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THE ORAL CIGARETTES アルバム『UNOFFICIAL』インタビュー 「王道にはなり得ないバンドがスタンダートになる日がきたら、それは世界が変わったのと同じ」

2017年1月31日(火) 15:15配信

いよいよ2017年6月16日に初の日本武道館でのワンマンライブ開催を発表したTHE ORAL CIGARETTES。いま最も勢いのある若手バンドの筆頭にあげられる彼らが、2月1日にリリースするニューアルバム『UNOFFICIAL』は、この先、オーラルがより大きなフィールドに立ち、音楽を届けていくのだという覚悟が刻まれた作品だ。

メンバー自身がやりたいことを純粋に求めながら、歌を大切に届けるサウンドアプローチ。ラストナンバー「LOVE」で導かれる光と、作品に漂う“生きていく”という答え。前作『FIXION』から大きな成長を遂げた今回のアルバムからは、バンドが見据える未来とは、日本武道館すらも通過点にして、さらにその先にあるのだという意志が伝わってきた。「僕たちがスタンダードになったら、世界が変わったのと同じ」――いまオーラルが目指すのは、そういう場所だ。(インタビュー&文:秦理絵 撮影:山内洋枝)

 

THE ORAL CIGARETTES 

─まず、今回のアルバムは、オーラルが自分たちのやりたいことを、とても自然なかたちで、無理なく発揮できたアルバムになったんじゃないかなと思うんですけど。

鈴木重伸(Gt):おっしゃっていただいたとおり、今回はオーラルが本当にやりたいことをそのままやれたっていう印象なんです。

中西雅哉(Dr):それこそ1枚目の『The BKW Show!!』は、僕らを知ってもらうためのアルバムを作りたいってことを考えながら作ってたし、『FIXION』はその勢いのなかで求められているTHE ORAL CIGARETTESを提示したものだったから。それが受け入れられたことによって自信もついて、やっと自分たちから自然に出てくる音楽性を表現できるステージにいくことができたんです。

─バンドにとって「やりたいことをやる」のは、なぜこんなに難しいんでしょうね。本来、バンドなんで、やりたいことをやるために始めたはずなのに。

山中拓也(Vo/Gt):順序だと思うんですよね。バンドが何をいちばん大切にしているかっていうところ。もちろん、やりたいことをすぐにやり始めるバンドもいるとは思うんですけど、でも、俺らはそれをやってはダメなんですよ。ちゃんと順序を追って、お客さんとの信頼感とか、自分たちの名前の広がり具合とかを客観的に見たうえで、いまだったら、やっても良いんじゃないかなっていうところにやっとこれたんです。

─要するに、聴く人がいてこその音楽であり、バンドであり、ということですね。

山中:本当に『FIXION』までは、いろんな人のことを考えながら作ったアルバムだったんですよね。グレーの人を黒にする作業をしてたというか。『FIXION』が外から内に流れを作るイメージだとしたら、今回の『UNOFFICIAL』は内から外に波を作ってるイメージなんですよ。まず自分らのことを本当に良いって言ってくれるお客さんを完全に納得させてから、その周りに派生させていきたい。だから、オーラルの根本にあるものの良さを伝えるために、ちゃんと自分たちのやりたいことをやったんです。

 

 

自分の持ってるものを使って、より大きい規模のものを作りたいと思ってました

山中拓也(Vo)

山中拓也(Vo)

─あきらくんは今回のアルバムでは、どういうものを作りたいと思いましたか?

あきらかにあきら(Ba):僕は自分の持ってるものを使って、より大きい規模のものを作りたいと思ってました。今回のアルバムはこれからひとつ上のステージに行くっていう意志表示でもあるし、そこにみんなを連れていくための指標となるべく曲を詰め込んだなっていう感じなんです。「武道館やります」って言っても、曲の規模が同じだったら、いまいち説得力もないというか。そのタイミングに合わせて、ちゃんとしかるべき曲たちを提示する。自分たちからも、どんどん発信していくことが今後は必要になってくると思うので。

─じゃあ、今作はひとつの上のステージ=武道館を、意識して作った作品だった?

あきら:いや、武道館っていうものよりも、もっと大きい場所まで考えてました。自分たちでも、そういう場所にライブを見に行ったりして、その場所で将来ライブをやろうとするなら、自ずと曲の規模は意識するんです。より声が伸びやかに届く歌を作りたいし、みんなのアンセムとして響く場面が想像できるような音を録りたい。たしかに「上のステージ」のひとつは、実際に2017年にやる武道館だけど、それだけじゃないんです。

─なるほど。見てる先はもっと遠くにある、ということですよね。本当にいまのオーラルの勢いを見てると、きっと日本武道館は通過点だと思う。

あきら:周りの人たちも、「オーラルはスケールのデカいところが似合うバンド」っていう目線で見てくれるようになったからこそ、改めて僕らから、もっともっと規模がデカいものを出せるんです。それをライブだけでじゃなくて、ちゃんとその都度、曲としても提示していきたい。僕らはこういう曲をやるよ、こういう場所でやるよ、だから、みんなもついてくるんだよっていう。そういう活動をこの先はやっていくと思うんです。

(ギターも)もうちょっと気持ち悪くしたいなと思ってしまうんです(笑)

鈴木

鈴木重伸(Gt)

─ひとつ上のステージ、より広い会場を意識したときに、具体的に曲作りであったり、レコーディングで変わったところはありましたか?

中西:曲を客観的に見るところから始まりました。音源にしたときに、聴く人が何をいちばん聴くのかっていうと、やっぱり歌なんですよ。そもそも僕自身が歌を聴く人だし。特に今回のアルバムは、どの曲もメロディが強いから、そこにドラムも寄り添わなきゃ意味がないと思ったんです。それで、プリプロで録った音源をドラムがない状態で聴いてみたりして、パソコンで試行錯誤をしましたね。ここは歌の邪魔になるなとか、ここは歌に寄り添ったほうがいいのかな、みたいな。たぶん、俺(ドラム)がちゃんとハマれば、どんなに広くなっても歌が届くから。それが、いちばんこのアルバムでは意識したことですね。

─歌の邪魔はしないんだけど、だからと言って、まさやんがドラマーとしてエゴは捨てたわけじゃない。すごく凝ってるのに、ちゃんと歌が立ってる。

山中:そうなんですよね。

─具体的に言うと、「Shala La」の軽やかなドラムはすごく良いですよね。

中西:あそこは本当にメロディとの位置関係が絶妙ですよね。最後の畳みかけのサビがツービートになったりしてて、音源で聴くとすごいハマってるんですけど、プレイヤーからすると、めっちゃくちゃ難しいんですよ。あそこはすごい苦労しました。

 

 

─シゲくん、広い会場で鳴らすうえでのギタリストとして意識したことは?

鈴木:いままでのインタビューでも、「俺はギターソロが嫌い」って言ったことがあると思うんですけど(笑)。嫌いっていうか、意味のないギターソロはあまり好きじゃないんです。ど定番みたいな流れが。でも、それがこの先の規模感では必要かなと思ったんです。

─オーラルは天邪鬼だから、定番みたいなことはちょっと苦手ですよね。

鈴木:もうちょっと気持ち悪くしたいなと思ってしまうんですけど(笑)。それが、なんでなんやろ……。自信がついたんですかね。「みんな、こう来たいよね?」みたいなところに素直にいく。それができたのが「不透明な雪化粧」なんです。

あきら:今回、みんなめっちゃ成長したなと思ったんですよね。まさやんが作ってきたドラムを聴いて、「あ、歌に合ってる」って思う曲も多かったから、自分のベースもどこに行けば良いかよくわかるんです。歌とドラムの間にベースは入るので、その両端が整ってくれたから、ベースがやることは明確に見えて。全然悩まなかったんですよ、全てが。

山中:『FIXION』までが悩みまくったからなあ(笑)。

―そうだね。特に、前作シングル「5150」のインタビューでは、2016年の夏は曲ができなくて苦しかったという話も聞いたけど。アルバムはいつ頃から作ってたんですか?

山中:曲によってバラバラなんですけど、リード曲の「リコリス」は、「5150」の前でしたね。この曲はシングルじゃなくて、アルバムのリードにしたいって、そのときから決めてたんです。いちばん俺らの言いたいことが詰まってる曲だから。で、「5150」の制作に取りかかって、苦しんで、曲ができなくて、「5150」が完成した瞬間に肩の荷が降りた。いままで出すのを怖がってた部分を「5150」で出せたっていうのが、すごい大きかったんです。

 

 

─自分の弱さをストレートに曲にしてしまう、ということですよね。

山中:うん、それが恥ずかしくてできなかったし、サウンド面に関しても、しっかりストレートに攻めていこうっていうのも、実はずっと恥ずかしくてやれなかった。だから、『The BKW Show!!』とか『FIXION』までは、難しい変な拍子を使おうぜとか、ここでハードに落としてとか、すごく考えながらやってたような気がしてて。でも、「5150」は、あきらが言ってた、より広いステージっていうのを意識したから、面白いことをしようっていうより、どうすれば規模が大きく伝わるのかっていうところを意識して作れたんです。たぶん、それに悩んでたんですよね。結局「5150」ができなかったのは。

─なるほど。いま振りかえると。

山中:それが「5150」ができたときに、「あ、これで大丈夫なんだ」って思えた。そこから蛇口をひねったような感じになったんだと思います。

 

 

「LOVE」のあのフレーズは、僕から出るとは思ってなかった

あきらかにあきら(B)

あきらかにあきら(B)

─となると、アルバムの新曲は「5150」の後にできた曲が多いんですか?

山中:えっと、「WARWARWAR」は、「5150」が行き詰まりすぎて息抜きな感じで作ったので、同時期ぐらいですね。「Shala La」も同じくらい、でも完成したのは後だと思います。「悪戯ショータイム」は前で、「エンドロール」「不透明な雪化粧」と「LOVE」は後ですね。

─曲を聴くと「5150」の前後で雰囲気が違うのは感じられますよね。特に「LOVE」は、ひとつ覚悟を決めないと、いままでのオーラルには作れない曲だと思うんですよ。

山中:うん、「LOVE」がアルバムのカギを握ってるのは、絶対にそうですね。もともと「LOVE」っていうのが、まったく違うかたちだったんです。いまのメジャーな感じじゃなくて、すごくマイナー調の曲で、スラップが入ってて、暗い、いままでのオーラルっぽいLOVEの曲。それで10曲が完成してたんですけど、バーッてアルバムを通して聴いたときに、「なんで、こんなに1曲1曲の完成度が高くて、納得できる曲ばっかりなのに、アルバムとしてまとまりがないんだろう?」って違和感を感じたんです。

─ええ。

山中:それで、メンバーに「LOVE」を変えたいっていう話をして。そこから、どういう方向に向かっていくのかっていうのを考えたんですけど。たぶん、それも(明るい方向にいくのが)恥ずかしかったんだと思います。最初から“LOVE 一人で笑う事は出来ない”っていうフレーズはあったんですけど、そんなのが僕から出るとは思ってなかったから。

─そうだね(笑)。

山中:これを歌詞で書けたっていうのは、絶対に自分のなかで思ってたことだからなんですけど、いまだに2割ぐらいは疑ってるんですよ。本当にこの言葉が自分から出たのかな?って。それぐらい衝撃だった。だったら恥ずかしがって、マイナー調の曲にしてバランスをとるんじゃなくて、1回振り切ってその想いを伝えようと思ったんです。

─そしたら、とても明るくて、多幸感が溢れた、いままでにない曲になったと。

あきら:いままで、あえて使ってこなかったメジャーのコード進行とか、いつか使うだろうと思ってたフレーズを放出する場所が意外と早くきたんですよね。

山中:正直、シゲがこの(ギター)フレーズを持ってきたとき、ちょっと引いたもん。

─引いた!?

山中:「シゲのなかにこれがあったん?」って。

鈴木:自分でも確認しましたからね。自分で作って、自分で恥ずかしくなって。

あきら:ディズニーランドみたいやもんな。

─なぜかオーラルはストレートにしようとすると、恥ずかしくなっちゃうんですね。

山中:すごくやりたいものではあるし、いずれ、こういう曲もどんどん作っていきたいっていう未来も見えてるんですけどね。でも、恥ずかしいんですよ、本当に。1割の部分というか。僕らの中身が10割で構成されてるとして、「LOVE」っていうのは、その1割の光でしかないような気がしてるんです。でもそれが、すごく強い光なんですよね。9割ではまったく逆の暗い部分を書いてるから、その1割が余計強くなるのもわかってるんですけど。

 

 

“生きる”っていうことを書こうと思うようになったのは、本当に最近なんです

中西雅哉(Dr)

─でも、いまオーラルが1割の光に特化した曲を書けたことは、かっこいいと思います。だからってこれからの曲が全部そうなるとは思わないし、大きな進化ですよね。

山中:うれしいです(笑)。

中西:僕らはいままでも、次に何をしようかっていうことをけっこう小出しにしてやってきたんですよ。たとえば、(ヒップホップを取り入れた)「DIP-BAP」をやる伏線で、その前のアルバム(『FIXION』)で「マナーモード」をやってたりとか、そういう伏線を常に張ってて。このアルバムで「次」を提示できるとしたら、この曲かなと思ったんです。

山中:それが上手くいったことで、もともとは5曲目だった「LOVE」を、やっぱり最後のほうが良いわ、みたいな話になって。アルバム全体も締まったんですよね。

─「LOVE」が最後に入ることで、孤独から光に向かうイメージにもなったし、みんなと一緒に生きていくっていう強い意志も感じる作品になりましたよね。

山中:結局そこに導かれていったんだろうなっていうのはすごく思います。ずっと死ぬことであるとか、終わりっていうことばっかり考えて歌詞に書いてたんですけど、“生きる”っていうことを書こうと思うようになったのは、本当に最近なんですよね。

─この間、ふと思ったんだけど、オーラルってギミックも多いし、曲は複雑だし、マインドも天邪鬼だし、いわゆる王道のロックバンドでは絶対になかったと思うんですよ。

山中:うんうん(笑)。

─でも、いつの間にか、「オーラルこそ王道だ!」みたいな空気がライブシーンにできてきてる。それってスゴいことだなと。

山中:ちょっと! 僕が最後に言おうとしたことを言わないでくださいよ(笑)!

─あははは、ごめん(笑)。

山中:いや、でもうれしいです。それ、人に言われたのは初めてなので。本当にそうですね。僕らは2017年以降、新しいスタンダードを作っていきたいんですよ。言っていただいたとおり、いまポピュラーとされているものに、オーラルは掠りはしてるけど、まったくハマってるわけじゃなくて。でも、ポピュラーとされている音楽の良さを、僕らはしっかりわかってるのも強みだと思うんですね。本当はオーラルって暗くて、王道にはなり得ないバンド。そういうバンドがスタンダートになる日がきたら、万々歳だし、それは世界が変わったのと同じじゃないですか。だから、そこをちゃんと目指していきたいんです。

─いまのオーラルはすごく地に足がついてますね。

あきら:よく拓也がたとえるんですけど、ずっとバネを縮めてきた感じなんですよね。「いつまで縮めるんやろ?」と思ってたけど、2017年はバーンとバネが伸ばしていくつもりなので。そこにちゃんとしがみついていきたいと思います。

中西:いまは僕らが突っ走っても、ちゃんとお客さんがついてきてくれる自信もあるし、僕らがやりたいことを提示することで、お客さんと一緒に新しいステージから見える景色を作っていきたいと思ってるので。まだ2017年は始まったばかりなんだけど、僕らはもう2018年を見据えてる。それぐらい、いまは先が見えてますね。

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THE ORAL CIGARETTES リリース情報

UNOFFICIAL

初回盤

UNOFFICIAL

通常盤

UNOFFICIAL

2017年2月1日発売

初回盤(CD+DVD):AZZS-57 ¥3,000(税抜)
通常盤(CDのみ):AZCS 1063 ¥2,500(税抜)

収録曲
1. リコリス 2. CATCH ME 3. 悪戯ショータイム 4. 5150 5. WARWARWAR 6. エンドロール 7. DIP-BAP 8. Shala La 9. 不透明な雪化粧 10. LOVE

初回盤DVD収録内容
2016年11月22日に行われたZepp Tokyoでの「THE ORAL CIGARETTES唇ワンマン2016」ライブ&ツアードキュメンタリーを収録(約90分収録)

CDショップ別特典

AMAZON/TSUTAYA/HMV
BKW!!カード ~「UNOFFICIAL」ver.~/『UNOFFICIAL』A4クリアファイル

タワーレコード/タワーレコードオンライン
BKW!!カード ~「UNOFFICIAL」ver.~/『UNOFFICIAL』オリジナルラバーバンド/タワーレコードオリジナルポストカード

上記以外の一般CDショップ
『UNOFFICIAL』ジャケットステッカー

THE ORAL CIGARETTES OFFICIAL SHOP
BKW!!カード ~「UNOFFICIAL」ver.~/『UNOFFICIAL』ジャケットステッカー

THE ORAL CIGARETTES OFFICIAL SHOP「BKW!! Premium Members」限定特典
BKW!!カード ~「UNOFFICIAL」ver.~/『UNOFFICIAL』オリジナルスリーブケース

※特典は全て、CD発売タイミングでのお渡しとなります
※上記特典は全て数量に限りがございます。予定数になり次第終了となりますのでご了承ください
※特典に関する詳細は各CDショップにお問い合わせください

THE ORAL CIGARETTES オフィシャルウェブサイト


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