くるり岸田が提案する、京都と「音博」の楽しみ方。『TRANSIT』トークイベント

2015.8.18 (火) 14:05

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『TRANSIT』トークイベント 会場の様子

2015年7月31日に発売となったトラベルカルチャー雑誌『TRANSIT』最新号では「美しきニュージーランド・オーストラリア」を特集しているが、特別付録として京都出身のバンド・くるりとともに制作したミニブック『KYOTO くるりの京都案内』が綴じ込まれている。

この、くるりが主催する音楽イベント「京都音楽博覧会(以下、音博)」の裏ガイドとしての役割も果たす『KYOTO くるりの京都案内』には、メンバーがそれぞれ「音博前後に京都観光するなら?」というオススメルートも盛り込まれている。

発売の前日である7月30日には、代官山 蔦屋書店にて発売記念トークイベントが行われ、くるり・岸田繁氏と『TRANSIT』編集長・加藤直徳氏、副編集長・林 紗代香氏が登壇。一日早く『TRANSIT』を手に入れた読者たちがイベントへと駆けつけた。

イベントの内容をピックアップしてお届けする。

『TRANSIT』29号 美しきオセアニア(2015年7月31日発売)

『TRANSIT』29号 美しきオセアニア(2015年7月31日発売)

『KYOTO くるりの京都案内』

『KYOTO くるりの京都案内』

『TRANSIT』が、なぜ京都を特集するのか?

『KYOTO くるりの京都案内』

『KYOTO くるりの京都案内』

『TRANSIT』編集長・加藤直徳氏

『TRANSIT』編集長・加藤直徳氏

『TRANSIT』副編集長・林 紗代香氏

『TRANSIT』副編集長・林 紗代香氏

林 紗代香氏(以下、林):いつもは世界の様々な国を特集することが多いですが、なぜ京都ということになったのでしょうか。

加藤直徳氏(以下、加藤):『TRANSIT』の特集は海外の国単位でやっているのですが、少し前から日本の都市を深く掘り下げたいと思っていました。また岸田さんには『TRANSIT』で九州をめぐる連載をしていただいているし、9月には(くるりが主催する音楽フェスティバル)「京都音楽博覧会」もある。それらを絡めて、今までにない京都の冊子を作りたいというところから始まった、という感じでしょうか。

岸田繁氏(以下、岸田):京都の本って、ここ(代官山 蔦屋書店)にも色々ありますけれど、それぞれの意向というか、指向がありますよね。僕は京都出身なんですけれども、知らない所しか載ってないんです。 僕らは京都でイベントをやっているので、その時にいろんな地方からやってきてくれる人に「おすすめはどこですか?」って聞かれることもすごく多いけれど、なかなか口頭では説明しにくい。加藤さんとはたまに飲む機会があるんですけど、京都の楽しみ方とかの話をする中で、自分たちもよく通っていた所だとか、人に聞かれたらわりとすすめる所を特集していただいたらどうかな、という話はしていましたね。

加藤:京都って、たくさん本が出ていて、コーナーができるくらい本があるけれど、「実際、どこに行きたいのか?」ってなかなかわからない部分があったので。ガイドしてもらいたい、という部分もありつつ、僕らの雑誌でよくやる歴史的な部分を掘り下げてから、おすすめのルートに行ってもらえたらというところですね。

岸田:これねえ、めちゃくちゃ面白いんですよね。

古都の人々は、意外と新しいもの好き?

岸田繁氏

岸田繁氏

林:今回の冊子は、二本立てになっています。常に最先端のカルチャーを発信し続けてきた京都を、食や服飾、建築、芸術・手工芸とジャンルごとに歴史を振り返る「モードなKYOTOの千年物語」。それと、メンバーがそれぞれの京都を紹介する「週末くるりと京都旅」。

岸田:わかりやすいですよね。歴史の教科書などには、よく京都について出てきますが、旅行で行きたい、見たい、というのと逸れていたりすることが多い。この冊子には、行きたいところが載っている感じがします。

加藤:歴史に関しては、基本を知ってから、という所があって。わりと真面目に作ったという印象です。冊子では林がメインでやったのですが、僕が挙げた妖怪とか、血塗られた歴史とかの企画は全部却下され「まあ、二回目でやったらどうですか」ってことになりまして(笑)。

林:今回は第一回目ということもあって、来年以降も一緒にできたらなという希望も込めて、わりと全体的に京都を網羅できるような特集になれば良いなと……。

岸田:まあ入り口としてね。何を選んだらいいのか分からんところで、血塗られたところから入るのは……、ちょっと早いっすよ(笑)。

加藤:古都っていうイメージが強い中で、時代ごとに最先端のものというか、新しい変化を受け入れてきたとところが、おもしろいなと思ったところです。例えばパンと喫茶店、コーヒーなんですけど。

岸田:実は人口あたりのパン屋さんの件数とか、コーヒーの消費量が日本で一番多いっていうね。僕も朝ごはんはだいたいパンなんですよ。

加藤:お茶しか飲まないかと思っていましたよ、京都の人は。

岸田:お茶はねぇ、家がそうやっただけかもしれないですけど、あんまり緑茶を飲まないんですよ。抹茶とか、たまにそういう時に飲む…みたいな。だいたいお番茶か、コーヒー、紅茶、みたいなのが多かったですよね。

林:喫茶店でも、年配の方がコーヒーをずっと飲まれていて、取材をさせていただいた店に聞くと、三世代で来てくださっているとかで。本当にコーヒー文化が根付いているんだなと感じました。

くるりが案内する、“一般的じゃない”京都

岸田繁氏

加藤:エリアによって全然言葉も違うと取材中におっしゃっていたと思います。前半はいわゆる一般的なエリアですが、くるりがおすすめするルートっていうのはまたちょっと違う……。

岸田:まあ僕は京都市のわりと上ってか、北の方。北区ですね。ヤンキーとかが多かったですね(笑)、どちらかというと。ガラの良い喋り方をするところじゃないんですけど、うちのベースの佐藤(征史)くんが住んでいる場所は、さらにヤンキーの多いところで。亀岡市なんですけど。

加藤:地図は欄外ですね。載ってない。

岸田:欄外ですね(笑)。ファンファンちゃんはもともと舞鶴市という海沿いの人なんですけど、学生の頃は伏見っていうエリアに住んでいました。京都に観光に来る人ってだいたい街中、中心地なり、東海道新幹線とか名神高速道路より北側に観光地とか市街地が多いので、そっちを巡る人が多いんですけど。伏見区はその南側のエリアで、団地や工業地が多い、ベッドタウンっぽいエリアですが、寺田屋や酒蔵があり、新撰組とか、幕末好きは行く人がたくさんいます。たぶん京都観光に飽きた人が、新しいものを見つけに行くエリアなんじゃないでしょうか。あ、御香宮神社は伏見の大きい神社ですね。

加藤:やっぱり“マイ神社”とかがあったりするんですか?

岸田:生まれた地域にひとつ、「氏神さん」と呼ばれる神社があって。七五三などの子供の頃の行事をするところみたいな。町内会のような小さいエリアごとにひとつお地蔵さんがあって、そのお地蔵さんを中心に100人くらいのコミュニティが広がっていて、そういうコミュニティの集合体が京都というイメージです。

加藤:その町内会の繋がりって濃いんですか?

岸田:僕は全国区やと思っていたんですけど、調べたら京都と滋賀、大阪の一部しかないらしいです。8月末に地蔵盆という子供のお祭りがあって。僕らも小さい頃は、8月の23、4日くらいになるとそのお地蔵さんがあるところに集まって、輪投げしたり、「ドラえもん」の映画観たり、おやつもらったり、お坊さん来て、お参りしたり……。そういうのを町内の人で運営するというのが、京都の横の繋がりのルールのようなものになっていました。

おすすめの京都グルメは、意外と中華?

岸田:実は京都は中華がおいしくて。最後のページ「音博」に出てくれるミュージシャンのQ&Aがあるんですけど、indigo la Endの人が言っている「中華のさかい」、これはうまいですね。彼はハム冷麺が好きって言ってますが、俺は焼豚冷麺の方が好きですね。

加藤:ハム冷麺って何ですか?ハム……。

岸田:ハム冷麺は、冷麺にハムが入っています。

加藤:いや、それはわかりますが(笑)。味はどんな?

岸田:間違いなく好きだと思いますよ! 基本が辛子とマヨネーズと鳥がらの中華だしみたいな。すごくおいしいんですよ。

加藤:冷麺って冷やし中華なんですね。

岸田:そうです、冷やし中華です。冷やし中華って僕興味なかったんですけど、ここは好きで。

9月の「音楽博覧会」の見どころは?

加藤:最後に、「これだけは」みたいな「音博」情報があればぜひ教えてください。

岸田:亡くなってまったんですが、京都に住んでいたレイハラカミさんとすごく仲が良くて、ふたりで「八代亜紀さんが音博でたら良いよね」って話をしていて、今年その夢が叶います。八代さんは、「枯れ葉」とかジャズのスタンダードをとびきりのジャズバンドと一緒にやってくれるようです。

京都ってなかなか一日とか二日で全部観るってのは出来ないんですけど、(冊子には)自信を持っておすすめできる名所やお店、お土産もたくさん載っているので、これを片手に遊びにいってみてはいかがでしょうか。


八代亜紀や高野寛といったベテランミュージシャンから、indigo la Endといった若手バンド、ブラジルの若き鬼才、アントニオ・ロウレイロまでメンツが登場する今年の「音楽博覧会」。ガイドの冊子片手に、いつもとは違う京都観光ができるとあって、京都旅行に向かう、またとない理由ができそうだ。

(文:岸田祐佳)

TRANSIT公式HP
京都音楽博覧会2015 in 梅小路公園


岸田 繁(きしだ しげる)
1976年、京都府生まれ。ロックバンドくるりのボーカル、ギター。1996年9月頃、立命館大学在学中に音楽サークルにてくるりを結成。シングル「東京」でメジャーデビュー以来、多数のライブや音楽フェスティバルに出演。

加藤 直徳(かとう なおのり)
1975年東京生まれ。『TRANSIT』編集長。2004年、トラベルカルチャーマガジン『NEUTRAL』を白夜書房より発刊。2008年より版元を講談社に移し、『TRANSIT』を刊行中。

林 紗代香(はやし さよか)
1980年岐阜県生まれ。『TRANSIT』副編集長。『NEUTRAL』に創刊時より参加。2011年からライフスタイル誌『BIRD』編集長も務める。

■あわせて読みたい
くるりの京都案内も! リゾートから未開の地まで「冒険心」を刺激する『TRANSIT』オセアニア特集


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