『ラ・ラ・ランド』サントラはジャズ入門に必聴! あわせて観たい音楽映画5作も紹介

2017.2.24 (金) 19:13

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本年度アカデミー賞で『タイタニック』にならぶ史上最多14ノミネートを達成した話題作『ラ・ラ・ランド』。2017年2月24日(金)より全国公開となった本作の注目のひとつといえば、やはり音楽。サウンドトラックが全英アルバム売上チャート1位を獲得するなど、アメリカやイギリスでも盛り上がりを見せている。

ジャズと深い関わりがある本作。その舞台裏とともに、ジャズを通じた本作の楽しみ方を紹介したい。

ジャズを知れば『ラ・ラ・ランド』をもっと楽しめる?

ジャズ・ドラマーを目指す青年が主人公の前作『セッション』に続き、ジャズ・ピアニストの青年が主人公の今作『ラ・ラ・ランド』。実はデイミアン・チャゼル監督自身、ミュージシャンを目指して学生時代にジャズ・ドラムに打ち込んでいた過去がある。それだけに、豊かな音楽に彩られた『ラ・ラ・ランド』は、なかでもジャズを知っているとより楽しめる要素があるという。

代官山 蔦屋書店のジャズコンシェルジュの及川亮子さんに、見どころと音楽の楽しみ方を聞いた。

音楽は西海岸ジャズの系譜

「主人公が売れないジャズ・ピアニストだけあって、ジャズが効果的に使われているんですね。ビートが効いたジャズのおかげで、他のワルツやポップスも、すごく引き立ってくる。それぞれの音楽性の違いがとてもよく分かって、おもしろいんです。

それに、ジャズの特性である土地性もよく出ていると思います。まさに、ジャズの入門としてもぴったりの作品です。

(C)2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND.Photo courtesy of Lionsgate.

ジャズというと、ニューヨークを思い浮かべる人も多いと思いますが、実は土地ごとに特徴がまったく異なります。ニューヨークはブラック色のあるエネルギッシュ、ホット、ストイックなジャズ、北欧は心の琴線に触れるような洗練されたジャズ、西海岸は開放的な、爽やかなジャズです。

『ラ・ラ・ランド』は「ロサンゼルス、主にハリウッド地域の愛称」「陶酔し、ハイになる状態を表す」「夢の国」という意味がある通り、ロサンゼルスが舞台なんですね。作中のジャズも例にもれず、西海岸らしいジャズです。

個人的なお気に入りは、「ミアとセバスチャンのテーマ」「プラネタリウム」ですね」

主人公・セブのモデルは実在の名ジャズ・ピアニスト

「今回の主人公・セブ(ライアン・ゴズリング)のモデルは、『スターダスト』という名曲で知られる、ホーギー・カーマイケルだと思います。ピアノ演奏でレコード録音し、大ヒットをとばし、その後ジャズピアニストとして活躍、そしてハリウッド進出、アカデミー主題歌賞を受賞と、劇中にも、主人公が敬愛してやまないジャズピアニストとして写真(ポスター)や彼が座っていたというイスが登場します。

セブとミア(エマ・ストーン)が二人で食事をするシーンや、セブがピアノを弾く時にレコードをかけているので、作中で耳にすることができます。こちらもぜひチェックしていただきたいですね」

『ラ・ラ・ランド』はジャズの楽しみ方も教えてくれる

「あと、はじめはジャズが嫌いだと言っていたミアに対して、セブが『耳で聞くだけじゃだめだ、目で見ないと』と言ってライブハウスに連れていくシーンがあるんですけれど、これは本当にその通りで。スタンダード曲を人それぞれが独自のやり方で演奏するのがジャズの醍醐味なので、今回を機にジャズが気になったら、ぜひライブハウスに足を運んでみていただきたいですね。(気軽だけど本格的なジャズが楽しめる! プロ推薦のライブハウス6選

こうしたセブの影響もあり(?)ミアもだんだんジャズが好きになっていくんです」

『ラ・ラ・ランド』にハマったら観たい、おすすめ音楽映画

最後に、及川さんが出会った「音楽性がすばらしい映画」も紹介してもらった。

1970年代後半のマイルス・デイヴィスを描いているんですが、彼をカリスマとして扱わなかったのがこの映画のおもしろいところです。休止してから最終的には音楽の中心にもどってくるまでの5年間にフォーカスしているんですね。

ハービー・ハンコック、ウエイン・ショーターなど、本物のミュージシャンが出てくるのも見どころです。(未DVD化のためリンク先はサウンドトラック)

ミシェル・ペトルチアーニというフランス出身のジャズ・ピアニストのドキュメンタリー映画です。この方は大理石病という病を抱えていて、28歳の若さでなくなってしまうんですね。小さな身体にもかかわらず、美人にかかえられたり、肩に載せられたりしたりして楽しそうにステージに登場したりして、壮絶だったろうけど、音楽があったからこそまっとうできた人生ですよね……。

約20年にも及ぶ男女の過程を大河的に描いた、ニューヨークを舞台にしたラブ・ロマンスです。音楽が流れるのは、冒頭と、二人が別れる最後だけ。2回だけなんです。でもすごく印象的で……。ヒロインを演じたバーブラ・ストライサンドの主題歌は大ヒットしました。

言わずと知れた、マフィアの世界を克明に描いた作品。脚本と演出、音楽がマッチした傑作です。

今回『ラ・ラ・ランド』を観たとき、まずこれを思い出しましたね。『ウエスト・サイド物語』のジョージ・チャキリスとジーン・ケリーが出演しているんですよ。この作品も、すばらしいストーリー性を兼ね備えたミュージカル映画です。

『ラ・ラ・ランド』のサウンドトラックを購入する

■作品情報

映画『ラ・ラ・ランド』
2017年2月24日(金) TOHOシネマズ みゆき座他全国ロードショー
監督・脚本:デイミアン・チャゼル『セッション』
出演:ライアン・ゴズリング『ドライヴ』、エマ・ストーン『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、J・K・シモンズ『セッション』
提供:ポニーキャニオン/ギャガ
配給:ギャガ/ポニーキャニオン

【代官山 蔦屋書店】
ジャズコンシェルジュ 及川亮子氏

ジャズ・プロモーターとして25年以上活躍。200本以上のコンサート・ライブを企画・主催し、CDプロデュースも手がけてきた。その後、代官山 蔦屋書店のコンシェルジュに。同店への有名ジャズミュージシャンのイベント誘致やジャズについてのトークショーなどを主催している。

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セッション

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一流のドラマーを目指し名門音楽大学に入学した青年が、鬼教師の常軌を逸したシゴキ指導によって心身共に追い詰められていくさまを、心揺さぶる熱き演奏シーンとともに描く興奮と衝撃の音楽青春ドラマ。主演は「21オーバー 最初の二日酔い」のマイルズ・テラー。共演は、本作の鬼気迫る演技でアカデミー助演男優賞をはじめ映画賞を総なめにしたJ・K・シモンズ。監督は、長編2作目の本作で一躍ハリウッド期待の新星となったデイミアン・チャゼル。全米屈指の名門、シェイファー音楽院に入学したニーマンは、フレッチャー教授の目に止まり、彼のバンドにスカウトされる。そこで成功すれば、偉大な音楽家になるという夢は叶ったも同然。自信と期待を胸に練習に参加したニーマンだったが…。

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