プロが選ぶ、ファッション×カルチャーを知るための4冊

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PUBLIC ENEMY・GREN E. FREEDMAN『MY RULES』(Rizzoli刊)より

2010年代以降沸き起こった90sリバイバル。グランジファッションや、ビッグシルエットのスウエットやスニーカー、オーバーサイズのアウターなどのファッションアイテムが2010年代風に昇華され、街中に溢れている。代官山 蔦屋書店のファッション担当アートコンシェルジュ 森田賢一氏は、「1990年代当時は、ファッションを見れば、その人はどういうものが好きかが見えたのですが、2000年以降それがなくなってしまっている」と語る。

「僕は、まずはアイビーが好きになって、それから音楽が好きになり、音楽的なファッションを経験してモッズファッションに傾倒しました。その後、クラブカルチャーにシフトしはじめたときにスニーカーにも興味を持って。その影響で、もともと興味のあったブラックミュージックも聴くようになっていったという経緯があります。やはり背景に何かがないとだめだと思っていたんです。僕が若い頃は、いくらファッションがかっこよくても、音楽、アート、写真、映画などをを知らない人はかっこよくなかったんです。ファッションとカルチャーは密接に結びついているものですが、今は何かと結びついて必然的に生まれたわけではなくて、ファッション自体がカルチャーになっているような気がしているんです」

ファッションとカルチャーの関係性をも変えたインターネット

ファッションとカルチャーが乖離しつつあるという森田氏。その背景には、インターネットの発達があると分析する。

「以前は、局所的にはいろいろな流行がありますが、世の中全体では年代で括ることができるくらい大きな流れがあったはずなんです。ただ、インターネットが発達することにより、膨大な情報を入手できるようになった。その結果、小さな流れが点在しているような状態なり、年代で括ることができるような大きな流れにはなりづらくなったような気がしています」

流行が点在している昨今、ファッションをより楽しむための秘訣は「踏み込むこと」にあると森田氏は言う。

「もし90sのファッションが好きだとしたら、一歩進んで、その当時の背景に何があったのかを突っ込んでみる。例えば、当時の写真を見ることで、そのスタイルが格好いいと思ったら、『これはどういうことなんだろう?』『なんでこういうファッションなのか?』と踏み込んでいくと、ファッションがもっとおもしろくなると思うんです」

森田氏に、ファッションとカルチャーの関係性がわかる書籍を紹介してもらった。

ファッション×カルチャーを読み取るための4冊

『Sounds of Two Eyes Opening - Southern California Life : Skate/Beach/Punk 1969-1982』(Sinecure Books刊)

BLACK FLAG

BLACK FLAG(ブラック・フラッグ)、HUSKER DU(ハスカー・ドゥ)、MEAT PUPPETS(ミート・パペッツ)など、数々のバンドを輩出したインディー・レーベル、SST Records。初期のSST Recordsでプロデュースやエンジニアリングを務めたSpot(スポット)が、1969年から1982年までに撮りためた写真が書籍化された。

「L.A.のパンクシーンが記録されています。アメリカ西海岸のパンクはスケートカルチャーも絡んでいますが、一般の人たちの風景も混じっているのがとてもいい。1968年から1982年のユースカルチャーの、生々しい記録的な写真集になっています」

GREN E. FREEDMAN『MY RULES』(Rizzoli刊)

BEASTIE BOYS

Bobby Piercy

ヒップホップ、パンクなどのミュージックシーンやスケーターカルチャーを撮り続ける伝説的カメラマン・GREN E. FREEDMAN(グレン・E・フリードマン)。彼の最新写真集は、自費出版で発売した最初の写真集と同名タイトルという、アンソロジー的な作品集。

「LL COOL J(エルエル・クール・ジェイ)、PUBLIC ENEMY(パブリック・エナミー)、BEASTIE BOYS(ビースティ・ボーイズ)など有名アーティストの写真がたくさん載っています。本書からは、カルチャーから派生したファッションは、フェイクではないリアルなファッションだということを感じることができます。写真の一枚一枚が有無を言わさず本当にかっこいいです」

SAM KNEE『A Scene in Between: Tripping Through the Fashions of UK Indie Music 1980 - 1988』(Cicada Books刊)

Bobby Gillespie

The Smiths

1980年代のイギリスのバンドの写真を集めた本作は、当時を知る人はもちろん、知らない世代も購入していくという。

「MY BLOODY VALENTINE(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン)、JESUS AND MARY CHAIN(ジーザス&メリーチェイン)、THE SMITHS(ザ・スミス)などの貴重な写真が収められています。本書は、彼らがお金のなかった時に自分たちのかっこいいと思うアイテムをどのようにチョイスしているかが参考になると思うんです。当時のイギリスは不況で、若い人は安い古着ばっかり着ていた。それと今の日本の状況って似ているところはありますよね。今の若い人たちはファストファッションブランドのアイテムをセレクトしておしゃれを工夫していますが、古着でも自分の好きなものをセレクトすると、もっとおもしろいと思うんです」

『100 Ideas that Changed Street Style』(Laurence King Publishing刊)

ROCK AND ROLL

SKATEBOARDING

1950年代以降の若者のユースカルチャーのキーワードを網羅した一冊。

「最初は、“TEENAGER”というキーワードからはじまります。ティーンエージャーという言葉から始まるのは、10代の若者たちのカルチャーが意識されはじめたのがおそらく1950年代で、それ以降のものだ、というあらわれだと思うんです。これはイギリスの出版社から発売された書籍なのですが、日本で認識されている言葉とイギリスで認識されている言葉が少し違っていて、イギリスの人たちの解釈の仕方を知るという意味でもおもしろいですね」


ファッションとカルチャーの関係は切っても切れない。それを体感している人にとってもそうでない人にとっても、これらの書籍には新たな発見や再発見があるに違いない。改めてその関係性を見つめなおしたい。

(文:岡崎咲子)

【代官山 蔦屋書店】
美術・写真・ファッションコンシェルジュ 森田賢一 氏

都内大型書店、TSUTAYA TOKYO ROPPONNGIの書店員を経て、代官山 蔦屋書店のコンシェルジュに。アートフロアのファッションコーナーを担当。外見、内面ともに魅力的な“紳士”を育成する「代官山ジェントルマンクラブ―紳士養成講座―」を定期的に企画している。

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