「アートアクアリウム城 ~京都・金魚の舞~」レポート。2017年の見どころ&グッズは?

2017.10.27 (金) 11:46

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大政奉還150周年記念 アートアクアリウム城 ~京都・金魚の舞~「超・花魁」

「超・花魁」

観賞魚とアート、デザイン、エンターテイメントを融合させた「アートアクアリウム城」が、大政奉還150周年を迎えた京都・二条城で2017年12月10日(日)まで開催されている。夜空の下で夜の宴さながらに繰り広げられる豪華絢爛でスケールの大きい屋外展示の様子をレポートする。

「アートアクアリウム」、京都ならではの展示は?

400年以上の歴史を持ち、大政奉還から150年を経た今もなお悠久とした時の流れを感じさせる二条城。歴史の転換期に舞台となったその場所で、金魚や錦鯉が舞泳ぐ「アートアクアリウム城~京都・金魚の舞~」が開催されている。「アートアクアリウム」は、アートアクアリウムアーティスト・木村英智氏が手掛ける“アート、デザイン、エンターテイメント”と“アクアリウム”が融合した水族アート展覧会。昨年、誕生10周年を迎え、これまでに累計790万人の有料入場者を動員してきた人気のイベントだ。

「大政奉還150周年記念 アートアクアリウム城 ~京都・金魚の舞~」会場風景

今回の「アートアクアリウム城」は、全国で開催されてきたアートアクアリウムの中で唯一の屋外展示として注目を集めている。二条城では通常入場できない午後5時から、しかも一般非公開エリアの二の丸御殿中庭、台所前庭、台所で開催され、昼の顔とは違う二条城の神秘的な一面を垣間見ることができる。秋の清冽な空気に包まれ、月の輝きに照らされたり、ときには雨にさらされながらも優雅に泳ぐ金魚や錦鯉たち。金魚が泳ぐ器そのものが芸術作品であり、その中に収まっている約8000匹の金魚や錦鯉の姿は、光や音楽、映像などの演出とも相まって、幻想的な一服の絵を見ているかのようだ。

「超・花魁」「九谷金魚品評」など西日本初登場の作品も

アンドンリウム

「アンドンリウム」

「九谷金魚品評」

「九谷金魚品評」

入り口をくぐり、玉砂利を踏みしめながら行燈をモチーフにしたあまたの「アンドンリウム」を鑑賞しながら歩を進めると、一気に視界が開ける。金魚の絵柄を施した九谷焼の器に金魚が泳ぐ「九谷金魚品評」、巨大金魚鉢と17のアクアリウムで構成される「超・花魁」などは西日本初登場の作品だ。約1000匹の金魚が泳ぐ巨大金魚鉢「花魁」を中心に、さまざまな形の水槽で金魚の見え方の変化を楽しめる「プリズリウム」「パラドックスリウム」は朱塗りの木枠の中に並び、江戸時代から現代に連綿と続く時の流れを感じさせる。

目玉は、新作「大政奉還屏風絵図」

中でも今回の展示の目玉としてじっくり観賞したいのが、本邦初公開の「ビョウブリウム」だ。大政奉還150周年がもたらした芸術の世界への影響に着目し、その軌跡を表現する新作「大政奉還屏風絵図」。大政奉還を機に大きく変動した美術史を表現した「ビョウブリウム」は、屏風をモチーフにしたアクアリウムにプロジェクションマッピングによる動く屏風絵を投影し、その中を金魚が泳ぐ作品。大政奉還の時期、その前・後の時代の3つの時代を象徴する3種類のビョウブリウムが展示されている。

「大政奉還屏風絵図」 (江戸末期から明治初期)1

「大政奉還屏風絵図」 (江戸末期から明治初期)

最初に登場するビョウブリウムは、江戸初期~末期を表現。江戸時代を象徴する狩野派の始祖・狩野探幽が陣頭指揮をとり、大政奉還が行われた二条城に描かれている「竹虎群虎図」と「松鷹」が投影される。続いて江戸末期から明治初期を表現したビョウブリウムでは、この時代を生きた狩野派最後の日本画家・狩野芳崖に焦点をあて、洋画の手法をとりいれた「仁王捉鬼図(におうそうきず)」と「悲母観音」が現れる。最後は明治初期から近代の近代日本画の発展を想起させるビョウブリウムが登場。伝統的な日本画の世界に斬新な技法を導入し、近代日本画の発展に大きな影響を与えた菱田春草と横山大観の合作「飛泉」と、その後に菱田春草が完成させた日本画の新しい画風をとりいれた「落葉」を観ることができる。

順路に従って1つずつ鑑賞すると大政奉還がもたらした芸術への影響に思いを馳せることができる。3つの屏風を回遊しながら鑑賞する方法は、祇園祭の際に町屋に飾られた屏風を見て回る「屏風祭り」から着想したもの。漆黒の闇に浮かび上がる屏風絵と金魚の融合を間近で見ることができるのは、京都ならでは、屋外ならではの粋なお楽しみだ。

新作「水戯の舞台」も必見

「水戯の舞台」

「水戯の舞台」

もう1つの新作「水戯の舞台」は、舞台背景に7メートルに及ぶ巨大な縦型水槽を配置。さらに舞台手前に8メートルにわたる広大な平型水槽を設置したアートアクアリウム市場最大規模の作品だ。縦型水槽は3つの水系に分けられ、異なる環境にすむ魚が一緒に泳いでいる様子を鑑賞できる。この舞台では夜の宴にふさわしく、ほぼ毎夜、特別公演“金魚の舞”“芸妓・舞妓の舞”が繰り広げられる。舞台から流れるお囃子や三味線の音をBGMに、水槽で踊る金魚たちの舞いを鑑賞するのもまた一興だ。

新作「水戯の舞台」で舞が披露される

「アートアクアリウム城 ~京都・金魚の舞~」の写真をもっと見る

「夜祭BAR」や着物レンタルで京都を楽しんで

さらに会場の一角にお茶席とお酒を楽しめる「夜祭BAR」が設置されている。お茶席ではこの展覧会のために京都の老舗3ブランドがコラボレーションしたオリジナルのお茶席セットが供される。星空を眺めながら金箔入り宇治抹茶や菊をかたどった「菊づくし」のお菓子など、金魚や季節をイメージしたお茶席セットをいただけば心も体もほっこり温まる。

オリジナルのお茶席セット

オリジナルのお茶席セット

京都の名だたる蔵元「齊藤酒造」「佐々木酒造」「丹山酒造」「増田徳兵衛商店」「向かい酒造」で醸造された日本酒が日ごとにクローズアップされ、京漬物や京風おでんとともに用意される。日本酒やビールを片手に作品を鑑賞することもでき、あでやかな芸術作品と魚たち、舞台とお酒という京都ならではの大人の遊びを堪能できる。

さらに初の試みとして、京都の伝統技法で織られて染色された正絹着物をトータルコーディネートでレンタルでき、通常非公開の重要文化財「台所」内で着付してもらえる。着付け・レンタルの特別チケット(数量限定)を購入すると優先入場することができ、ビョウブリウム前など限定の特別フォトスポットで着物姿での撮影も可能だ。

京都が誇る日本の伝統を新たな形でアートとして昇華させ、「アートアクアリウム」との融合で繰り広げられるアートアクアリウム城。大政奉還に思いを馳せながら、極上の日本の美に囲まれ、一夜の夢のような幻想的なひとときを過ごしてみてはいかが。

お土産、グッズをチェックする
たっぷり写真で「アートアクアリウム城 ~京都・金魚の舞~」をバーチャル体験する

(取材・文:加納美紀)

「アートアクアリウム2017」をもっと楽しむための関連本・映像作品

『virtual trip presents 「金魚の美」アートアクアリウム』

アクアリスト・木村英智がプロデュースした、六本木ヒルズでの“アートアクアリウム”を映像作品化。生きた芸術品である金魚をテーマに、和の演出でしつらえられた水槽の中で色鮮やかな金魚たちが浮かび上がっていく。

作品詳細・レビューを見る

さくらん

人気漫画家・安野モヨコの同名コミックを、写真家・蜷川実花が映画化。吉原遊郭を舞台に、自らの生き方を貫こうとする一人の型破りな遊女のエネルギッシュな生き様が極彩色にして繊細な映像美でヴィヴィッドに描かれてゆく。

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『TOKYO COOL JAPAN EXPERIENCE』

東京を中心に体験できる56のアクティビティを紹介。英訳付きで海外の人も楽しめる、日本文化体験ガイドブックの決定版。

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『きんぎょ』

和金・出目金・蘭ちゅう・頂天眼といったさまざまな種類の美しい写真に加え、日本人の暮らしの中で、器や玩具、工芸品として描かれてきた金魚の数々も紹介。

作品詳細・レビューを見る

■開催情報

「大政奉還150周年記念 アートアクアリウム城 ~京都・金魚の舞~」

開催期間/2017年10月25日(水)~12月11日(月)※会期中無休
開催時間/17:00~22:00(最終入場21:30)
入場料(税込)/一般(中学生以上)1500円、こども(4歳~小学生)1000円、3歳以下 無料※小学生以下保護者同伴

<アートアクアリウム城特別公演>
“金魚の舞” 
2017年11月1日(水)~12月11日(月)*11月17日(金)休演
18時~、19時~、20時~、21時~(各回とも10分程度)
”芸妓・舞妓の舞“ 
2017年10月25日(水)~31日(火)
19時50分~、20時50分~(各回とも10分程度)
※その他、能楽公演(11月17日(金))、祇園の休み山「鷹山」のお囃子(10月29日(土)、30日(日))なども開催予定。公演の詳細は公式ホームページで確認を。

会場/元離宮二条城(京都府京都市中京区二条通堀川西入二条城町541)
問い合わせ先/ハローダイヤル050-5542-8600

アートアクアリウム 公式サイト


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さくらん

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人気漫画家・安野モヨコの同名コミックを、これが初監督となる写真家・蜷川実花が「下妻物語」の土屋アンナを主演に迎えて映画化したエンタテインメント青春時代劇。吉原遊郭を舞台に、自らの生き方を貫こうとする一人の型破りな遊女のエネルギッシュな生き様が極彩色にして繊細な映像美でヴィヴィッドに描かれてゆく。江戸の遊郭、吉原。女衒に連れられ大門をくぐった8歳の少女は、玉菊屋に買われ、きよ葉と名付けられた。気が強く、脱走を繰り返すきよ葉だったが、やがて、美貌も知性も兼ね備えた完璧な花魁・粧ひに導かれ、日本一の花魁になることを誓うのだった…。

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TOKYO COOL JAPAN EXPERIENCE

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