1970年代NY錯乱期に輝いたジェームス・チャンスとアーニャ・フィリップスの軌跡。展覧会、原宿で10月23日から

2015.10.16 (金) 16:19

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(c)Anya Phillips/Courtesy of Vacant

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「VACANT」(東京・神宮前)で、展覧会「BLACK & WHITE - Portraits of James Chance by Anya Phillips」が開催される。1970年代後半にうまれ、現在のパンクやロック音楽にも通じる“ノー・ウェイブ・ムーブメント”に大きな影響を与えた「ジェームス・チャンス」と「アーニャ・フィリップス」に焦点を当てる。2015年10月23日(金)~11月23日(月)。

新たな音楽が生まれた、激動の時代

本展覧会では、アーニャが撮影し、ジェームスが保管してきたポートレイト写真を世界で初めて公開する。当時の錯乱したニューヨーク、商業主義への怒りに満ちたムーブメントの中心で、ふたりがどんなものを目にしながら、どんな思いを抱えて毎日を過ごしていたのか思いを馳せる。

以下、当時の様子やふたりの紹介から、展覧会の背景を感じ取ってほしい。

荒れたニューヨークで生まれた音楽「ノー・ウェイブ」

(c)Anya Phillips/Courtesy of Vacant

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1975年、財政破綻寸前の状態に陥ったニューヨーク市。裕福な納税者層が姿を消していき、入れ替わりで街へ流れ込んできたのが、自由と空き家を渇望する不法移民やフリークたちだった。なかでも、イーストヴィレッジには貧しい若手アーティストが多く集まり、パンクロッカー、実験映像家、コンテンポラリー・アーティストなどが互いに影響を与えあいながら、「アンチ資本主義」を根底としたひとつのハイブリッド・カルチャーを沸き起こしていった。

特に毎晩のようにダウンタウンで行われた音楽パフォーマンスが、人々に強い印象を与えた。この流れは、世界で脚光を浴び巨額の商業収益を生み出したニュー・ウェイブ音楽と比較され、いつしか「ノー・ウェイブ」と呼ばれることとなる。


ジェームスとアーニャの出会い

(c)Anya Phillips/Courtesy of Vacant

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1976年にニューヨークへ移り住んだジェームス。ジェームス・チャンス・アンド・ザ・コントーションズを結成し、即興ジャズとファンクのリズムを混合させた風変わりな演奏と、自由奔放なステージパフォーマンスで衆目を集めた。一方、1955年中国に生まれたアーニャは77年にはニューヨークへ渡り、写真家、ストリッパー、ドラッグディーラーという異様な肩書きと共に街のノー・ウェイブ・シーンに溶け込んでいった。

1978年、そんなふたりが恋に落ち、間もなくアーニャはコントーションズのマネージャーを務めることに。アルバム『Buy』では、ジャケットの撮影、スタイリング、アートワークまで担当。パンク色の強かったジェームスにステージ・ジャケットを着せてポンパドールの髪でアクセントを加えるなど、現在知られているジェームス・チャンスの姿を作り上げていった。


アーニャの死とノー・ウェイブ・ムーブメントの終息

(c)Anya Phillips/Courtesy of Vacant

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1979年のコントーションズの解散後もジェームスは音楽活動を続け、彼の名はニューヨークだけでなくヨーロッパやアジアにも広まっていく。アーニャはディエゴ・コルテスらと共同設立したマッド・クラブを運営。ルー・リードマドンナを始めとするセレブリティーからバスキアやキース・ヘリングといった当時の若手アーティストなど、多様な顔ぶれが集う伝説的ナイト・クラブのホステスとして、その名を馳せていった。

しかし、ノー・ウェイブが全盛期を迎えていたさなかの81年初夏、アーニャは26歳という若さでこの世を去る。その3年後、マッド・クラブは閉鎖。ジェームスの他にアート・リンゼイリディア・ランチDNA、マーズといった世界的アーティストを世に送り出したノー・ウェイブ・ムーブメントも、80年代半ばまでにはすっかりと落ち着きを見せていった--。


アーニャの死から34年経った今では、彼女の存在が表立って語られる場面は多くはない。本展覧会で、音楽シーンに大きな影響を与えたふたりと、その時代を感じてみたい。

■開催情報

「BLACK & WHITE - Portraits of James Chance by Anya Phillips」
開催日/2015年10月23日(金)~11月23日(月)
開催時間/12:00~20:00
会場名/VACANT/GALLERY(東京都渋谷区神宮前3-20-13 1F)
定休日/月曜 ※最終日を除く

VACANT 公式サイト

■商品情報

「BLACK & WHITE - Portraits of James Chance by Anya Phillips」
発売日/2015年10月末予定
値段/5,000円(予定)


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