マセラティ100年の歴史を振り返ってみよう

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東京の増上寺にて開催された100周年記念イベント。クルマはマセラティ・グランカブリオMCセンテニアル・スペシャル・エディション。
撮影:内田俊一(Shunichi Uchida)

イタリアの名門、マセラティは2014年で100周年を迎えた。様々なイメージを持つこのメーカーは果たしてどんなメーカーなのか。また、どんな人たちに愛されて来たのか。思いを馳せてみてはいかがだろう。

さて、そうはいってもいったいどこから手を付けてみたらいいのか。100年を誇るメーカーであることから、多くの書籍も刊行されている。そこで、マセラティに強い思い入れを持つ代官山 蔦屋書店の伊藤辰徳氏におすすめの本などを伺ってみた。

その前に、少しだけマセラティの歴史と、100周年のイベントのお話から。

レーシングカーを作りたかったマセラティ兄弟

ボローニャの広場にある海の神様、ネプチューンの像。その手にあるのがトリデンテ。
撮影:内田千鶴子(Chizuko Uchida)

1914年12月1日火曜日、マセラティ家の4男アルフィエーリ・マセラティとその二人の弟エットーレ、エルネストの三兄弟は、イタリアのボローニャにおいてマセラティ社を設立した。

そのエンブレムとして誇らしげに輝く“トリデンテ(三つ又の鉾)”のデザインは、もう一人の弟マリオの手によるもので、ボローニャのネプチューン広場にある銅像をモチーフにしたといわれており、その銅像は現在も存在している。 そもそもアルフィエーリとその兄弟はどのようなクルマを作りたかったのか。それは一言、レーシングカーである。当時アルフィエーリはレーシングドライバーとしてのキャリアも重ねており、その才能は輝かしいものであった。それと同時にエンジニアとしての力量も素晴らしく、それが高じた結果の創業だったのだ。

当然のことながら、最初にトリデンテをフロントに輝かせたクルマもレーシングカーで、最初にレースではクラス優勝を獲得している。

このレーシングカーというキーワードは現在にも引き継がれている。レースそのものはあまり活発には行っていないものの、パワフルなエンジンや、そこからもたらされるサウンドは非常に魅力的で、過去からの血筋を明確に感じることができるだろう。

100周年のイベントはイタリアのみならず、日本でも開催

100周年記念のイベント会場(モデナのピアッツァグランデ)にはブーメランも現れた。
撮影:内田千鶴子(Chizuko Uchida)

その会場にはほかにもクラシックマセラティが展示されていた。
撮影:内田千鶴子(Chizuko Uchida)

さて、創業が1914年ということなので、今年で100周年を迎えたマセラティ。そのお祝いは世界各国で行われた。イタリアでは9月にボローニャからトリノまでのツアーを含めた壮大なイベントが開催され、200台を超える新旧マセラティと1,000人以上が来場した。

マセラティブルーのライトアップされた清水寺。
撮影:内田俊一(Shunichi Uchida)

そして日本でも、7月に東京増上寺にて、ヒストリックマセラティの展示とともに、100周年記念スペシャルモデルのお披露目が行われた。また、その増上寺から京都の清水寺までリレーでつなぐ、“100周年記念リレー、マセラティ百年道中”が開催された。このリレープログラムは、江戸時代初期より幕末に至るまで続いた、“御茶壷道中”と、“東海道五十三次”からヒントを得て開催されたものだ。

イタリアでも日本でも歴史を大切にしたイベントを開催したマセラティ。実は代官山 蔦屋書店の伊藤氏も幼少の頃、マセラティとの大きな思い出を持っていた。


マセラティはThe イタ車である

伊藤氏の家に忽然と現れたのがこのマセラティビトゥルボだ。
写真提供:マセラティ・ジャパン

伊藤氏のご実家は浜松で縫製屋さんを営んでおられる。お父様はクルマ好きだったそうで、伊藤氏が幼稚園くらいの頃にはクラシックミニを、また免許がないにもかかわらずトライアンフのバイクを買ってきたりしていたそうだ。

そんな伊藤氏が初めてマセラティと出会ったのは小学校2から3年生の時だ。「家のクルマをソアラに買い替えることになったんです。僕もクルマが好きだったので、恰好良いなと思っていました。しかし、実際に納車されたクルマはマセラティビトゥルボだったのです。たまたま父がソアラと同じタイミングで気に入ったのですね。クリーム色のボディカラーで、内装は革張り。(ゴージャスで)すごいと思いました。それほどサイズは大きくなかったのですが、家族4人で四国まで行ったりもしました。トラブルは全くなかったですね」と振り返る。

主にビトゥルボはお母様の足として使われていたようだ。伊藤氏の想い出もそのあたりに集中している。「母親が割烹着を着て、学校にお弁当を届けに来たり、買い物に行ったりと、普通に運転していました。パワーステアリングでもなく、マニュアルだったクルマを母はよく乗っていたなと思います。でも、やはり乗り難かったのでしょう。クルマを買い替える時に、今度は自分で選ぶと言って、サーブ900を買いました。いまでこそセンスが良いなと思いますが、当時は『なんて変なクルマなんだ。見た目なんか最悪だ』と思っていました」。やはりマセラティと比較をするとそう感じても致し方ない。

そのビトゥルボと同時代のフラッグシップカー、ロイヤル。
撮影:内田俊一(Shunichi Uchida)

ロイヤルの内装。伊藤家にあったビトゥルボもこの雰囲気に近い。
撮影:内田俊一(Shunichi Uchida)

ここまで鮮明に記憶に残っているマセラティ。伊藤氏は「僕の中でTheイタ車といえばマセラティです。もうそれしか浮かびません。本当に格好良かった。特に80年代のマセラティが一番恰好良いと思っています。リアルな体験をしているのでこの年代が一番魅かれるのでしょうね」とぞっこんな様子だった。

そんな伊藤氏が、紹介してくれたマセラティを知るのにお勧めの3冊は、実はいずれも大作である。

真っ当に100周年をさかのぼる
Maserati - A Century of History: The Official Book マセラティ100周年記念公式本

「マセラティ全体を知るには一番わかりやすい本です」と伊藤氏がお勧めのこの本は、創立100周年を記念して、同社の歴史を1冊にまとめたもので、会社と、クルマの両面から解説されている。

特にクルマに関しては、レーシングカーから市販車、コンセプトカーまで多岐に渡り、写真もメーカーフォト等を数多く使うなど、マセラティ100周年公式ブックに相応しいものとなっている。

マセラティをデザインで味わう
Maserati - The Evolution of Style マセラティ - スタイルの進化

マセラティデザインの100年を振り返ったもので、「A6GCSピニンファリーナ」から「アルフィエーリ」まで1台1台を改めてスタジオにて撮影。全体像からディテールまで、迫力のある写真がこれでもかと迫ってくる。

「ビジュアルでマセラティの魅力を楽しみたい方にはぜひご覧いただきたいです」と伊藤氏。マセラティはピニンファリーナやベルトーネなど数多くのカロッツェリアのデザインを纏っているので、その魅力を感じるにはもってこいだ。

あえてシトロエンとの蜜月期をフィーチャーした1冊
Maserari The Citroen Years 1968-1975 マセラティ豪華写真集

マセラティとシトロエンがお互いの持てる技術を融合させたスペシャルティカーを紡ぎ出していた期間を集中的に取り上げられているのが本書だ。

例えば、マセラティではボーラやメラク、カムシン。そして、シトロエンSMなどこの時代を象徴するクルマたちを中心に、新たに撮影した写真をはじめ、当時の広告やスペックデータ、更には関係者のインタビューまで盛り込まれたマニア垂涎の1冊に仕上がっている。

伊藤氏も、「デザインを始め、革新的なクルマが多く紹介されています。結局販売という面では失敗だったかもしれませんが、魅力は十二分にあるクルマたちが詳細に語られています」と述べるように、マセラティのひとつの時代を詳細に知るに相応しいものだ。


マセラティの歴史を振り返ると、いくつかの共通した特徴が見えてくる。それは、レーシングカーのために開発されたエンジンを市販車に搭載し、素晴らしい走りを提供していたことや、魅力的なボディスタイル。そして、エロティックなほど豪奢なインテリアだ。そういった華やかな香りに誘われて、そのオーナーには映画俳優のマルチェロ マストロヤンニやモナコのレーニエ公など、著名人の名が連なっており、それは現在でも変わらない。

2015年には5万台を、2018年には7万5000台を目指しているマセラティ。間もなく、同社初のSUVである「レバンテ」や、コンパクトクーペの「アルフィエーリ」もデビューするといわれているが、いくら販売台数やモデルレンジが増えたとしても、この特徴は変わらないだろうし、変わってほしくないと願うエンスージアストは多いに違いない。

(文:内田俊一)

【代官山T-SITE】
クルマ・バイク シニアコンシェルジュ 伊藤辰徳 氏

2011年から同店のコンシェルジュに。クラシックカー・ビンテージカー、本を中心としたフェア・イベントを企画し、さまざまなカーライフの提案を行っている。幼少時代からカーグラフィックを読み、その後、世田谷にあったクルマとバイクの専門書店「リンドバーグ」時代から勤務していることから、クルマとその出版物に関しての知識量は半端ではない。更には実家の影響から洋服に興味を持ち渡伊の経験もある。単に飽きっぽいだけと笑うが、そこから得た経験は現在のコンシェルジュとしての豊富な話題に大いに役立っているようだ。イタリアが大好きで現在アルファロメオ156V6に乗っているが、最近は1970年代のマーキュリー「クーガー」に興味があるとのこと。

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