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「おかしを作ることは、私のための特別な時間」。憧れずにはいられない! イザベル・ボワノのパリジェンヌ流おやつタイム

2015.11.11 (水) 15:00

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デッサンやコラージュ、刺繍、映像など様々なジャンルで活躍するフランス人アーティストのイザベル・ボワノさん。

日本もおいしいものも大好き、というイザベルさんは、先日、かわいいイラストと手書きの文字でレシピを綴った『MES RECETTES POUR LE GOUTER』の日本語版、『わたしのおやつレシピ』を小学館から刊行した。簡単で素朴なおやつたちとイザベルさんの、スウィートな関係を探ってみたい。


思い立ったらすぐに作れる。素朴で簡単なおやつが大好き!

フランスやスウェーデン、アメリカ、日本といった各国の新聞や雑誌で掲載されているイザベルさんの作品。料理や風景、ちょっと変わったシーンやものなど、彼女ならではのユニークな観察力やおもしろいものを発見するアンテナを通して生まれた作品は、なんともチャーミングでユーモアたっぷり。

今回の著書も、隅から隅まで細かいところまでじっくりと読みたくなる本だ。そんなイザベルさんが初めてお菓子作りを経験したのは、なんと3歳! 根っからのおやつ好きのイザベルさんに、著書のなかから、とりわけ思い出のあるレシピを聞いた。

4~5歳のころと、現在のイザベルさん

はじめて描いたレシピ。なんと当時5~6歳!

「私が生まれた場所は、フランス西部にあるにオールという小さな村でした。村にひとつしかない学校の先生は、私のお母さん! 教室の隣には小さなキッチンがあって、年の違う15人ほどの生徒たちと一緒に、1ヶ月に1回、お菓子作りのクラスがありました。そのクラスで習ったメニューのなかでも一番のお気に入りが『さくらんぼのクラフティ』。これは春になると毎年作るお菓子で、おいしくっておいしくって、種まで食べちゃったこともあるんです」。

そう話しながら、目尻にきゅっと小さくシワをよせて、幸せそうに微笑むイザベルさん。著書のなかで、小麦粉と卵、牛乳と砂糖、さくらんぼを混ぜ合わせて焼くだけの、ワンボウルでできる簡単レシピとして紹介されている。

「誕生日には『バタービスケットケーキ』が欠かせません。フランス全体で愛される昔ながらのケーキですが、その土地によって微妙にレシピが違うんです。私のレシピは、コーヒーにひたしたクッキーをバタークリームとともに重ね合わせ、溶かしたチョコレートをコーティングして冷やすだけ。オーブンを使わなくてもいい、簡単にできるレシピです。

『サブレ』は、仕事の合間など一息つきたいときに最近よく作るレシピですし、『チョコレートムース』もシンプルで作りやすいからおすすめ。それと日本であずきと初めて出会ったときのことも忘れられません。とくに羊羹で食べるのが大好き! この本では『あずきゼリー』として紹介しています」。

フランスに伝わる懐かしいおやつや、ママの味、友達から教えてもらったレシピなど、食べることが大好きなので、どこの国に出かけても、おいしいもののリサーチをしてしまうそう。

「どのおやつに対しても言えるのですが、おいしく作るコツは、上質な材料を使うことに尽きます。私はなるべくオーガニック食材を選ぶようにしていますが、砂糖や小麦粉、チョコレートなど、いいものを使えばシンプルなお菓子も格段においしくなりますよ」。

レシピ本は好きだけど、見て満足することが多い、というイザベルさん。難しそうだと、なかなか作りたいと思えないのだそうだ。

「まだ私が小さかった頃に子供用のレシピ本を持っていたことがありました。思い立ったらすぐ作れるような簡単なレシピばかりが載っていて、読むのも作るのも楽しかった思い出があります。そんなシンプルなレシピが昔から好きなんです。今回、日本語で出版した『わたしのおやつレシピ』もまさに、そんなシンプルなレシピ本。きっかけは、長年私が貯めていた料理やお菓子のレシピメモ。出版社の方の目に止まり、本にすることになったんです。1冊目はピクニックがテーマでしたが、3冊目は、ぱぱっとできる簡単おやつがテーマ。家で時間ができたら、ぜひ試してみてほしい」。



  • イザベルさんが10年ほど前に描いたレシピノート。
    やさしい色のイラストと小さな文字で書かれたメモがなんともかわいい!

おやつをつくることは、懐かしい気分でホッとできる、特別な時間

パリ11区にある、25平米の小さなアパルトマンを、自宅兼アトリエとして住んでいるイザベルさん。どんなときに、おやつを作るのだろうか。

「朝7時に起きたら、朝ごはんを食べながらメールチェックして、その日の仕事がはじまります。昼1時になるとパン屋さんに出かけてランチ。また家に戻って仕事をして、3時をまわるとアイデア探しのために散歩に出かけます。週末はマルシェにいって旬の食材を買ったり、蚤の市でアンティーク品を探したりすることも。そんな普通の日に、私はおやつを作ります。たとえば、りんごとバター、小麦粉と砂糖だけの、仕事している間にもぱぱっと作れる、本当に簡単なもの。オーブンからケーキの焼ける香りが漂って、それが家中に広がる、そんな瞬間がとても心地いいんです。おかしを作ることは、懐かしい気分でホッとできる私のための特別な時間ですから」。

自宅には、実家に帰ったときにたくさん持って帰ってくるという季節のフルーツや野菜、オーガニックショップで見つけた小麦粉や砂糖など、簡単につくれるおやつ食材が常にストックされているそう。

「これからのシーズンは、人参やぽろねぎ、オニオンやポテトがおいしくなります。そのまま食べてもいいし、お菓子にしてもいいし、スープにしてもいいですよね」。

旬食材の話になると、おいしく食べるアイデアがどんどんふくらんでしまうという、お茶目なイザベルさんだ。

小さくても大切なもの、古くても愛してやまないもの。自分だけの特別なものを探してみたくなる

イザベルさんは、自分でつくったおやつをおしゃれに演出することも得意! 大人かわいいレトロな雰囲気のスタイリングは、女子であれば誰でも憧れるはず。スタイリングのコツやヒントについて尋ねると……。

「犬が遊びまわる庭で季節の実をつんでジャムを作る……、そんな雰囲気が好きです。田舎や古いものには、常にリンクを持つようにしていますし、日本の映画やアニメの中の食事や調理の調理シーンも参考にしています。映画『Eatrip』に出てくる自然と料理が一体化した映像は、とくにインスパイアされたシーン。自宅では、ヨーロッパのアンティークと日本の陶器や雑貨をミックスして使うことが多いですね。カフェオレボールやリネンなど、古くても素敵なものに出会いに、サンドゥミやヴァンヴ、クリニャンクールの蚤の市にもよく行くんですよ」。

そこにある小さな幸せを見つけて慈しむ。古いものを受け継いで、大切に使い続ける。イザベルさんの好きなものを通して、大切なものは何なのか見つめ直したくなる。

「日本で好きなブランドは、リネンのブランド『fog linen work』や『lino e lina』。また、飛騨高山の安土草多さんや沖縄の谷口室生さん、福島県南会津の小沢健一さんの陶器や木工製品も本当に素敵です」。そのほか、「月兎」や「D&DEPARTMENT」、中目黒にある「SML」、恵比寿にある「Ekoca」、学芸大学の「yuyujin」などにも、キッチンツールを見に足を運ぶそう。また、3週間近くあった今回の東京滞在で散歩の途中に見つけた新しいお気に入りグルメスポットも教えてくれた。

「どこへ旅しても、自分の興味を信じてとにかく歩きます。今回初めて訪れた、根津にあるパティスリー『ル・クシネ』はうれしい出会いでした。モンブランやフィナンシエがおいしかった! 大田区の『wagashi asobi』の羊羹や学芸大学にある『M−SIZE』のパンも大好き。都立大学の『八雲茶寮 楳心果』は、おやつだけではなく、朝ごはんやランチにもおすすめです」。

和食や和菓子にも目がないイザベルさんは、12月発売予定でまた新著をお披露目する予定だ。テーマは、和食。今回は、日本人の友人たちが懐かしく感じる日本の家庭料理のレシピを集めた本になるそう。

「肉じゃがやコロッケなど、身近な家庭料理のレシピをイラストにしました。11月4日にフランスで発売されてから、12月に日本でリリースします。みなさんの反応がとても楽しみです」。

新刊『LES RECETTES DE MES AMIS JAPONAIS』

イザベルさんの日本人の友達のレシピが掲載されている。

日本では12月に発売予定。

代官山 蔦屋書店のスタッフの一人もレシピ提供に協力しているそう。次はどんなイザベルさんの世界を見せてくれるのか、お見逃しなく!

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イザベルボワノ(Isabelle BOINOT)

1976年フランス西部の町ニオール生まれ、パリ在住のアーティスト。アングレームの美術大学を卒業後、イラスト、出版を中心に活動を開始。デッサンやコラージュ、刺繍、映像など多岐にわたる表現で、フランスはもとより、海外でも作品を発表。グラフィックマガジン「Frédéric Magazine」の編集、発起人としても、フランスのグラフィックシーンの第一線で活動している。また、日本でも定期的に個展を開催。主な著書に、イタリアや日本旅行の記録手帳を書籍化した『Prego』『すみません』、自身の小さなアパルトマンの整理整頓方法を紹介した『パリジェンヌの楽しいおかたづけ』、東京のお気に入りアドレスを収録したガイドブック『Tokyo 私の好きな53のアドレス』などがある。

イザベルボワノ website


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