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社会問題と正面から向き合え、夢も実現する!? 今、クラウドファンディングでできること

2015.6.15 (月) 20:16

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2015年6月1日、話題のクラウドファンディングをテーマにしたトークイベントが「DAIKANYAMA T-SITE GARDEN GALLERY」で行われた。

大手クラウドファンディングサイトGREEN FUNDING代表 沼田健彦氏がモデレーターを務め、ゲストにはクラウドファンディング起案経験を持つ、認定NPO法人Teach For Japan代表 松田悠介氏、現在クラウドファンディングを実施中の認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表 松中権氏、電通のコピーライター・プランナー 銭谷侑氏が迎えられた。

今回のゲスト3名は、実際にクラウドファンディングを使用してプロジェクトを立ち上げた人たち。クラウドファンディングの醍醐味や現状、そしてどう活用すべきものなのか……。彼らが行ったプロジェクトを参考にしながら、今知りたいクラウドファンディングの疑問を、知ることができるはずだ。

クラウドファンディングとは?

GREEN FUNDING ウェブサイト(https://greenfunding.jp/

沼田 氏

まずは、モデレーターの沼田氏からクラウドファンディングについてを説明。

沼田健彦氏(以下、沼田):クラウドファンディングとは、不特定多数の人がインターネットを通じて賛同したプロジェクトに資金を支援するサービスです。リターン(見返り)として株式などをもらう投資型や、物やサービスをもらう購入型、リターンがない寄付型の3種類がありますが、現在クラウドファンディングとして世間で話題になるものはほとんど購入型と言われるものです。アメリカのkickstarterというサイトが世界で最もメジャーなクラウドファンディングサイトで、彼らのサイトから生まれた製品がまとめて展示され買えるようなお店も、アメリカには存在しています。


プロジェクト立ち上げ3例

次に、ゲスト3名のクラウドファンディングの話へ。きっかけから具体的な内容、やってみての感想まで、体験談を語った。

ケース1:左利きの人と同じくらいの割合でいるLGBTの人のカミングアウトを支援

松中 氏

認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表 松中権氏は、会社員をやりながらNPO法人の代表も務める。松中氏自身もゲイであることをカミングアウトするのに、会社に入ってから10年以上かかった経験もあり現在の団体を立ち上げた。

松中権氏(以下、松中):LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの方々を指します。私も含め、彼らのような性的少数者は現在人口の7.6%。割合でいうと、左利きの人やAB型の人と同じくらいの割合でいると言われています。そして私たち性的少数者の情報を、どのようにして残り92.4%の人に届けていくか、どう仲間になっていくか、ということを意識しながら活動を続けています。

その活動の中で、LGBTの人もそうじゃない人も一緒に楽しめるイベントやシェアハウスなどを作り運営しています。昨年は『カラフルステーション』というコミュニティスペースを作るため、その制作資金をクラウドファンディングにて支援募集しました。見事目標を達成し、また現在も葉山にある『カラフルカフェ』を海辺にもオープンする企画で支援を募っている最中です。

また、「OUT IN JAPAN」というプロジェクトもクラウドファンディングを活用しています。僕たちの目標は、2020年までにLGBTであることをカミングアウトする1万人のフォトギャラリーを作ること。プロジェクトを始めることで多くの人に存在や活動を知ってもらえながら、資金を集めることができる。始めるまでは不安点もありましたが、やって良かったと思っています。


ケース2:現在の教育を見直しながら、共感者を増やしていくこと

松田 氏

認定NPO法人Teach For Japan代表 松田悠介氏は、自身の教師としての経験やアメリカの大学院で学んだことも踏まえ、現在の日本の教育課題に向き合っている。

松田悠介(以下、松田):都心部に住んでいるとなかなか見えにくいですが、現在日本では、子どもの6〜7人に1人が貧困家庭で暮らしています。貧困家庭で育った子どもは十分な教育が受けられないことが少なくありません。その結果として、その後の人生に大きな差が生じるケースが多いです。大学進学ができず、就職もうまくいかず、生涯収入に大きな格差が出てしまう。そういった子どもたちをなくすために、私たちは「すべての子どもたちに素晴らしい教育を!」という目的を掲げて活動を行っています。

団体の立ち上げ当初は、すべて自分の思いをベースに活動を進めていました。実情を話しても理解してくれない人に腹を立てたり、なんでわかってくれないんだと嘆いたりもしていました。けれど、そのまま壁に打ち当たっているばかりでは、何も進まない。自分の思いのみならず、この課題についてまだよく知らない人たちにきちんと向き合い、共感してくださる人を徐々に増やしていき、次のステップに進もうとしているところです。もちろん、教育現場とも課題の認識をすり合わせたり、活動を行っていく上では協調し、連携していくことも必要だと考えています。とにかく、より多くの人を巻き込んでいって、少しずつ、大きなムーブメントにしていきたいと思っています。

クラウドファンディングは、そういった意味で、新しいチャレンジとして取り組んでみました。私たちが、採用して教師として赴任させる方たちに対して行っている、赴任直前の3月に行う3週間の合宿型研修でかかる費用を募集させていただきました。

このプロジェクトでは、結果的に159人もの人に支援していただけました。これを機に、新たに私たちの活動を知ってもらえた方々もいます。団体について、あるいは、そもそも課題について知らない人たちに対してこの課題を伝えていくことの難しさを実感しました。しかし、それと同時に、成功体験を積み上げていくことの大切さもわかりました。今回共感をしてくださった方々が、次の機会にはその周りの人にも伝えてくれるかもしれない。そうやって少しずつでも、私たちの活動について共感してくださる人を広め、大げさに言えばですが、社会を動かしていくことが、私たちのやるべきことだと思っています。

ケース3:世の中に不満を持っている人ほど向いている!? 言葉で動かす人の思い

銭谷 氏

電通のコピーライター・プランナー 銭谷侑氏は、クライアント発の仕事だけではなく、コンテンツ発(言葉発)で仕事を作るクリエイティブも行っているという。その中でクラウドファンディングは大きな可能性を持っているそう。

銭谷侑氏(以下、銭谷):クラウドファンディングは最先端の社会問題を考えるときに、すごく有効だと思っています。僕自身がコピーを書いた企画「“好き”に変はない展」は、性的少数者の方々を題材にした写真展です。この話を最初に思いついたときに始めは自腹で、展覧会をやろうと思ったんです。けれど一応自分自身が会社員ということもあり、せっかくなら仕事としてやろうということで、クラウドファンディングのシステムを利用させてもらいました。実際にプロジェクトを始めると、TwitterなどのSNSでものすごい勢いでシェアされ始めたんです。シェアされて注目が集まると、自ずと企業からも声がかかるようになる。

世の中に不満がある人は、それを知ってもらうためにクラウドファンディングを利用するといいと思っているんです。不満を言っているだけでは何も変わらないけれど、それに共感してくれる人がこれだけいる!ということを、クラウドファンディングを通すと数字で証明することができる。小さなスタートだけれど、どんどん広まれば企業から声がかかり、最終的には国をも動かすことに繋がるかもしれない。

今回はまったく毛色の違う「まないた」プロジェクトを実施中です。胸が小さいことをコンプレックスに感じている女性を、コピーと写真の力を使ってポジティブに表現していく。これにクラウドファンディングを掛け合わせSNSなどを通して、今回も多くの人の共感を得ることができるといいな、と思っています。


人々の共感によって支援が集まるクラウドファンディング。インターネット以外にもコミュニケーションの手段は数多くある。そのなかで、何をどのように伝えれば、共感が生まれ、その輪は広まるのか。この「コミュニケーションデザイン」について考え、共感を生みだしていくことこそが、クラウドファンディングを成功へと導くカギになるのかもしれない。

◆イベント当日、プロジェクトから生まれた写真作品の展示も行われた

「OUT IN JAPAN」

「好きに変はない展」

「まないたプロジェクト」

◆メンバープロフィール

GREEN FUNDING代表 沼田健彦氏
株式会社ワンモア代表取締役CEO。国内最大級のモール型クラウドファンディングサイト『GREEN FUNDING』を展開。24のパートナーと共に、2013年4月のサービスイン以来、200プロジェクト以上に総計2億円以上の資金調達をサポートしている。

認定NPO法人Teach For Japan代表 松田悠介氏
アメリカで理想の就職先1位にも選ばれる「Teach For America」の日本版「Teach For Japan」を20代で立ち上げる。著書に『グーグル、ディズニーよりも働きたい「教室」』がある。起案プロジェクト(6月スタート予定)『日本中のカッコイイ先生にもっと光を。仲間募集!「先生展」開催プロジェクト』。

認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表 松中権氏
Tokyo Rainbow Week 2013副代表。幅広い活動を通して、LGBTが素敵に歳を重ねていける社会づくりを応援する。起案プロジェクトに、『世界で一番カラフルな基地を神宮前に!
東京に、もうひとつの2丁目をつくりたい!』『“一色”海岸をカラフルなビーチにしよう!LGBTと、いろんな人と、誰もが楽しめるビーチハウスカフェを湘南に!~カラフルカフェ on the beach with UMIGOYAプロジェクト~』がある。

電通(コピーライター/プランナー)銭谷侑氏
従来のコピーライティングの領域にとらわれず「コトバで仕事をつくるクリエーティブ」を掲げて活動している。最近の仕事に、日本セクシャルマイノリティ協会「"好き"に変はない展」、三陸鉄道「全線復旧キャンペーン」、産經新聞「A newspaper from 2093」、Twitter Japan事業開発、明治「R-1ヨーグルト」、Honda「アコード ハイブリッド」など。数々の受賞経験を持つ。

GREEN FUNDING ウェブサイト

(文:戸塚真琴)


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