年初め、“正月ボケ”した頭にこの1冊

2015.1.5 (月) 11:43

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年始のテレビは特番が多く、それなりに面白いが、やや食傷気味の方におススメの「この1冊」をお届けしよう。

「半沢シリーズ」第4部、『銀翼のイカロス』(池井戸潤 ダイヤモンド社)

「半沢シリーズ」第4部、『銀翼のイカロス』(池井戸潤 ダイヤモンド社)

正論を吐く「半沢」で新年を迎える

決めゼリフ「倍返し」が流行語となった「半沢直樹」の原作シリーズが『ロスジェネの逆襲』と『銀翼のイカロス』(ともに池井戸潤著、ダイヤモンド社)。

『ロスジェネの逆襲』は、系列会社の部長として出向した半沢直樹がIT企業の買収事業を担当。そこでも理不尽な横槍が入り責任を問われる。窮地に陥った半沢が取った、周囲をアッと言わせる秘策が痛快だ。

シリーズ第4部となる『銀翼のイカロス』では、さらに敵が大きくなる。経営再建中の航空会社、政治家、そして行内――。その時々の半沢の心の動きも丁寧に描かれており、読み応え十分だ。

半沢が銀行内外の敵と格闘し、組織に物申す姿、嘘がなく正論を吐く言動に共感する。私たちの希望と重なる部分がそこにはある。1年を締めくくり、新しい年の決意にはこんな希望があってほしい。

『荒神』(宮部みゆき、朝日新聞出版)

『荒神』(宮部みゆき、朝日新聞出版)

時代小説で明るい未来を期待

時代小説『荒神』(宮部みゆき著、朝日新聞出版)は、東北の小さな藩同士が反目し合っている。独裁的権力をふるう藩主側近や、突然現れた化け物に挑む人々。人々は勝利を収められるのか。化け物はいったい何者なのか。

荒れ狂う荒神にさえきちんと向き合っていけば、何かが変っていく。そしてそれは、現代の社会や経済システムへの提言にもなっている、と読むこともできる。そこには、明るい未来を期待する人々の願いが込められている。

新年で「壁」を乗り越える

10年あまり前に大ヒットした『バカの壁』(養老孟司著、新潮社)の著者が、2014年に発表した1冊が『「自分」の壁』(新潮社)。脳や人生、医療、仕事など身の回りのテーマについて語りながら、「本物の自信」を育てよと著者は説く。脳内にある「自分の壁」を超えた時、新たな志向の時限が見えてくる。仕事とは厄介な状況ごと背負うこと。絆には良し悪しがある。などなど、示唆に富む内容に圧倒される。「今年こそ、新しい自分になろう」という方にぜひおススメ。

1年を反省し、新たな決意をする年末年始。来るべき新年に何かを成し遂げようとする際に、参考になるかもしれない「1冊」。心静かに文字を追ってみてはいかがだろう。

(文:青柳雄介)


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ロスジェネの逆襲

ロスジェネの逆襲

ときは2004年。銀行の系列子会社東京セントラル証券の業績は鳴かず飛ばず。そこにIT企業の雄、電脳雑伎集団社長から、ライバルの東京スパイラルを買収したいと相談を受ける。アドバイザーの座に就けば、巨額の手数料が転がり込んでくるビッグチャンスだ。ところが、そこに親会社である東京中央銀行から理不尽な横槍が入る。責任を問われて窮地に陥った主人公の半沢直樹は、部下の森山雅弘とともに、周囲をアッといわせる秘策に出た―。直木賞作家による、企業を舞台にしたエンタテインメント小説の傑作!

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