横浜がベネチア化!? 「ヨコハマトリエンナーレ2014」がスゴイ

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300平方mもある巨大なゴミ箱は美術作品のためのもの。創作活動の裏にある失敗の歴史を表現。 マイケル・ランディ《アート・ビン》2010年/2014年 撮影:田中雄一郎 写真提供:横浜トリエンナーレ組織委員会

300平方mもある巨大な美術作品のゴミ箱。創作活動の裏にある失敗の歴史を表現している。観覧者もゴミとなる失敗品などの美術品を投げ込める(要事前申請)。
マイケル・ランディ《アート・ビン》2010年/2014年 撮影:田中雄一郎
写真提供:横浜トリエンナーレ組織委員会

“芸術の秋”を楽しむのにうってつけの芸術祭。秋も盛んに全国各地で開催されているが、代官山 蔦屋書店アートコンシェルジュの秀熊麻衣氏のイチオシは「ヨコハマトリエンナーレ2014」。横浜で3年に1度開かれている現代アートの国際展で、5回目となる今年は世界19カ国から計65組、79名の作家・団体が参加している。

流行の「芸術祭」って、そもそも何?

そもそも日本で芸術祭が定着したのは2000年代に入ってから。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」「瀬戸内国際芸術祭」、現在開催中の「福岡アジア美術トリエンナーレ」(~11月30日(日))など、今や数知れず。

芸術祭は町おこしの成功例として全国各地で増加。普段アートに親しんでいない人には美術館やギャラリーは敷居が高くとも、芸術祭は観光や食に絡めたイベントもあり、作品もキャッチ―なものが多い。20・30代男女を中心に、気軽に祭りや旅行感覚で行く人も多いという。

そのなかで、秀熊氏は「『ヨコハマトリエンナーレ2014』はひと味違う。世界の芸術祭の息吹を感じました。『ヴェネツィア・ビエンナーレ』のような国際展が日本でもどんどん見られるようになることを期待せずにはいられません」と話す。

ベネチアと横浜の意外な共通点

昨年の「ヴェネチア・ビエンナーレ」で田中功起氏が日本代表作家として日本館の展示を手掛け、その日本館が初めて特別表彰を受けた。田中氏は今後も国際的な展覧会を次々と控えている注目の作家で、そのアートへの考え方を記した著書

昨年の「ヴェネチア・ビエンナーレ」で日本代表作家として日本館の展示を手掛け、日本人初の受賞をした田中功起氏の、アートへの考え方を記した著書

5年に1度ドイツで行われる現代美術の国際展「ドクメンタ(13)」も見逃せない国際展の一つ。「ヨコハマアートトリエンナーレ」と一緒に、国際展のカタログを合わせてチェックするのもおもしろい

4年に1度ドイツで行われる現代美術の国際展「ドクメンタ(13)」も見逃せない国際展の一つ。「ヨコハマトリエンナーレ2014」と一緒に、こういった海外で行われる国際展のカタログを合わせてチェックするのもおもしろい

約120年の歴史を持ち、来年で56回目を迎えるイタリアの「ヴェネツィア・ビエンナーレ」。出品することは芸術家たちの世界的キャリアの象徴と言っても過言ではなく、非常な名誉とされる。

「私も昨年行ってきました。世界芸術祭の最高峰というとハードルが高そうですが、一般市民の方がお散歩にいくような感じで立ち寄って『これは好き、嫌い』などと気兼ねなく主観で活発に会話を交わしているんですね。”わからなくてはいけない”、というような気負いはあまりない様子でした。サテライトの会場を回っていて場所が分からないときに近隣の方々に場所を尋ねると『あそこでやってるよ』と普通に教えてくれる。海外だからといって芸術に興味のある人ばかりではないけれど、芸術祭の歴史がアートを町に浸透させてきたことが伺えました」(秀熊氏)

横浜はベネチア同様大きな港町で、貿易都市としてアートや音楽、その他のカルチャーが育ちやすく、親しみやすいという背景がある。

「特に今年は従来の芸術祭よりも“芸術性”を追求した、玄人受けする骨太のラインアップ。今後日本が“ワールドスタンダード(国際基準)”に近づき、世界から人々がやってくるようになるとうれしいですよね」(秀熊氏)


「ヨコハマトリエンナーレ2014」の内容は?

前長15m以上ある巨大な彫刻作品。ゴシック建築風に表現した鋼製の細やかな装飾は必見。 ヴィム・デルボア《低床トレーラー》2007年 Collection of MONA, Australia 撮影:加藤健 写真提供:横浜トリエンナーレ組織委員会

バルーンを使った不思議な世界観の作品。 福岡道雄 ヨコハマトリエンナーレ2014作品展示風景 撮影:田中雄一郎 写真提供:横浜トリエンナーレ組織委員会

世界的な現代芸術家・森村泰昌氏が芸術監督を務める今回のテーマは「忘却」。日常で忘れてしまう大切なものを、アートで思い出させるという試みがなされる。

「“芸術性”を追求しつつ、従来の芸術祭の良さでもあるキャッチーさも健在。踏み込めばアートというものを考えさせられる作品ぞろいですが、ビジュアルやサウンドのインパクト、参加して楽しむといった分かりやすいおもしろさも。従来の芸術祭の良さを取り入れながらも、ハードコアな美術の領域をしっかりとみせてくださっているという印象です」(秀熊氏)

そんな芸術祭も11月3日(月・祝)まで。今だけの“文明開化”の息吹を感じたい。


「ヨコハマトリエンナーレ2014」
会期:開催中~2014年11月3日(月・祝)
場所: メイン会場/横浜美術館、新港ピア(新港ふ頭展示施設)
入場料:メイン会場/大人1,800円、連携会場セット券/大人2,400円
http://www.yokohamatriennale.jp

【代官山 蔦屋書店】
アートコンシェルジュ 秀熊麻衣 氏

都内ギャラリーでのサポートをした後、2011年に同店のコンシェルジュに。自身も現代アート作家として、現在も制作を続けている。アート界の最先端をチェックすべく、美術館だけでなくギャラリーをチェックすることをライフワークにしている。好きな日本人作家は大竹伸朗。今注目している作家はリー・キット。

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