ドラえもんの世界はすぐソコ! 今こそ読むべき本とは

2014.12.31 (水) 07:00

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3Dプリンターの明と暗

ドラえもんのタケコプターのように空が飛べたらいいのに――。そんな空想と科学への関心を広げてくれた『空想科学読本』の世界が現実に近づいてきた。

例えば、3次元のデータを入力すれば、印刷するような感覚で本物そっくりの立体物がつくれる3Dプリンター。低価格の家庭用も普及し、その使い方からモノづくりの基礎を個人にも分かりやすく教えてくれる本も登場するようになったほどだ。スマホカバーやコーヒーカップなどの日用品から一軒家、医療分野では人工臓器に至るまで夢は大きく膨らむが、同時に危険性も少なくない。日本でも拳銃を製作して所持する衝撃的な事件が発生した。テクノロジーの進化に自分はどうするべきか、まさに問いかけられている時代になったと言えるだろう。

このエキサイティングでありながらも非常にデンジャラスな転換期の今。「情報社会を生きるために、テクノロジーの世界や未来を解説する本が注目を集めています」と語るのは、代官山 蔦屋書店ビジネスコンシェルジュの渡部彩氏。数多くの関連書籍の中から、渡部氏が「現代人必読です!」と勧めるのが、モバイルやビッグデータの活用で先行する米国のジャーナリストたちが書いた次の2冊だ。


テクノロジーの未来解説本が人気

まず、『テクニウム テクノロジーはどこへ向かうのか』は、テクノロジーがもたらす良さを享受したい一方、個人的にはその必要性を最小限にしたいと願う人間のジレンマに迫りつつ、テクノロジー本来の性質に潜む人間と同じ自律性を解き明かしていく画期的な一冊。一方、『コンテキストの時代』は、コンピュータがユーザーの事情や背景を知り、ユーザーが必要とするサービスを的確に判断したり、予測したりできるようになる未来をグーグル、アップルなどシリコンバレーの企業の事例などをもとに紹介している。


テクノロジーと生きる現代人必読書

『テクニウム テクノロジーはどこへ向かうのか』

ケヴィン・ケリー著 服部桂訳 みすず書房刊

テクニウムとは、テクノロジーを生物の生態系や宇宙と同じ巨大な活動空間と捉えた著者の造語。テクノロジーは人間の知性とどう違うのか。複雑性、感受性、慣性、美、自由など様々な概念から読み解いた書。

ウエアラブルで10年後はこう変わる

『コンテキストの時代』

ロバート・スコーブル/シェル・イスラエル著 滑川海彦/高橋信夫訳 日経BP社刊

コンテキストとは文脈や背景という意味の英語。米国のテクノロジージャーナリストが、常に身につけて歩くウエアラブルコンピュータが普及した後の世界を、各地の先行事例を紹介しながら解説した本。

「3Dプリンターはもちろん、世界初の感情認識人型ロボット『Pepper』なども登場していて、人間の知能を引き継いだモノたちが私たちと同じ未来を歩き始めています。さらに、コンピュータが受け身ではなく、自ら推測して人間を手助けするコンテキスト化も進んでいます。でもテクノロジーが進化しているからこそ、私たちはどう生きていくか、情報を取捨選択してカスタマイズすることも必要なんですね」と渡部氏。


好きな場所に瞬時に行けるどこでもドア、これさえ食べればどんなテストも大丈夫な暗記パン、聴診器を当てるだけでどんな病気か分かり、治療もできる魔法のお医者さんカバン――。幼い頃憧れたドラえもんのひみつ道具がどこまで実現するかは誰にも分からない。それでも、テクノロジーの進化は止まることなく、私たちの生活を変えていこうとしている。

(文:野間麻衣子 写真:(C)Willyam Bradberry)

【代官山 蔦屋書店】
ビジネスコンシェルジュ 渡部彩 氏

ナショナルチェーン書店で書店員として勤務した後、IT系出版社の書店担当の営業として全国を行脚。2014年から代官山 蔦屋書店のコンシェルジュへ。本を売る側と作る側の経験を生かし、ワークスキル(実務的スキル)、ワークスタディ(経営や経済といった情報収集)、ワークスタイル(働き方)の3つの視点からビジネス書コーナーの強化に携わっている。

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