3つの物語の向こうに浮かび上がる世界—伊坂ワールドへようこそ「PK」

2014.12.18 (木) 18:51

シェア
「PK」 伊坂幸太郎/著 講談社 530円(税抜)

「PK」
伊坂幸太郎/著 講談社 530円(税抜)

張りめぐらされた伏線がラストで集約するとき、それまで見えていなかった世界が初めてその姿を現す。まるで手品のようにパッと眼前に現れる「真実」に、あっと息をのむ瞬間—その快感が味わいたくて、伊坂作品を手に取る読者は多いと思う。

この度、文庫化された小説『PK』も、そんな醍醐味が味わえる作品だ。「PK」「超人」「密使」の3部構成で、過去・現在・未来がつながっていく。読者は読み進めるうちに、「あれ、この話どこかで呼んだような…?」と感じる場面が増えていき、やがてすべてが一つにつながるラストが待つ。

3つの物語で時間軸は複雑に交差するため、一度ですべてを理解するのは難しい。おそらく多くの読者が時系列を確認したくて、もう一度最初からページをめくることになるだろう。緻密に作り込まれた物語の織り目を、一つひとつほどいて確認する作業もこのうえなく楽しい。(文:松本理惠子)


関連記事

関連タグ

PK

PK

人は時折、勇気を試される。落下する子供を、間一髪で抱きとめた男。その姿に鼓舞された少年は、年月を経て、今度は自分が試される場面に立つ。勇気と臆病が連鎖し、絡み合って歴史は作られ、小さな決断がドミノを倒すきっかけをつくる。三つの物語を繋ぐものは何か。読み解いた先に、ある世界が浮かび上がる。

作品詳細・レビューを見る

この記事をシェアしよう。

この記事が気に入ったら、
いいね!しよう。

You might Like

レコメンド

Read More

T-SITE LIFESTYLE TOPへ戻る

Access Ranking

ランキングをもっと見る

日本最大級ビアガーデン「ヒビヤガーデン2018」日比谷公園で5月18日から開催

  1. No.1 日本最大級ビアガーデン「ヒビヤガーデン2018」日比谷公園で5月18日から開催
  2. No.2 花火×音楽のエンタメショー「STAR ISLAND 2018」、お台場で5月26日開催
  3. No.3 ミニチュアアーティスト田中智の個展、銀座で4月27日から。指先サイズの世界にときめく
  4. No.4 漫画『スラムダンク』新装再編版が6月1日より刊行開始! 井上雄彦がカバーイラスト描き下ろし
  5. No.5 スタンディングワークも自在に。昇降式デスク「Freedeskデスクライザー」6月1日発売

ランキングをもっと見る

  • TSUTAYAマンガ通スタッフおすすめ

Event

イベントをもっと見る

イベントをもっと見る

Store

SNS/RSS

Facebook

Instagram

tsite_lifestyle
Instagram


T-SITE LIFESTYLE(RSS)