2017.11.1 (水) 07:00
全国に広く店舗をもつTSUTAYAの2017年売れ筋本ランキングが発表された。今年人気を集めた本とは? 総合ランキング、文庫本ランキングをそれぞれ10位まで一挙紹介する。年末年始の読書時間の参考にしてみては。
総合ランキング1位に輝いたのは、テレビやラジオなど様々なメディアでも取り上げられ話題を呼んだ『ざんねんないきもの事典』と『続・ざんねんないきもの事典』だ。
“ざんねんないきもの”とは、“一生懸命なのに、どこかざんねんないきものたち”のこと。第一弾には、思わず「どうしてそうなった!?」とつっこみたくなる122種類の“ざんねんないきもの”が登場。くすっと笑えてちょっとためになる、子どもも大人も楽しめる一冊だ。
また、オールカラーで構成された続編には、恐竜などの絶滅種も掲載。「ゴリラのあいさつはゲップ」「リスはドングリをうめた場所をすぐにわすれる」……など、第一弾同様の濃度で“ざんねんないきもの”たちを紹介する。
大正12年生まれの小説家・佐藤愛子の『九十歳。何がめでたい』が第2位にランクイン。こちらは、『女性セブン』に1年に渡って掲載された人気連載に加筆修正を加えた全二十八編のエッセイ集だ。“怒れる作家”と称される著者による時代への叱責は、鋭いながらもどこか温かな眼差しが感じられる。
「とにかく痛快でした。言いたいこと言って、縦横無尽に切りまくる。でも不思議なくらいに温かい」(キャスター・安藤優子)、「もう何度もゲラゲラ笑いました」(作家・瀬戸内寂聴)など、著名人も絶賛の書評を寄せている。御年94歳。苦難を乗り越えながら生きてきた佐藤さんの文章には、人生を逞しく生きるためのヒントも。大笑いした後にも深い余韻が残る一冊だ。
第3位には、2017年本屋大賞、そして156回直木三十五賞を受賞した話題の一冊『蜜蜂と遠雷』が登場。ピアノコンクールを舞台に、それぞれ背景を持つ登場人物たちが、覇者を目指して競い、自らと戦う。才能と運命、音楽を描いた青春群像小説だ。
構想12年、取材11年、執筆に7年を費やし、実際に3年に一度開催されている浜松国際ピアノコンクールへは、4度に渡る取材を行ったという著者。音楽に馴染みがなくとも文章だけでその世界に惹き込まれてしまう、作家・恩田陸の描写力が発揮された力作。
順位 | タイトル | ||
---|---|---|---|
4 | 『モデルが秘密にしたがる体幹リセットダイエット』 佐久間健一 著、サンマーク出版 刊 |
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5 | 『騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編』、『騎士団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編』 村上春樹 著、新潮社 刊 |
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6 | 『はじめての人のための3000円投資生活』 横山光昭 著、アスコム 刊 |
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7 | 『肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい』 西山耕一郎 著、飛鳥新社 刊 |
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8 | 『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』 河合雅司 著、講談社 刊 |
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9 | 『多動力』 堀江貴文 著、幻冬舎 刊 |
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10 | 『スタンフォード式 最高の睡眠』 西野精治 著、サンマーク出版 刊 |
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2016年本屋大賞2位、今年7月には実写映画も公開となり、「キミスイ」の愛称でも知られる『君の膵臓をたべたい』が文庫ランキングの第1位に。著者である住野よるは、この作品がデビュー作となる。
“偶然、僕が病院で拾った1冊の文庫本。それは、クラスメイトが綴っていた秘密の日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて……”
読みやすい文章とテンポの良い展開に一気読み必至、2018年には劇場アニメ化も予定されている注目の青春小説だ。
文庫ランキング第2位は、藤原竜也、戸田恵梨香など実力派俳優をキャストにドラマ化もされた『リバース』がランクイン。
“平凡なサラリーマン・深瀬和久の唯一の楽しみは、美味しいコーヒーを飲むこと。そんな深瀬は近所の「クローバー・コーヒー」というお店で越智美穂子と出会い、いつしか付き合うようになる。ところがある日、彼女のもとへ『深瀬和久は人殺しだ』と書かれた告発文が届き…。”
『告白』『Nのために』でも知られる作家・湊かなえによる、ヒューマンミステリー。
2位に続き、“イヤミスの女王”とも称される人気作家・湊かなえによる小説『豆の上で眠る』が登場。
“小学校1年生の時、結衣子の姉の万佑子が失踪した。スーパーに残された帽子や、目撃された不審な白い車。必死に捜す結衣子たちの前に、2年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってくる。喜ぶ家族の中で、自分だけが微かな違和感を抱き続けていて……”
妹が抱き続ける違和感の真実とは? 読む者の価値観を揺さぶる、衝撃の長編ミステリー。
順位 | タイトル | ||
---|---|---|---|
4 | 『火花』 又吉直樹 著、文藝春秋 刊 |
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5 | 『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 東野圭吾 著、KADOKAWA 刊 |
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6 | 『アキラとあきら』 池井戸潤 著、徳間書店 刊 |
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7 | 『銀翼のイカロス』 池井戸潤 著、文藝春秋 刊 |
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8 | 『虚ろな十字架』 東野圭吾 著、光文社 刊 |
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9 | 『教団X』 中村文則 著、集英社 刊 |
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10 | 『花咲舞が黙ってない』 池井戸潤 著、中央公論新社 刊 |
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今年話題になった本の中で忘れてはいけないのが『うんこかん字ドリル』だろう。全例文に“うんこ”を使った、これまでには無い新しい漢字ドリルは、子どもが夢中になって勉強することで注目を浴びた。自主的に勉強してくれるなら……と購入した人も多いのではないだろうか。
1年生向けから6年生向けまでラインナップしている同ドリル。冬休みの学習に今一度取り入れてみては。
ここで紹介した2017年の売れ筋本は、TSUTAYA店舗で2017年11月1日(水)からフェアも開催中。読者からの支持を集めた今年の人気本をチェックしてみてほしい。
(文・岩間淳美)
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