カリフォルニアでは地スピリッツが人気!? 雑誌『HUNT』が“ワイルド”な酒造りをハント!

2015.8.30 (日) 00:49

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日本では地ビール(=クラフトビール)のブームが続いているが、アメリカ西海岸では地スピリッツも人気らしい。中でも「NO GMO(遺伝子組み替えされてない)」の自然派や、オーガニック系アルコール飲料が注目を集める傾向にあるとか。

そんな地スピリッツ✕自然派の究極系とも言えるのが、大人のための暮らし&ファッション提案マガジン『HUNT(Vol.08)』(ネコ・パブリッシング 刊)で掲載された「Ventura Spirits」。

ラベルには「not the Queen’s gin,it's Wilder.(イギリスのジンとは違ってワイルドなんだぜ!)」の言葉が踊る。一口飲めば、今まで体験したことのないハーブが効いたジンの薫り。ローカルの原材料を取り入れた自然派蒸留酒で、梱包する箱すらもハンドメイドだ。

これから紹介するのは、そんな最高に“ワイルド”な酒造りをする人々に、『HUNT』編集部に出会ったお話(本誌P75-80より)。


南カリフォルニアでしかつくれない、美味い酒

オフィスでもハーブハントでも、愛犬とはいつも一緒。こんな山やファームで自由に走り回れるとは幸せ者だ。

オフィスでもハーブハントでも、愛犬とはいつも一緒。こんな山やファームで自由に走り回れるとは幸せ者だ。

Ventura(ベンチュラ)は地名で、ロスからクルマで約1時間北にいったところにある。農業が盛んで、イチゴなどの果物の産地としても有名だ。べンチュラの市街地を抜け山間の方へと向かう。石油を掘る掘削機があちらこちらで稼働しており、ロスとは全く違う雰囲気だ。出迎えてくれたのは、会社の壁に大きな社ロゴをペイント中のアーティスト、エリックとわんちゃんだった。

大量生産の酒には飽き飽きしていた

ジンに使うハーブは、自ら山の奥深くまで入って採取する。近所とはいえ手間のかかる作業だが、この 情熱がジンの品質を保っている。業者から出自のわからないハーブを仕入れるのとはワケが違う。

ジンに使うハーブは、自ら山の奥深くまで入って採取する。近所とはいえ手間のかかる作業だが、この 情熱がジンの品質を保っている。業者から出自のわからないハーブを仕入れるのとはワケが違う。

普段トレイルを歩いていればよく嗅いでいる匂いだが、改めて真剣に確認してみると、一段と深い香り が鼻の奥まで漂ってくる。パープルセージ、セージブラシなど、群生している新鮮な植物は最高だ。

普段トレイルを歩いていればよく嗅いでいる匂いだが、改めて真剣に確認してみると、一段と深い香り が鼻の奥まで漂ってくる。パープルセージ、セージブラシなど、群生している新鮮な植物は最高だ。

2011年にスタートしたベンチュラ・スピリッツ。主要メンバーは、お酒を造るノウハウがあったアンソニーと兄弟のアンドリュー。そしてヘンリーとジェームスの4人組。集まってお酒を飲んでいる時にしていた、ハンドメイドで自然派の蒸留酒を作ってみようか!?なんて話が現実になったというわけだ。彼らは大量生産の既製の酒には飽き飽きしていたという。コンセプトは、ローカルの風味を入れて他には無いお酒をつくること。普段嗅ぎ慣れた香りを効かせようとした。その結果生まれたのがジン・ワイルダーだ。南カリフォルニアの山に生えているハーブの香りを取り入れたのだった。


地元では一般的なハーブに目を付けた

ジンに使用されている主なハーブは、パープルセージ、セージブラシ、サンタ草、マンダリンの皮など。南カリフォルニアならではのローカルセレクションだ。

ジンに使用されている主なハーブは、パープルセージ、セージブラシ、サンタ草、マンダリンの皮など。南カリフォルニアならではのローカルセレクションだ。

外気温よりはかなり涼しい工場内。ジン好きにはたま らないジュニパーベリーの香りが広がっている。

外気温よりはかなり涼しい工場内。ジン好きにはたま らないジュニパーベリーの香りが広がっている。

またある時、毎日クルマで通り過ぎるイチゴ畑の脇に、熟れ過ぎたイチゴが大量に捨てられているのを見つけた。それを再利用できないかと思いつき作られたのが、ウォッカ・カリフォルニアだ。とは言ってもイチゴの味はしない。香りにイチゴのエッセンスを取り入れたのだ。ほんのり甘く酸味薫るイチゴには、飲む人を飽きさせない魅力がある。

その他にサボテン科のオプンチアになる実を使った蒸留酒もある。こちらはテキーラとはまた違った味で、カクテルなどには格別だ。


オーガニックというより、野生そのまま

山から採取してきたハーブ類は、工場内できれいにつり下げてよく乾燥させる。一枚一枚広げて行くのは面倒な作業だが、いい酒を作るための大切な行程だ。

山から採取してきたハーブ類は、工場内できれいにつり下げてよく乾燥させる。一枚一枚広げて行くのは面倒な作業だが、いい酒を作るための大切な行程だ。

この宇宙船のような形をした270ガロン用スティル(蒸留機)は、一度に750mlボトル約400~500本ほどのスピリッツをつくりだせる。

この宇宙船のような形をした270ガロン用スティル(蒸留機)は、一度に750mlボトル約400~500本ほどのスピリッツをつくりだせる。

ジンに使うハーブなどの原料は、ジェームズ自らがハントする。そこは会社から一山越えた、キャシタスバレーファームの山だ。以前は何も無い山だったが、数年前彼の友人がオーガニックファームを設立。 豚、鳥などの家畜を飼育し、アボカド、リンゴ、ベリーなど果物を有機栽培している。

急斜面のトレイルを愛犬と共に登る。山から滑り落ちそうになりながらハーブを選りすぐる。オーガニックというより、野生そのままだ。「こんなにワイルドだから、ワイルダーってネーミングにしたんだよ!」とジェームズは笑った。

キャシタスバレーファームは、すべてオーガニック栽培をモットーとしている。それには良い土壌が必要となるため、ミミズ繁殖すらも行って良質なコンポストを作っている。そこでジェームズは、ウォッカ・カリフォルニアを作るために使用したイチゴの搾りカスを提供している。市場に出せないイチゴを使って酒をつくり、その廃棄物を肥料にする。美味いジンやウォッカを作ることで循環型農業が実践されていることに驚きを隠せなかった。


オーガニックブームだからといって、ここまでのこだわりを酒に詰め込むのには頭が下がる。地スピリッツブーム、日本到来なるか--。

“自分でHUNT(ハント)する生活”を提案するアウトドア誌『HUNT』の次号は2015年8月31日(月)に発売される。次はどんな男ゴコロをくすぐる暮らしを見せてくれるのか。楽しみである。

PHOTO & TEXT : Yas Tsuchiya PHOTO : Ventura Sprits(P75)
COOPERATION : Ventura Sprits http://venturaspirits.com/

『HUNT』公式サイト
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