若い世代にも増えている! 「糖尿病」ってどんな病気なのかお医者さんに聞いてみた!

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若い世代にも増えている! 「糖尿病」ってどんな病気なのかお医者さんに聞いてみた!


皆さんは「糖尿病」という病気がどうすればなってしまう病気で、どのような症状が出るものなのか説明できますか? 名前は知っていても、そこまでちゃんと理解している人は実は少ないでしょう。そこで今回は、糖尿病というのはどんな病気なのかを、東京医科大学病院の三輪 隆先生に伺いました。
■糖尿病は血液の糖分の数値が高くなる病気
――糖尿病とはどんな病気なのでしょうか?
三輪先生 糖尿病と聞いてまず皆さんの頭に浮かぶのが「尿に糖が出る病気」ということだろうと思います。それはそれで正しいのですが、実は病気の本質は、「血液の中の糖分(ブドウ糖)が高くなる病気」ということであって、尿に糖が出ることは結果に過ぎないのです。
――そうなのですね。
三輪先生 われわれの血中にはさまざまな栄養素が流れていますが、ヒトが最も有効に使えるエネルギー源はブドウ糖です。この「血液中のブドウ糖」がすなわち「血糖」です。血糖が0ではヒトは生きていけません。我々の体は、寝ていようと起きていようと必ず一定のブドウ糖を必要とします。脳に至ってはその活動源はほぼ100%ブドウ糖といっていいほどなのです。
――ブドウ糖がなくなれば脳が動かないと。
三輪先生 そうです。一定時間ブドウ糖が供給されなければ活動が止まる、つまり脳死に至るわけです。脳だけではありません。24時間365日動き続ける心臓も脂肪酸以外にブドウ糖が必要ですし、私たちの生命活動にはブドウ糖が必須なのです。
――生きる上で必要なブドウ糖は、普段血液にどれくらい含まれているものなのでしょうか?
三輪先生 血糖値は食事の前後で異なります。空腹時の場合は低い人で平均80mg/dL(ミリグラム・パー・デシリットル)前後、高い人でも100mg/dLに届くかどうかというくらいです。それが食後では120から130mg/dLに上がります。そして時間がたち糖分が吸収されると、また空腹時の数値に戻ります。
――糖尿病になるとどれくらいの数値になるのでしょうか?
三輪先生 糖尿病の方は、空腹時なのに数値が150mg/dLを超えたり、食べた後が200mg/dL以上に上がるという状態がずっと続きます。ただ、いきなりこうした数値になるのではありません。糖尿病の始まりの状態では、空腹時血糖が正常範囲内にもかかわらず、食後の数値だけが異常に高いという現象があり、この状態を放置しておくと、次第に空腹時の値も150mg/dLや180mg/dLといった値に上がっていってしまうのです。
■糖分数値の高い血液は悪いことばかり……
――そもそもですが、なぜ糖分の数値が高くなってしまうのでしょうか?
三輪先生 血糖値を正常に維持するための仕組みの中で最も重要な働き手がインスリンというホルモンなのですが、この働きが悪くなることが原因です。
――糖尿病の話では必ず耳にしますね。
三輪先生 インスリンは、血液中のブドウ糖(血糖)を、われわれの体を構成している細胞内に「移動」させることがその主な役割なのですが、様々な原因でこの働きが悪くなってしまうことで、ブドウ糖が血液中に滞ってしまいます。この状態がすなわち「血糖値が高い」状態です。
――インスリンの働きが悪くなる原因とは何でしょうか?
三輪先生 糖尿病には、自己免疫疾患である1型と、遺伝因子を背景として生活習慣が原因となる2型があり、日本人の糖尿病の約90%は2型です。この2型に限ってお話ししますと、遺伝的素因によりインスリンの分泌量が徐々に減少し、『インスリン不足の状況』となること、一方、肥満などが原因で『インスリンの「効き」が悪くなる』こと、この2つの要因が組み合わさって病気に至ると考えられています。
――なぜ肥満は糖尿病を引き起こす可能性が高いのですか?
三輪先生 肥満の中でも特に、中年男性に多い「内臓脂肪型肥満」の方で糖尿病発症リスクが高いのです。お腹の周りにたまる脂肪(内臓脂肪)からは数多くのホルモンが分泌されており、その多くがインスリンの働きを強く阻害します。したがって、メタボリックシンドロームの方々は、血糖値を正常に維持するために過剰にインスリンを分泌し続ける必要があり、これがまかなえなくなればすなわち、糖尿病を発症することになります。
一方、我が国では痩せ型の糖尿病患者さんも数多くいらっしゃいます。こうした方々では、遺伝的素因によるインスリン不足が、より強くより早く出現していると考えられます。もともと、インスリン分泌が少ないことに加え、過食や不規則な生活でさらにインスリンを浪費してしまい、「太ることのないまま」糖尿病を発症するというメカニズムです。
――インスリンの働きが悪くなって糖分の数値が高くなり、糖尿病になるとどんな影響があるのでしょうか?
三輪先生 血液中のブドウ糖が高い状態が続いて最も被害を受けるのが血管(動脈)です。われわれの血管(動脈)は長期間の高血糖状態に耐えるようにはできていません。特に、血管(動脈)の最も内側にある内皮(ないひ)細胞が傷害され、これが全身の血管の働きを狂わせ、ついには動脈硬化を引き起こしてしまうのです。
――血管がボロボロになってしまうと……。
三輪先生 細い血管ほど高血糖の悪影響を受けやすいため、眼や腎臓など細い血管が集合している組織の被害が大きくなります。糖尿病で特徴的に起こる「網膜症」や「腎症」、さらには「神経障害」は「糖尿病性細小血管障害」と呼ばれています。また、糖尿病があると太い血管の動脈硬化による、脳梗塞・心筋梗塞のリスクも高まります。こうした障害は糖尿病になってからおよそ10年を超えたあたりから徐々に増えてきます。
――それまで気付かないものなのでしょうか?
三輪先生 糖尿病は初期の自覚症状が全くない病気です。よくいわれている「トイレが近い」「喉がすぐに渇く」「足がしびれる」といった症状も、かなり進行しないと現われないのです。
■予防するには不規則な生活を改めること!
――早期発見が非常に難しい糖尿病ですが、予防するにはどうすればいいのでしょうか?
三輪先生 24時間好きなときにどんな物でも手軽に食べられるようになった上、エスカレーターやエレベーター、動く歩道など、便利な生活が当たり前になった現代、糖尿病は全ての人にとって大変身近な病気となりました。高齢者はもちろんのこと、小・中学生の間でさえ、2型糖尿病患者さんが見つかるようになっています。若いうちから定期的に体を動かす習慣をつけ、食事内容を含めた生活環境を見直すことで、肥満を防ぐことが何より大事でしょう。
――食事のカロリー過多も問題視されていますし、気を付けたいですね。
三輪先生 自分の体格に合わせたカロリー(*)を意識するべきです。若い方々にとって注意すべきは清涼飲料かもしれません。皆さん聞き慣れない言葉かも知れませんが、「ソフトドリンク症候群(清涼飲料水ケト-シス)」という病態があります。これは、ごく初期の糖尿病や境界型糖尿病の方が夏場などに清涼飲料を摂りすぎることで、一時的にインスリン不足の状態に陥るものです。自分では糖尿病(もしくは予備群)と気付いていない方が陥る病態であり、比較的若い男性に多いのが特徴です。
※適正カロリー=身長(m)×身長(m)×22×30(カロリー)で計算します。
身長170cmの方であれば、1.7×1.7×22×30で 約2000カロリー/日となります
――予防だけでなく、自分が糖尿病になっていないかの検査を手軽にすることは可能でしょうか?
三輪先生 病院で「ブドウ糖負荷試験」という検査を受けられるのが一番だと思います。これは75グラムのブドウ糖(飲用になっています)を服用して、その後の血糖値やインスリンの変化の様子を見る検査で、時間は3時間ほどかかりますが最も確実です。
病院にいく時間がないという方には、自宅で尿糖をチェックすることをお勧めします。尿糖チェックテープはドラッグストアなどで販売されておりますので、食事をした後の1-2時間後に尿検査をしてみてください。もし陽性であれば、その時点の血糖値が170~180を超えていることを意味しますので、すぐに病院へ行きましょう。
――自分は大丈夫と思っていても、検査はやってみるべきですね。
三輪先生 健診を受けられる機会があったら、ぜひ、血糖値を意味する「GLU」や、「HbA1c(グリコヘモグロビン)」の数値を確認してください。HbA1cは血液の赤みの元であるヘモグロビンとブドウ糖が結合したもので、過去1-2カ月の血糖の状態を反映する値です。血糖値とペアで確認しましょう。
――健康診断のときに気にしてみるのもいいかもしれませんね。
三輪先生 先ほども申しましたが、初期の糖尿病は自覚症状がない病気です。決して自覚症状の有無に頼らず、実際にチェックするべきですね。特に血縁者に糖尿病患者さんがおられる方は積極的に健診をお受けいただくことを強くお勧めしたいと思います
――ありがとうございました。
最近の調査では、糖尿病が強く疑われる成人男女は約950万人に上ることが明らかになっています。しかし、予備群も含めると2000万人となり、なんと6人に1人という数字になるのだそうです。若い世代でも決してひとごとではありません。まずは、自分の体重を意識することから始め、食事・運動を含めて、今のうちから自分の体のケアを考えてみてはいかがでしょうか。
取材協力:東京医科大学病院
(中田ボンベ@dcp)

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