【連載】「湘南 蚤の市」アンティークストーリー 第4話:デンマークのカレイの壁掛け

2017.1.10 (火) 12:53

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世界の何処かで誰かが何十年、何百年も大切に使い続けた古道具やアクセサリー。新品にはない独特の味わいを持つだけでなく、使い継いだ人の数だけストーリーを語り出す。

「湘南 蚤の市」では、そんな愛しいアンティークたちだけでなく、アンティークと相性の良い作家の作品にも出会えるのだ。

素敵な物語の4ページ目は、「湘南 蚤の市」に出店している「HYGGEL(ヒュッケル)」を営む伊野雅博さんが北欧アンティークと繋がるきっかけとなった、デンマークの陶芸作家N!CHEN(ニッシェン)の“カレイの壁掛け”。

北欧アンティーク店「HYGGEL(ヒュッケル)」の伊野雅博さん。

北欧アンティーク店「HYGGEL」の伊野雅博さん。

北欧アンティークへの扉を開いた“カレイの壁掛け”

伊野さんは家具職人としてキャリアをスタートさせ、インテリアの設計、施工、大工、デンマークでの滞在を経て、2015年夏に葉山に北欧アンティークを中心に扱うお店「HYGGEL」をオープンさせた。

お店の外観。高く積まれた色とりどりのイスは、伊野さんの手作り。

北欧アンティークのお皿や小物が並ぶ店内。なんと、店内の棚も伊野さん手作りだそう。

「多くの方との繋がりのおかげでこのお店をオープンさせることができました」と語る伊野さん。特にお店を始める一番のきっかけとなったのは、ある作家との出会い。その作品が、お店の壁で気持ち良さそうに泳いでいる、陶器でできた“カレイの壁掛け”だ。

30歳を期に家具職人であった時からの憧れの国であったデンマークに滞在していた時のこと。陶芸作家で美術の先生でもあった人との出会いがあった。

「先生はN!CHEN(ニッシェン)という名前で活動している陶芸家で、自由な作風と色使いの作品を多く作っていました。そんな先生のアトリエ兼自宅の外壁には、さまざまな形や色をした自作の陶器の魚たちが飾られていて、ひと目見て気に入りました」。

先生の家の外壁を泳ぐカレイたち。

先生の家の外壁を泳ぐ魚たち。

 

「デンマークから帰国して、自分で何か事業を起こしたいと考えたとき、最初に先生のことが頭に浮かびました。思い切って連絡を取り、再度デンマークに渡って話をするうちに、先生の作品を日本で売ってみたいと考えるようになりました」。

先生にそのことを伝えると、北欧の食器や小物を扱っているお店や仕入先を紹介してくれたそう。そしてさまざまなアイテムと触れ合ううちに、北欧アンティークの魅力を発見し、「HYGGEL」をオープンさせることとなった。先生の作ったカレイの壁掛けに導かれるように、伊野さんは北欧アンティークの世界へはまっていったのだ。

北欧アンティークの魅力は「温かみ」

「湘南 蚤の市」に出店している店舗で、北欧アンティークを扱うお店は実は少ない。

伊野さんは北欧アンティークの魅力についてこう話す。「他のヨーロッパのアンティークと違って、デザインはハンドメイドの温かみがあり、優しさと機能性を兼ね備えているというか。このカレイもそうですが北欧のアイテムは、こだわる所にはこだわり、力を抜くところは抜いていて、それでいて完成度の高いデザインになっていることに驚かされます。

寒さの厳しい冬の長い夜に、どのように快適に豊かに過ごすかがよく考えられていて、色のことで言えば強いビビットな色合いでも、少しだけ彩度を落として飽きのこない色味にしたり、優しい温かい色を取り入れてリラックス出来るような環境にしたり。考えられた結果こうなったんだなと納得できるものが多いんです」。

表面はカレイの表情や質感といった細かい部分まで再現されている。土の種類、色、凹凸によって変化する表情が北欧らしい雰囲気を演出している。

伊野さんが買付けで大事にしているのは「感覚」。年代にはこだわらず、自分の生活の中に調和をもたらしてくれそうな物を選んでいて、マグカップやお皿、テーブルクロスといった普段使いできるアイテムがお店に並ぶことが多いそう。

「自宅では輸入の時に割れたり欠けたりして、売り物にならないお皿などを金継ぎして使ってます」と伊野さん。

北欧の柔らかいデザインと金継ぎは意外にマッチする。

北欧の柔らかいデザインと金継ぎは意外にマッチする。

店名の「HYGGEL(ヒュッケル)」の由来は、デンマーク語の「hygge=居心地のよさ」。家での時間をゆったりと居心地良くする北欧アンティークの小物たちに囲まれて、先生が作ったカレイの壁掛けは、居心地良さそうにお店の壁をすいすいと泳いでいる。そして伊野さんが北欧アンティークに出会った頃に感じた、人との繋がりの大切さを思い出させてくれるのだ。

カレイの壁掛けは、北欧アンティークのアイテムと一緒に蚤の市でも販売されるそう。寒い冬に心をあたためてくれるような壁掛けをお家に招き入れてみてはいかがだろうか。

(取材・文:宮坂雅都)

■「HYGGEL」の様子

■店舗情報

「HYGGEL(ヒュッケル)
住所/神奈川県三浦郡葉山町長柄12-1 カザハヤテラス2
営業時間/10:00~18:30
定休日/火曜日(蚤の市等で週末お休みすることがあります)

HYGGEL 公式サイト
公式facebook
公式Instagram

■「湘南 蚤の市」開催情報

開催日/毎月、第3火曜日
時間/9:00~16:00
場所/湘南T-SITE(神奈川県藤沢市辻堂元町6-20-1)
問い合わせ先/0466-31-1515(湘南T-SITE 代表)※電話受付時間 10:00~19:00
※上記は開催基本情報となります。最新情報は公式facebookを参照

湘南T-SITE

湘南 蚤の市 公式facebook

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HYGGEL(ヒュッケル)
伊野雅博(いの・まさひろ)

デンマークでの滞在をきっかけに、北欧アンティークや雑貨を扱うお店を2015年葉山にオープンさせる。商品の買付けから販売まで手がけるほか、家具職人の経験を活かして古材を使った自作のベンチなども販売。

「湘南 蚤の市」をはじめとした各地の蚤の市に参加するほか、公式サイトのオンラインショップでも商品を販売している。


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