オランダの人気クラフト雑誌「flow」編集長2人が来日! 制作裏話を披露

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左から、大西晶子さん、阪戸美穂さん、アストリッドさん、イレーンさん

  

11月3日、「紙好き、クラフト好き」に向けたオランダの雑誌「flow」の編集をしている二人、アストリッドさんとイレーンさんの来日に際し、代官山 蔦屋書店でトークショーが行われた。

こちらのコンテンツを抜粋した日本版書籍「クラフトアイディア100」(グラフィック社)のデザインを担当した、オランダに精通するグラフィックデザイナー阪戸美穂さん、編集・ライティングを担当した大西晶子さんを交えて、「flow」の魅力と制作の裏側を披露してくれた。


「flow」ってどんな雑誌?

手作りのものを大切な人に贈ったり、部屋を飾ったり、手帳をかわいいイラストでにぎやかにしたり。ちょっとした遊び心で、日常生活は断然楽しくなるもの。

「flow」には、そんな素敵なライフスタイルのアイデアがたっぷり詰まっている。メッセージカードやラメのついたポストカード、読んだ本を記録できるブックダイアリーを挟み込むなどの仕掛けも女子心を刺激! 「自分で物を作っていく楽しさ」を感じられる。使っている紙も独特のぬくもりある手触りで、なんだかほっとするのだ。

最新号の表紙

読んだ本を書きとめられるブックダイアリー

ハンドメイドしたものを誰かに贈るときに付けるラベル

毎号変わるタイトル下の言葉もこだわり。写真は「あまり明日のことを心配しながら生きるのではなく、今日の自分を甘やかしましょう」という意味

背表紙にもおもしろい工夫が

5年前に誕生し、オランダ版は年8回、スペシャル版4回、英語版は年4回発行。今では世界20カ国で発売され、今も数を増やし続けているほどの人気ぶりだ。その背景を受けてアストリッドさんは、「自分の時間を見つけて、小さなことに幸せを見出す概念というのが、共感を持っていただけたんだと思います。あと、たくさんの人たちのクラフトや紙が大好きだという気持ちと、毎日に小さな幸せを見出すことが融合したアイデアが受け入れられたのかなと思います」と笑顔でコメント。

雑誌以外の新しい試みもユニークだ。例えば、オランダで販売されている最新のノートブック「flow weekly」。「ノートブックと雑誌の中間のようなアイテムで、1週間のアジェンダを書き込めるようになっています。自分でTODOリストを作ったり、日記をつけたり。毎日をどう楽しく過ごせるかのヒントもたくさん詰まっています」と、さっそく大西さんも愛用しているという。「自分でうまくカスタムできるようになっているので、それがオランダでも受け入れられています」と言うアストリッドさんに、イレーンさんが「自分で自分のアイデアを書きとめる。日常の忙しさから立ち止まって考えを整理することが、リラックスにもつながるということを表現したいですね」と続けた。また、シールやラベル、メッセージカードなどが盛りだくさんに入った、日本で発売されたばかりの「flow BOOK FOR PAPER LOVERS」も見逃せない。

「flow」日本版の「クラフトアイディア100」

「自分で何か作る、トライしてもらう」という「flow」のマインドを大切にしている

表紙のカバーはポスターやラッピングペーパー、ブックカバーなどに変身

「flow」は編集部もとってもおしゃれ!

今年5月に「flow」の出版社・ソノマを訪問したという阪戸さんが、会社の様子を語ってくれた。この内容に記者はカルチャーショック! オフィスというと、シンプルだったり、逆に物があふれていたり、生活空間ではなく、あくまで「働く場所」という雰囲気がぬぐえないイメージ。ところが、ソノマ、flow編集部は思わずため息が出るほど居心地がよさそうな空間だ。

ロビーに飾ってあるソノマが発行している雑誌はすべてテイクフリー!

編集部に至る通路には、アンティーク椅子がおしゃれなリラックススペースが

木のチェストなどの雰囲気のあるインテリアをセンスよく配してある。社員はリラックスして、楽しそうに仕事をしていたのが印象的だったと阪戸さん

壁一面に雑誌のサムネイルが貼ってある

会議室は照明がアクセントに

はじめは何もない真っ白な空間だったが、フリーマーケットや蚤の市で見つけてきたもので、自分たちでflowっぽく飾りつけをしたとか。「自分たちが好きなように、おうちにいるような空間をつくることで、ハッピーなマガジンが作れるんじゃないかと思っています」とアストリッドさん。

また、オランダでは家で仕事をする人も多く、ワークライフと家族の時間をうまく融通しているのだとか。日本ではなかなか難しいことが、オランダでは当たり前だなんて…うらやましいっ!

編集をたった二人で行い、世界中を飛び回るアストリッドさんとイレーンさん自身も、お子さんを持つママ。仕事と家庭を両立させている彼女たちのワークスタイルは、具体的にはどのようなものなのだろうか。

「もともとは雑誌『Marie Claire』にいたのですが、スローダウンしたいと考えまして。『flow』を二人で立ち上げてからは『これやっておいて』『じゃあ、今度は私がこれをやる』と協力しながら今までやってきています」とイレーンさんは話す。

毎週水曜日はいわゆるミーティングデー。二人でカフェへ行き、今持っているインスピレーションや、どういうことをやっていくかなどの話し合いをする。そしてお昼になると子どもを迎えに行くのだ。

また、SNSも有効に活用している。世界中のクリエイターとつながり、「flow」の世界観に合う人をセレクトしているのだとか。

オランダのデザインの魅力とは

「ダッチデザイン」という言葉があるように、オランダは世界のデザインをリードする国の一つだ。阪戸さんは、オランダの書籍とホテル、カフェを例に挙げ、その魅力を「素材や新旧のミックス感」「手作り感」と分析。また、「オランダでは手作り感の感じられるホテルやカフェが若い人たちの間で人気です」とイレーンさん。ビジネスでキャリアを積むよりも、自分が好きなことに対して個性を発揮することに意義を感じているのだとか。

自分のペースで日常を送ることができ、心に潤いを持ち続けられるオランダ。この土壌と、とびきりの遊び心とクラフトと人への愛を持った二人の人柄と生き方が「flow」を通じて伝わるようだ。「こんなイラストを描いてみたい!」「こんな風に部屋をアレンジしてみたいな」…etc.「flow」のアイデアと愛しいコンテンツたちが、忙しい日常の中にちょっぴり癒しのイマジネーションを与えてくれるに違いない。

(文:高橋七重)

はみだし情報

二人が代官山 蔦屋書店でインスピレーションを得て購入した本を教えてもらうと、やっぱり彼女たちらしいセレクション。「イラストの参考になるのよ」と選んだのはこの4冊だ。

ちょっとしたイラストと工夫で手紙を楽しく演出する50のアイデア

『絵てがみブック』

杉浦さやか 著、ベストセラーズ 刊

かわいい動物をまねして学ぶ

『イラストの学校 かわいい動物と。』

兎本幸子 著、ビー・エヌ・エヌ新社 刊

四季の植物といきものを楽しく描くイラストドリル

『イラストの学校 植物といきもの。』

兎本幸子 著、ビー・エヌ・エヌ新社 刊

日常で使えるイラストの描き方、色使いのアイデアがいっぱい

『暮らしを楽しむシーン別 かわいいイラストと配色のアイデアブック』

Igloo*dining* 著、パイインターナショナル 刊

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