『明烏 あけがらす』主演・菅田将暉インタビュー「ムロさん、佐藤二朗さんを笑わせたい」

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「史上最年少ライダー」として抜擢された菅田将暉

「史上最年少ライダー」として抜擢された菅田将暉

若手実力派俳優の菅田将暉。

2009年のテレビドラマ『仮面ライダーW』(テレビ朝日系)で史上最年少ライダーとして抜擢されて以来、2013年には映画『共喰い』で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、昨年はNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』や映画『そこのみにて光輝く』『闇金ウシジマくん Part2』『海月姫』などの話題作に出演し、いずれの役でも高い評価を獲得している。

そんな彼の最新主演映画が『明烏 あけがらす』だ。本作はドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズなどで知られる福田雄一が監督・脚本を手掛けたワンシチュエーションコメディー。菅田は、12時間以内に1000万円の借金返済を迫られたホストのナオキを演じる。同僚ホストには城田優、借金取りのチンピラには新井浩文、そして“福田組の風神雷神”こと、ムロツヨシと佐藤二朗が脇を固める。

そこで、T-SITEでは菅田に単独インタビューを敢行し、役作りの方法や福田組の現場の雰囲気、そして最近ハマっている芸人や漫画などを直撃した。

「ホストについて何もリサーチしない主人公。だから役作りの準備はしなかった」

─もともと福田監督作品のファンだったそうですが、出演オファーがきて二つ返事で引き受けたのでしょうか?

福田作品は舞台も見るようにしているという菅田

福田作品は舞台も見るようにしているという菅田

菅田:福田雄一作品は笑えるところが好きで、舞台もできるだけ見るようにしています。いざ出演することになって、うれしさはめちゃくちゃあったのですが、如何せん、福田さんのファンなのでその土俵に立っていいのか悩みました。


─台本を初読みした時の感想は?

菅田:素晴らしく面白かったです。自分の好きな福田監督の世界観とともに、僕がやるならという役をきちんと用意してくださったので本当に涙が出るくらいうれしかったです。毎日、台本20ページくらいを約1週間で撮影しました。


─初めてのホスト役でしたが、役作りはどうしましたか?

菅田:準備は何もしていません。ナオキは指名ゼロの最下位ホストですし、ホストっぽくもないし。たぶん本人の中で、「モテるから」「お金がほしいから」という軽い気持ちでホストの世界に入ったんだと思います。

そのくせ「ホストとして死なせてくれ」とか言うウザさですよね。全然本気じゃないじゃないかと(笑)。ナオキのイメージですけど、ホストについて何もリサーチしてないところもリアルかなと思って、前もって準備しなかったですね。


─これまでの作品を拝見して、菅田さんはストイックに役作りをしているイメージがありました。

菅田:そんなことはないです。役を私生活に引きずったりもしていないと思います。母親に会うと「あなた今そんな役をしているんだね」って言われて、顔つきとかでなんとなく察することがあるらしく。自然と演じている役が出ている部分はあるにしろ、普段、感情的に揺さぶられることはないです。肉体的にはその作品をやっている間は繋げてはいますが。いつも作品毎にできる限りのことをやろうと思っています。

不安を取り除くための「アフロ」


─アフロヘアーは最初から決まっていたのですか?

福田監督から「アフロ」を持ちかけられた (c)2015「明烏」製作委員会

福田監督から持ちかけられたというアフロヘアー (c)2015「明烏」製作委員会

菅田:福田さんがまず開口一番「アフロがいいと思うんだけど」という相談を持ちかけてくれて、「やったー!」ということでアフロに決まりました。

アフロがうれしかったのは色んな理由があるんですけど。一つは単純にアフロが好きでやりたかったこと。ファッションとしてアフロに憧れがあったんですよね。もう一つは福田組っていう、お笑いが大事な要素になっている作品をやらせてもらうにあたって、普段の自分だけでは不安なので、仮面が欲しかったんです。だから、そのアイテムとしてアフロがあることですごく居やすかったです。いつか地毛でもアフロをやりたいです!


─ナオキは周りに振り回されて、追い込まれていく役でしたが、演じていて苦労した点は?

ムロツヨシに笑わされたという菅田

撮影は「全部きつかったけど、全部楽しかった」(菅田)

菅田:全部きつかったです。でも全部楽しかったです。一番の心残りは先輩の芝居で笑ってしまったことです。基本的にムロさん、二朗さんが出ているシーンはほとんどですが。

例えば、店長役のムロさんが(漫画『ワンピース』の)ルフィーのモノマネをやるシーンで、あれはト書きにはほとんど書いてなくて。ただ「店長がかっこいいルフィーに見えてきた」という城田さんのセリフが書いてあるだけで、どうやってやるんだろうと思っていたら、こうやって(腕を横に出す)ました。あれがムロさんの中のルフィーのイメージらしいです(笑)。

─ムロさん、佐藤さんはいきなり本番でアドリブをぶつけてくるんですか?

菅田:いや、リハーサルからやっています。だから見慣れているはずなんですけど、本番は空気が全然違うので、つい笑ってしまいます。これを笑わなかったら、たぶん先輩たちの一番最初のギアの入ったところを観客の皆さんにお見せできたのになと思うと申し訳ないですね。本当に面白いんですよ!

─二人に触発されて、菅田さんもアドリブを入れたシーンはありますか?

菅田:特にありません。アドリブはムロさんと二朗さんと福田さんとの信頼関係があってこそやれることなので。僕は基本的に全部台本通りです。自分の役を成立させるのに必死でした。でも一つだけ、城田さんをビンタするシーンは衝動的にやってしまいましたが(笑)。

─福田組から学んだことは?

菅田:めちゃくちゃあります。そんなことを言うと福田監督に「そんなこと学ばなくていいよ」と言われそうですが。入り込む力ですかね。集中力というか。あとは、周りなんて関係ないっていうぐらいの自分のキャラクターやお芝居を真っ直ぐやっていく勇気とか。ハートの強さを学びました。この映画は2回観ると、周りの皆の茶番劇が生きてくるので、ぜひ2回観てほしいですね!

ダウンタウン「共演したら失神するかも」

─お笑いや漫画がお好きということですが、最近、芸人さんで気になる方や共演してみたい方はいますか?

菅田:僕の最後の砦は、ダウンタウンさんと思っているのですが、もしも共演したら、失神するかもしれないので置いておいて。まだ共演していない方で今ぱっと浮かんだのは、バカリズムさんと野性爆弾さんです。いつかどんな形でもいいので一緒に仕事ができたらうれしいですね。

─でも、もしかすると松本人志監督作に出演するという機会があるかもしれないですよね?

菅田:それも頭をよぎることはあるんですが、そんなことはできないですね。やりたいか、やりたくないかというと、やりたくなくて。自分が松本監督作品を邪魔してはいけないと思ってしまうので。一作品でも多く、自分は客として観たいという気持ちのほうが勝っています。

『このSを、見よ! クピドの悪戯』を実写化したい

─最近、ハマっている漫画や実写化したら出演してみたい漫画はありますか?

菅田が実写化したい『このSを、見よ! クピドの悪戯 』

菅田が実写化したい『このSを、見よ! クピドの悪戯』

菅田:たくさんあるんですが…このSを、見よ! クピドの悪戯(小学館)という漫画があって、あれは素晴らしいですね。主人公の男の子のお尻にアザがあって、そのアザを見ると異性が発情してしまうんですが、人間の欲望を逆手にとった物語で、これが泣けるんですよ。もしも実写化するならばやりたいですが、ちゃんと濡れ場もやらないといけないから。どこまで映像化できるのかですよね。全裸で画面に立っていいのならやりたいですが、今の日本じゃ厳しいかもしれません。

─2月に22歳になられましたが、デビューした10代の頃と比べて、仕事や人生について考え方は変化しましたか?

菅田:なんかもっと変わらないものかなと思っていたんですけど、色々違いますね。やりたいことをやりたいけど、そのやりたいことがなかなか見つからないから大変で、見つかったとしても社会人として生きていく中でなかなかできないっていう大変さがあって。

そんな中、僕は運良く16歳の時にこの世界入ることができて、もともと好きだった物作りができる職業に就けた。デビューして感じるようになったんですが、悩めること、人と繋がれること、自分が作ったものを評価してもらえる場があることがただただうれしくて仕方ない。そこに生きがいを感じます。

─本作以降も出演作が続きますが、今後の目標や挑戦したい役はありますか?

菅田:いつになるかわからないですけど、ムロさんや二朗さんを笑わせたいですね。笑わすどうこうに執着しても仕方ないんですけど、クオリティの問題で、今回共演してみて一役者として敵わないと思ったので。それは悔しいから、今は寝る間も惜しんで作品数を重ねて、いろいろな方と仕事をしたいです。

(取材・文:クニカタマキ スタイリスト:伊藤省吾)

『明烏 あけがらす』
5月16日(土)全国ロードショー
監督・脚本/福田雄一
出演/菅田将暉、城田優、若葉竜也、吉岡里帆、柿澤勇人、松下優也、新井浩文、ムロツヨシ、佐藤二朗
配給/ショウゲート
akegarasu-movie.com
(C)2015「明烏」製作委員会


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