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世界遺産の登録前に絶対に訪れたい! 雑誌『TRUNK』編集部がすすめる長崎教会4選

2015.10.5 (月) 22:46

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上五島にある「頭ヶ島天主堂」。折り上 げ天井には可憐な花柄があしらわれ、 花の御堂と呼ばれるほど。上五島出身 で、教会建築の先駆者である鉄川与助 が手掛けている。

上五島にある「頭ヶ島天主堂」。折り上げ天井には可憐な花柄があしらわれ、花の御堂と呼ばれるほど。上五島出身で、教会建築の先駆者である鉄川与助が手掛けている。

ふと旅に出たくなる、秋晴れの心地よいこの時期。雑誌『TRUNK』編集部がおすすめするのは、長崎の教会群だ。

というのも、このスポットは今、世界中の注目の的。軍艦島をはじめとする「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録されたことは記憶に新しいが、2016年の日本政府の世界遺産推薦枠に、この「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」が挙がっている。次にブレイクする可能性を秘めているというわけだ。

『TRUNK』編集部は、世界遺産になる前にこの聖地を知ってほしいと、多くの教会が立つ上五島、かくれキリシタンの里と呼ばれる平戸へのプチ巡礼企画を2015年9月18日に発売された最新号で掲載。本誌で提案する2泊3日の旅プランにて、まずは妄想の旅へ繰り出してほしい。

(以下、本誌P40-45より)

美しい教会と、それを織りなすキリシタンの想いを辿って

上五島は、上空からみると十字架のような 形をしていて、その地形は急峻で曲がりく ねっている。人間が生活を営むには不利で あったろうと想像できる場所に、ぽつんと オレンジ色の教会が佇んでいた。

上五島は、上空からみると十字架のような形をしていて、その地形は急峻で曲がりくねっている。人間が生活を営むには不利であったろうと想像できる場所に、ぽつんとオレンジ色の教会が佇んでいた。

日本におけるキリスト教の歴史は、決して華々しいものではない。その優れた文化を味方に権力者に迎え入れられた時代もあったが、急速に拡大していく影響力を恐れた幕府に禁教令を敷かれ、弾圧を受けた時代の方が圧倒的に長かった。

豊臣秀吉の時代から禁教令が解かれるまでの約270年に渡り、凄まじい弾圧は幾度となく繰り返され、それでも密かに信仰を続けてきた信者達。彼らは潜伏キリシタンと呼ばれ、表向きは仏教徒を装いながらも密かに自分たちの信仰を保っていた。1800年頃からは幕府の目から逃げるように開拓移民として五島列島などの離島へ逃れ、過酷な環境と戦いながら生活したという。禁教令が解かれた後は多くがカトリックへと復帰し、自分たちの手で小さな教会を建設していった。これが五島列島に教会が多い理由。

一方、潜伏キリシタンのなかには、先祖の信仰を引き継ぐことを選択したものもいた。“かくれキリシタン”と呼ばれる彼らは、長崎県北部の都市・平戸などで、今も伝統を守りながら生活している。

長崎県にある教会やかくれキリシタンの里は「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」として、2016年の世界遺産登録が期待されている。キリシタン達の軌跡を追いながらめぐる五島列島や平戸の旅は、世界が認める前に、日本人である私たちがしておくべきことかもしれない

「次なる世界遺産」を巡る、2泊3日の旅。訪れる長崎の教会はこの4つ!

1・2日目 じっくりと時間をかけてめぐりたい。静かなる上五島

   

今回の旅の始まりは、上五島から。五島列島には約50の教会があり、上五島にはそのうち29もの教会が存在。約25%の島民がキリスト教信者といわれていて、「日本にはこんなにも信者がいたのか」とちょっとしたカルチャーショックを受けるほど、小さな教会があちこちに点在している。長崎空港から上五島へのアクセスは、長崎港、もしくは佐世保港からフェリーで行くのだが、そこは何せ離島旅。移動に約半日はかかるので、どうせならゆったりとした船旅を楽しもう。上五島では教会めぐりはもちろん、椿油や日本3大うどんのひとつ“五島うどん”も欠かせないもののひとつ。買うだけではなく、時間をかけて自分で作ってみるという体験もぜひオススメしたい。

日常に教会がある景色をめぐる

長崎教会群とキリスト教関連遺産に含まれている頭ヶ島天主堂をはじめ、新上五島にある29の教会はそれぞれが個性的。西欧諸国の豪奢な造りとは違い慎ましやかだが、石造り、レンガ造り、内装も教会によって異なり、建築物としても見応えがある。なお、上五島の教会はすべて現役で使われているもの。祈りの場であることを忘れずに、マナーを守って訪れよう。

中ノ浦教会

信者達の「五島で一番美しい聖堂を造りたい」という想いを形にしたという「中ノ浦教会」。満潮時になると対をなすように水面に教会の姿が映り、水鏡の教会とも言われている。

■中ノ浦教会
長崎県南松浦郡新上五島町宿ノ浦郷中ノ浦
開:9:00~17:00(ミサ、冠婚葬祭時など見学不可の場合もあり)
【access】奈良尾港から車で約15分

青砂ヶ浦天主堂

青砂ヶ浦天主堂の内部。

青砂ヶ浦天主堂

「青砂ヶ浦天主堂」のステンドグラス。上五島の教会は、椿のような花をモチーフにしたステンドグラスや装飾を多く見かける。本来5枚ある花びらを4枚にして、十字架に見立てているとの説も。

■青砂ヶ浦天主堂
長崎県南松浦郡新上五島町奈摩郷1241
開:9:00~17:00(ミサ、冠婚葬祭時など見学不可の場合もあり)
【access】有川港から車で約20分

頭ヶ島天主堂

頭ヶ島天主堂は全国でも珍しい石造りの外観。現在は10世帯ほどの信者で守っているのだとか。

頭ヶ島天主堂

頭ヶ島天主堂のキリシタン墓地は、5月頃になると一斉にマツバギクが咲き誇る。

■頭ヶ島天主堂
長崎県南松浦郡新上五島町友住郷頭ヶ島638
開:9:00~17:00(ミサ、冠婚葬祭時など見学不可の場合もあり)
【access】有川港から車で約30分

3日目 日本で最初の海外貿易拠点だった平戸へ

田平天主堂

田平地区の信者が建築資材を運び、こつこつと造り上げた田平天主堂。1918年に完成。

上五島から佐世保に戻り、最終日に向かいたいのが平戸市。この地名を聞いてピンと来る人はあまり多くないと思うが、実はここ、長崎の出島ができる前まで、日本で最初の海外貿易港として栄えた場所。ビール、ペンキ、煙草、さつま芋、さらにパンまでもが、平戸に最初に持ち込まれたモノと言われている。フランシスコ・ザビエルも3度来島しており、キリスト教が盛んなエリアでもあった。しかし、前述通り、平戸地方にも弾圧の波は押し寄せ、信者達は潜伏キリシタンになったのだが、平戸の場合、キリスト教解禁後もかくれキリシタンとして信仰を守り続けている集落が多く、来年登録を目指すキリスト教関連遺産にも含まれている。同じく関連遺産に含まれる田平天主堂も、平戸に行くなら必ず訪れたいポイント。

日本教会建築の巨匠が手掛けた最高傑作を観る

佐世保市から平戸市へ向かう途中にある田平天主堂は、日本教会建築の第一人者である鉄川与助が手掛けた教会で、最高傑作のひとつとされている。この時代の日本の教会は、瓦屋根だったり靴を脱いで上がる形式だったりと和洋折衷の造りで、いわゆる“西洋風”の建築がほとんどだった。鉄川与助自身、一度もヨーロッパの教会を観たことがなく、しかも仏教徒だったそうで、彼自身の和洋折衷の価値観が、日本独特の教会建築を生み出したのかもしれない。

田平天主堂

信者の移住100年を機にドイツやイタリアから運ばれてきた繊細な描写のステンドグラスも見所。

田平天主堂

最高傑作と呼ばれるだけあって、教会内部は息を飲む美しさ。

■田平天主堂
長崎県平戸市田平町小手田免19
TEL:095-823-7650(長崎の教会群インフォメーションセンター)
開:9:00~17:00(ミサ、冠婚葬祭時など見学不可の場合もあり)
【access】平戸大橋から車で約10分
【memo】見学を希望する際はインフォメーションセンターへ事前連絡が必要。
長崎の教会群インフォメーションセンター


心が洗われるような美しい教会群を巡るうち、キリシタンたちの揺るぎない心で信じる強さの理由に出合えるだろう。本誌には、あわせて訪れたいグルメスポットや体験スポットなども紹介されているので、楽しみながら「学びの秋」に繰り出してみては。

(photo:AKIKO SAMESHIMA(nomadica)、text:AYAKA OKAMURA(TRUNK)、協力 :長崎県、編集協力:TRUNK編集部)

■あわせて読みたい

九州の見どころは世界遺産だけじゃない! くまモンも案内する、雑誌『TRUNK』の旅がおもしろい

雑誌『TRUNK』

「TRUNKを持って出かけよう! 旅&アクションエールマガジン」をキャッチフレーズに、2014年2月に創刊された雑誌。発行は不定期。2015年9月18日発売号「世界遺産を先取る九州二泊三日旅」特集。全国書店・コンビニにて発売。
ネコ・パブリッシング 刊

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