第153回芥川賞・直木賞が決定! 『火花』ピース又吉直樹がお笑いタレントとして初受賞「偏見なしに選んでくれて嬉しい」

2015.7.17 (金) 05:04

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芥川賞に選出された『火花』(又吉直樹 著、文藝春秋刊)

2015年7月16日(木)、第153回(2015年上半期)芥川龍之介賞(芥川賞)、直木三十五賞(直木賞)の選考会が築地・新喜楽(東京都)で行われた。

ピース又吉直樹の『火花』がノミネートされ、通常の3倍以上の取材申し込みがあったという異例の注目度で行われた今回の選考会。芥川賞に羽田圭介氏『スクラップ・アンド・ビルド』(文學界3月号)、又吉直樹氏の『火花』(文學界2月号)の2作品が、直木賞に東山彰良氏の『流』(講談社刊)が選出された。羽田圭介氏は4回目、又吉直樹氏、東山彰良氏はそれぞれ初のノミネートでの受賞。贈呈式は8月中旬、受賞者には正賞として懐中時計、副賞として100万円が贈られる。

選評、受賞コメントについては以下のとおり。


選評

芥川賞:選定委員 山田詠美氏
「『スクラップ・アンド・ビルド』は主人公のすごく愚かでバカみたいなところがすごく魅力的に書けていた。介護小説ではないが、介護という重大なテーマを持った家族のあり方をうまく書けていた」

「『火花』はどうしても書かざるを得ない切実なものが迫ってくる感じ。欠点も多々あるが強いものを感じた。主人公とカリスマのような先輩の、まさに火花が散るような関係がよく書けていた」

直木賞:選定委員 北方謙三氏
「『流』は最初から満票で欠点がない。小説はこういう力、面白さを持っているものなんだという感じ。20年に1回と言っても過言ではないものが直木賞に決まった。(反戦小説としての)普遍性を持っており、非常な自信を持ってこの作品を推した」

受賞コメント

芥川賞:
『スクラップ・アンド・ビルド』羽田圭介
「(4回目のノミネートで)受かっても落ちてもなにも感じないかなと思ったが、予想外の高揚に驚いている。3年ぐらいに前に経済的に厳しい時期があり(作家をやめて)公務員になるために本気で勉強しようか迷ったこともあったが、出版不況の中で12年間作家を続けられているだけで恵まれている方かもしれない。相手の顔が見えないと、ひとは簡単に他人を責めるが、相手の顔が見える時にどういう行動をとれるかが重要と考えてこの小説を書いた」

『火花』又吉直樹
「小説を読み始めたきっかけが芥川(龍之介)と太宰(治)。芥川は僕みたいな髪型のやつは嫌いだと思う。この髪型を見て“嘘つけ!”と言われそう。西加奈子さんの『サラバ!』を読んで無敵になった気持ちで書いた。受賞する自信はゼロだったが、(芸人だという)偏見なしに選んでくれたのは嬉しい」

直木賞:
『流』東山彰良
「父親をモデルに書いた。僕にとって家族は自分の確固たるアイデンティティーが持てるところ。(日本 ・台湾という違いはあるが)ノスタルジーは普遍的なものなのかもしれない。もしも日本の読者がこの作品を読んでノスタルジーを感じてくれるのは嬉しいことであり、少しでも自分の表現したかったものに近づけたのではないかと思う」

第153回芥川賞 受賞作

『スクラップ・アンド・ビルド』

羽田圭介 著、文學界3月号

要介護老人と無職青年の息詰まる攻防戦。超高齢化社会の現実を鋭く描く、気鋭の問題作。
(文庫本は未出版)

第153回芥川賞 受賞作

『火花』

又吉直樹 著、講談社刊

お笑い芸人二人。奇想の天才である一方で人間味溢れる神谷、彼を師と慕う後輩徳永。笑いの真髄について議論しながら、それぞれの道を歩んでいる。神谷は徳永に「俺の伝記を書け」と命令した。彼らの人生はどう変転していくのか。人間存在の根本を見つめた真摯な筆致が感動を呼ぶ!「文學界」を史上初の大増刷に導いた話題作。

第153回直木賞 受賞作

『流』

東山彰良 著、小学館 刊

1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。17歳。無軌道に生きるわたしには、まだその意味はわからなかった。大陸から台湾、そして日本へ。歴史に刻まれた、一家の流浪と決断の軌跡。台湾生まれ、日本育ち。超弩級の才能が、はじめて己の血を解き放つ!友情と初恋。流浪と決断。圧倒的物語。

◆ノミネート作品

【芥川賞】

内村薫風(うちむら・くんぷう)「ΜとΣ」(新潮3月号)
島本理生(しまもと・りお)「夏の裁断」(文學界6月号)
高橋弘希(たかはし・ひろき)「朝顔の日」(新潮6月号)
滝口悠生(たきぐち・ゆうしょう「ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス」(新潮5月号)
羽田圭介(はだ・けいすけ)「スクラップ・アンド・ビルド」(文學界3月号)
又吉直樹(またよし・なおき)「火花」(文學界2月号)

【直木賞】

門井慶喜(かどい・よしのぶ)「東京帝大叡古(えーこ)教授」(小学館 刊)
澤田瞳子(さわだ・とうこ)「若冲(じゃくちゅう)」(文藝春秋 刊)
西川美和(にしかわ・みわ)「永い言い訳」(文藝春秋 刊)
馳 星周(はせ・せいしゅう)「アンタッチャブル」(毎日新聞出版 刊)
東山彰良(ひがしやま・あきら)「流(りゅう)」(講談社 刊)
柚木麻子(ゆずき・あさこ)「ナイルパーチの女子会」(文藝春秋 刊)

◆選定委員

【芥川賞】

小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、髙樹のぶ子、堀江敏幸、宮本輝、村上龍、山田詠美

【直木賞】

浅田次郎、伊集院静、北方謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、東野圭吾、宮城谷昌光、宮部みゆき


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火花

火花

お笑い芸人二人。奇想の天才である一方で人間味溢れる神谷、彼を師と慕う後輩徳永。笑いの真髄について議論しながら、それぞれの道を歩んでいる。神谷は徳永に「俺の伝記を書け」と命令した。彼らの人生はどう変転していくのか。人間存在の根本を見つめた真摯な筆致が感動を呼ぶ!「文學界」を史上初の大増刷に導いた話題作。

作品詳細・レビューを見る

流

1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。17歳。無軌道に生きるわたしには、まだその意味はわからなかった。大陸から台湾、そして日本へ。歴史に刻まれた、一家の流浪と決断の軌跡。台湾生まれ、日本育ち。超弩級の才能が、はじめて己の血を解き放つ!友情と初恋。流浪と決断。圧倒的物語。

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