イギリス車の魅力とは、大英帝国の歴史という時間を所有する喜び

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ウィリアム王子来日時に代官山 蔦屋書店に展示されたアストンマーティン

英国の魅力を語ってみよう。それはサビルロウの仕立てのよいスーツのようなものかもしれないし、ロンドンの霧雨の中、傘も差さずに歩く、いわゆるやせ我慢の格好良さかもしれない。さて、ではイギリス車の魅力は何か。ちょうどウィリアム王子も来日したことだし、そのあたりを探ってみるのも一興だろう。

カーグラフィック創始者が語る英国車の魅力

自動車雑誌、カーグラフィックが創刊されたのは1962年4月号だ。創刊号はメルセデスベンツの特集だったが、第2号の5月号は早速ジャガーの特集号でEタイプが表紙を飾っている。

この雑誌を創刊し、初代の編集長を務めたのが小林彰太郎氏。一昨年、残念なことに鬼籍に入られたが、その氏こそ、英国車の魅力を常々語っていた人物である。

氏の最初の愛車は戦前のオースチンセブン。購入当初は走ることもままならず、半年近くを掛けて工場の軒先を借りて自らの手で修理をした由。その後、様々な英国車を乗り継ぎ、その物腰から生活スタイルまで、英国紳士然とした氏が、カーグラフィックにおおよそこんなことを書かれていた。「その国のクルマの特徴を把握するには、最高級車と最廉価車に乗ってみればいい」と。これを英国車に当てはめてみると、ロールス・ロイスとミニだろうか。

偶然にも両メーカーともBMW傘下に入ってはいるものの、その英国車としての魅力は現在も続けている。例えばロールス・ロイスでいえば、素晴らしいクラフトマンシップによる、最高級の素材で仕上げられたインテリアであり、また、ミニはミニマリズム(とはいえ最近はちょっと変わってきているかも)によるストイックな魅力だ。この両極端の魅力が英国車の英国車たる所以だろう。

英国車は上がりのクルマ

今回、英国車の魅力を語るに値する本を紹介してくれた、代官山 蔦屋書店クルマ・バイク シニアコンシェルジュの伊藤辰徳 氏は英国車の魅力を「エレガンスであることと、イギリスの長い歴史という“時間”を所有するイメージ」だという。

そしてまた、伊藤さんにとって英国車とは。人生上がりのクルマだともいう。「イタリア車に乗ったり、アメリカ車に乗ったり様々なクルマを乗り継いで、最後にミニに乗ってみようかという感じです。速さはそれほど求めないのですが、きちんとクルマを運転する所作が必要で、クルマと相談しながらじゃないと走れない。自動車の原点という魅力があります。そして、自分が小さい時に実家でミニに乗っていたこともあり、自分の原点のような気もします」

そういったイメージを持つ伊藤さんがこれはという本を4冊紹介してくれた。

小林彰太郎が愛したクルマの、そしてイギリスの世界がわかる1冊

『小林彰太郎の世界+徳大寺有恒との対話』

日本の自動車が世界をリードするまでに発達したのは、もちろん各メーカーの努力であるが、自動車ジャーナリズムの多大なる貢献もあってのことだろう。その先陣を切って活躍したのが小林彰太郎氏だ。“暮らしの手帳”の自動車版をめざしカーグラフィックを創刊。新型車を徹底的に評価し定評を得る。また、自動車を文化として捉え、クラシックカーを愛し、研究し、それを広く日本に伝え広めた功績は偉大だ。 プライベートでは長らく英国車を足としており、そこかしこに英国への想いがカーグラフィック誌上でも語られていた。 そんな氏のジャーナリスト人生を振り返り、また、心の底から愛したクルマを究極の一冊だ。

戦後の日本の自動車界が如実に描かれた一冊

『力道山のロールスロイス』

東京麹町にあったわたびき自動車(現在は本社のみ現地で工場は埼玉県戸田市に移転)。そこの塗装職人だった中沖満氏が戦後実際に体験したエピソードを記した本だ。 わたびき自動車の塗装は日本一といわれ、その噂を聞きつけて多くの著名人が来訪。その中の一人が力道山だった。力道山が持ち込んだロールスロイスとの想い出を始め、様々なクルマたちとそのオーナーとのかかわり合いは一読に値する。

クラシックミニを知る究極の一冊

『ミニ・ストーリー~小型車の革命~』

小林彰太郎氏渾身の翻訳本がこのミニ・ストーリーだ。スモールカーに革命をもたらしたミニの開発ストーリーを、世界的自動車ジャーナリストであり、また、自動車技術者でもある、ローレンス・ポメロイが記した一冊。

ウィリアム王子も愛したアストンマーティンの歴史を知ろう

『Aston Martin Model by Model 新旧モデル最新写真集』

2011年、ウィリアム王子とキャサリン妃のウエディングパレードで使用されたのがアストンマーティンDB6ヴォランテであることは有名だ。また、来日時に代官山蔦屋書店にてアストンマーティンラピードのワンオフモデル、Q by Aston Martinと共にマスコミの前に登場したので、ご覧になった方も多いだろう。 そんなアストンマーティンの1912年から2012年までの100年間にわたる歴史をまとめたものが本書だ。生産モデルからコンセプトカー、レーシングマシンなど1銘柄ごとに写真を中心に解説した入門的1冊といえる。


ここまで色々と英国車の魅力を記してきたが、どちらかというと抽象的な表現に終始してきた。そこで、最後にやはり小林彰太郎氏が語った一言でしめてみたい。「友人が自宅に訪ねて来たので、ジャガーXJ6に乗って、近くの公園まで行き、後席でゆっくりと語り合った」。これぞ英国車の魅力ではなかろうか。

(文:内田俊一)

【代官山 蔦屋書店】
クルマ・バイク コンシェルジュ 伊藤辰徳 氏

世田谷にあったクルマとバイクの専門書店「リンドバーグ」勤務を経て、2011年に同店のコンシェルジュに。クラシックカー・ビンテージカー、本を中心としたフェア・イベントを企画し、さまざまなカーライフの提案を行っている。愛車はイタリア車のアルファ・ロメオで、憧れはアメリカ車のカマロ。

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