発売40周年を迎えた不朽の名作絵本『ねずみくんのチョッキ』 絵本作家・ なかえよしを&上野紀子インタビュー

2014.11.20 (木) 10:00

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小さな子どもも親世代も大好きな絵本『ねずみくんのチョッキ』。1974年の発売から40年を迎えるにあたって、作者のなかえよしをさんと上野紀子さんにお話を伺った。

なかえよしを&
上野紀子

「記念イベントでねずみくん人気を実感」

—40周年を迎えたお気持ちはいかがですか?

「もうそんなに経ったのか、という思いですね。出版した当初は、こんなに長く愛していただける作品になるとは思ってもみませんでした。

実は、『ねずみくんのチョッキ』を出す前年に、僕らはアメリカで『ぞうのボタン』という絵本を出しています。それが思いのほか好評で、2作目を出そうと描いたのが『ねずみくんのチョッキ』です。原稿をたまたまポプラ社の方がご覧になり、“是非うちから出したい”となりました」

—と、なかえさんが誕生秘話を明かす。上野さんは40周年の節目のイベントで、ねずみくん人気を実感したという。

「『なかえよしを+上野紀子の100冊の絵本展』という展覧会を8〜9月に神奈川県で開いたのですが、幅広い年代の方に来ていただきました。ねずみくんの耳や鼻、チョッキを身につけてねずみくんになれるコーナーでは、みなさんねずみくんになりきって写真を撮ってらっしゃって。ご年配の方だと敬遠されるかしら? と思ったのですが、楽しそうに扮装なさる様子を見て、“ねずみくんはみんなに愛されているのだな”と嬉しくなりました」

「絵本はシンプル・イズ・ベストです」

—絵本作りでこだわっている点について、なかえさんは、

「何といってもオチが大事です。オチが決まれば99%できたも同然。ただ、読み手をアッと言わせる展開を考えつくのは大変でね。この歳になると若い頃のようには浮かばなくて、いつも頭を悩ませています」

—と、冗談めかして笑う。

「私の作業では、ねずみくんの首の角度が少し傾いたり、使う鉛筆の硬さが違うだけでまったく表情が変わるので、神経を使います。ねずみくんは小さいし、背景のない絵本だから描くのも楽と思われるかもしれませんが、画面がシンプルなほどごまかしが利かなくて難しいんです」

—と上野さんは苦労を話す。

「推敲では文章も絵もどんどん削っていきます。削れるだけ削って、できるだけシンプルに。余白が多いほど、子どもたちの想像力をかきたてるからです」

—と、なかえさんが一番のこだわりを教えてくれた。最後に読者にメッセージをお願いします。

「40周年を記念してギフトボックスができました。ミニサイズの絵本2冊と、ねずみくんのぬいぐるみのセットです。ぬいぐるみは毛糸で編んだチョッキを着た限定版。絵本そっくりでかわいいでしょう」

—とお二人の顔がほころんだ。写真で手に持っているのが『ねずみくんのGIFT BOX』(発売中)。クリスマスプレゼントに喜ばれそうだ。(取材・文/松本理惠子 撮影/木村利美)

◆PROFILE

なかえよしを(左)・上野紀子(右)
ともに1940年生まれで、日本大学芸術学部美術科卒業。二人での絵本製作のほか、各々が単独でも創作活動をおこなう。

ねずみくんのチョッキ

なかえよしを/作 上野紀子/絵 
ポプラ社 1,000円(税抜)


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