働き方が劇的に変わる、今話題のクラウドソーシングって? ワークスタイル最前線をレポート

2015.8.23 (日) 22:10

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インターネットを活用した新しい働き方、クラウドソーシングについてのトークショー「新しいクリエイターの横顔」が、2015年7月25日、代官山 蔦屋書店で行われた。

個人の新しいライフタイル、働き方を発信する『WIRED』の小谷知也氏、国内最大のクラウドソーシングサイト「Lancers」代表の秋好陽介氏、「フリーランスが最も働きやすい島化計画」を発表した奄美市情報通信産業インキュベーションマネージャー ・サイバー大学IT総合学部教授の勝眞一郎氏の3名が、今後のクリエイターの働き方を語る。

クラウドソーイングは働き方をどう変えたか

インターネットを通じ、不特定の人に業務を外部委託するという働き方のひとつであるクラウドソーシング。この広がりによって、時間や場所にとらわれない新しい働き方、という新たな選択肢が誕生した。まずはその最新事情から。

秋好陽介氏(以下、秋好):イラストレーターやフォトショップを使うだけがクリエイターではありません。一億総クリエイターといわれている時代。働き方に関しては、インターネットによってまだまだイノベーションが起こる可能性があると思っています。インターネットがあればどこでも働ける、企業からすると“誰でも発注できる”というイノベーションを起こしているというのが、クラウドソーシングです。 クラウドソーシングで働いている人は、ランサーズの立ち上げ当初の2008年には一人もいませんでしたが、現在ではランサーズ単体だけで見ても、1万人くらいが毎月コンスタントに報酬を得ていて、登録する人は今年で100万人にもなります。ITで、たった数年で働き方が変わってきているんです。

世界のクリエイターは、どのようにクラウドソーシングを利用しているのか

小谷知也氏

小谷知也氏

小谷知也氏(以下、小谷):2年前に僕が『WIRED』でやった仕事の特集で、未来の会社について紹介したんです。例えばアメリカなどで顕著なのが組織作り。エンジニアやデザイナーの方がプロジェクトリーダーや組織のトップになるというのが最近の傾向だと思っています。ビジネスオンリーな人より、クリエイティブマインドがある人が組織のトップに立つ方が、プロジェクトがすごい勢いで早く回る。すぐプロタイプを作って、すぐサービスだして、どんどん改修してという、スピード環境が求められている。それができる体制を作っている会社や組織が、どんどん立ち上がってきているんじゃないかと思います。じゃあ大企業は負けていくのかといったらそうではなく、彼らのアイデアをどんどん取り入れているんです。

そもそもフリーランスって下請けじゃないんですよ。その人がいないと勝てない、自分たちの組織じゃ勝てないからその人に頼むんです。例えばニューヨークやロンドンではそういう意識が強いんだけれども、残念ながらまだ日本はその意識が強くなくて、フリーの人に発注するって下請けでしょ?みたいな考えがある。その意識を、ランサーズや僕を含めて変えていく事によって、皆さんの働き方もどんどん広くなっていくと思いますね。

秋好:欧米だと役員の中にデザインができる人を入れるっていうのが多くなってきていますよね。日本も、今はそういう企業は多くはないですけども、クリエイターが役員のようなことをするというのは競争優位性になるんですかね。

小谷:そうです。どんどん働く人のモチベーションを上げ、働く時間を絞ることによってむしろ効率が上がる、マネージメントとしても有効だと思うんです。

勝眞一郎氏(以下、勝):最初に評価軸が決まっていれば、誰が評価してもいいんですよね。必ず上司が評価しなければいけないというんじゃなくて。自分でも評価できるんです。

地方のクリエイターの働き方の変化について

勝眞一郎氏

勝眞一郎氏

勝:奄美市の産業政策で、観光、農業、情報通信の3本柱で攻めていこうということで、今、情報通信を盛んにやっています。Iターン、Uターンのクリエイターが年々私の周りで増加しています。

秋好:どういうクリエイターが来るんですか?

勝:グラフィックデザイナーとか、アウトドア系の仕事の方とか。島自体や暮らしが魅力的ということで、会社を辞めて島に来るんですね。仕事面の課題としてネット環境があります。光回線が入っているのは半分くらいで、あとはADSL。こういう背景を受けて、奄美市では「フリーランスが最も働きやすい島化計画」という政策を市長が7月1日に発表しました。フリーランス支援窓口という係ができたのも、日本の行政で初めてなんです。

小谷:どういう支援をしてくださるんですか?

勝:ランサーズと提携して、内地(都会)の仕事の取り方を教えたり、空家バンクっていう宅建協会と組んで来た人たちに紹介をしたり。あとは教育、ライティングの教育やランディングページの作り方などをやっていきましょうと。奄美市で開催したセミナー会場に来ていただいた方もフリーランスの方が多かったんです。キーワードは「どこででもできる仕事、ここでしかできない暮らし」。テクノロジーによって、地方からでも仕事ができるということがすばらしい。


2009年から本格的に日本でも動き出したと言われるクラウドソーシング。近年利用者が増加しており、今までのいわゆる会社勤めという固定概念を覆し、フレキシブルに効率よく働くことができる、クリエイターの新たな働き方がまだまだあるという、明るい兆しが見えるトークショーとなった。

(文:虹乃そら)

■関連イベント
【代官山 蔦屋書店×ランサーズ共同企画】「クラウドソーシングで変わる、新しいクリエイターの横顔。」フェア

【プロフィール】

小谷知也(こたに・ともなり)
1972年千葉県生まれ。フリーエディター・ライター。中央大学法学部政治学科卒業後、『エスクァイア日本版』シニアエディターを経て、2009年に独立。『BRUTUS』『GQ JAPAN』等のライフスタイル誌で編集・執筆に携わる一方、『WIRED』日本版に2011年の立ち上げから編集者として参画。

秋好陽介(あきよし・ようすけ)
大学時代フリーランスとして活動後、2005年にニフティ株式会社に入社。複数のインターネットサービスの企画・開発を担当。2008年、インターネットを通した個人と法人の自由な仕事のやりとりを目指す日本初のクラウドソーシングサービス「Lancers」の提供を開始する。

Lancers

勝眞一郎(かつ・しんいちろう)
1964年奄美大島生まれ。サイバー大学IT総合学部教授。機械製造業に18年勤務し、業務改革の革新リーダーとして活動。実践的なプロジェクトマネジメント論を次世代に向け伝授している。



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