<インタビュー> cali≠gari・桜井青に聞く 「第8期cali≠gari始動」<前編>

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昨年9月に行なわれた日比谷野外大音楽堂ライヴで第7期が終了。15年間在籍した武井誠(Dr)が脱退。それまでにも幾度かのメンバーチェンジと活動休止・再開を繰り返していたcali≠gariだが、これをもって第7期は終了。バンドは継続するのか? それとも…?とさまざまな憶測のなか、ついに3月11日にアルバムをリリース。第8期が始動する。 第8期は既存メンバーの桜井青(Gt&Vo)、村井研次郎(Ba)、石井秀仁(Vo)の3人で活動することに。アルバムには、上領亘(NeoBallad)、Tetsu(D’ERLANGER)、SATOち(MUCC)、中西祐二の4人にドラマーが参加、各ドラマーが数曲ずつプレイしている。 多くの後進に多大な影響を与えながらも、孤高のヴィジュアル系ともカリスマとも称されるcali≠gari。第8期始動にたち、リーダー・桜井青は何を思うのか? 今、改めて聞く、“cali≠gariとは何なのか?”(インタビュー&文:早川洋介)

メンバーがいないなら、
いないなりの見せ方を考えよう

―cali≠gariの長い歴史のなかで、メンバーチェンジはあれど、どこかのパートが不在のまま始動するのは初めてのことですよね?

「そうですよね。やっぱり自分のなかでも、すべてのパーツが揃っていてこそバンドっていうイメージはあるんです。ひとつでも欠けていたら、なんか物足りないですし。それでも動かしてしまえるぐらいの……年齢になったといいますか(笑)。昔だったら、ちゃんとした形のバンドというパッケージを提供することが見え方として正しかったと思ってましたけど、今はそういう感じでもないなと。むしろメンバーがいないなら、いないなりの見せ方を考えようよっていう。やっぱ20年やってきたら、そういう風になってきちゃったって感じですよね」

―青さんがキッズの頃は、好きなバンドが不完全な形態で始動するとモヤモヤしたものがありました?

「モヤモヤどころか、もう聴かなくなるような。そういうことを身近にたくさん経験してきていて、高校生ぐらいのことを思い出すと、UP-BEATから2人脱退したのは衝撃でしたね」

―ああ、はいはい!

「やっぱり、広石(武彦/Vo)さんと岩永(凡/G)さんと嶋田(祐一/Dr)さんの3人だけになって、東川(真二/G)さんと水江(慎一郎/B)さんがいなくなってしまったというのは子ども心にショックで。バンドって完全に一枚岩だってものが、キッズとしての自分のなかにあったんですよね。メンバーチェンジなんてするわけがないっていう。自分の好きなバンドで、初めてメンバーチェンジを目の当たりにしてしまったのがUP-BEATだったんで。結構アレはトラウマなんですよ。やっぱり音楽性も変わるだろうし、実際変わったし。そういったものがあったから、ウチはすごくメンバーチェンジの多いバンドではあるんですけど、やっぱり次に表に出る時には欠けた状態ではなくて……補充したっていう言い方はしたくないですけど(笑)、ちゃんとパッケージングされたバンドとしての見せ方で、お客さんたちには見せていきたいと。でもこの年齢になって、そういった見せ方うんぬんよりは、むしろ“音じゃねぇ?”っていう」

―そこさえ、しっかりできていれば。

「うん。今回はドラマーを4人迎えて一緒にやらせていただいたんですけど、ドラマーが4人違うっていうことは、言ってしまえばメンバー違いで4つのバンドが作れるってことですよね。これは、すごいことだと思って。ひとつのCDのなかに4つの違うバンドの音が入っている、っていう考え方なんです」

せっかく老舗の日本コロムビアから出すのに
何で最初から踏み絵なんだ!(笑)

―その物の見方がcali≠gariらしいですね。そして完成した第8期最初のアルバムが『12』。改めて優れたソングライターによる集合体だと印象づける中身でした。

「……ホントに思ってます?」

―思ってますよ!(笑)

「ははは。何回聴いても、ホントにこれでよかったんだろうか?って、いまだに頭を悩ませるわけですよ。せっかく老舗の日本コロムビアから出すのに、もうちょっとこう、一般に受け入れられるものを出せたんじゃなかっただろうかとか…」

―そういう意味ですか(笑)。

「“何で最初から踏み絵なんだ!”って感じですよね。“過去に終止符を!”みたいな感じのやり方もあったと思うんですけど(笑)」

―冒頭2連打「わるいやつら」や「脳核テロル」の過激さは際立ちますけど、全体を通して、メロディの立ったすごくポピュラリティのあるアルバムだなと。

「皆さん、ポップですねって言ってくださいますね。捉え方がいろいろあるなかで、いろんな方がポップに捉えてくれるのは、ちょっと嬉しいかなと。ただ、最初から“死ねばいいのに”って、バスッと言い切っちゃってますからね(笑)。含みのある言い方をしないで。昔は裏のテーマやダブルミーニングとかやってたんですけど、最近はそうじゃなくて、ぜい肉を落とした言葉は強いし、美しいなってとこですよね。特に復活してからは、そういう感じの言葉に切り替えて書いてるんですけど、うーん……まぁ、これも歳とったせいですかね」

―いや、cali≠gariらしいインディーズ魂を感じさせますよ。

「そうですか(笑)。インディーズ魂をね、コロムビアさんでやらせていただいちゃって、すいませんって感じで」

この曲だからこのドラマーではなく このドラマーだからこういう曲って、逆の発想で作曲していった。

―そして、ゲストのドラマーを選んだ基準はどういうところですか?

「音を聴いて、この人って分かるドラマーですね。上領(亘)さんにしても、D’ERLANGERのTetsuさんにしても、僕らがキッズの頃から好きで、すごい方々ですからね。中西(祐二)君は(村井)研次郎君の紹介で、ホントに上手くて、すごかったです。MUCCのSATOちに関しては、自分たちのローディーをやっていた子なので」

―かつてローディーだった人がゲストとして叩くというところで……。

「もう、いまや雲の上の存在ですから」

―(笑)過去そうした関係性だった人のプレイを聴いていかがでした?

「なんかもう、ホントに胸の奥が温かくなりましたね。いやぁ、上手ぇなぁと。20歳そこそこの若造だったのに、月日ってすごいと思いましたね。よくぞ、こんなクソ速い曲(「脳核テロル」)を、こんな正確に叩けるもんだなって。このドラマーだからこういう曲がいいなっていう風に、逆の発想で作曲していったんですけど」

―SATOちさんで速い曲を、と思った理由は?

「若いから。あの曲は石井(秀仁)さんが作ったんですけど、“まあ、若ぇし、すげぇ速いのやらせてみようっていう感じで(笑)。SATOちだったら、これをやらせてみてもいいだろうって。意地悪な感じですね」

―悪しき先輩・後輩の関係性じゃないですか(笑)。

「“おい、アンパン買ってこい”みたいな、そんな感じです(笑)」

―Tetsuさんが叩いた疾走ビートの「颯爽たる未来圏」とバラード「あの人はもう来ない」は、Tetsuさんらしいプレイの二面性を捉えた楽曲で。

「そうですね。石井さんのデモはかなり完成された状態で来るんですけど、特にTetsuさんに渡したデモ(「颯爽たる未来圏」)は、その時点でものすごいドラムだったんですよね。でもTetsuさんだから、これよりすごいことをやるはずと……で、案の定、ものすごいことになってます。“想像の斜め向こうを全然行っちゃってるね”っていう。僕の曲(「あの人はもう来ない」)に関しては、The Cureの「Lovesong」みたいなイメージで考えて、元々はリズムをループさせてるだけの曲構成だったので、最初から最後まで全部Tetsuさんに解釈を任せちゃってるんです。ところが、完成したものはリズムが全然違うものになっていたという。さらに、ここはブレイクにしたほうがいいとか、何拍空けたほうがいいとか、Tetsuさん自らディレクションを入れてくれたんですね。こういうドラマティックな構成になったならということで、そこから歌詞も変えて。これは初めてのパターンで、面白いことができましたね」

椎名恵で大映ドラマで
フラッシュダンスに仕立ててあります(笑)

―そして今回感じたのは、cali≠gariは80年代~90年代前半頃までの良質な音楽のエッセンスをたっぷり吸収・継承している稀少な存在だなということで。

「そうですね。やっぱり自分にしても、石井にしても、村井にしても、ホントに音楽が好きなので。だから、当時の音楽ですよね。80’sにしてもそうだし、アーリー90’sにしてもそうだし、とにかく模倣というか……(笑)」

―いやいや(笑)。

「いい言葉で言うとオマージュじゃないですか。今回もいろいろやらせていただいてるんですけど。本物を作ろうと思えば、当時どんな機材を使ってたか分かってるからできるんですけど、それを今のテイストでやるというのが楽しいですよね。80’sのエッセンスもいっぱい入ってるんですけど、でもただの80’sではないな、という」

―たしかに。ここにあるのは決して“古臭さ”ではないんですよね。

「はいはい。そう言っていただけると、とても嬉しいんですけど」

―「ギムレットには早すぎる」を聴くと、懐かしい気持ちが呼び起こされて。

「あれはもう、完全に80年代の水曜20時・大映ドラマの主題歌みたいなイメージですよね。『ヤヌスの鏡』とか、(主題歌を歌っていた)椎名恵とかを思い出して。あの辺のドラマのオープニングで、ナレーションがあった後にいきなり“ジャジャジャン!”って始まったらピッタリだよなぁ、あの当時タイアップとれなかったかなぁとか思いながら(笑)、そういう気持ちで作るんですよ」

―それに、この曲はJUSTY-NASTYの匂いを感じたりもしてニヤリとさせられました。

「おお、もうそれは最高すぎますね。今ウチでお仕事していただいている秦野猛行さん(L'Arc~en~Ciel等のサポートを務める)は当時JUSTY-NASTYでシンセのアレンジをされていた方なので、よりああいったきらびやかさに通じるものを感じるんだと思います。秦野さんと話をしていて、“これ、(JUSTY-NASTYの)「ムーンダストに抱かれて」みたいな感じのシンセとかいいですよね?”とか言うと、“こんな感じ?”“それーっ!”みたいになって(笑)。ウチらのなかで誰よりも当時の現場の空気を知ってるわけですから、そういう人と仕事をするのってスリリングですよね」

―そうでしたか!

「こうして欲しいっていう漠然としたイメージだけで、その通りに仕上げてくれるので非常に感謝してます。「ギムレット~」に関しても、“大映ドラマでお願いします!”って言ったら、それでOKなんですよね。「今夜はANGEL」(『ヤヌスの鏡』主題歌)で、もしくは「フラッシュダンス」(『スチュワーデス物語』主題歌)でお願いします、とか。で、メールでデータが来て“椎名恵で大映ドラマでフラッシュダンスに仕立ててあります”って書いてあるんです(笑)。当時の音色でやってもらっているので、余計に懐かしさは出る。でも、アレンジは今風っていう不思議なものになってるんです。あと、BOØWYやPERSONZとかのような、いわゆるこういう“ザ・8ビート”“ザ・ビートロック”をやるバンドって最近少ないですよね。僕、大好きなんですけどね」

―そういった他にはないメンバーの個性が健在のまま、久々に新作が聴けたことは何よりです。

「3年ぶりって、いくら何でも空きすぎですよね(笑)。ただ、いつでも“飽きさせない努力”といったところだけは考えてます。お客さんがいる以上、楽しませることが仕事じゃないですか。想像を絶対に裏切ってやる!みたいな。こうしてやる、ああしてやる……俺なしじゃいられなくしてやる!っていうね(笑)」

■リリース情報

狂信盤

良心盤

12

3月11日発売

狂信盤(初回限定盤)(CD+DVD):COZP-1021〜1022 \4,000(税抜)

良心盤(通常盤)(CDのみ):COCP-39034 \3,000(税抜)

【CD収録曲】曲名1. わるいやつら 2. 脳核テロル 3. 颯爽たる未来圏 4. セックスと嘘 5. トゥナイトゥナイ ヤヤヤ 6. ギムレットには早すぎる 7. とある仮想と 8. 紅麗死異愛羅武勇 9. バンバンバン 10. フィラメント 11. あの人はもう来ない 12. さよならだけが人生さ 

【DVD収録内容】「初回特典のために半ば強制的に制作しなくてはいけなくなった割に沢山の協力者によって大分面白くなったと思われるノープランDVD」メンバー×ゲストドラマー対談、メンバーインタビュー、ジャケット撮影メイキングなどを収録

◆ ツアー情報

「セックスと嘘とライヴハウス」

2015/5/8 (金)赤坂 BLITZ
open 18:00 start 19:00【問】DISC GARAGE / 050-5533-0888

2015/5/19(火)梅田 AKASO
open 18:30 start 19:00 【問】キョードーインフォメーション / 06-7732-8888

2015/5/21(木)福岡 DRUM Be-1
open 18:30 start 19:00【問】キョードー西日本 / 092-714-0159

2015/5/22(金)岡山 IMAGE
open 18:30 start 19:00【問】夢番地岡山 / 086-231-3531

2015/6/3 (水)仙台 darwin
open 18:30 start 19:00【問】キョードー東北 / 022-217-7788

2015/6/5 (金)高崎 FLEEZ
open 18:30 start 19:00【問】DISK GARAGE / 050-5533-0888

2015/6/14(日)名古屋 BOTTOM LINE
open 16:30 start 17:00【問】サンデーフォークプロモーション / 052-320-9100

2015/6/21(日)札幌ペニーレーン
open 16:30 start 17:00【問】WESS / 011-614-9999

( 席種/料金)オールスタンディング 前売¥6,300/ 当日¥6,300 ( 税込 / ドリンク代別)
チケット一般発売日】2015 年 4 月 4 日(土)全国一斉発売
【主催】密室ノイローゼ 【企画】ラヴ・クラフト 【制作】Zepp ライブ

cali≠gari オフィシャルサイト

日本コロムビアcali≠gari オフィシャルサイト

インタビュー<後編>はコチラ

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