【連載】LIFE相場正一郎さんと12カ月の道具たち:5月は思い出のインテリアを囲んで家族と寄り添う

2017.5.1 (月) 07:00

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2003年、代々木八幡商店街にレストラン「LIFE」はオープンした。訪れた人を心地よく包み込むような空間とほっとさせる料理だけでなく、カルチャーやライフスタイルの発信地としても多くのお客さんから愛されている。

そんな「LIFE」の生みの親であるオーナーシェフ・相場正一郎さんは、自他ともに認める“道具好き”。食はさることながら、山登り、サーフィン、インテリア、カメラなど、さまざまなことに造形が深い相場さんは、一体どんな道具たちと寄り添いながら一年を暮らしているのか。その月ごとの欠かせない愛用の道具をひとつずつピックアップして、相場さんと道具たちのストーリーを紡いでいく。

第2回目となる5月は、相場さんが家族と過ごす時間を演出する、大事なインテリアのお話。代々木公園近く、新緑に囲まれた相場さん邸にて、話を伺った。

小さな頃からDIYが好きだった

――「LIFE」「LIFE son」「LIFE Sea」はどの店舗も、センスが光るインテリアも魅力的ですね。まさにオーナーである相場さんのおしゃれだけれども飾らない人柄を表しているようです。相場さんが最初にインテリアに興味を持たれたきっかけは何でしょうか。

小・中学生のころからDIYが好きだったんですよ、家の棚も自分で工夫して作るなどしていましたね。また従兄弟の家が輸入のカナディアンログを建てる仕事をしていて、その手伝いをすることもありました。

そういった流れからか、家具やインテリアにも興味を持って、雑誌を見たりショップに行くなどして自分なりに研究したんです。今も店を持っていることもあってか、自宅も含めてつい意識的にコーディネートしたくなっちゃうんですよね。

――子供のころから自然とインテリアに興味を持たれていたのですね。では本格的にこだわりはじめたのはいつごろでしょうか。

イタリアから帰国後、25歳の時に奥さんと一緒に暮らし始めてからでしょうか。その頃は若かったし、部屋はワンルームでインテリアに妥協することも多かったけれど、「これだ」と思うものをイメージして奥さんと常に探していました。

その頃PACIFIC FURNITURE SERVICEで見つけたダイニングテーブルと中古のチェストが自分たちのイメージとばっちりで、そのふたつは自宅で今でも使っています。

かれこれ18年ほど使っているというダイニングテーブルは今も現役。同じものをお店でも使用しているそう。

山小屋からもれてくるようなランプの光

――ダイニングテーブルは使い込まれて木目が濃くなって……味わい深いですね。そちらにあるランプはお店と同じものでしょうか?

もともとLIFEで使っていたものなのですが、家に持って帰ってきました。TRUCKのものですが、こういった表情をした木のシェードは他になかなかないでしょう? まるでオレンジ色の光が山小屋からもれてくるイメージ。

最初に店を作るときに自分なりのコンセプトとして、小さなランプを置きたいと思っていたんです。ランプがあることで家らしくなって、心理的にほっとするし、なによりこのオレンジの光がLIFEの色だと思っているんです。

LIFEの全店舗にも置いてあるという、オレンジ色の光が優しいランプ。リビングは家族が集まりながらもそれぞれが好きなことができる、リラックスした空間。

――優しい光が落ち着きますね。このランプは全店舗に置かれているのでしょうか?

ええ、なんといってもLIFEの色ですから。数は店によってまちまちですが、すべての店舗に置いてあります。留学時代にイタリアのレストランではライティングが全体的に暗めなのが印象的でした。その影響もあってか、店には照明を落としながらも暖かさを感じる光が必要だったんです。

――オレンジの光は少し遅めの時間にお店に伺ったとき、より印象深く感じます。ちなみにお店と自宅とでインテリアをチョイスする際の視点は変わりますか?

店で使っていたものを配置転換などで自宅に持ってきたり、その逆に家にあるものを店に持っていくことなどはよくあります。選んでいる人間が同じなので考え方のベースは一緒ですが、自宅の場合はもう少し趣味に寄るので、若干違いますね。

店の場合は、1店舗めの「LIFE」のときは予算が限られていましたが、2店舗目の「LIFE son」ではすこし余裕があったので、マーガレットハウエルの家具を買ってみるなど、自分なりに新しい試みもしています。

――ランプの作者であるTRUCKの黄瀬さんと親交深い相場さんですが、家具に関してアドバイスなど聞くことはありますか?

黄瀬さんは人のインテリアに口をだすタイプじゃないので特にありません。僕はTRUCKの家具は新品でも馴染むのが早くて好きですが、黙っていると家の家具が全部TRUCKになってしまう(笑)。それだとちょっと面白くないでしょう? 崩す意味合いもあって、違うものも混ぜるようにしていますね。それでも自分の選んだものなので、調和して結果的には雰囲気が合うのですが。

限られたスペースでインテリアを楽しむ工夫

――ご自宅のインテリアは奥様と一緒に選ばれるのですか?

大体そうですね。奥さんとは基本的にインテリアの趣味が似ているからぶつかることはないのですが、置けるスペースが限られているのと、奥さんがすごく整理整頓が好きだから、家具でも食器でも服でも、何かひとつ買ったらひとつ減らすようにルールづけられています。また、年に一回LIFEでガレージセールを開いて、意識的に整理するようにもしてますね。

――それは賢い方法ですね。

生活上自宅に家具を増やせないぶん、店を作るときにうっぷんを晴らしています(笑)。

――お店を作る醍醐味ですね! ちなみに今欲しい家具などはありますか?

TRUCKから新しく発売された首つきのリクライニングチェア「231. RAGTIME ROCKING CHAIR / HIGH BACK」ですかね。椅子が好きなんですよ。

――そういえば、ダイニングで使っている椅子は全て種類が違うのですね。

種類をそろえたいなと思うこともあるのですが、実家から持ってきたものがあったり、ひとつだけ気に入って買ったものもあったりして、結果的にバラバラになってしまった。うちは4人家族ですが、自然とそれぞれの専用の椅子が決まっていますね。

――それぞれの椅子に個性があって……相場さんご家族が座っている様子を思い浮かべるとなんだかほほえましいです。どの椅子も魅力的なのですが、選ぶときの決め手は何でしょうか?

座り心地がよくて、使っていくうちに進化するものが好きですね。木や皮などの素材が使っていくうちに濃くなって、味わいが出てくるものなどが好みです。購入する際、デザイナーやブランドは特に気にしないのですが、買ってから人に言われて有名なものだと知ることも多いですね。

子供と一緒に過ごす時間、整頓しながらも生活に遊び心を

――小さなお子さんがいるお家ですが、すごくスッキリとされていますね。

奥さんがきれい好きなので(笑)。子供たちが遊んで、リビング中におもちゃの線路が轢かれることもあるのだけれど、次の日にはきちんと片付けられています。それに、おもちゃって踏むと痛いじゃないですか。日々そういったことを体感しながら、子供たちも遊んだら片付けることを学んでいるようですね。

――リビングに子供用のデスクやおもちゃ箱などが置かれてあるのですが、インテリアの一部として馴染んでいますね。

片付きすぎると子供にはかわいそうかな?と思うこともあるけれど、その中でも子供たちは、この部屋でそれぞれに楽しんでいるようですね。

――可愛らしい子供のおもちゃや絵本があることで、よりリラックスできるように感じます。ライトの上にある恐竜のオブジェも目を引きますね。

恐竜は気付いたらそこが定位置になってました(笑)。下からライトアップされる感じが博物館のようで面白いでしょう? もともと蚤の市やアンティークものが好きだから今でも行くと楽しくて、遊び心があるアイテムを購入することもあります。僕は何かをコレクションするタイプではないのだけれど、そういった場所で好きなもの、興味を持ったものをじっくりチョイスすることで、自然と世界観が確立された気がします。

(インタビュー・文:山本加奈子、撮影:MASA(PHOEBE))

「LIFE」オーナーシェフ
相場 正一郎

イタリアのトスカーナ地方で料理修行をした後、2003年に代々木公園にカジュアルイタリアン「LIFE」をオープン。現在、「LIFE son」「LIFE Sea」など全国に5店舗を運営する。店舗では、イベントの開催、オリジナルプロダクトの制作、地元の情報を集積したフリーペーパー『PARK LIFE』の発行など、カルチャーの発信地としても多くのファンを持つ。最近、渋谷の東急本店に抜ける長い一本道「奥渋谷」に話題の店が続々と増えているが、その走りとなったパイオニア的な店が「LIFE」と言える。

著書は『世界でいちばん居心地のいい店のつくり方』(筑摩書房)『LIFEのかんたんイタリアン』(マイナビ)『LIFE OF THE MIND』(ネコ・パブリッシング)など。

公式サイト  Instagram


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世界でいちばん居心地のいい店のつくり方

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カフェブームのなかで育った僕が考えたいい店のあり方と暮らし10年分。“カフェ”より親しみやすく気持ちのいい店とは?!メニューやインテリア、そして働き方にも、楽しく暮らすリズムとセンスが活かされる。

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