猫の視点で語られる戦争と世界の秘密『夜の国のクーパー』

2015.6.20 (土) 10:00

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『夜の国のクーパー』(文庫) 伊坂幸太郎/著 東京創元社 780円(税抜)

『夜の国のクーパー』(文庫)
伊坂幸太郎/著 東京創元社 780円(税抜)

稀代のストーリーテラー・伊坂幸太郎が2年半かけて書き上げた長編小説『夜の国のクーパー』が文庫で読める。

見知らぬ草むらで目を覚ました「僕」。すると、仰向けになった胸の上に座っていた灰色の猫が突然話しかけてきた。猫がいうには、隣国である「鉄国」に戦争で負けたのだそうだ。鉄国の兵士が占領宣言にやってきた。もうダメだと思ったそのとき、一頭の馬が現れた。背には誰も乗せていない。だが、誰かが言った「クーパーの兵士が助けに来てくれた」と−−。クーパーとは何者なのか。そして、猫のトムが語る「この世界の秘密」とは。

最初の10ページはヘビーだ。読者はいきなり物語の渦中に放り込まれ、否応なく絶望を突きつけられる。だが、つらい話題はつらいままで終わらない。最後には「なるほど」と腑に落ちて、ちょっと感じ入る。ジャンル分け不能のこの不思議な世界観を、ぜひ自身で体感してほしい。

(文:松本理惠子)


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夜の国のクーパー

夜の国のクーパー

目を覚ますと見覚えのない土地の草叢で、蔓で縛られ、身動きが取れなくなっていた。仰向けの胸には灰色の猫が座っていて、「ちょっと話を聞いてほしいんだけど」と声を出すものだから、驚きが頭を突き抜けた。「僕の住む国では、ばたばたといろんなことが起きた。戦争が終わったんだ」猫は摩訶不思議な物語を語り始める―これは猫と戦争、そして世界の秘密についてのおはなし。

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