伝説の雑誌『Olive(オリーブ)』1号限定で復活! 『GINZA』中島敏子編集長、近田まりこ氏、大森伃佑子氏、思わぬ豪華ゲストも登場!?

2015.7.2 (木) 11:37

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2015年4月5日(日)、80~90年代の雑誌最盛期に、少女たちのバイブルとして愛されていた伝説の雑誌『Olive(オリーブ)』のトークイベント「GINZA中島敏子編集長×近田まりこさん×大森伃佑子さんトークイベント 現代のオリーブ少女たちへ」が代官山 蔦屋書店で行われた。

休刊してなお、愛されている『オリーブ』が、『GINZA』4月号の別冊付録『おとなのオリーブ』として1号限りの復活を果たした。「当時のオリーブ少女たちが大人になって読みたいのはどんな内容か」を追求し、今も第一線で活躍する当時のスタッフたちが再結集して作り上げた、144ページの大作だ。

登壇者は、3月28日に湘南T-SITEで開催されたイベント「『おとなのオリーブ』ができるまで」に引き続き、主要スタッフのスタイリスト近田まりこ氏、大森伃佑子氏、『GINZA』編集長・中島敏子氏の3名。今回は、思いがけないゲストが登場する場面も。

復活のきっかけ、撮影・編集の舞台裏、1冊に込められた現代のオリーブ少女たちへのメッセージなど、クリエイティブ精神にあふれた、笑いあり、涙ありの一夜となった。


それぞれの思いが宿る『おとなのオリーブ』

『おとなのオリーブ』の見どころの一つが、『オリーブ』誌面で活躍していたスタイリストの面々が、当時のカラーを残しつつ、現代に向けて新たに魅せたビジュアルだ。

それぞれのページに設けられたテーマに挑む、その経緯と思いとは。

近田まりこ氏のテーマは「オノ・ヨーコ」。「今の雑誌でできないことができるのが楽しい」

中島敏子氏(以下、中島):そもそもなぜ、テーマがオノ・ヨーコさんなのでしょうか?

近田まりこ氏(以下、近田):物なり、イメージなり、ページなりを、消費するだけじゃないことにしたいと思ったんです。オノ・ヨーコの言葉を一筋垂らして。

中島:テキストも近田さんが書いてくださったんです。すごくコンセプチュアルだけど、読者から「すごく響いた」という声がたくさんあったんです。 このスタイリング、ジャケットのボタンホールに、お花をさしているんですよね。近田イズムここに健在!って感動して……ゾワッとしました。

中島:髪の毛には、何を巻いているんですか?

近田:植物のツルなんです。この状態ではわからないんですけど、お花や植物を、どっかから生えているみたいにしたんです。クルッと回ると、後ろ姿はパンツからお花が生えていたり。それは自分の裏テーマだったりするんですけれど。そういうことができるのも、楽しくて。最近のファッション誌だと、何か伝えなくちゃいけないことが一個決まっていて、それをわかりやすく、キャッチーにするといったことが多いので。なんだかわからないけれど、“体温を感じる”とか、そういう普段できないようなこともしてみたかった。

大森伃佑子氏のテーマは「女の一生」。テキストに隠されたメッセージに、涙

大森氏の仕切りメモ。一体一体、コーディネートをイラストで記入していく。

大森伃佑子氏(以下、大森):近田さんから「(大森氏の)ポートレートっぽいものを見たい」って言ってもらって。モデルさんには、ちょっと申し訳なかったかな。すっぴんで、顔にハチミツを付けさせてもらったりして作ったページです。

中島:このページに素敵なテキストがあるんですよね。ファッション誌としては珍しいくらいの文量で、硬質な、本格的なテキストです。

大森:元『オリーブ』にいた編集の人に声をかけたら、ニつ返事でやってくれました。本ができてから、「大森さんにメッセージがあるから探してみて」って言われたんです。『オリーブ』でずっと一緒にやっていた、大親友の三浦恵さんという人がいたんです。彼女が他界されてもう10年くらい前になるんですが、今でもみんなで命日には集まっていて。私はすぐにわかりました。(テキストの一番上を横に読むと)「みうらめぐ」、次のページで「み」って、書いてあるんです。『オリーブ』って、表立っては、笑って楽しくて。でもこういう気持ちを、すごく汲む。それが、この「ミウラメグミ」に託されているなって。

中島:三浦さんは、「ドゥワッチャライク」という小沢健二さんの連載の担当をずっとされていた方で。プロケッズの広告を書いたのも、三浦さんですよね。タイアップのページなんですけど、あまりにもテキストがすばらしくて。「スニーカーを履いて、明日へ歩いていこう」というような内容だったと思います。

大森:そうです、三浦さんと私とで一緒に。市川実日子さんがスニーカーを履いているページのテキストは、今でも私のダイアリーに残っています。彼女が『オリーブ』から異動する時に、「最後にやりたいことをやりたい」って言って、作ったページです。


思わぬゲストが登場!

来場者のなかに、なんと当時のスタッフで今回も参加している二人と、当時の編集者のあの人の姿も! 緊急登壇して会場を沸かせた。

飯田珠緒氏のテーマは「ブルーズ」。本人もサプライズ登場!

中島:今回、飯田珠緒さんがトップバッターで撮影をしてくれて。このブルーのページを見て、(『おとなのオリーブ』の目指すところが)何か見えた部分がありましたよね。

飯田珠緒氏:でも、ぐるぐるぐるぐる迷いに迷って。前の日は一睡もできませんでした。絵は、カワニシタカヒさんという画家の方です。何か、ファッションじゃないことで、女の子の気持ちを入れたいなと思った時に、彼のタッチがもしかしたら合うんじゃないかと思って、お願いしました。描きおろしです。90年代、まだ私がアシスタントになる前に、「スタイリストの作るオリーブ」という号があって。その中で、近田さんが「ブルー」というテーマをやっていらっしゃったんです。私は、そのページが死ぬほど好きで。じゃあ、私もブルー、挑戦してみようって思って。

轟木節子氏による、『オリーブ』らしいアイテムを集めた「オリーブ パーマネントコレクション」

中島:「オリーブらしいアイテムは何ですか?」というアンケートのもと、集まった大量の物を撮影した「パーマネントコレクション」。撮影、すごかったですね。スタジオいっぱいに物も人もあふれて。のべ、40人。

大森:いろんな人がね、アドバイザーで、あーだこーだ言って。うるさいうるさい!

スタイリスト岡尾氏のテーマは「ひきこもりの女の子」。
引きこもっていたらこんなに髪が長くなっちゃった!

轟木節子氏(以下、轟木):(スタイリストの)岡尾美代子さんが「せっちゃん本当に大変だったでしょう」って。私だったら、みなさん出て行ってくださいって言うって。でも、もう本当に、私は幸せすぎて。

中島:まる2日間、スタジオにこもってましたっけ?

轟木:こもりましたね。ワンカットワンカット「これはこの先生に聞いてみよう」って。例えば、ドーナツを扱うときは岡尾さんに。そしたら、「『地下鉄のザジ』っていう映画もどこかでからめていきたいね」っておっしゃって。ザジのポスターの上にドーナツを置きました。


撮影はまるごとパリで。人気特集「リセエンヌにはまけないよ!」担当編集者、山崎陽子氏も登場

山崎陽子氏(以下、山崎):リセエンヌっていう言葉を使いはじめて、この「まけないよ!」で3回目くらいだったと思うんです。「リセエンヌのようなおしゃれが日本の少女達に浸透するといいね」っていう気持ちを小出しに、リセエンヌ、リセエンヌって。

中島:本当にやられました。「リセエンヌみたいになりたい!」って思っていました。また、「まけないよ!」っていうのがオリーブらしくて。

山崎:「あの子に勝つ」っていうことではなく、「一緒に進んでいこう」というような、そんな意味合いの言葉だったんじゃないかなって、思います。

大森:スタイリストに個性があったように、編集の人もそれぞれ個性があって。

中島:山崎さんには今回のトビラページのテキストも書いていただいて。それが本当に素敵な原稿でした。『オリーブ』って、カルチャーページが本当にユニークで。突然精神世界の話を始めたり、石の特集をしたり。

山崎:「オリーブファッション」っていう一番後半のページと、「やってみればチャーミング」。そういうのは順番で回ってきて、「何をやってもいいよ」って言われていたんですね。これを私物化した編集者もいて(笑)。


左から、近田氏と大森氏

中島氏

イベント終盤では、一般の方から募集したという「オリーブ川柳」が紹介されたり、来場者からの質疑応答で出た「もし今『オリーブ』があったら、どんな映画や音楽を取り上げる?」というお題で大いに盛り上がった。さすが伝説、『オリーブ』の話題は尽きない。

イベント最後に登壇者3人が締めくくったメッセージが印象的だ。「5年後、10年後にはまた違った意味を持つかもしれないので、今回の『おとなオリーブ』を記念の一冊として、とっておいてほしい」。2003年の休刊から10年以上が経つ。しかし今もなお、愛され、語り継がれている。今回、『おとなのオリーブ』が当時の面影を残しつつも現代ならではの姿を見せたように、『オリーブ』は色褪せず、時代ごとに印象を変えて“少女達”をワクワクさせてくれるに違いない。

(文:岩間淳美)

◆あわせて読みたい

伝説の雑誌『Olive(オリーブ)』、近田まりこ氏、大森伃佑子氏、『GINZA』中島敏子編集長が制作秘話や思いを明かす


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