今、アジアのクリエイティブシーンが熱い!カオスと洗練の融合

2014.10.27 (月) 11:50

シェア

シンガポールに本拠地を置くデザインプロダクト会社『industry+』の作品『Tea for One』(design by Byung Kil Kim)。英国在住の韓国人デザイナーの作品で。現代人の生活スタイルをユーモラスに表現している

国際的なクリエイティブイベント「TOKYO DESIGNERS WEEK2014」(10月25日~11月3日(月・祝))をはじめ、10~12月にかけて各地でさまざまなデザインイベントが開催。今年もデザインシーンが盛り上がるシーズンが到来した。

代官山 蔦屋書店の建築・デザインコンシェルジュ三條陽平氏は、現在のデザインシーンのキーワードは「『アジアンクリエイティブ』ですね」と話す。日本をはじめ、シンガポール、タイ、台湾、香港、韓国などを拠点に活動する気鋭のデザイナーやブランドの勢いに目を見張るものがあるらしい。

「クリエイティブ元年」を迎えるアジア

「アジアのクリエイティブシーンが急成長しているということを多方面から耳にします」と三條氏。その背景として「アジア各国の経済的成長」を挙げ、次のように話す。

「ヨーロッパなどの先進諸国に留学し、自国に帰って活動しているクリエイターが増えてきています。今まで製造業や農業における生産地としてしか見られていなかったアジアが世界に開かれ、クリエイティブシーンに欠かせない場所に変わってきているのです。今年はアジアの『クリエイティブ元年』と言えるのではないでしょうか」

アジアのデザインは「カオスと洗練の混在」

三條氏は昨今のアジアのデザインのおもしろさについて、「デザイン先進国に追いつこう、追い越そうというハングリー精神の熱量が、とにかくすごい。そして、デザインとして洗練されたものと未発展なものの両方が混在しているという点にも、アジアの良さがあります」と語る。

日本未上陸、上陸したてのブランド、そしてこれらアジア諸国のブランドが発信するクリエイティブの熱に負けず、日本で続々誕生している新鋭ブランドのなかから、三條氏が特に注目するブランドを作品とともに紹介してもらった。

注目のアジア新鋭ブランド4選

industry+(シンガポール)

シンガポールに本拠地を置く、デザインプロダクション会社。アジアのコンテンポラリーデザイナーの編集、及び商品開発を行い、"Made in Asia"をコンセプトに世界中で展開する。鳥かごをイメージした竹の照明や、フィリピンマホガニーを使った木のスツールなど。「シンガポールはさまざまな文化が集まる地で、各国のカラーの融合やアイデンティティが見て取れます」(三條氏)

『Gabbia lamp』(design: Ryosuke Fukusada & Lui Pereira)。鳥かごをイメージした竹の照明。ペンダントライトと床置きの2種類のタイプがある。

『Sad Girls Club』(Artist:Teresa Lim)。ファッションデザイナーとのコラボや広告のイラストレーションなど、シンガポールで活躍中のイラストレーター、テレサ・リムの刺繍作品

THINKK Studio(タイ)

Decha ArchjananunとPloypan Theerachaiによって2007年設立されたデザインスタジオ。2013年にはElle Decor Thailand にて「ヤングデザインオブザイヤー」を受賞。現在、タイを拠点に活動中。「タイ発コンテンポラリーデザインの、一つの完成された形でしょう」(同上)

『Truck』。デスク整理に役立つ、かわいいトラック型小物入れ。おもちゃのような質感とフォルムが、子ども時代のような創造力を喚起してくれそうだ

kapok(香港)

香港のセレクトストア。空高く枝を広げ、多くの動植物に『住み処』を提供する「カポック」という荘厳な大樹が店名の由来。その名の通り、香港の新鋭デザイナーなどによる、将来性のある若いブランドを扱う。「急成長しているセレクトストアで、表参道にも東京店『kapok Tokyo』がオープンしたばかりです」(同上)

『TEDDYFISH』による、たっぷり入るポーチ。カラーはネイビーブルーとフォレストグリーン(写真)がある

『DITTO DITTO』による、活版印刷で作ったポストカード

『VOID』による、シンプルなデザイン、素材使いのデジタルウォッチ

INSTANT JEWEL(日本)

日本を支える高い工業技術とファッションをデザインで融合させたアクセサリーブランド。「工業生産=マシンメイド」ならではの豊かな色彩や質感、異素材にまたがる多様なバリエーションが特徴。「職人の手仕事=ハンドメイドがブランド価値になる現代において、100%マシンで作っていることを価値付けしている、逆説的なおもしろさがあります」(同上)

『SNAPLATE』。射出成形で立体的に形作られたプレートをさまざまな図形にレーザーカット。プレート状になっているところから形を取り出して、ピアスやイヤリング、ネックレスのヘッドとして自由にアレンジできる(スナップマルカン、イヤリング等の金属パーツは別途必要)

アジアのクリエイティブシーンをのぞける1冊

アジアのクリエイティブシーンを理解できる本として、三條氏がオススメするこちらの本もあわせてチェックしておきたい。

勢いのあるアジアのクリエイター150人を収録!

『世界を熱くするアジアのクリエイター150人 ASIAN CREATIVES』

ubies 編、パイ インターナショナル 刊

アジアのクリエイティブシーンにおいて、 いま最も注目すべきクリエイター150人を一挙紹介。クリエイターが作品を公開する登録制プラットフォーム「ubies (ウビエス)」から生まれた。「ubiesさんは以前からアジアに目を向けて、世界に発信していこうとしていました。アジアのクリエイティブシーンはここまで来ているのか、という驚きがあります。また、クリエイターなら刺激されずにはいられない一冊です」(三條氏)

経済だけでなく、クリエイティブシーンの成長もめざましいアジア。そこで生み出される作品の数々からは、今最も熱く、クリエイターたちの作品への熱量を感じられるはずだ。

(文:山岸早瀬)

【代官山 蔦屋書店の関連イベント】

代官山デザインデパートメント

【代官山 蔦屋書店】
建築・デザインコンシェルジュ 三條陽平 氏

TSUTAYA TOKYO ROPPONGIで建築・デザインの担当をした後、2012年から代官山 蔦屋書店のコンシェルジュに。月に一度、建築物を見るために地方へ出かけることをライフワークとしている。今後は海外、特にニューヨークやスイスの建築を見に行くことが目標。

コンシェルジュブログ


関連記事

関連タグ

この記事をシェアしよう。

この記事が気に入ったら、
いいね!しよう。

You might Like

レコメンド

Read More

T-SITE LIFESTYLE TOPへ戻る

Access Ranking

ランキングをもっと見る

日本最大級ビアガーデン「ヒビヤガーデン2018」日比谷公園で5月18日から開催

  1. No.1 日本最大級ビアガーデン「ヒビヤガーデン2018」日比谷公園で5月18日から開催
  2. No.2 漫画『スラムダンク』新装再編版が6月1日より刊行開始! 井上雄彦がカバーイラスト描き下ろし
  3. No.3 ミニチュアアーティスト田中智の個展、銀座で4月27日から。指先サイズの世界にときめく
  4. No.4 花火×音楽のエンタメショー「STAR ISLAND 2018」、お台場で5月26日開催
  5. No.5 東京駅の新土産「PRESS BUTTER SAND(プレスバターサンド)」。行列必至の工房をレポート

ランキングをもっと見る

  • TSUTAYAマンガ通スタッフおすすめ

Event

イベントをもっと見る

イベントをもっと見る

Store

SNS/RSS

Facebook

Instagram

tsite_lifestyle
Instagram


T-SITE LIFESTYLE(RSS)