『冴えない彼女の育てかた♭』6話 幼なじみヒロイン大勝利! いつも温和な人が怒るのが一番恐ろしい

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『冴えない彼女の育てかた♭』公式サイトより

──澤村・スペンサー・英梨々(さわむら・スペンサー・えりり/演:大西沙織)の別荘がある那須高原。アニメでよく出てきそうでいて、でもほとんど出てこない舞台なんですよ。ようやく見つけたのが『喰霊-零-』の8話、「復讐行方(ふくしゅうのゆくへ)」に出てくる殺生石でした。『喰霊-零-』、いまだにアニメオタク飲み会でもちらほら名前が出てくる名作。今期の『Re:CREATORS』と同じ、あおきえい監督です。

 かーずSPの『冴えない彼女の育てかた♭』(フジテレビ系)全話レビュー。前回はマスターアップ直前に高熱で倒れてしまった英梨々。病人も、ゲームの完成もどっちもヤバそうな状況からスタートです。


■Episode#6「雪に埋もれたマスターアップ」

 別荘でゲームの原画を描き続けた英梨々。熱でぶっ倒れたはずの英梨々がベッドから起き上がると、足元には安芸倫也(あき ともや/演:松岡禎丞)が寝転がってます。グリグリと踏みつけられる倫也。先週の詩羽先輩に続いて、2週連続で美少女に踏まれるご褒美から6話は始まってます。このアニメ、もう脚フェチを隠そうともしてません。

 英梨々を介抱する倫也と波島伊織(はしま いおり/演:柿原徹也)。すれ違う運転手の江中さんがスローモーション&不敵な笑みを浮かべているのは、第2期の終盤に向けての伏線になってますので要注意です。
 ちなみに倫也が別荘の鍵を持っていたのは、電話で英梨々の母親から、スペアキーのありかと現地の医者の連絡先を聞いていたから(原作6巻178ページ)。

 2日後の月曜日。笑顔で布団に潜り込んで、完成させた満足感に浸る英梨々が、一転してブチキレます。

「何やってんのよ! アンタ何やってんのよ倫也ぁ!」

 お尻突き出し&シャツがまくれてお腹で見えるのがやっぱりエッチで、他ニュースサイトで掲載されていた、『冴えカノ♭』プロデューサーのインタビューにあった「重めのドラマ展開を邪魔することなく、絶妙なバランスでフェチ要素をちりばめて」ってこういうことかと魂レベルで納得。ありがたや〜。

 おそれはそうと、「倫也の大バカ〜〜っ!」っていうのは間違いないです。伊織も、

「本当は今ここで、那須高原に向かっている場合じゃなかった。それは他の誰かに任せて、自宅でマスターアップまで粘るべきだった」

 と指摘していたように。ここで加藤恵(かとう めぐみ/演:安野希世乃)を那須高原に送って、倫也は自宅待機すべきでした。それならマスターアップと急病人、どっちも取れるし、どっちも取ってきたのが倫也という人間でした。詩羽先輩にあれだけ無理させたわけですし、自分でも「本当に、あまりに矛盾だらけだ」って独白してますし、本人も納得していない行動でした。

 ですが言いたい、これが幼なじみ属性の強さなんですよ。幼い頃の身体が弱かった英梨々を知っているから、倫也は判断が鈍りました。倫也と過ごした時の長さと記憶があったからこそ、英梨々を他のメンバーと同列には扱えませんでした。今までツッコミキャラに甘んじてきた英梨々の逆転劇が起こりました。

 幼なじみといえば、今まで「負けフラグ」だの、「滑り台」(ネタ解説)だの、散々な言われようでした。『ときめきメモリアル』や『To Heart』など90年代には強力な勝ち属性だったのに……。『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』なんて、失恋した麻奈実が桐乃に腹パンしてましたからね……どんな扱われ方やねん幼なじみヒロイン。

 幼なじみがアニメでずっと不遇な境遇でしたから、倫也が英梨々を優先して失敗したことには妙なうれしさがこみ上げてきます。さらに、倫也は英梨々の覚醒した絵を絶賛します。

「あたしはアンタの一番になった?」

「うん」

 クリエイターとしても、幼なじみとしても、波島出海(はしま いずみ/演:赤崎千夏)に勝てた喜びで、無邪気な笑顔を見せる英梨々。口元の八重歯がほんと可愛いです。

「ごめんね」

 一度目のごめんは、締切に間に合わなかったことに対して。

「ごめんね」

 2度目のごめんは、小学生の頃、オタク趣味を拒絶して智也を傷つけたことに対して。8年越しのケンカが、ようやく仲直りできた瞬間です。うわーめっちゃイイ話だー。
 ……ってWeb版の予告を見ると、英梨々の当番回はこの6話で終わりらしい。やっぱり幼なじみ属性って当て馬なの?


■コミケ描写はあっさり目

 完成した同人ゲームの製品化が間に合わずに、コミケ3日目は自宅で焼いた100枚だけ頒布することになった『blessing software』。
 アニメでコミケが登場することも珍しくなくなりました。コミケをしっかり描いた作品といえば『げんしけん』(2004年)が真っ先に思い出されます。「人がゴミのよう」な一般参加者の列。島中に到着すると、テーブルの上にイスと業者のチラシ。はじめて本が売れた時の緊張など、コミケあるあるネタを丁寧に描いていました。

 最近では、2017年冬クールの『小林さんちのメイドラゴン』第7話「夏の定番!」(ぶっちゃけテコ入れ回ですね)がすごかったです。先頭組が早歩きでトールたちの前を通り過ぎていく。大手の行列に並ぶオタクたち、コスプレ会場での俯瞰、会場外のモブ、一人ひとり違う格好で描写されてました。ファフニールさんが「呪いアンソロジー」で初参加してるのもおかしかったです。 

 今回の『冴えカノ♭』、コミケ描写は薄めでした。サークル準備、ライバル(伊織、出海)との挨拶、即完売、帰宅。1期の1話から、ずっとこの日を目標に活動していたにしては、あっさり流しすぎじゃありませんかね? ぶっちゃけ肩透かしというか、物足りないというか。しかし、そんな拍子抜け気分もぶっ飛ぶ出来事が起こります。

「わたしは、安芸くんが正しいことをしたと思ってる。でも、許せない。まだ消化しきれない」

 英梨々のように大声で怒鳴るわけでもなく、詩羽先輩みたいに冷たくされるわけでもない。
 お淡々とフラットに拒絶されることが何よりも恐ろしい。深く、静かに怒ってる恵の離反。
前半のハートフルな幼なじみとの仲直りから一転。不穏な空気になってまいりました。プレイヤーが胃痛になることでおなじみ『WHITE ALBUM2』のシナリオライター・丸戸史明の本領発揮となる加藤恵編。来週は胃薬を飲みながら待機しよう。

(文/かーずSP)

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