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DIR EN GREY『TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________』ついに完結! TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________[mode of Withering to death.]レポート

2017年10月19日(木) 16:30配信

DIR EN GREYによるツアー『TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________』が、ついにファイナルを迎えた。

DIR EN GREY

昨年6月からスタートした一連のツアーが“軌跡の総括と鍛え上げられた現在のバンド像の提示”であろうということは、前回の『~[mode of MACABRE]』の記事内で書いている。加えて、小難しいことは抜きにして、ものすごく夢のあるツアーだったとも思う。今の彼らによってアルバム単位でこれまでの楽曲を聴ける喜びをはじめ、そこには半ば封印されていたと思しき曲もあれば、さらにはテーマとなるアルバム作以外からの初期ナンバーが、元のアレンジでプレイされるサプライズまであったのだから(それにとどまらず、未発表の新曲が複数聴けたのも彼ららしかったのだが)。

もちろんDIR EN GREYが今を生きるバンドであることは、よく分かっている。それゆえに、結果未来に繋げるものであれ、こうした機会を作ってくれた彼らに、今は心から“ありがとう”と言いたいのだ。

さて、そんなツアーを締め括ったのは、琴線に触れるメロディとハードネスのバランスが絶妙な傑作『Withering to death.』(2005年)を掲げた、『~[mode of Withering to death.]』である。ここでは、10月4日・新木場スタジオコースト公演と、追加公演であり、実質上ファイナルとなった10月12日・Zepp Tokyo公演の模様を織り交ぜてお届けする。

京(Vo)

京(Vo)

まずは、新木場スタジオコースト公演。この夜のオープニングは、「悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱」だった。前夜とは異なる静かな立ち上がりだが、1曲で空気を完全に掌握できるDIR EN GREYだからこそ、どんなスタイルの曲が来ようとも、そこからドラマを創り上げていける。

薫(G)が奏でるクリーントーンと、椅子に腰掛けたDie(G)が弾くアコースティックギターの音色が静謐な空間で混じり合い、終盤には感情の昂ぶりを映すかのように、音源にはないオクターブ高いメロディーを歌い上げる京(Vo)。青いライティングと深海を想起させる映像とのマッチングも美しい。そして、アウトロで背後のLEDビジョンに浮かび上がる今回のツアータイトル――これまで様々な形で見せてきたタイトルバックだが、どれをとっても溜め息が出るほどにクールだ。

薫(G)

薫(G)

静寂のなか、台上に昇る京の足音だけが響き渡り、SEが「Merciless Cult」の始まりを告げると、歓声と共に挙がる無数の手。「聴こえねーぞ!」という檄を合図に、さらに強固なオーディエンスの大合唱が湧き起こる。続く「GARBAGE」で、解き放たれたかのように立ち位置を激しく移り変わるメンバー。Toshiya(B)はボトムを支えつつ下手前方に飛び出して煽り、対するフロアのタテノリも激しさを増す一方だ。キレのあるカッティングが響く「Machiavellism」では、Shinya(Dr)が生むノリやすいビート感とあいまって熱は高まっていき、この序盤のストレートなグルーヴを体感して、改めて『Withering to death.』が『VULGAR』(2003年)を経て生まれた作品だったことなども思い返していた。

そして強烈だったのが、観る者を深い渦に耽溺させていく中間ブロック。Zepp Tokyo公演はより突き抜けた内容となり、ここからはその最終夜の模様を追ってみたい。

Die(G)

Die(G)

前曲の「Machiavellism」から一転、「愛しさは腐敗につき」を導入にして、新たな歌詩も加わっている「悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱」などの叙情ナンバーの連打で、それまでとは空気がガラリと変わる。次いで、SEに京の呻くような声が重なり、曲は「禍夜想」へ。これ以降のグッと入り込んだ彼のたたずまいは、特に凄まじかったといえる。不穏さと妖美さを併せ持つ同曲の中で、倒れ込みながら歌い、またファルセットから咆哮までを操るヴォーカリゼイションも禍々しく響いた。

続く「孤独に死す、故に孤独。」では、一人ひとりに訴えかけるように言葉を紡いでいた京だったが、途中、感情が崩壊したかのごとく、自らの手で自身の頬や口腔を容赦なく痛めつけていく衝撃の姿を晒す――。オーディエンスは叫びにも似た歌をステージに向かって届け、その剥き身で魂をぶつけ合う様はあまりに壮絶だ。

曲が終われど、正気でない動きを続け、そして笑い、さらなる狂気を撒き散らす京。「dead tree」が始まっても余韻を引き摺ったままの歌を聴かせ、両腕を広げるその姿に呼応して、フロアからの割れんばかりの熱烈な声が何度も場内を包み込む。最後には、あらゆる痛みを断ち切るかのような彼の叫声が轟き、マイクを叩きつける音を残して、実に濃密なこのブロックを終えたのだった。

Toshiya(B)

Toshiya(B)

また、両公演共に、終盤に据えられたアグレッシヴな曲たちの存在もフックとなっていた。フロントの4人が最前に躍り出る「Spilled Milk」も大いに湧き、爆発力がさらに凄かったのが最終夜の「Beautiful Dirt」である。一丸となる演奏はもとより、冒頭から言葉にならない歌を吐き出し、台上からステージに飛び込むようにしてのたうち回る、京のブチ切れ具合も尋常でなかった。

そして本編ラストは、不朽の名曲「THE FINAL」。フロアにより近い位置で情感豊かに歌われ、Dieによる咽び泣くチョーキングが共鳴し、さらにオーディエンスの声も被っていくクライマックスは感動の一語。場所を問わず、桁外れのスケール感と泣きを放つこのナンバーは、いつどこで聴こうとも胸が張り裂けそうになる。

Shinya(Dr)

Shinya(Dr)

その後のアンコールでもハイライトは随所にあったが、やはり「C」が始まった瞬間の、思わず声を上げたくなるほどの高揚感・無双感は特筆すべき点だろう。侘び寂びのあるメロディとドラマティックな曲展開が一体となり、熱情は微塵も途切れない。曲の後半になると、Shinyaのすぐ背後にDie、目前に薫、Toshiyaもドラムライザーを囲む形で立ち、そんな場面にも自然と頬が緩む(ちなみにスタジオコーストでは、ドラム包囲網のギタリスト陣の立ち位置がファイナルとは逆であった)。

「今を燃やしてこい! イケるか!」

こんな熱い言葉に導かれて登場したのは、現時点での最新曲「詩踏み」。ご存知の通り、全ツアーを通して最も多く演奏されたこの曲が最後を飾った。たっぷり間をとったイントロのブレイク部分では、薫によるフィードバック音がノイジーに鳴るなか、京は身体をのけ反らせながらも腕を動かし、“もっと届けてこい”と言わんばかりにオーディエンスを限界まで煽動する。今宵も激烈に駆け抜け、またラストでShinyaがより長く激しく叩きまくっていたのは、“これで最後”という想いからではなかっただろうか。

DIR EN GREY

予定のメニューをすべて終えると、思いのほか京はあっさりと引き上げてしまったが、薫は飛距離を競うかのように次々とピックを遠くまで飛ばし、Shinyaはグッズのハンドバッグを抱え、あれこれ取り出してはフロアに投げ入れる微笑ましさだ。ファイナルらしい自由なムードのシーンを堪能し、出口へと向かう人もいたのだが、そこで自然発生したアンコールの声――。なんと、その熱い想いがメンバーを再び呼び戻すことに…!

「うっせーな! ははっ!」
最後にステージに戻ってきた京はこう言うと、「まだ声出せんだろ、イケるか!」と続け、「お前らの声、聞かせてくれ!」と繰り返す。完全に予定外のダブルアンコールとなり、全開の照明のなかプレイされたのはアンセム「Un deux」! 会場は強烈にポジティブな空気で満たされ、オーディエンスに向けて手を広げるToshiyaの笑顔もまた眩しい。まさしく、すべてがひとつになる美しい瞬間だったと思う。

終演を告げる影アナが流れると拍手が起こり、“DIR EN GREYコール”も聞くことができた。まさにグランドフィナーレにふさわしいライヴであり、紆余曲折の20年を経た彼らが、今こうした形でツアーを終えたことがたまらなく嬉しい。この17ヵ月のなかで、幾度となく最高の景色を見せてくれたDIR EN GREYに乾杯である。(文:早川洋介 撮影:尾形隆夫/写真は10月3日@新木場公演)


TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ [mode of Withering to death.] セットリスト

◆2017.10.12 Zepp Tokyo
01.Merciless Cult 02.朔 -saku- 03.Machiavellism 04.愛しさは腐敗につき 05.悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱 06.禍夜想 07.孤独に死す、故に孤独。 08.dead tree 09.鼓動 10.Spilled Milk 11.Beautiful Dirt 12.Revelation of mankind 13.The inferno 14.THE FINAL

ENCORE
SE.G.D.S 15.GARBAGE 16.C 17.Jesus Christ R'n R 18.Sustain The Untruth 19.詩踏み

W.ENCORE
20.Un deux

◆2017.10.04 新木場STUDIO COAST
01.悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱 02.Merciless Cult 03.GARBAGE 04.Machiavellism 05.愛しさは腐敗につき 06.懐春 07.禍夜想 08.孤独に死す、故に孤独。 09.dead tree 10.鱗 11.Jesus Christ R'n R 12.Beautiful Dirt 13.Spilled Milk 14.THE FINAL

ENCORE
SE.G.D.S 15.朔 -saku- 16.C 17.鼓動 18.Un deux 19.詩踏み

◆2017.10.03 新木場STUDIO COAST
01.Merciless Cult 02.朔 -saku- 03.Machiavellism 04.Jesus Christ R'n R 05.愛しさは腐敗につき 06.悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱 07.禍夜想 08.孤独に死す、故に孤独。 09.dead tree 10.鼓動 11.Spilled Milk 12.Beautiful Dirt 13.Revelation of mankind 14.The inferno

ENCORE
SE.G.D.S 15.GARBAGE 16.C 17.THE FINAL 18.SUSTAIN THE UNTRUTH 19.詩踏み

DIR EN GREY リリース情報

VESTIGE OF SCRATCHES

2018年1月2日発売

【初回生産限定盤】
4枚組(3CD+Blu-ray) SFCD-0211〜214 ¥6,800(税抜)
4枚組(3CD+DVD) SFCD-0215〜218 ¥5,800(税抜)

【通常盤】
3枚組(3CD) SFCD-0219〜221 ¥3,700 (税抜)

※収録内容、タイトル表記及び仕様等は変更になる可能性がございます。
※初回生産限定盤は、生産数量限定商品となります。確実にお買い求めいただくには、2017年11月19日(日)までにお取扱い店舗にてご予約くださいませ。

<早期予約特典>
受付期間:2017/10/11(火)~2017/11/19(日)
対象:期間内に【初回生産限定盤】(SFCD-0211〜214 / SFCD-0215〜218)をご予約いただいた方
特典内容:スタッフパスレプリカステッカー ※1商品ご予約につき、特典を1枚差し上げます。 ※通常盤は早期予約特典対象外となりますので予めご了承ください。

<店舗別オリジナル予約特典>
・TOWER RECORDS (一部店舗除く) ラバーバンド ・TSUTAYA (一部店舗除く) B3ポスターA ・HMV (一部店舗除く) B3ポスターB ・Amazon ポストカード
※特典は数に限りがございますので、なくなり次第終了となります。 ※特典の有無に関するお問合せは直接店舗へご確認ください。

DIR EN GREY オフィシャルサイト

DIR EN GREY BEST ALBUM スペシャルサイト

【DIR EN GREY 『TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________』各ライブレポートはこちら↓】

>DIR EN GREY 『TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ [mode of VULGAR]』新木場STUDIO COAST2days

>DIR EN GREY 『TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ [mode of DUM SPIRO SPERO]』中野サンプラザ

>DIR EN GREY 『TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO________[mode of 鬼葬]』ファイナル公演・新木場STUDIO COAST

>DIR EN GREY 『TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________[mode of UROBOROS]』ツアーファイナル・東京国際フォーラム・ホールA

>DIR EN GREY 『TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ [mode of THE MARROW OF A BONE]』@新木場STUDIO COAST

>DIR EN GREY 『TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ [mode of mode of MACABRE]』@中野サンプラザ


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概要 Dir en grey、1年6ヶ月ぶりの待望のアルバムリリース!オリコン初登場7位シングル「THE FINAL」、4位シングル「朔-saku-」収録。

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作曲 DIR EN GREY 
概要 デビューから5年、絶え間なく音楽性を拡張し、変化を遂げてきたDir en greyが、制作期間に多くの時間を費やした待望のアルバムを完成!ヘヴィーなサウンドはいうまでもなく、スケールの大きさ、クオリティーの高さは絶品。よりドラマチックに、より刺激的に、ジャンルなどを超越した音空間。期待は興奮へと導かれるであろう内容の1枚。

 作品詳細・レビューを見る 

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