムを生々しい舞台演出とともに体現した2015年2月28日開催のライヴを収録。“濃厚な愛”を感じられるステージを存分に楽しめる。

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