漫画×アートの次世代カルチャー「コミックアート」が熱い!

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『コミックス フィーバー!!』より
art work:fantasista utamaro、photo:mitsuaki koshizuka

コミック(漫画・MANGA)はアートだとの声が聞こえるようになって久しい。村上隆に代表されるコミックをアート化する動きは、今や世界の注目の的だ。ファション界では、アニメやキャラクターの世界観を服飾に取り入れる「2.5次元ファッション」というジャンルも登場している。

「今、コミックとアートを融合した、コミックアートと呼ばれるジャンルが注目されています。日本の漫画をインスピレーションに、新たな表現が次々と生まれています」と語るのは、代官山 蔦屋書店デザインコンシェルジュ籔田千晴氏だ。籔田氏に、コミックアートのおもしろさを教えてもらった。

領域を越えた自由自在な組み合わせ

コミックアートとは、コマ割り、イラストレーションと写真の融合、キャラクター化、デフォルメ化などといった、コミックの要素を取り入れた作品群のことを指す。「2次元と3次元が領域を自由に越えるところがおもしろい」と籔田氏が特に注目するアーティストが、ファンタジスタ歌磨呂氏だ。例えば、おしゃれな女性モデルの写真に「ドドドド」「ビビビビビ」など漫画文化特有の吹き出しの立体物を組み合わせた作品には、おもわずクスリと笑みがこぼれる。

2次元と3次元の融合は、写真や服飾のほかにも日用品などのプロダクトや装丁デザインと、その領域を広げているという。「漫画から受けたインスピレーションを漫画として表現するのではなく、別の分野で新しい表現に発展させているところが興味深いです」と籔田氏。

問題をシンプルに親しみやすく

新聞に社会風刺の漫画が連載されてきたように、コミックアートにも社会問題をテーマにしたものがある。籔田氏はその背景を「漫画にすることで、シンプルで親しみやすくなります。また、あまり暗くなりすぎずに問題提起ができます」と分析する。なお書店のPOPでも、漫画のような吹き出しのデザインを取り入れた途端、文章自体は変えていないにもかかわらず、より多くの人からの反響を実感することがあるそうだ。

奥深いコミックアートの歴史

コミックとアートの融合それ自体は、今に始まったことではない。例えば「キャンベル・スープの缶」などで知られる、日用品などの大衆文化をアート化したアンディ・ウォーホル(1928年- 1987年)は、バットマンやスーパーマンなどのアメリカン・コミックを作品に取り入れてきた。

『北斎漫画』

『北斎漫画』

漫画の歴史も古い。「漫画」という言葉は、江戸時代に活躍した葛飾北斎による人物、風俗、動植物から妖怪まで約4000図を描いた『北斎漫画』で初めて登場する。北斎は略画したこの絵のことを「気の向くままに漫然と描いた画」と呼んだことから生まれた。なお『北斎漫画』は2014年に初編出版からちょうど200周年を迎え、パリでは企画展がグラン・パレ・ナショナル・ギャラリーで開催されるなど、再注目されている。

籔田氏がオススメする本で、コミックアートを実際に楽しんでほしい。


最新のコミック✕アート事情が丸ごとわかる一冊

『コミックフィーバー!!』

(和田侑子 訳、パイインターナショナル 刊)

ファッションやプロダクトなど様々な分野でコミック要素を効かせた、国内外の作品の数々の写真・解説とともに掲載。「紙もコミックのような手ざわりのものが使われています。パラパラ眺めるだけでもおもしろく、新しいアイデアのインスピレーションにもなると思います」


  • Martin Vitaliti

  • Sim Chang

  • Shun Sasaki

  • Jump From Paper

  • Ben Frost

  • Rex Koo

  • Schemata Architects

  • Mika Tsutai

アートをコミック化した作家をコミック化

『僕はウォーホル』

(キャサリン・イングラム 著、アンドリュー・レイ イラスト、岩崎亜矢 監修・翻訳)

ウォーホルの生きた時代のエッセンスを凝縮しながら、その作品の魅力と強烈な生き様、そして後世に残した影響を、文と漫画で伝える。「アートをコミック化した人をさらにコミック化するという、二重のおもしろさがあります。また、監訳を手掛けられたのはサン・アドのコピーライター岩崎亜矢さん。 ともすれば少し固くなりがちな翻訳が、岩崎さんが監修される事で ウォーホールをぐっと身近に感じられる文章になっています。 コミックを読むように気軽に楽しく読んでいただけるのではないでしょうか」

ドラえもんをカラーだけで表現した装丁デザイン

『新訳ドラえもん』

(佐々木宏 著、藤子F不二雄 著、藤子プロ 監修)

映画『STAND BY MEドラえもん』の脚本のもととなった原作作品7本を収録。各作品の間には、ドラえもんがのび太くんには話せなかったこと綴った手紙文も。「キャラクターのカラーをデフォルメ化したこのユニークな装丁デザインは、グラフィックデザイナーの佐野研二郎さんによるもの。佐野さんのスカっ!と解りやすい明快なデザインで、より一層魅力的な本になっています。」


物事が複雑化・複合化する今、コミックアートというその自由でシンプル、そしてユーモラスな表現を、時代が求めているのかもしれない。今後はどのような領域にも拡大していくのか、注目したい。

(文:山岸早瀬)

【代官山 蔦屋書店】
デザインコンシェルジュ 籔田千晴 氏

広告デザイナー、雑誌・書籍のエディトリアルデザイナーを経て、2011年から代官山 蔦屋書店のコンシェルジュに。広告や雑誌・本などのデザインに関する本棚を担当し、デザインフロア内のコーナー「BOOK BOX」では、月替わりで注目のデザイナーを紹介している。現在もデザイナーとしても活動中。展覧会やSNS上で写真作品の発表もしている。

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