緑茶をもっとおいしく味わえる意外な方法を、日本茶アーティスト・茂木雅世が伝授!

2015.5.30 (土) 18:20

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春は新茶の季節。その年の最初に育った新芽を摘み取った、日本茶の旨味が凝縮されている新茶はもちろん、自宅で日常的に日本茶を堪能したい。けれど、おいしく淹れるためには、作法などちょっと敷居が高そう。日本茶アーティスト・茂木雅世氏は「日本茶は、お手前があって、堅苦しいイメージがあると思うんですけど、重要なのはそこじゃない」と話す。

「私はイベントでも、作法のルールをあまり言わないんですよ。そこに重きを置くのではなくて、お茶がある空間、時間をすごく大事にしたいと思っています。今、ペットボトルでお茶を飲む人が多くなっているので、急須で入れるお茶は、ちょっと日常とは違う非日常感も持っているような、中途半端な位置付けにいると思うんです。ただ、急須で入れるお茶は人の思いが込もっていたり、日常の中にあるものをあえて切り取ったら美しく見えたりもする。そういうことをお茶と照らし合わせて感じてほしいなと思います」

茂木氏に、自宅で日本茶の魅力を堪能するためのポイントを聞いた。


お茶がもっとおいしくなる、4つのポイント

  

1:お湯の温度はお好みで

「私は、そのときの気分で多くしたり少なくしたりするんですけど、一般的には、茶葉は一人分4g(ティースプーン2杯)程度を急須に入れておきます。お湯は温度を下げるための湯冷ましを入れて、お湯の温度が下がったら、急須にお湯を入れます。茶器から茶器に映すときに大体5度くらい温度が下がるので、電気ケトルが95度で沸くのであれば、湯冷ましに入れると90度、急須に入れたら85度という計算で、お湯の温度を大体80度くらいまで下げてから入れると失敗がないですね。

茶葉が細かいお茶に熱いお湯を注ぐと、苦くなる可能性が高くなるんですよね。ただ、私は熱くてにが渋いお茶も大好き。一般的には一回お湯を冷ますと言われていますが、私のお茶のイベントに来る人も、意外とにが渋いお茶が好きな人が多いんですよ。特に年配の方は、湯冷ましをすると『もっと熱いのがいい』と言う方が多いです。だから、私は、そこは好みでカスタマイズしてもいいと思っています」

2:新茶の場合は、ぬるめのお湯でじっくりと

「新茶の場合は、少し気をつかって、お湯の温度を下げます。75〜80度、お茶を入れた茶器をずっと持っていられるくらいの温度で入れます。

新茶は冬の間にパワーを蓄えていた新芽をいただくもの。お茶の木は、下の葉は椿などのようにかたいのですが、新芽はすっごく柔らかいんですよ。柔らかい新芽に熱いお湯を入れてしまったらどんな味になるのか……と想像すると、やはりお湯の温度を下げて長めに待とうかなとか、なんとなく想像ができますよね。だから、全く熱くないぬるーいお湯で1分30秒から2分の間くらい長めにおいて、じっくり淹れます」

3:新茶や特別なお茶は“氷出し”で旨味を堪能

「新茶の場合は、氷出しもいいですね。急須にお茶の葉と氷を入れて(その後、お水を少しいれてもOK)、氷が溶けるのを待つんです。私は、新茶や珍しいお茶が手に入ってお茶をじっくりいただきたいときは氷出しをします。氷出しでは、氷の分、しずく程度しかお茶ができないんですけど、頭がガツンとやられるくらい緑の味がします。旨味が濃縮されているんです。すごくおいしいのでぜひやってみてください。一口飲んだだけで感動すると思いますよ。

ただ、氷出しは待っているのに時間がかかるので、夏などたくさん飲みたい場合は、ピッチャーに氷をたくさん入れて、熱いお湯で作ったお茶を一気に冷やすオンザロックも取り入れています」

4:最後のひとしずくまで絞り出す!

「最後のひとしずくまで出す、というのは必ず言うようにしています。当たり前っぽいですが、一回やってみると、ほぼ出ないんですよ。1分に1回くらい落ちる、最後の最後までひとしずくを絞り出してほしいんです。お茶の中を通って凝縮された一粒なので、それが入るのと入らないのでは若干味が違うんですよ」


一手間かけるだけで、ぐんとおいしくなる日本茶。気分やお湯の温度、葉の量など、日々微妙に変化する味のゆらぎも楽しい。日本ならではの四季のうつろいのように、日本茶の味のうつろいも楽しみたい。


(文:岡崎咲子)

◆あわせて読みたい

>現代の茶人「日本茶アーティスト」が考える、今の“煎茶道”とは

茂木雅世

ソニーミュージックアーティスツ所属の日本茶アーティスト。茶育指導士であり、煎茶道東阿部流師範。2008年頃から若い人に急須で淹れるお煎茶の楽しさに気づいてもらいたいという想いから、イベントなどでお茶を淹れ続けている。書籍『やまとなでしこお茶はじめ』を監修したほか、「お茶と音楽」に焦点をあてたイベントや発信、FMヨコハマにてレギュラー番組「NIPPONCHA・茶・CHA」でパーソナリティー、自由大学「日本茶コトはじめ」教授を務めるなどしている。『JAPANESE TEA PARTY』『急須girl』プロデューサー。

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