【プレミアムフライデー連載】漫画家・ミュージシャン久住昌之さんに聞く、「本とビールな金曜日。」

2017.7.21 (金) 07:00 PR サントリービール株式会社

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「プレミアムフライデー」が2月に始まってから、半年が経とうとしている。飲みに出かけたり、映画へ行ったり、旅に出たりと、しっかり満喫できているだろうか。

この連載では、その新しい時間のお供となる映画や音楽、本、コミックを紹介している。カルチャーに精通している人たちのお気に入りを通して、いつもと違った楽しみ方を見つけてみてはどうだろう。

今回登場するのは、漫画家として、ミュージシャンとして、幅広い活動をしている久住昌之さん。最近、話題となっている漫画・ドラマ『孤独のグルメ』の原作者としても有名だ。待ち合わせ場所の井之頭公園に、久住さんは大きな本を抱えて現れた。

仕事終わりやライブ終わりの一杯が最高!

――普段、お酒はどういうところで飲まれますか?

だいたい、お酒を飲むのはいつも夜中で、店に行きます。仕事しながら飲んでると思われがちなんですが、仕事中は一切飲まないですよ(笑)。あと『孤独のグルメ』の影響か、酒を飲んで稼いでいる人に思われがちですけど、そうじゃない(笑)。仕事が全部終わってから店へ行く感じです。

あとは、ライブ終わりやリハーサルの後に飲むビールがうまいですね。喉も使って汗もかいてるから、ライブ終わりが一番おいしいかもしれません。昼間から飲めるのは月に1、2回程度で、取材旅行の時だけ。それも取材だからそんなにたくさん飲めないですしね。終わってから店に行って飲むのがうまいんですよ。

――地方でのお店探しはどうされているんですか? 検索して見つけるのでしょうか?

いやいや、検索はしません。足です。歩いて歩いて探すんですよ。すんごい探して一軒勝負で。だから入るまでにかなり迷いますけどね。店構えを見て、そこから感じる何かで決める感じです。よく朝まで飲むように思われますけど、そんなに長く飲んではいません。眠くなっちゃうし。弱くはないと思いますけどね。いつもビール1杯に焼酎2杯とかで、大食いでもないからそれに枝豆とか軽いつまみでよくて。これからの季節はとうもろこしの天ぷらとかいいですね。冷奴にみょうがいっぱいのせたやつとか、そういうのが好きですね。

お酒を飲みながら手に取るのは「眺める本」

――今回持ってきていただいた本は大きなものが多いようですが?

はい。お酒を飲みながら手にする本となると、活字だけのものはしんどいので、写真が多い本を持ってきました。ビール飲みながらは「眺める本」がいいですね。絵とか写真がある本。まずはこれからいきましょうか。

――『地球の食卓』とはすごいタイトルですね。

これ、ものすごくおもしろいですよ。世界の一般家庭の食卓を紹介しているんです。全部で24家庭出てくるんですが、それぞれの家の1週間で使う食材を並べている写真集。1週間となると人間って結構食べるんだよね。オーストラリアだとこんな感じですよ。ものすごい肉食ってんな、とか。でも、アフリカになると少なくてね。穀物が多い感じ。中国だと田舎の方の家がのってたりして。日本はやっぱり贅沢な感じしますね。調味料が多いのかな。食材だけでなくて、食卓の風景とか生活の感じの写真もあるから、すごいおもしろくて。

写真家が書く、力の抜けた文章の魅力

――なるほど、眺めているだけでも楽しい本ですね。

見ているだけで楽しいといえば、こっちも好きで。『ちょっとオランウータン』。僕、動物ではオランウータンがいちばん好きなんですよ。で、オランウータンの写真集だと思って手に取ってみたら、岩合光昭さんのものだったんです。

――岩合さんというと猫のイメージが強いですが、これは一冊ひたすらオランウータンなんですね。オランウータンのどういうところがお好きなんでしょうか?

見た通りですよ。とにかく、かわいい。ほら、たまんないですよ。(ページをめくりながら)これなんかもう、本当にかわいいでしょう? すごくいいんですよ。で、岩合さんが書いているちょっとした説明もいいんです。カメラマンさんの文章って好きなんですよ。写真でやることやっちゃってるんで、いい意味で力抜けてるんだよね。こっちの『文士の時代』も、まさにそういう意味で大好きな本です。

――名だたる文豪たちの写真がたくさんありますね。

この林忠彦は、誰もが知っている写真を撮った人ですよ。ほら、これ。この太宰治の写真はみんな見たことあるでしょう? トイレの中から撮ったんですよ。他の人を撮りに行ったのに、俺も撮れよって言われて撮影した写真。まだ太宰の本は売れてなくて、これから人気が出てくるぞっていう時だったらしくて。それがいちばん有名な一枚になっちゃってね。

川端康成の写真も見たことあるものが出てきますよ。ものすごく怖くてちっとも笑ってないんですよね。お酒飲まないのに銀座のバーに行っていたらしくて、その間、隣にいる女の人の手をずーっと握ってるっていう話があったりして。おかしいよね。ほんと、おもしろいんですよ。

――そういう裏話が書いてあるということですか?

裏話ってわけじゃないんです。写真を撮るために近くにいた人が見た姿をそのまま書いているんですよね。近くに行けたからこそ知り得た話。だから、おもしろい。とにかく文章が好きで何回読んだかわかんないくらいです。

この人自身も酒飲みなんですよ。8時間仕事して8時間酒飲んで8時間寝るって。いいですよねー。こういう本だったら酒飲みながら何度でも読めますね。

火野葦平なんてライオン飼ってたんですよ。すごいよね。この人豪快で、みんなで飲みに行った帰りに、税務署の前を通ることになったら「2列縦隊!右向けえ、右! 全員放尿!」って号令かけてしょんべんかけた話とかあって。おもしろいんだよねー。

谷崎潤一郎はいつも怖くて、こういう真面目な姿の写真ばっかり。顔をあげてほしいってお願いしても「君、原稿を書いているときはね、顔は前向かないんだよ」っ言って頑としてもあげないって話があって。本当に全然笑ってない。でも、ある時、奥さんが「林さん、一杯飲んでいらっしゃいね。ゆっくりしていらっしゃい」って言って、その声聞いてニコッと笑った瞬間があったらしくて、それをうまく撮ったのがこの写真。すごいよね、よく撮ったよね。一枚一枚にドラマがあるんですよ。本質を撮ろうとした人ならではの写真と文章で、本当におもしろい。

店探しは「ジャケ食い」のようなもの

――昔の大作家たちの話がまとまってる一冊ですね。読んでみたいです。最後の本は、TSUTAYAでの人気企画である「NOTジャケ借」形式で紹介してみましょう。

「ジャケ買い」の楽しさを思い出させてくれる一冊

すごく古い本なんですが、これは出てすぐ買いに行ったんですよね。

――ジャケ買いとは、レコードですね。植草甚一監修の『レコード・ジャケット・ライブラリー』。その名の通り、レコードジャケットをまとめた一冊。

昭和52年ってありますね。中学生の頃から、レコードジャケットって大好きだったんですよ。当時はお小遣い貯めて買わなきゃいけなかったから、すごく思い入れがあって。音楽って、ジャケット見ながら聴く感じだったんです。美術にも興味があったから。

ジャケ買いするのが好きだったんですよ。昔は輸入盤ってあったでしょう? 今はネットで海外のアーティストとかすぐ見れますけど、当時はそうはいかない。見たことのないアーティストのものは、どんな音楽か、どんな人かもわからないわけですよ。だけどジャケットがすごく良かったら買う。それが「ジャケ買い」ですよね。楽しかったんですよ。

この本は、植草さんが編集なんですけど、ジャンルごとに分けてるわけじゃなくて、全然関係ないものでも隣に載せちゃったりしてて。マイナーなジャケットも載ってるんですけど、いろんなデザインが見られて、夢がある。今こういう感じないなーって思いますね。CDになってつまんなくなっちゃいました。顔がなくなっちゃったなって思うんですよ。
ジャケットデザインって、本当にすごいですよね。音源ができる前にデザインを考えているはずなんですよ。だけど、名盤と呼ばれるものは、それがびしっと合ってる。不思議ですね。

味とデザインが合致しているものの良さ

そうそう、ビールも同じですよ。ザ・プレミアム・モルツは、この缶のデザインと味がフィットしてる。これって、ビールが完成する前にデザインしてるわけじゃないですか。デザイナーとブレンダーさんって違う人間なのにすごいなと思います。昔、取材で工場に行ったことあるんですよ。その時チーフブレンダーさんとお話ししたんですが「味をデザインしてるんです」って言われちゃって、そりゃおいしいって思いますよね。いい味はいい顔になってるんですよ。お店も一緒で、いい店はいい顔してます。

――そういうお店を足で探すということですね。

そうです。地方に行ったときなんかは特に「ジャケ食い」ですよ。暖簾が帯みたいなもんでね、メニューが歌詞カードです。

食堂でも居酒屋でも30年続いてるところは大抵いいですよ。30年続けるって大変なんでね。それだけの理由があるはずなんです。それが60年とかになってくるとさらにすごい。ただ、60年店構えも変えずにやってますってところはなかなかなくて、途中で代替わりして店だけ新しくしちゃったりしてるんですよ。新しい店になってるけど、それでもここは古くから続いてるだろうって見つけるのがおもしろいところ。それがジャケ食いの極み。ジャケ買いと同じですね。ポイントはどこですか?って聞かれても曰く言いがたいところで。暖簾がどうだっていう人もいるけど、そういうんじゃなくて、なんかあるんですよ。自分だけの基準なんでしょうね。


せっかくのプレミアムフライデー、楽しまなければもったいない。ビールを飲みながら手にするなら、心癒される写真集やおもしろい文豪の姿が楽しめる本を。「眺める本」なら、ほろ酔いになってきてもきっと楽しめるはずだ。そして、ちょっと気分が良くなってきたら、ジャケ食いに出かけてみるのもまたご一興。自分なりの『孤独のグルメ』を、ぜひ。

プレミアムフライデーには、ザ・プレミアム・モルツを。

プレミアムフライデーに「ザ・プレミアム・モルツ」が抽選でもらえるキャンペーンを、全国のTSUTAYA店舗(一部除く)で実施中!

詳細はコチラ(http://ws-g.jp/tsite2/page/1707_pftmp/shop.html)

リニューアルして進化した「ザ・プレミアム・モルツ」の深いコクと溢れだす華やかな香りをたのしめる味わいを、ぜひ堪能したい。

公式サイト(http://www.suntory.co.jp/beer/premium/)


※お酒は二十歳になってから

(インタビュー・文:晴山香織、撮影:杉野正和)

久住昌之

漫画家。ミュージシャン。1958年、東京都生まれ。法政大学社会学部卒。美學校・絵文字工房で、赤瀬川原平に師事。1981年、泉晴紀と組み「泉昌之」の名で漫画家デビュー。谷口ジローとの共作『孤独のグルメ』のほか、『花のズボラ飯』『昼のセント酒』『野武士のグルメ』などの漫画原作も手がける。装丁やエッセイ、音楽と幅広い分野で活躍中。

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