中国でヒットしている意外な日本商品 中国で売れなかったテッパン日本商品

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『本当は中国で勝っている日本企業 なぜこの会社は成功できたのか?』(集英社刊)

人口が14億人に迫り、経済成長の歩みを止めない中国は、日本企業にとっても魅力的な市場。

しかし、「チャイナリスク」の言葉通り、企業の中国進出は取引先の倒産や契約不履行など、思いもよらないトラブルで頓挫したり、当初の計画に狂いが生じることも多い。

思うに任せない中国でのビジネスを成功させるために、日本のビジネスパーソンは何を知り、どう考えるべきか。『本当は中国で勝っている日本企業 なぜこの会社は成功できたのか?』(集英社刊)の著者で、中国社会のオモテとウラを知り尽くした作家の谷崎光さんにお話をうかがった。

――『本当は中国で勝っている日本企業 なぜこの会社は成功できたのか?』を読んで、日本が中国に経済力の面で追い抜かれたことと改めて実感しましたが、技術やノウハウなど、中国に先行している面もまだ多そうです。谷崎さんが普段生活していて「ここは日本の方が発達している」と感じた点、「ここは中国の方が上」と感じた点を教えていただきたいです。

谷崎:全体としてまだ追い抜かれたとは思いません。中国は人口が日本の10倍ありますから、ちょっと発展すればGDPが増えるのは当たり前です。ただ、そのうちに、比べる、といった感じではない経済圏にはなるでしょう。

実際、その大きな市場をつかんで、中国で大きな成功をおさめている日本の会社も実はたくさんあります。

本当に勝っている会社は中国企業への売上が伸びたので、メディアはあまり伝えていませんが、中国での売上が数千億円から一兆円規模の日本の会社はたくさんあります。みんな黙って勝っているんですね(笑)。

自動車や高速鉄道の部品などを製造する工場自体をオートメーション化することや、ロボット、センサー、スマホ部品やEV関連、素材などは本当に爆勝ち中で、中国での売上にひっぱられて本社が最高益となった会社もあります。

また中国では、ネオ中流層が台頭しており、品質が高く安心して買える日系の雑貨や食品、化粧品も好調です。

「発達」と言っていいかはわかりませんが、日本が非常に優れているのは企業内での犯罪が少ないこと。お互いが信用・信頼できてチームワークがいいこともあげられます。昨年、成田空港の荷物検査場で、クレジットカード含む日中全カードと30万円ほどの現金が入った財布(お土産に買った明太子の袋ごと)を置き忘れましたが、すぐに発見されて戻ってきました。

もちろん一円もなくなっておらず、無事に飛行機に乗ったのですが、中国人や各国華僑の友達にそれを話したら大ウケされました。先進国含め世界中どこの空港でも、職員や関係者による盗難があり、財布が見つかっても100%中身は無くなっているそうです。

たとえば将来、北京でカフェをやりたいなとときどき思うんですが、もし本当にやるとしたら、レジは日本人であれば、こちらで一回会っただけの人でも、嫌いな人でも、学生さんでも、だれでも全員に何の心配もなくお任せできると感じられます。

しかし、中国人でそう思えたのは、17年北京にいますが2人だけです。鍵を渡してお掃除を任せていたような人でも、レジだと100%信用するのはむずかしい(or現金に触る仕事で信用するのはむずかしい)。中国人が血縁しか信じない理由が、こちらで暮らすとよくわかります。他人に任せるなら、もしかして起きるかも、のトラブル分の損失も最初から計算に入れておくのが中国流です。

――テクノロジーの面ではいかがですか?

谷崎:超トップレベルの開発やAI などの重点項目は、中国は国家威信にかけて、金に糸目をつけず権力を駆使してやるので、日中どちらのレベルがいいかはわかりません。ただその下のレベルにあたるハイエンドの工業製品製造は、日本のほうがかなり強いです。開発にも製造にもチームワークが必要になる中国は、技術の不備だけでなく、不正で品質が落ちたりもするので開発どころではなかったり。つまりチームワークと、製品でウソをつかないまじめさ。最近は多少揺れていますが、それでも日本人らしさが「勝ち」の秘密です。

――中国の方が上を行っている点についてもお聞きしたいです。

谷崎:まず、物事の処理のスピードです。今、中国人は、仕事もたいてい微信というSNSでやってしまいます。挨拶も全部抜きで、いきなり仕事の用件だけ、「○○送れ」「5000元」「やる? やらない?」。礼儀正しくはないですが連絡は早い。自分の責任がどこまでかが明確なので、判断も早いです。これは中国がスピード発展した理由の一つです。先日、私の家の契約更新の契約書もSNSで送り合い、サインし合ってすぐ終了しました。とにかく早い。

また、スマホ支払いはすでに日本で有名でしょうが、それに連動したあらゆるサービスの開発と実用化、そして庶民がそれを取り入れる速さですね。本にも書きましたが、配達のIT化は日本以上です。タクシー手配のスマホアプリの運用も日本以上に進んでいると思います。

社会が「個人」を認めている点も、日本より進んでいると感じます。これはビジネス面で顕著で、会社でも成果主義のところが多いですし、成果さえ出せば上司は細かいことは問いません(反面、不正も横行していますが、利益を出していればつっこまれません)。

個人への発注でも、通訳、カメラマンなどは、すでに10年前から中国のほうがギャラがいい。ただ、人によって差が大きく、優秀な人なら金額もバーンと跳ね上がります(ただし不安定)。

これは会社間の取引にもいえて、日本のように大手各社が組織的に手を結んで、中小企業を完全に下請け化することはありません。広義の意味での実力があれば、ベンチャーも短期間で急成長します。今の中国社会の活力はここからきています。スマホ決済がまさにそうです。

このように、実力のある個人や、技術のある会社などには投資の機会が多く訪れます。ただ、突出した能力、学歴、人脈、技術、都市在住権利である都市戸籍などを持っていない人や、特色のない会社への搾取はすさまじい。これも中国の特徴だと思います。

――中国でビジネスを始めるというアイデアは、古くから多くの企業が持っていたものです。ただ海外の需要は、日本で調査を重ねても読み切れないところがあります。日本ではあまり期待していなかったのに、中国では需要があり思っていたより売れた例や、その逆の例がありましたら教えていただきたいです。

谷崎:期待しなかったのに売れたケースとしてはホンダ車があります。私もノーマークだったのですが、最近、ホンダは南方中心に急成長しているんです。

もともと中国では、日系各社が「日本人の頭で考えた中国人好み」の車を乱発する中で、ホンダだけは「自分を貫く」という感じで事業を展開していて、コアなファンはいこそすれ、シェアは低かった。しかし、前期の社長が日本の高度経済成長時代にやった「兄弟車戦略」(既存の車の外観パーツだけを変える。開発コストも時間もかからない)を若者向けにやったことが、今、花ひらいてます。おそらく、ホンダの期待以上に売れているんじゃないでしょうか。

牛乳石鹸、無印良品のクレンジングクリームなどの日用品もウケていますね。自分は日本に帰るたびに買っていたけど、それが中国人に大々的に受けるとは正直思いませんでした。 

意外といえば、日本のランドセルやお菓子。ランドセルは子供の教材が重いということで重宝されているようで、タオバオ(中国の大手ショッピングサイト)などで一定数売れてます。お菓子は、ブルボンなどの大衆向けお菓子。当初は中国人が持ち込み、安くておいしいのがウケました。今は現地生産しています。

まとめるなら、ヘタに「日本だから」「中国だから」を考えるより、日本ですでに売れているもの(品質がいい)が、中国の物価と照らし合わせて安い場合、「性比価高(価格より中身がいい。オトク)」として売れるのだと思います。一般消費者向けなら、中国人が先に持ち込んでいるものが当然強いです。

――売れそうで売れなかったものはどうでしょうか。

谷崎:日本の健康食品はあまり売れませんでした。これは中国医学に食からの栄養摂取の概念があるからかもしれません。認可と販売ルートもむずかしい。ただ、今後火が付く可能性はあると思います。

あとはお米ですね。10年ほど前から、日本政府の肝入りで「日本米は中国で売れている!」的話が作られてますが、実際には日本人の多いエリアのスーパーに置いた写真を撮って売れている記事を書かせたりしていることが多いです。中国の場合、富裕層は政府の無農薬農場の食品を調達できるし、中間層にとってはコストパフォーマンスが良くない。日本の品種はすでに中国東北地方で作られていて、味もいいですしね。あと、震災以後は東京を含むおおむね北日本の食品は、中国で輸入禁止です。

もしかしたら中国にも本当に日本米が売れている地域もあるのかもしれませんが、米余りへの日本政府の対策色を感じます。本当に売れるものをもってきたほうがいい。

――日本が中国に優位性を強く持てるのはあと10年、と書かれていました。谷崎さんが考える10年後の日中経済の勢力図はどのようなものですか。

谷崎:日本が今、頑張れば、日中の間で均衡を保てると思います。今後の人口が少なくても、少数精鋭で経済の活力を維持できる。ダメならば、中国に買われる企業も増える。わがもの顔の中国人がハイクラスの場所にもっと来るでしょう。

ただ、ダメになった日本はひなびた田舎みたいなもので魅力がないので、投資も一定ラインで止まる。生産拠点にするにも若年人口が少ないので、乗っ取りみたいな感じにはならないでしょう。優良資産でないと、全体を持つのはコストがかかります。銀座みたいな「性比価高(オトク、価値あり)」の部分は中国に押さえられてしまうかもしれませんが。

もし日本がもっと弱体化すれば、日本は中国企業・海外企業の開発とかデザイン部門など、一部署の拠点になるのではないかと思います。

――本書を執筆するにあたってたくさんの方々に取材をされたかと思いますが、その中でもっとも驚いたことは何ですか?

谷崎:日本企業が思っていたよりずっと深く中国企業に入り込んでいることです。たとえば中国の液晶や半導体の工場をオートメーション化して競争力をあげるのを、いろんな日本企業がたくさん手助けしています。トランスミッションなどの自動車部品は、日本の部品メーカーが勃興する中国自動車メーカーにも在中の欧米合弁メーカーにも売っています。これは見方を変えれば、完成車メーカーと下請けの、日本の産業構造を変えるかもしれない話です。

ただし業種を超えると、同じ北京の駐在員同士でも互いの状況をまったく知らないということもいえます。

――今も昔も、多くの日本企業が中国に進出しますが、すべてが成功するわけではありません。撤退する理由として多いのはどんな理由ですか?

谷崎:経営不振はもちろん、詐欺にあって資金が奪われたり、工場が稼働しなかったり、稼働しても機能しなかったり、地元政府や個人に、工場や店舗など経営資源を取られたり、といったこともあります。

あとは、ストライキや経営許可など、マネジメント上の問題ですよね。

(後編につづく)

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