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「インク」にハマる人が急増中! 美しすぎるプロ推薦の5選

2015.12.11 (金) 12:00

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インク「パイロット色彩雫」

最近、自分の字で気持ちを伝えたり、文章を綴ったりしたことはあるだろうか。業務連絡はもちろんのこと、親しい人への伝言もメールやSNSで済ますことが多い昨今。デジタル全盛だからこそ、手書きの文字が持つ味わいには希少価値がある。

手書きにこだわる人の間で根強い支持を誇るのが万年筆、そして万年筆には欠かせないインクだ。インクを重視するとは、何やら文具上級者向きの話に聞こえるが、代官山 蔦屋書店の文具コンシェルジュ・佐久間和子氏によると、インクは「実は万年筆本体よりも手軽に楽しめるアイテム」だとか。初心者でも遊ぶことができるインクの魅力を佐久間氏に聞いた。

万年筆選びよりも気軽! 初心者こそインクから始めよう

まず、インクは万年筆よりも手軽に楽しめるとは一体どういうことなのか? その答えは「単純に万年筆よりもお求めやすいということです」と佐久間氏。今、ペン先がステンレス製の安価な万年筆は各ブランドから発売されている。しかし、使い続けると書き味がよりしなやかで、耐久性にも優れた金のペン先が欲しくなるもの。ペン先が14金や18金の万年筆は最低でも1万円以上、上を見ればキリがなく、気軽に何本も買えるアイテムではない。一方、ボトルインクは1000円以下で買えるものもあり、高くても数千円程度だ。

「たとえ万年筆が1本しかなくても、インクを入れ替えれば幾通りにも楽しむことができます。もちろんインクが集まってくると、それぞれに適した万年筆も欲しくなるわけですが……(笑)。ここ数年でインクの種類が加速度的に増えたことで、先にお手持ちのビギナー用万年筆でインクを楽しんでから、本格的な万年筆にステップアップする方が若い世代を中心に増えています」

万年筆のインク充填方式は主に、使い捨てのカートリッジインクを装着するカートリッジ式、インク瓶にペン先を浸して胴部にインクを吸い上げる吸入式、コンバーターと呼ばれる脱着式の吸入器に吸い上げるコンバーター式の三通りがある。近年はカートリッジとコンバーター両用式の万年筆が主流。手持ちの万年筆でカートリッジしか使ったことがない人は、同じブランドに別売のコンバーターがあるか確認しよう。カートリッジの代わりにコンバーターを装着すれば、ボトルインクを充填可能だ。なお、どの万年筆ブランドも自社の純正インクの使用を推奨しており、他社製インクを使って不具合が発生した場合はメーカー保証対象外となる。他社インクを使う際は自己責任で。

カラーペンよりも豊富な色のバリエーション

万年筆インクといえば、ブラック、ブルーブラック、ブルーくらいしか広く流通していなかったのは一昔前の話。インク製造技術の進化により、現在多くの老舗万年筆ブランドが10色以上、一部のインク専門ブランドに至っては100色以上ものインクを取りそろえている。

「季節、気分、用途などに合わせて色を使い分けると、書く楽しみがぐっと広がります。黄色など、文字が読みづらい色はラインマーカーとして使っても面白いですね。オフィシャルな場で使う定番のブラックやブルーブラックに関しても、ブランドによって色や濃淡の出方が微妙に異なります。何種類も試してみて自分好みの色を掘り下げる楽しみがあります」

パイロット「色彩雫(いろしづく)」シリーズ 50ml 各1,500円(税抜)

国内のインクブームの火付け役となったのが、日本の老舗万年筆メーカーのパイロットが2007年に発表した「色彩雫(いろしづく)」シリーズ。紫陽花、土筆、紫式部、霧雨など、山葡萄など、日本の自然や情景にちなんだ24色が揃う。店頭で好きな色を選べるミニサイズ3本セットもビギナーに好評だ。

ダイアミン「アニバーサリーコレクション」 40ml 各1,998円(税込)

ダイアミン アニバーサリーコレクション(トロピカルグリーン)

ダイアミン アニバーサリーコレクション

百数十色のラインナップを誇るイギリスのインクメーカー、ダイアミンが2014年に創業150周年を記念して発売した新色8色のアニバーサリーコレクション。全8色並べるとケーキのような円になるボトルデザインが心憎い。

飾って、眺めて、使って良しのボトルデザイン

ボトルやパッケージのデザインにも注目したい。インクの吸入しやすさを考え抜いた形状や、香水瓶を思わせる艶やかなデザインなど、ブランドごとの創意工夫が文具好きの心をくすぐる。 「デスクに並べて飾りたくなりますよね。大切な人への贈り物にも最適です。万年筆と一緒にプレゼントしても、単体で贈っても喜ばれること間違いありません」

ペリカン「エーデルシュタイン」
50ml 2,400円(税抜)、クラシック M200デモンストレーター※限定品 12,000円(税抜)

ペリカン エーデルシュタイン(トパーズ)、
クラシック M200デモンストレーター ※限定品

ドイツ語で宝石を意味するエーデルシュタインという名のペリカンの高級インクコレクションは、サファイア、アメジスト、トルマリンなど全12色。インクの鮮やかな色を引き立たせる同ブランドのスケルトン万年筆とセットで贈っても喜ばれそう。

モンブラン「ボトルインク」 60ml 1,800円(税抜)

モンブラン ボトルインク(ミッドナイトブルー)

靴の形をしたモンブランのボトルインク。マイナーチェンジを重ね、2010年に現行のデザインにリニューアルした。インクが残り少なくなったら、踵の部分に溜めると吸入しやすい。写真の色はミッドナイトブルー。

旅行のお土産にも。ご当地インクが熱い!

特定の文具店でのみ買えるご当地インクも人気だ。2007年、神戸のナカザワ文具センターが神戸の街並みをイメージして作り始めた「Kobe INK物語」シリーズがインク愛好者の間で話題になったのを発端に、北海道から九州までインクに一家言ある文具店が次々にインクメーカーと組んでオリジナルインクを発売。色や名前に地元の名物や店の特徴を打ち出し、インク熱を盛り上げている。当然、代官山 蔦屋書店にもオリジナルインクがあり、その名を「蔦葉」(つたのは)という。

ローラー&クライナー「蔦葉」 限定1,000本、シリアルナンバー入り。50ml 3,300円(税抜)

「屋号にちなみ、蔦の葉のイメージした緑色のインクをドイツの老舗インクメーカー、ローラー&クライナー社に発注しました。このメーカーの万年筆インクはどれも絶妙に渋い発色が素敵なんです。『蔦葉』の色は当初、実用性はあまり高くないかなと思っていたのですが、視認性がいいので普段使いされるお客様も意外と多いようです。2本目、3本目を購入される方も多く、予想外の喜びでした」

ラベルとボックスに印刷された蔦の葉のモチーフは、ローラー&クライナー社のアイデア。印刷の直前に同社の担当者から葉を入れてはどうかと提案があり、佐久間氏らはメールの写真で判断するほかなかったが、納品された実物を見てそのクオリティの高さに感激したという。

こちらは通常のローラー&クライナーのボトルインク。全18色。市販の万年筆インクの大半が染料インクであるのに対し、同社のインクはすべて水性顔料インク。顔料インクは染料インクに比べて線の輪郭がくっきりしており、耐久性、耐光性に優れる一方、ペン先につまりやすい傾向があるので取り扱いに要注意。写真の色は、佐久間氏お気に入りのヴァーディグリーズ。筆記直後は濃い深緑で、乾くと渋いブルーブラックに落ち着く。

ショップやブランドの限定インクだけでは満足できない人には、自分仕様のオリジナルインクを作る選択肢もある。東京都台東区のカキモリ、静岡県磐田市のRYPなどの文具店が店頭でブレンドサービスを行っているほか、セーラー万年筆では同社のインクブレンダー石丸治氏がカスタマーの希望に合わせてインクを調合するイベント「インク工房」を全国の文具店や百貨店で開催している。


はまると抜けられない!? インクの世界は底なし沼

以上紹介した内容は、万年筆インクの楽しみ方のほんの入り口に過ぎない。この先、インク成分の違いによる発色や書き味の違い、インクとペン先の相性、インクと紙の相性など、追求すればするほどインクの世界は無限に広がっていく。インク愛好者たちは、これを「インク沼にはまる」と表現する。そしてインク沼にはまった人々との交流を佐久間氏は何よりも楽しんでいる。

「私の場合、店頭の連絡ノートやお手紙を介してお客様とやりとりさせていただく機会が多いのですが、お互いに使用した万年筆とインクの名前を書き添えることが習慣になっています。自分にとって大変勉強になりますし、インクのチョイスを通してお客様のお人柄に触れられるのがありがたいですね」

「インクジャーナル」A6サイズ/片面プリント30シート 500円(税抜)

手持ちのインクが増えると、それぞれの情報をカタログ化したくなるもの。佐久間氏が考案した蔦屋書店オリジナル商品のインクジャーナルは、インクの記録に特化したノート。実はニッチなベストセラーだとか。1枚ずつ簡単に切り離せるので市販のハガキホルダーなどにファイリング可能。

一人ひとりの個性が表れる、手書きの文字を彩るインク。手始めにプロのいるショップでインクを選んだら、お気に入りのインクで自分を表現する楽しみを味わってみたい。


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【代官山 蔦屋書店】
文具コンシェルジュ 佐久間和子 氏

総合文具店での勤務を経て、2011年、万年筆やボールペンなどの筆記具を中心に、インクや便箋などのこだわりの文具を幅広くセレクトする同店の文具コンシェルジュへ。特に好きな文具は万年筆と、万年筆用のインク。

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