あるモノの隣に置くのがコツ? エアプランツの育て方をThe Landscapersに聞く

2015.6.29 (月) 19:51

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「エアプランツ」という名前を聞いたことのある人は、ずいぶんと増えてきたはず。しかし、正しい育て方を知っている人は、実は結構少ないかもしれない。土がいらないため、インテリアとしていろいろな可能性を楽しめるのがエアプランツの魅力だ。独特のオシャレな雰囲気があって、何気なく部屋に置いてあるだけでも空間を素敵にしてくれるので、憧れている人も多いのではないだろうか。

ところでエアプランツと言えば、「空気中の水分で育つ」なんて言われることもあるが、それを鵜呑みにして枯らしてしまった人もいるかも。何となく難しい植物だと感じている人もいるに違いない。エアプランツは、もともと日本に自生していない植物で、しかも他の鉢植えの植物とは異なる育て方が求められるので、ちょっとコツが必要なのだ。

でも、初心者が育てることは無理、というわけじゃない。プロのアドバイスがあれば、初めてでも育てられるはず。そこで今回は、エアプランツによるグリーン商品やディスプレイを行っているエアプランツブランド、The Landscapersに育て方やオススメの取り入れ方を聞いてみた。

そもそも日本では生きていけない植物?

"Big Driftwood Tillandsia" @the_landscapers_japan

エアプランツは、主にチランジアという植物の別称。もともと南米のチリやグアテマラに自生している植物であり、日本で自然に生息することはありえない。日本には四季があり、暑い夏も氷点下の冬もあるため、自生地の環境からは程遠いのだ。

「日本で育てるなら、より自生地に近い環境を保たないといけません」と語るのは、The Landscapersのディレクター塙正樹氏。具体的に必要なのは、置き場所に気をつけることだという。「エアプランツは、冬の寒さには弱いし、夏の直射日光に当てても日焼けしてしまいます。だから、家の中で育てるのは良いと思うんです」。

しかし、家の中で育てるにも注意すべきことがある。「空調の風に当たらない場所に置くこと。空調の風が直接当たると乾燥してしまいます」。また、風通しの良い場所に置くことも必要だという。

「水がいらない」は大間違い

"Sprayer" @the_landscapers_japan

また、水やりにも少しコツがある。自生地のエアプランツは、夜間に発生する濃い霧から水分を吸収している。しかし日本の一般家庭で育てる場合には、霧吹きなどで水やりを行うことになる。「水がいらない」というのは自生地での話であり、日本では間違いだ。

「霧吹きの他にも、“ソーキング”と呼ばれる方法もあります。エアプランツ自体を、水の中に1時間くらい浸けてしまうんです」。エアプランツを初めて育てる人には衝撃の水やり方法。しかし、長時間水に漬け過ぎないよう注意が必要だ。

「こう言うとガッカリされるかもしれませんが、エアプランツを育てるのは大変ですよ(笑)種類や大きさでも水やりは変わってきますし、小さい株だと水を上げ過ぎると枯れちゃうし…」。


正解にして唯一のマニュアルは、愛情

"Bottle Tillandsia Wood" @the_landscapers_japan

「正直、育て方のマニュアルはない」と塙氏。「育てる環境は人それぞれ。だから、誰かが言った育て方を教科書にしない方がいいと思います」と、バッサリ率直に語る。それでは、初心者にエアプランツを育てることは無理なのか。

「そんなことはないですよ。確実に言えることは、ちゃんと愛情を持ってあげれば育つということ。つまり、しっかりと“見る”ということが大事なんです。一定の基準がないからこそ、プランツの状態をしっかりと見る。それが一番のマニュアルですね」。

好きなモノの隣に置くと、ちゃんと育つ理由

"Driftwood Tillandsia & Book & Sprayer" @the_landscapers_japan

そもそもThe Landscapersと言えば、ハイセンスなクリエーションでエアプランツを用いたグリーンを提案しているボタニカルブランド。ぜひオススメの取り入れ方についても聞いてみたい。

「僕らのオススメは、自分の好きなモノの隣に置くこと。先日は代官山蔦屋書店で『favorite books, favorite plants』というインスタレーションも行ったのですが、僕の好きな洋書や写真集と一緒にエアプランツを展示しました。例えば、音楽が好きな人なら、レコードの棚に置くとか、お菓子好きなら、お菓子の置き場所に置くのもいいかもしれませんね(笑)」。

好きなモノの隣に置く。これはとても分かりやすくてトライしやすいアイデアだ。「好きなモノの隣に置くというのは、さらに秘密があって、気になるものの近くにあれば頻繁に目にすることになります。つまり、手入れもしやすいんですよね」。育てる“唯一”のコツである“愛情を持って見る”ことに、見事につながった。


インテリアとしての可能性は無限大

さらに塙氏は、エアプランツの持つインテリアとしての可能性にも触れる。「エアプランツのいいところは土がいらず、吊るせるという点ですね。鉢などを吊るすハンギングプランツではなく、植物自体を吊るしておけるというのがポイントが高いです」。The Landscapersの作例を見ると、照明のシーリングのようにエアプランツを部屋に吊るすなど、ある意味、常識を覆される表現を目にすることができる。

クリップを付けて壁に掛ける、時計に磁石のフックを付けて吊るす、ビンテージのシェードに引っ掛ける、など、エアプランツの表現は本当に無限なのだと実感できる。アイデア次第では、いくらでも自由に楽しむことができそうだ。

"Hanging Tillandsia" @the_landscapers_japan

"Iron Tillandsia Stand" @the_landscapers_japan


折角出会った植物を枯らしたくない、と考えるのは無理もない話だが、絶対に枯れない植物なんて存在しないことも事実。「何をやっても枯れる時は枯れるもの。絶対はありません」と塙氏。エアプランツに限った話ではないが、仮に大切にしている植物を枯らしてしまっても、グリーンを育てることを諦めないで欲しい。

エアプランツは上手く育てることができれば長く生き続けるし、子株が出来て増殖していく楽しみもある。愛情を持って育てた植物が生き生きと育っていく様子は、大きな喜びがあるもの。まずは気軽な気持ちでもいいから、自分の好きなモノの隣にエアプランツを置くところからスタートしてみてはどうだろう。

(文:玉田光史郎)

◆あわせて読みたい

ブーム真っただ中! エアプランツによるグリーン表現の最前線/The Landscapers塙正樹氏インタビュー

【プロフィール】塙正樹(はなわ・まさき)

The Landscapers/クリエイティブディレクター。広告代理店企画制作関係、インテリア関係、アパレルメーカーに勤務後、植栽関係の仕事をしていた妻と2014年、The Landscapersを設立。現在は株式会社ビヨンクールのクリエイティブディレクターを本業に、同ブランドのプランニングやディレクションも担当している。

The Landscapers official site


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